忘れられた世界の狭間
3,償い
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匿名ユーザー
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無音の世界… 思い出したくない記憶… 壊れた世界…
あの時、僕の世界は壊れた。
幼いころ、人を諦めた時に…
火事で燃えた家の跡で見上げた夜空…
僕をあざ笑う様に見下ろす月…
……ああ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ・・・
うあ!!!!!!
「うあーーーー!!!」
蒼樹は、自分の声で眼が覚めた。
蒼樹は、自分の声で眼が覚めた。
毎日の様に見た夢
僕の永遠の罪の拘束の証
死神にも見放された体
今一度それをかみ締め、自分の今の状況を確認した。
見慣れない和式の部屋
障子から部屋に降り注ぐ月の光
何時ものアパートとは違っている。
「・・・・つーか・・・何所だよ・・・ここ」
学校をさぼって、雨の日に街を歩いていて何時もの様な魔力衝動が起こり、眩暈と苦しみで倒れたのは覚えているが、あとは意識が途切れて覚えていない。
しばらく辺りを見回していたが、ふと、影の横の襖から気配がした。
「誰かいるのか?」
襖から気配しかしない
「助けてくれたなら、ありがとう…」
襖から気配が消えた。
襖の気配が消えて、少し時間がたって縁側があるのだろう、障子の向こうからいくつもの足音が聞こえて来た。
そして障子が開かれた。
「・・・・・」
開かれた障子のところに、いたのは自分と同じくらいの少女と中年の男、そして和服姿の女性だった。
「気分はどうですか?」
和服の女が蒼樹に聞いた。
「良くなりました。ありがとうございました」
蒼樹は和服の女に頭を下げた。
「起きてすぐですが、お一つお聞きになってよろしいでしょうか?」
蒼樹は尋常でない雰囲気で背筋が冷たくなった。
「ああ、聞いてかまわない」
和服の女は、隣の少女と男と顔を見合わせて頷くと再び蒼樹の方を向いた。
「あなたは何者ですか?」
蒼樹は今度こそ背筋がぞっとした。