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**ヘンリー婿なSS 主人公名はリュカで。トンヌラはちょっとwwww ...... 柔らかく暖かな光が、石像を包んでいく。 暗く沈んだ大神殿はその光に照らされて、とても神秘的な雰囲気がした。 やがて光が止んだかと思えば、その中からは石像ではなく人が現れる。 「ん…?ここは何処だ…そうだ、リュカ!!」 「…ッおとうさぁぁぁん!!!!」 「うぉわっ!?待て、誰がお前の……」 ハッとした表情で彼は顔を上げた。彼の目線の先には、長い黒髪を一つに束ねた美しい女性。 「ヘンリー…」 「リュ…カ……」 グランバニアの王子レックスが飛び付いたその人こそ、今まで行方不明とされていた人物。グランバニア王ヘンリーであったのだった。 今まで行方不明だった王が帰って来た! グランバニアは沸き返り、その日は夜遅くまで宴会が続いていた。 やがて宴は静まり、ようやく帰還した王と王妃は二人で寝室へと向かった。それすら約8年ぶりの事である。 「…とすると、俺は8年以上も石になってた訳か」 ヘンリーは苦笑いを浮かべて、自分とリュカとを見比べた。お互い余り変わった所は無い。 しいて言うならば、先に石化の解けたリュカはより女らしく、美しく成長していた。衰えた所などどこがあろうか。 「うん。私の方が1年ちょっと早く石化が解けたからね…ヘンリーは約9年だけど」 「まだ俺の方が年上でいられて良かったぜ。子分に負けたなんて情け無さ過ぎるからな」 「もう子分じゃないよ、奥さんだよ」 「そっか」 ふざけている様なその口調はかつてのままで。リュカは懐かしさから涙を目に溜めていた。 ヘンリーはそっと肩を抱くと、ぎゅっとそのまま後ろから抱き締めた。長い髪に顔を埋める。懐かしい甘い匂いが鼻を擽った。 「10年より短くて良かった」 「何が?」 「離れてた年月の方が長くなるのは御免だからな」 10年。 それは二人が共に奴隷として過ごした年月である。そんな時間でも、二人にとっては欠け甲斐の無い大切な物だった。 いつしか、共に居た時間より離れていた時間の方が長くなるのは我慢ならない事になっていた。 リュカはヘンリーの手に自分のそれを重ね合わせると、目を閉じて溢れそうな気持ちを落ち着けた。 そして、震え混じりの声で言う。 「嬉しかった」 「…ん?」 「石化が解けて、ヘンリーが初めて言った言葉が私の名前で嬉しかった。私の事を考えててくれて…嬉しかったの」 ぎゅ、と手を握り締める。 二人には、この手にリングを通したあの日が昨日の事の様に思えた。 「…子供達もすっかり大きくなったんだな」 「そうだね。サンチョ様々かな」 「…」 ぐ、とリュカの体制が逆転した。そのまま彼女の体は柔らかなベッドに倒され、視界には天井と夫の姿だけが入る。 「リュカ」 二人の唇が重なった。 リュカは最初は驚いていたが、すぐに自分の手をヘンリーの首に絡めると強く彼を引き寄せた。 触れるだけのキスの後、ヘンリーは少年時代の面影を色濃く残す意地悪な笑みを浮かべた。 悪企みをしてる時はいつもこうなんだよな、とリュカは思った。 「自分の手でちゃんと子供を育ててみたい、って思わないか?」 「それ、って」 「レックスとタバサに妹か弟を作りたい」 「……ちょっ、ヘン」 「親分の決定には逆らえないんだよ」 押し倒したままリュカの髪紐をほどく。流れるような黒髪がベッドに広がる。 胸を押して抵抗する手をとり甲に口付けて、ヘンリーは勝ち誇った笑顔を浮かべた。 「何か言いたい事でも?」 リュカは真っ赤な顔をして目を背けた。口は固く閉ざしたままだ。 「寂しかった」 「あぁ」 「…大好き」 「俺は愛してるけど」 「じゃあ私も愛してる」 「何だよソレ」 「うるさい」 リュカは軽く体を起こして自分からヘンリーに口付けた。 それから柔らかく笑う。 「私、今幸せだよ」 その表情と声が何より愛しい、と思った。 二人の影が重なった。 ........ 続き誰かヨロ。

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