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**[[228]]の続き 「………」 さっきまで甘い時間を過ごしていた筈の二人の表情が険しくなった。 殺気とは違う人の気配を感じとったからだ。 以前引き離された時も、宴の後のまどろみが引き起こした悲劇だった。 あの時の様な事にしてたまるものかとばかりにヘンリーは扉を睨み付け、背にリュカを隠す。 リュカは乱れかけた服を手早く直し、杖を握った。 「誰だ!」 ヘンリーの声が扉に向けて放たれる。 少し間が空いて、言葉が返って来た。 「「~~~…おとーさん、おかーさん…」」 「…へ」 ヘンリーの肩の力が抜けた。リュカは目を見開くと、杖を置いて口を開いた。 「レックスにタバサ、どうしたの…?入っておいで」 ガチャリと扉が開く。申し訳無さそうに笑うレックスと、少し不安気なタバサが顔を出し、おずおず部屋の中へ足を進めた。 不思議そうに双子を見守るヘンリーとリュカ。 「あのね、お父さんお母さん。本当は二人きりで居たいのは解ってるんだけど…」 手をもじもじとさせながら、指先だけを見つめてタバサが言う。そこからレックスが言葉を続けた。 「やっとお父さんに会えたから、…初めて会えたから……ゆっくりお話してみたいんだ。それで」 双子がお互いの目を見て小さく頷いた。それから、深く頭を下げる。 「「お願いします、今夜は一緒に寝てください!」」 レックスが薄目を開けながらチラチラと様子を伺っている。 妙に真剣な子供の言葉を聞いて、ヘンリーは思わず吹き出した。 「何だよお前ら…俺は『可愛い子供達のお願いを断る様な酷い奴』だって母さんに教えられたのか?」 「「えっ」」 笑いながらヘンリーは二人に近付き、ぽんと同時に頭を撫でた。 双子が同じタイミングで顔を上げて、同じ様にヘンリーを見上げる。 「今晩はお預けだな」 「はいはい」 「残念?」 「ばか」 「「……?」」 両親の会話の意味を理解出来ない双子は、目を見開いて母と父とを見比べる。 その様子に苦笑いしながら、ヘンリーは二人の手をとりリュカのもとへと連れて行く。 優しげなその情景に、リュカの胸が一杯になった。 父の姿をそこに見た気がした。 「おいで」 堪らなくなってリュカは腕を広げる。レックスが勢い良くその胸に飛び込み、タバサが一瞬遅れてそれに続いた。 ヘンリーが二人ごとリュカを抱く。レックスが幸せそうに目を細めた。タバサはおずおずとヘンリーに擦り寄る。 「あと少しだから…頑張ろうね」 「うん。早くお祖母ちゃんを助けてあげよう」 「私も頑張ります!」 「あぁ。マーサさんにお前達を抱かせてやらないとな」 やっと巡り会えた親子はしばらく抱き合ったまま時を過ごした。 やがて先に眠りに落ちた子供達をベッドに横たえ、二人を挟んでリュカとヘンリーが向かいあう。 「魔界へ行くんだな」 「うん。やっとお母さんを助けれるかもしれないんだもん…お父さんとの約束、18年かけてやっと守れるんだよ」 「…あぁ」 レックスとタバサの頭を撫でながら、ヘンリーは小さく決意の火を燃やした。 絶対にリュカを、子供達を守り抜いてみせると。 夜は静かに更けていく。 子供達を腕に抱きながら、二人は眠りについた。 ...... エロは無理だったorz

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