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[[尾本先生見出しへ>http://www8.atwiki.jp/gaisho/pages/16.html]]   [[次→>http://www8.atwiki.jp/gaisho/pages/18.html]] 1.1音波の伝播 音に関する説明を与えている本はたくさんある。 主に学部生にとって、特に役に立つ基本的な書物はHall、Kinsler、Dowling、Ffowcs-Williamsの本である。 さらに発展した記述がされているのは、例えば(省略)によって書かれたものである。 この章で扱う内容は、後の章に述べる多くの働きの基礎を成す音の基本的な法則を簡潔にまとめたものである。 この本では私たちは可聴周波数大域における均質な媒質の、小振幅音場の能動制御の記述のみに制限する。 現実的には、今日におけるほとんどの能動制御の実行は空気を音が伝播する媒質として扱っているが、しかし多くの実験は水の中で行われている。 これを念頭において、この序章は書かれている。 ここで述べる論述は決して広範囲なものではないし、上に述べた多くの書物に比べて比較的表面的なものである。 ここではわれわれは音波の伝播を含む物理的な課程を簡潔に述べ、そして後の章で役に立つような簡単な考えをいくつか紹介しよう。 音波の伝播の過程の物理的性質は図1.1のように描かれる。 これは半無限長をもち、スライドするピストンが一端に付けられた菅に囲まれた流体が描かれている。 我々はピストンが動き始めたとき流体に何が起こるかを正確に述べよう。 ピストンは静止状態から一定の速度uで動くと仮定する。(有限の速度は即座には達しないので、ピストンは‘ばり速く’速度uに到達するということ) もし管の中の流体が圧縮可能であれば、ピストンのすぐ前にある流体は圧縮され、その圧力は増す。 流体の圧縮可能な性質というのは音波の伝播において重要な決まりごとである。 例えばもし、管の中の流体が圧縮不可能で、その形を全く変えないならば、管の端の右手側の流体はピストンと一緒に動くだけである。 しかし、もし流体が圧縮可能で慣性を持つならば、ピストンの運動が管の端の右手側にある流体に伝えられるのには有限の時間がかかる。 この運動が伝えられる速さは音速と呼ばれる。 20度の空気中では音速は343m/sくらいである。 だから、もし管の長さが100mだとしたら、ピストンの運動による流体の運動が管の端から端まで伝えられるのには約3分の1秒くらいかかる。 水中での音速はもっと早い。 音速は周囲の流体の温度に依存し、海水の場合その塩分にも依存するが、約1500m/sくらいである。 関連する物理的過程は図1.1に書かれており、ピストンが動き始めてから管の中の流体に何が起こっているかを見るために、音波の伝播が‘スローモーションで’描かれている。 まずピストンのすぐ前の流体は圧縮される。 圧力の増加が管の次のセクションに同様に伝えられる。 圧力が同じ面が音波の進行方向に垂直に形作られる音波の伝播は平面波として知られる。 そして圧縮は管の中を伝わっていく。 周りの圧力よりも圧力を増加させる、伝播の進行の端は音速であるCoという速さで伝播していく。 圧縮が管をどんどんと伝わっていくとき、流体はピストンが動いた速度であるuに達する。 もし今ピストンが急に静止状態になったとしたら、ピストンのすぐ前の流体もまた即座に静止状態となる。しかし、圧縮はCoという速度で伝わり続け、そしてその圧縮が管の中を伝わっていくとき、その流体自体は速度uを含みながら伝わる。 これは微少部分の流体を圧縮が伝わるときの、圧縮が伝わる速度Coと、流体が達する速度uの間の重要な特徴を記述するものである。 後者は音波の伝播から生じる粒子速度として知られている。 我々が後に分かるように、粒子速度は通常音速よりもはるかに小さい値をもつ。 固体の表面の運動が、音の放射にとって大きくかかわっていることは普通であるが、乱れた(音波の)流れもまたある過程を通して音を生み出すということは、今日まだ十分に理解されていない。 実際、音の放射を生み出す表面は、しばしば素早く動き、通常つりあいの位置あたりでぐらぐらと揺れている。 通常音波の学習の中で使われる、一つの特徴的な表面振動の形は、図1.2にあるピストンの様な正弦的な変位を持つものである。 ピストン運動の一サイクルはTという時間で置き換えられる。 t=0において、ピストンはつりあいの位置にあるが、前方に向かう最大の速度で動いている。 だから、我々が後に分かるように、この場合流体における音圧の増加はピストンの速度に直接比例し、この前の速度は同等の圧力を生み出す。 ピストンは前に動き続け、そしてゆっくりになり、その前での圧力の増加はだんだんと小さくなっていく。 しかし一方、圧力の初期増加は管の中の流体を音速で伝わっていく。 そして、一度ピストンがその最大前方変位まで達したら(t=T/4)、圧力の連続的な分布がピストンの前の流体内に生じる。 ピストンが後方に動くとき、ピストンはスピードを上げ、徐々に流体を希薄化させ、ピストンのすぐ前の流体の圧力を下げる。 t=T/2(半周期後)、ピストンはそのつりあいの位置に戻り、後方への最大速度で動いている。ピストンがすぐ前の流体に最大の希薄化を生じさせるのはこの時間においてである。 この過程のすべての時間内で、生じた変動はピストンの表面から遠くへ音速にて伝播される。 完全なる一周期の後(t=T)、連続的な空間的な音圧分布が管の中に生じる。それは時間内におけるピストンの速度のパターンを繰り返している。 一周期における音の伝播する距離はCoTで与えられ、この距離は1波長λという。 その運動の周波数はf=1/Tでおかれるので、周波数と波長の関係はCo=fλとなる。 私たちが興味のある周波数は、通常人間の耳に聞こえる範囲の音の周波数である。 この周波数帯は20Hz~20kHzである。 これは空気中ではおよそ17mから17mmの波長の範囲に相当する。(水中では75mから75mm) 承知のとおり、低周波数では波長は大きな物理的尺度をもち、この低周波数では音の能動制御の実際の実行に用いられる。
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