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プロローグ


1940年5月10日

銃声が聞こえた。
戦争が始まったのだ。
いや、『始まった』と言うのには少し語弊があるのかもしれない。
だからといって戦闘がはじまったというのもなにか変な気がする。
読者にはなにをいっているのか分からないかも知れないがとにかく戦争が始まったのだ

どうしてこんなことになったのか。
1週間ほど前からなんらかの不吉な雰囲気は感じてはいた。
まず軍の上層部が呼び出され、その後私たちの隊長にも話が伝わったとき隊長はいつもよりも深刻な顔をしてこう話始めた

「これより3日後、我が軍は作戦行動を開始する。敵軍と交流を持っているものもいるかも知れないがこれより控えてくれ。繰り返すこれより我が軍は戦闘態勢に入る」

皆の顔が変わった。意気込みの表情に変わったのではない。みな凍りついたように驚愕と恐怖を嚙みしめている、またあるものは絶望しているかのような顔をしていた。まだだれも兵士の顔などしていなかった。
そうなるのもまた、至極当然のことであったのだ、なぜならドイツがフランスなどに宣戦布告され私たちがこの国境に派遣された去年の9月からいままでもの間、『戦闘』を開始するようなことなどなにも無かったからである。おまけに大部分の人達は敵の人達に対し、なんらかの交友をもっていたのだった。そして私もまたその一人‘だった’のである。



時はWW2初期、ドイツとフランスの国境で戦闘がなにも起こらずまやかし戦争と呼ばれていた時代、フランス兵士とドイツ兵士の交友の物語である。