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境界性人格障害(境界例)

Borderline Personality Disorder

概要

境界性人格障害は、アメリカ精神医学会診断基準第3DSM-Ⅲで初めて定義され、最新版であるDSM-Ⅳに引き継がれている。WHOによる国際疾病分類第10ICD-10では不安定性人格障害の下位分類として、衝動性人格障害と同列に分類されている。

有病率12%、そのうち10%が自殺、75%が自殺企図の経験がある。診断から12年が危険と言われている。境界例の75%は女性である。

主な症状として、対人関係・自己像・感情の不安定さ、予期せぬ恣意的な衝動性(リストカット、自殺未遂、大量服薬、暴力など)が見られる。また、見捨てられ不安が強く、異常なまでに見捨てられることを避けようとする傾向がある。別の文献によると、対人操作、スプリッティング(分裂)、行動化、抑うつが基本症状とされている。

→付録1の診断基準参照

境界例の一部は幻覚妄想状態、あるいは高度に情緒が不安定になったために、精神科への比較的短期間の入院が必要になる重症の事例もある。しかし、多くの場合、入院治療は必要なく、医療機関の外来または薬物投与のない心理相談機関で、心理療法を用いた援助が可能である。

境界例の特徴

「自分が何とかしなくてはいけない」という印象を受けることが多く、気づかないうちに境界例の人の世界に巻き込まれてしまう。境界例の人は依存欲求が高く、際限がないため、周りの人が疲れてしまうことが多いといわれている。周りが困って、病院などに連れて行かれることがほとんどである。

また、良いものと悪いものを分けて考えているため、良いものとされた人が自分の欲求を満たしてくれないと思うと、100%悪いものとして捉える傾向がある。この傾向は分裂、理想化、脱価値化(価値下げ)という防衛機制で説明されている。これらについては「カーンバーグの境界性人格構造」で説明する。

理論

カーンバーグの境界性人格構造

境界性人格構造は、同一性の障害を持つこと、現実検討能力が保たれていること、分裂を主な防衛機制としていることが特徴である。分裂とは、正反対の自我状態を関係付けることなく離しておこうとする心理機制のことで、境界例の中心的な防衛機制と考えられている。

カーンバーグは境界性人格構造について、①投影性同一視、②プリミティブな理想化、③否認、④万能感と脱価値化(価値下げ)を特徴として挙げている。

①投影性同一視

自己と内的対象が、悪い、攻撃的な側面の全くない純粋に良い存在として認知しようとして、悪い、攻撃的な側面をすべて外界に投影してしまう。

②プリミティブな理想化

対象の良い側面が悪い側面によって汚染・破壊されてしまうという被害的不安を防衛するために、対象を非現実的に理想化して認知する。

③否認

あるひとつの情緒的状態のときに、別の情緒的状態のときの体験を知的には認知しながらも、その際の情緒を否定してしまう。

④万能感と脱価値化

理想化した対象と同一化すると、誇大的・万能的な自己イメージを持つようになる。自己と対象が十分に分化した発達水準でないために、理想化した対象に対して自己とは別個の独立した存在として思いやり・愛情を持つことができない。そのため、対象によって欲求不満が与えられると、すぐその理想化は非現実的な過小評価に変わり、対象をこき下ろすことになる(脱価値化)。

カーンバーグは、相反する性質を取り入れ・同一化することで統合することは攻撃性を中和する重要な条件になると述べている。そのため、分裂が強く働いている病的状況では、攻撃性の中和が起こらず、自我発達のためのエネルギーがなくなり、分裂は自我脆弱性の基本要因となる。分裂は抑圧に比べ、エネルギーが少なくてすむため、弱い自我は容易に分裂機制に頼ることになり、悪循環が形成される。

マーラーによる発達理論

境界例は、乳幼児期の分離固体化過程が阻害された結果であり、それが固定化・構造化されて、第二の分離固体化期である思春期に顕在化するとマーラーは主張している。

分離固体化期は生後4,5ヶ月~36ヶ月といわれている。ほぼ生後36ヶ月ごろには、子供は母親のイメージから分離したものとしての自己のイメージを持つようになり、個としての同一性の感覚を獲得するとされている。

分離固体化期に子供は母親から離れて自分で新しい経験を広げていく。そして、子供は新しい経験をしたあと母親の元に戻り、母親と新発見の喜びを分かち合おうとする。それと同時に、子供は自立に伴い、対象を喪失するかもしれないという恐怖も体験していて、分離に関して両価的傾向も示し、母親に愛情の保証を求める行動が観察される。こうした行動は再接近と呼ばれる。このように分離固体化期はきわめて重要で複雑な発達段階である。

健康な母子関係では、母親はこの子供の独立的な変化を喜びを持って受け入れるが、何らかの理由で母親がそのことに失敗すると、子供は自立を親の愛情喪失と結び付けてしまい、母親を追い回して離れようとしなかったり、母親が追いかけてくれることを期待して無鉄砲に飛び出して行ったりする。このような子供の場合、親の愛情を喪失すること(見捨てられ体験)の恐れが勝ってしまい、親の承認・不承認に敏感となり、きわめて傷つきやすい状態になる。

マスターソンによる境界例治療論

マスターソンは、境界例を分離固体化期での成長の停止と捉え、養育する側(母親)について強調している。マスターソンによると、境界例の子供の母親自身が境界例であり、母親は自らの分離不安を防衛するために、子供が退行行動を通して自分の投影に共鳴することを必要としているとされている。

母親は子供が固体化していくと、自らが分離不安にさらされるために子供へのリビドーの供給を撤去する。そのために、子供は見捨てられ抑うつを生じ、自我発達が停止する。

さらに、母親の影響だけではなく、母子平衡関係のうち一方あるいは双方が寄与していることも指摘している。つまり、子供の生まれつきの要素と養育である。生まれつきの要素の例としては、子供の微細脳損傷、発達上の遅滞や不調和があげられる。養育に関しては、精神病を含め、境界例の子供以上に重大な障害を母親が持つ場合もある。また、発達早期の重要な時期に、母親が病気であったり、不在であったり、抑うつや空虚感に支配されることが病因になる可能性もある。

また、マスターソンは分離固体化の再接近期の正常な発達変化や、移動能力と言葉の習得に伴う固体化の高まりが境界例の子供にとっては独特の脆弱性となることを強調している。この部分はマーラーを同じような主張であると考えられる。

再接近期…生後1424ヶ月ごろ

母子が別個の固体であると気づいた上で、相互関係を求めて近づき、母親を一個の依存対象として承認を求める時期。この時期、分離不安が高まり、自分の新たな能力や体験を共有したいと望むようになる。

両価的傾向が見られ、母親を押しのけたいという思いと、しがみつきたいという思いが同時に存在している。また、それ以前に持っていた共生的万能感を断念する必要がある時期でもある。それに失敗すると、対象を極端に支配、あるいは無力となって支配下に入るようになる。

治療法と対処法

治療に関しては必ず専門家に任せる必要がある。境界例の治療は難しく、中途半端な知識や技術で行なえるものではない。同様に、他の神経症、人格障害、精神病なども素人では治せないものだと考えるべきだと思われる。

境界例の人と接する場合、親身になりすぎると巻き込まれてしまう可能性があるので、距離を取ることが重要である。距離を取りすぎると、境界例の人の見捨てられ不安を誘発してしまうこともあるので注意が必要である。

治療に際して、ボーダーラインシフトというガイドラインが作成されているようである(付録2)。これは境界例の患者に対して治療スタッフがどのように接するべきかをまとめたものであるが、治療スタッフ以外の患者の周りの人にも有効であると思われる。

参考文献

Edward E. Smith, Susan Nolen-Hoeksema, Barbara L. Fredrickson, Geoffrey R. Loftus 2002 Atkinson and Hilgard's Introduction to Psychology 14th edition Wadsworth/Thomson Learning

J. F. Masterson 1981 The Narcissistic and Borderline Disorder An Integrated Developmental Approach Brunner/Mazel, INC. 富山幸祐・尾崎新(訳) 1990 自己愛と境界例 発達理論に基づく統合的アプローチ 星和書店

河合隼雄・成田善弘(編) 1998 境界例 日本評論社

織田尚生(編) 2005 ボーダーラインの人々―多様化する心の病― ゆまに書房

参考サイト

精神科医を訴える http://members.aol.com/Hikatana/

境界例と自己愛の障害からの回復 http://homepage1.nifty.com/eggs/

付録1:アメリカ精神医学会診断基準第4DSM-Ⅳによる診断基準

以下のうち、5つ以上で示される。

1.    現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気違いじみた努力。ただし、基準5で取り上げられる自殺行為または自傷行為は含めないこと。

2.    理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。

3.    同一性障害:著名で持続的な不安定な自己像や自己観。

4.    自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの。(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)

5.    自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し。

6.    顕著な気分反応性による感情不安定性。(例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)

7.    慢性的な空虚感。

8.    不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難。(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)

9.    一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状。

付録2:ボーダーラインシフト(1991

1.   何かしてあげてはならない。

2.   医師の指示以外のことを行なってはならない。

3.   話を聞いてあげてもよいが、患者に入れあげない。

4.   他のスタッフに対する批判を真に受けない。患者の話を真に受けない。自分に対する陰性感情は「症状」のひとつと割り切ること。

5.   起こしたことの責任を患者自身に引き受けされること。

6.   大丈夫と言ってあげること。

7.   互いに情報を綿密に交換する(注:おそらくスタッフ間)。

8.   自殺企図などの深刻な行動化が起こっていても、過剰反応しない。たじろがない。

9.   患者の冗談やユーモアの才能を引き出すこと。

10. 待つこと、我慢させることが治療の力になる。