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箱庭に使える予算はたった1000万円!?(小説)」(2016/03/22 (火) 00:59:43) の最新版変更点

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箱庭諸島海戦で勝つためには手段なんて選ばない!?金なんて惜しまない!? 大富豪の子供が挑むバカで愉快な箱庭戦争記 *第一章 はじまり 「こんなの・・・こんなの・・・」 画面に広がっていたのは箱庭諸島で23島から一斉布告された自分の島だった。 ここまで小さい島から中ぐらいの島、金ない島まで幅広く襲ってきたことから考えればごく自然なことなのかもしれない。 周りの敵は23、味方はなし、残りの周りも布告してないだけの敵だらけ。この状態で勝てるやつなんて、恐らくどんなプロでもベテランでも、それこそ歴史上の偉大な戦術家がこの状態に挑戦したとしても、やはりこんな状態を挽回出来る人なんていないというレベルにはあり得なかった。 けれどこの状況にも関わらずどうしても諦めたくはなかった。 半年もかけ沢山の島を撃破した島なのだ。 少し冷静になってまだ開戦まで8ターンあると思い始めたころにはこれに対応出来ると思われるプランは決まった。 それは箱庭が始まってから誰一人思い付いてもやったことはないであろう計画だった。 そう、 金を使おう。 そうと決まれば親にお金をせびるだけだった。 幸い大金持ちの家庭に生まれていたので少しぐらいお金を貰えるだろう。そう思いつつ父親のいる部屋へ入っていった。 「お父さーん。ゲームに使いたいから1億貸して~」 いった後、もしくはいってる最中にばっかもーんとでも言わんばかりの勢いで怒られた。 「ゲームにそんな億単位の金を使うとか言うことは禁止だとこの間もいったはずだぞ!?なぜそれがわからない!」 そしてさらに続けて 「ゲームに使っていいお金は1ヶ月1000万まで、そうこの間決めただろう?1000万円貸してやるから我慢しなさい!」 さすがに1億というのは無理があったか、そう残念に思いながらも1000万円を受け取りこれからの計画を考えた。 敵は23島、こちらにあるのは自分の島と資金1000万どうすれば勝てるかそう考えつつネット画面を開いた *第二章 開戦前夜1 6月28日午前11時  布告されてから4時間が立っていた。まだ開戦まで28時間ある。 ここで整理してみた。私の島に攻めてきた奴。 まずは『くまのみハウス』という同盟のくま、レーン、アッテル、かすみ、DG 次に『ありクラブ』という同盟のアント、うみゃ、さくら、りゅう、融解魔 それと、『★一撃必殺★』という同盟の★毒竜眼★、一番鬼、不邪、蛇、無未 あと、『海域軍事協会』のモルソン、ネロ、ルーク、ネフ あとはソロの島、ドッグ、ふーちゃ、おもち、リメンの合計23島だ。多すぎて把握するだけでも正直大変な状況だった。 よし、と私はネットでこの23人にたいしてこう書きこんだ。 ◇ミッチ(自分のユーザーネームである)/いま停戦してくれるならリアルでみんなに50万円ずつ上げるからさ、停戦しよーぜ。 正直23回もこれを書き込むだけでも疲れたがこれでとりあえずこの絶望的な戦争は終わると楽観視していた。 が、書き込み終わったあとに自島のコメント欄には ◇ドッグ/wwwww ◇モルソン/おっ?くれるのか?くれるのか?^^ ◇うみゃ/お金なんかに騙されないわよっ(棒) ◇DG/そういうホラ、嫌いじゃない。 そう、よく考えてみればわかるはずのことではあるのだが全員こんなことをいった時点で嘘だと思うのは当然だった。 それならば実証してやると意気込み、なので銀行口座教えて下さい。と付け加えたら、 ◇モルソン/新手の詐欺かな? ◇アッテル/おう、教えてやんよ 114514だゾ ◇うみゃ/べ、別に教えてあげないんだからねっ!(擬似ツンデレ) ◇ドッグ/まともに取り合って貰えなくて草 という発言が押し寄せた。まだ信じて貰えないなら直接渡すしかない。そう思ってもこのだれかの住所なんて知らない。 ちくしょう。と思い画面を叩いたが、勿論そんなことで状況が変わるわけでもなかった。 しかしへこんだり苛立ったりしては行けないとハッと思い出した。 買収がダメなら新しい島を登録させればいい。そういう発想に至った。もちろんのこと、新しく作ったホヤホヤの島なんて焼け石に水どころか焼け石に水分子だが0よりはマシだった。 まずは家にいる召し使い等を集めて島を作らせた。合計7島。がこの島を使って出来ることなんて50ターン後に援助するくらいしか使えないなと思った。臨時収入99回入れることを指示した後、私は急いで外に向かった。 この時には午後1時。戦争開始まであと26時間だった。 すでに6時間。精神がフルで動いてて精神的には相当疲弊していたがそんなことにはかまけていられなかった。 外に出て出掛けた先は特定が好きな友人宅だった。どんなにネットで賄賂を渡しまくると宣言しても全く信じてもらえなかったためにリアルで会って直接渡そう。そう、考えていたのでそのために敵の個人情報は必要だった。 特定が好き。非常に悪趣味な奴だが何度も2ちゃんで特定をしている実力者であるというとこを聞いていた。 そんな噂のある友人の家を尋ねようとした。あまり仲良くはないけどそんなことは今、気にしてる暇もない。 ピーンポーン とベルを鳴らす。出ない。よく考えてみればいわゆるアポなし訪問だ。外出してる可能性もある。そう思いつつ、 ベルを連打した。 ガチャという音と共に特定が好きな友人田中あきらが怪訝そうな顔をして出てきた。 「入るぞー」 といい入ろうとしたら 「お、おい待てよ。なに?なに?」 と言う感じで困惑した顔で訪ねてきた。 お前特定好きじゃん?といいつつ家の中に進入する。 彼はあわてて続き 「え?え?だからなに?なんでいきなり入ってきてんの?」 と答えた。まだ事態を飲み込めずにいた様子だった。 腕を捕まれて進入を阻もうとしてきたのでそのつかんでる手を振り払ってさらに中まで進入した。 お前の部屋どこだ?と聞いたが相手が答える間もなくそれらしき部屋を見つけたので中に入る。 「いや、だからふざけんなよー」と言われたけれども事情など説明してる暇もない。彼の部屋の中にあったパソコンの電源をとっさに入れる。彼は混乱している。客観的に見ればただのクラスメートが突然家の中に乱入し、部屋に入りパソコンを付けた。そんな奇妙な状況だった。 「さて、」私は続けた「君に頼みたいことがあるんだ」 彼は文句を言いたさそうだったがやっと冷静になった。 私は付いたパソコンのインターネットで箱庭諸島を検索しながらこう言った。 「特定をしてほしい人がいるんだ。」 なにかと思えばそんなことか。彼はぼやいた。そして「悪いけど面倒くさいからそういうことには協力出来ないな。」と言った。 そう答えられるのを予想していたので事前に準備していたものを取り出した。 「2万」 そういってポケットの中から札を取り出した。諭吉が2枚。 「話を詳しく聞こうかな」と彼。 「このゲームの23人を特定してほしい。ツイッターとフェイスブックとかもあるからこれらで住所の特定をお願い。もし出来ればこのゲームの管理人も特定してほしい」 わかった、と承諾してくれた。犯罪には触れるなよとも言われた。なるべく多く頼むと言ったら、任せとけって俺が誰だと思ってる。と言われた。 ちょろい。たった2万でやってくれんだなさすがに笑うわという心の声をぐっと押し殺した。 多少は有利になったかもしれないが見つけてくれないと意味がない。 見つけてくれますように、と祈りながら自宅へ向かった。 *第3章 開戦前夜2 家に着いた。時刻は16時を回っていたが夏なので日はがんがんと照らしている。今日はいろいろなことがあったなと振り返る暇もなく自室にあるパソコンを開いた。 ◇ドッグ 放棄マダ-? ◇モルソン 気落ちするなって。嫌なこともあればいいこともあるよ。たぶん。きっと。もしかしたら。あ、ないかw などと家を出たときからさらにメッセージ欄が荒らされていた。 画面を叩いてもなにも起きなかった。当たり前だ。というかさっきもやった気がする。 とにかくムカついたのでとりあえず日本のレポートに追われる大学生もびっくりな勢いで文句を各プレーヤーの島ごとに書いていったあとゲーム全体の掲示板にこうかいた。 いいかお前ら俺は箱庭諸島海戦プレーヤーのミッチだ。そう、23島に攻められようとしているあの島だ。この状況が絶望的だと思ってる人もいるかも知れないが。考えが甘い。俺はこのゲーム。とりわけこの戦争、この箱庭に全てをかける。人生の全てだ。お前らが俺を攻めて後悔し、島を造り、育てたことが無駄な時間になること狙い俺は全てをかける。例え大和が海を埋めつくそうとも、例え自分の所持金が0円になろうとも俺は耐え、そしてお前ら全員を木っ端微塵にぶっ潰す。 ミッチ 2016年/06/28/16:42 外から見ればなに言ってるんだこいつ?となるような文章だが関係ない、これが私の本心であり、箱庭諸島に全てをかけるというところまで嘘偽りない本心であった。 プルルル、プルルル 書き終えた直後、いや正確に言えば書き終えて書き込むボタンを押そうとしているときだが、電話がかかってきた。 さっき訪れた特定好きの友人からだった。待ちわびていた戦果報告、もしくは無理、という報告か、どちらだろうとドキドキしながら電話に出てみたら話の内容は前者だった。話を聞いてみるとどうやら同盟『ありクラブ』のりゅうと言う人物だった。確かに特定してくれたことには感謝するが私は少しガッカリした。彼は盟主格の立場の人間ではないし、幹部になりそうな柄でもない、かといってドッグ、ネルソンと言ったアクティブユーザーでもない普通の人だったからだ。 とはいえ一人の情報を入手できたことは勝利への第一歩であると思ったからだ。 彼の情報としては神奈川県鎌倉市住み白いマンションに住んでいて苗字は杉原と言うらしい。 さすがに住所まではわからないそうだがこれは有力な情報だった。私は東京都にすんでいるため所用時間は1時間程、出来れば今日のうちに会って蹴りをつけようと思い、金庫から100万の札束を取り出して急ぎ足で出掛けて行った。 道のりは普通だった電車が遅延する事も、自分が電車の中で寝過ごすこともなく、あったことと言えば札束をいじって暇潰してた私を皆が驚きを隠せない目で見ていたことぐらいだった。
箱庭諸島海戦で勝つためには手段なんて選ばない!?金なんて惜しまない!? 大富豪の子供が挑むバカで愉快な箱庭戦争記 *第一章 はじまり 「こんなの・・・こんなの・・・」 画面に広がっていたのは箱庭諸島で23島から一斉布告された自分の島だった。 ここまで小さい島から中ぐらいの島、金ない島まで幅広く襲ってきたことから考えればごく自然なことなのかもしれない。 周りの敵は23、味方はなし、残りの周りも布告してないだけの敵だらけ。この状態で勝てるやつなんて、恐らくどんなプロでもベテランでも、それこそ歴史上の偉大な戦術家がこの状態に挑戦したとしても、やはりこんな状態を挽回出来る人なんていないというレベルにはあり得なかった。 けれどこの状況にも関わらずどうしても諦めたくはなかった。 半年もかけ沢山の島を撃破した島なのだ。 少し冷静になってまだ開戦まで8ターンあると思い始めたころにはこれに対応出来ると思われるプランは決まった。 それは箱庭が始まってから誰一人思い付いてもやったことはないであろう計画だった。 そう、 金を使おう。 そうと決まれば親にお金をせびるだけだった。 幸い大金持ちの家庭に生まれていたので少しぐらいお金を貰えるだろう。そう思いつつ父親のいる部屋へ入っていった。 「お父さーん。ゲームに使いたいから1億貸して~」 いった後、もしくはいってる最中にばっかもーんとでも言わんばかりの勢いで怒られた。 「ゲームにそんな億単位の金を使うとか言うことは禁止だとこの間もいったはずだぞ!?なぜそれがわからない!」 そしてさらに続けて 「ゲームに使っていいお金は1ヶ月1000万まで、そうこの間決めただろう?1000万円貸してやるから我慢しなさい!」 さすがに1億というのは無理があったか、そう残念に思いながらも1000万円を受け取りこれからの計画を考えた。 敵は23島、こちらにあるのは自分の島と資金1000万どうすれば勝てるかそう考えつつネット画面を開いた *第二章 開戦前夜1 6月28日午前11時  布告されてから4時間が立っていた。まだ開戦まで28時間ある。 ここで整理してみた。私の島に攻めてきた奴。 まずは『くまのみハウス』という同盟のくま、レーン、アッテル、かすみ、DG 次に『ありクラブ』という同盟のアント、うみゃ、さくら、りゅう、融解魔 それと、『★一撃必殺★』という同盟の★毒竜眼★、一番鬼、不邪、蛇、無未 あと、『海域軍事協会』のモルソン、ネロ、ルーク、ネフ あとはソロの島、ドッグ、ふーちゃ、おもち、リメンの合計23島だ。多すぎて把握するだけでも正直大変な状況だった。 よし、と私はネットでこの23人にたいしてこう書きこんだ。 ◇ミッチ(自分のユーザーネームである)/いま停戦してくれるならリアルでみんなに50万円ずつ上げるからさ、停戦しよーぜ。 正直23回もこれを書き込むだけでも疲れたがこれでとりあえずこの絶望的な戦争は終わると楽観視していた。 が、書き込み終わったあとに自島のコメント欄には ◇ドッグ/wwwww ◇モルソン/おっ?くれるのか?くれるのか?^^ ◇うみゃ/お金なんかに騙されないわよっ(棒) ◇DG/そういうホラ、嫌いじゃない。 そう、よく考えてみればわかるはずのことではあるのだが全員こんなことをいった時点で嘘だと思うのは当然だった。 それならば実証してやると意気込み、なので銀行口座教えて下さい。と付け加えたら、 ◇モルソン/新手の詐欺かな? ◇アッテル/おう、教えてやんよ 114514だゾ ◇うみゃ/べ、別に教えてあげないんだからねっ!(擬似ツンデレ) ◇ドッグ/まともに取り合って貰えなくて草 という発言が押し寄せた。まだ信じて貰えないなら直接渡すしかない。そう思ってもこのだれかの住所なんて知らない。 ちくしょう。と思い画面を叩いたが、勿論そんなことで状況が変わるわけでもなかった。 しかしへこんだり苛立ったりしては行けないとハッと思い出した。 買収がダメなら新しい島を登録させればいい。そういう発想に至った。もちろんのこと、新しく作ったホヤホヤの島なんて焼け石に水どころか焼け石に水分子だが0よりはマシだった。 まずは家にいる召し使い等を集めて島を作らせた。合計7島。がこの島を使って出来ることなんて50ターン後に援助するくらいしか使えないなと思った。臨時収入99回入れることを指示した後、私は急いで外に向かった。 この時には午後1時。戦争開始まであと26時間だった。 すでに6時間。精神がフルで動いてて精神的には相当疲弊していたがそんなことにはかまけていられなかった。 外に出て出掛けた先は特定が好きな友人宅だった。どんなにネットで賄賂を渡しまくると宣言しても全く信じてもらえなかったためにリアルで会って直接渡そう。そう、考えていたのでそのために敵の個人情報は必要だった。 特定が好き。非常に悪趣味な奴だが何度も2ちゃんで特定をしている実力者であるというとこを聞いていた。 そんな噂のある友人の家を尋ねようとした。あまり仲良くはないけどそんなことは今、気にしてる暇もない。 ピーンポーン とベルを鳴らす。出ない。よく考えてみればいわゆるアポなし訪問だ。外出してる可能性もある。そう思いつつ、 ベルを連打した。 ガチャという音と共に特定が好きな友人田中あきらが怪訝そうな顔をして出てきた。 「入るぞー」 といい入ろうとしたら 「お、おい待てよ。なに?なに?」 と言う感じで困惑した顔で訪ねてきた。 お前特定好きじゃん?といいつつ家の中に進入する。 彼はあわてて続き 「え?え?だからなに?なんでいきなり入ってきてんの?」 と答えた。まだ事態を飲み込めずにいた様子だった。 腕を捕まれて進入を阻もうとしてきたのでそのつかんでる手を振り払ってさらに中まで進入した。 お前の部屋どこだ?と聞いたが相手が答える間もなくそれらしき部屋を見つけたので中に入る。 「いや、だからふざけんなよー」と言われたけれども事情など説明してる暇もない。彼の部屋の中にあったパソコンの電源をとっさに入れる。彼は混乱している。客観的に見ればただのクラスメートが突然家の中に乱入し、部屋に入りパソコンを付けた。そんな奇妙な状況だった。 「さて、」私は続けた「君に頼みたいことがあるんだ」 彼は文句を言いたさそうだったがやっと冷静になった。 私は付いたパソコンのインターネットで箱庭諸島を検索しながらこう言った。 「特定をしてほしい人がいるんだ。」 なにかと思えばそんなことか。彼はぼやいた。そして「悪いけど面倒くさいからそういうことには協力出来ないな。」と言った。 そう答えられるのを予想していたので事前に準備していたものを取り出した。 「2万」 そういってポケットの中から札を取り出した。諭吉が2枚。 「話を詳しく聞こうかな」と彼。 「このゲームの23人を特定してほしい。ツイッターとフェイスブックとかもあるからこれらで住所の特定をお願い。もし出来ればこのゲームの管理人も特定してほしい」 わかった、と承諾してくれた。犯罪には触れるなよとも言われた。なるべく多く頼むと言ったら、任せとけって俺が誰だと思ってる。と言われた。 ちょろい。たった2万でやってくれんだなさすがに笑うわという心の声をぐっと押し殺した。 多少は有利になったかもしれないが見つけてくれないと意味がない。 見つけてくれますように、と祈りながら自宅へ向かった。 *第3章 開戦前夜2 家に着いた。時刻は16時を回っていたが夏なので日はがんがんと照らしている。今日はいろいろなことがあったなと振り返る暇もなく自室にあるパソコンを開いた。 ◇ドッグ 放棄マダ-? ◇モルソン 気落ちするなって。嫌なこともあればいいこともあるよ。たぶん。きっと。もしかしたら。あ、ないかw などと家を出たときからさらにメッセージ欄が荒らされていた。 画面を叩いてもなにも起きなかった。当たり前だ。というかさっきもやった気がする。 とにかくムカついたのでとりあえず日本のレポートに追われる大学生もびっくりな勢いで文句を各プレーヤーの島ごとに書いていったあとゲーム全体の掲示板にこうかいた。 いいかお前ら俺は箱庭諸島海戦プレーヤーのミッチだ。そう、23島に攻められようとしているあの島だ。この状況が絶望的だと思ってる人もいるかも知れないが。考えが甘い。俺はこのゲーム。とりわけこの戦争、この箱庭に全てをかける。人生の全てだ。お前らが俺を攻めて後悔し、島を造り、育てたことが無駄な時間になること狙い俺は全てをかける。例え大和が海を埋めつくそうとも、例え自分の所持金が0円になろうとも俺は耐え、そしてお前ら全員を木っ端微塵にぶっ潰す。 ミッチ 2016年/06/28/16:42 外から見ればなに言ってるんだこいつ?となるような文章だが関係ない、これが私の本心であり、箱庭諸島に全てをかけるというところまで嘘偽りない本心であった。 プルルル、プルルル 書き終えた直後、いや正確に言えば書き終えて書き込むボタンを押そうとしているときだが、電話がかかってきた。 さっき訪れた特定好きの友人からだった。待ちわびていた戦果報告、もしくは無理、という報告か、どちらだろうとドキドキしながら電話に出てみたら話の内容は前者だった。話を聞いてみるとどうやら同盟『ありクラブ』のりゅうと言う人物だった。ツイッターを見たところ個人情報を垂れ流してたらしい。 確かに特定してくれたことには感謝するが私は少しガッカリした。彼は盟主格の立場の人間ではないし、幹部になりそうな柄でもない、かといってドッグ、ネルソンと言ったアクティブユーザーでもない普通の人だったからだ。 とはいえ一人の情報を入手できたことは勝利への第一歩であると思った。 彼の情報としては神奈川県鎌倉市住み白いマンションに住んでいて苗字は杉原と言うらしい。 さすがに住所まではわからないそうだがこれは有力な情報だった。私は東京都にすんでいるため所用時間は1時間程、出来れば今日のうちに会って蹴りをつけようと思い、金庫から100万の札束を取り出して急ぎ足で出掛けて行った。 道のりは普通だった電車が遅延する事も、自分が電車の中で寝過ごすこともなく、あったことと言えば札束をいじって暇潰してた私を皆が驚きを隠せない目で見ていたことぐらいだった。 そんなこんなで私は鎌倉駅にやって来た。空は赤みがかった青色、とりあえず終電に間に合うまでにりゅうというユーザーネームの人を探さなければならなかった。 わかっていることは、マンションに住んでいること、苗字が杉原なことである張り切って一軒一軒表札を確認するが出てくる表札は加藤、鈴木、田中、加藤、渡辺、佐藤、杉、佐々木、青木、田中、佐藤 などと言ったありきたりの名前だらけであり、杉原という名前の表札は全く見つからなかった。それでもめげずに、しらみつぶしに表札を探した。 空も赤みが増して黒くなりかけてた頃ついに杉原という名前の表札を見つけた。 私はインターフォンのことさえも忘れてゴンゴンゴン、ガンガンガンとドアを叩き、金を持ってきたぞてめぇと交渉しに来たと怒声混じりの声でそういった。すると中からはジジババがおそるおそる出てきた。 「なにかぇ・・・うちはセールスはお断りだよぉ」 とふがふが声でババ 「お引き取り願います」 と冷静な声でジジ 「てめぇさんのところにいるりゅうとやらを探しに来た。箱庭諸島をやってる奴はいねぇか!」 と怒声混じりで私 「うちらは2人だからねぇ。子や孫もいやせん」 とジジ チッ使えねーなと思いつつ門を蹴って引き返した。 家を間違えたのかそれともごまかされたのか、どちらかというとあのジジババは本当のことをいっていると感じた。勿論、感がそういっているだけなのだが。ジジババが嘘をつけるはずがないと思った。そう思いつつ私はりゅう探しを続けた。 それから1時間程はたったのか。日は完全に沈み夜の明かりだけが見える。箱庭的にいえば戦争まで20時間といったところだろう。杉原という表札をまた見つけた。やはりいきなりメチャクチャやるのは印象としてよくないと思い礼儀良く装い、ガチャガチャドアを叩きたい衝動を我慢してインターフォンを押した。 はーいと出てきたのは中年女性、私は個人情報を書いちゃうりゅうという人物を中学生もしくは小学生と踏んでいたのでまた外したか、とガッカリした。しかしハッと気づく。これは・・・りゅうのお母さん!?そこで神にすがる気持ちで賭けに出てみた。 「杉原くんに返したいものがあるので呼んでもらってもいいですか?」 「渡しとくので受けとりますよ。」と中年女性 「本人に直接渡したいので少しの間いいですか?」と聞くと いいといい奥から 「りゅうーお客さんが来てるわよー」 と言った。こいつ、名前をユーザーネームにしてるのかと飽きれながらもりゅうが来るのを待つ中年女性が家に戻ったのと入れ違うようにりゅうが出てきた。 しめたっ!とっさに腕を掴む。叫ぼうとしたので叫ぶ前に口を塞ぐ。ここまで1秒物音もほぼなし。自分でもすごいと思うレベルだ。そしてスマホを取り出して箱庭諸島を見せる。 そしてりゅうの島にアクセスする。相手は動揺していた。 そんなこと私には関係ないので札束から少し取り出して 「3万」 と言って三枚の諭吉を見せる。そして続ける 「前金は3万円。これは無条件でやる。そして最後まで裏切ったり放棄したりしなければさらに7万やる。そして私が勝利したらさらに20万円やる。」 りゅうは尋ねる 「えと・・・状況がよくわからないんですけど・・・お兄さんはもしかして包囲されてるミッチさんですか¨・・?」 やけに飲み込みが速いガキだ。そうだぞと答えると 「普通ゲームの為にここまでしますか?まあお金もらえるならやってもいいですけれど。」 と言われたので 「言っただろう?ゲームの為なら命もかけるって」 と誇らしげに言うとりゅうはまだ見ていないのか顔にハテナマークを浮かべていたのでスマホで掲示板を見つけて掲示板に書いた例の文章を見せてやった。りゅうの目が混乱の眼差しから哀れみの眼差しに変わった。ムッとしたがしょうがない。 「わかりました。出来る限りのことなら協力してもいいです。」とりゅう お金の力ってスゲー!! そんなこんなで別れ際彼は少し口元が笑っていた。それが不敵な笑みというのか、ただ単に苦笑いなのかは私には判断しかねた。 家に帰るともう午後9時、親に怒られた。まあいい、気にしないことにする。1対23が2対22に変わったのだ。勿論、だからなんだと言いたくなるのはわかるがこの調子で頑張ればなんとかなる。このとき私はそう思っていた。 夜飯をパパッと済ませ風呂で体に水を当ててタオルで拭いて1分で出たら、りゅうと帰り際に約束した会議をする事にした。バックレたりしないかなと心配したがちゃんと時間通りにりゅうが来た。ひとまずは裏切られない安心のコマだ。とりあえず敵の情報を流してくれと私はりゅうに要求した。

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