ファン速度の変更方法

【前置き】

すべての説明は、WindowsXP SP2&Catalyst8.6+Hotfix(英語)によるものです。環境によっては説明とは異なる場合もありますので、ご注意ください。
Catalyst8.10にてファン速度変更が出来るようになったとかなんとか

【ファンスピード変更について】

このページでは、本来自動化されているビデオカードのファンコントロールを、任意のスピードで動作させるまでの説明をしています。

ファンスピードの変更方法は下記のように2種類ありますが、このページでは[プロファイルを書き換える方法]を説明します。
<<参考ページ>>
「4Gamer.net ― ファン回転数制御か,クーラー交換か。ATI Radeon HD 4850の冷却を考える」
http://www.4gamer.net/games/045/G004578/20080708038/

  • 方法その1
ビデオカードのBIOSを書き換え : 温度に対するファンスピードの増減および感知する温度の基準値を変更する方法
  • 方法その2
プロファイルの書き換え : 温度に関わらずファンスピードを固定化させる方法

ようするに、
温度に対して動的にファンスピードを動作させるのが[BIOSを書き換える方法]で、静的なものが[プロファイルを書き換える方法]ということです。
  • 方法その3
Ati Tray Tools : Ati Tray Toolsを使う方法

<<参考ページ>>
「Ati Tray Toolsのファンコントロール作成」- 私的メモ
http://akiba.geocities.jp/yomeniokorareta/page/index.html
(トップページ左のメニュー→AtiTrayToolsのアイコンをクリックで解説ページへ)
  • 方法その4
RivaTuner : RivaTunerを使う方法

<<参考ページ>>
「RivaTuner 2.11(2.10以降)のファンコントロール作成」- 私的メモ
http://akiba.geocities.jp/yomeniokorareta/page/index.html
(トップページ左のメニュー→RivaTunerのアイコンをクリックで解説ページへ)

それぞれの長短は下記のとおり。

■BIOSを書き換える方法

  • 長所
ファンスピードを固定化せず温度により増減させることで、低温のときはファンを止め、
高温のときはファンを高回転させるといった設定が可能で、静音派には魅力的。
  • 短所
メーカー保証対象外の行為であるため、何らかの理由でサポートを受けることになっても
有償対応または対応自体を拒否される場合がある。また後述にある危険性も少なからず孕む。

■プロファイルを書き換える方法

  • 長所
BIOSを一切弄らないため、メーカー保証対象内の手段(行為)である。
  • 短所
常に一定のスピードで動作するため、あまりに低回転で設定した場合は即熱暴走、
あまりに高回転で設定した場合は動作音が非常にうるさくなる。

■Ati Tray Toolsを使う方法

  • 長所
BIOSを一切弄らないため、メーカー保証対象内の手段(行為)である。
低温のときは回転数を抑え、高温のときはファンを高回転させるといった設定も可能
RivaTunerを使った方法より軽い?
  • 短所

■RivaTunerを使う方法

  • 長所
BIOSを一切弄らないため、メーカー保証対象内の手段(行為)である。
低温のときは回転数を抑え、高温のときはファンを高回転させるといった設定も可能
  • 短所
RivaTunerをバックグラウンドに常駐させる必要がある

以上を踏まえた上で、解説へ



【事前準備】

Windowsのエクスプローラを開き、メニューバーの[ツール][フォルダオプション]より[表示]タブをクリックします。

表示された画面[詳細設定]yより、[ファイルとフォルダの表示][すべてのファイルとフォルダを表示する]を選択後、画面上部にある[すべてのフォルダに適用]をクリックして[OK]を押します。

なおデフォルトの設定は[隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない]なので、すべての設定を終えた後は、元に戻しても良いでしょう。

以上で事前準備は完了です。



【ファンスピードの設定方法】

1.Windowsのデスクトップ上で[右クリック][Catalyst(TM)ContRolCenter]か、Windowsのスタートより[Catalyst Control Center][CCC]をクリックして、[Catalyst Control Center]を表示させます。

2.表示された画面左側より[ATI Overdrive]を選択、画面右側に表示された画面にある南京錠のアイコンをクリックして、Unlockを解除します。この際、画面に注意文章が表示されますので、読まれた上で[OK]をクリックしましょう。

3.[Catalyst Control Center]メニューバーより[Profiles][Profiles Manager]をクリックして、[Profiles Manager]を表示させます。

4.表示された画面上部にある[Create of Edit a Profile]に、任意のファイル名を入力します(FanSpeedなど)。

また、画面下部にある[This Profile includes]に表示されたビデオカードの横に、チェックが入っていることを必ず確認してください。特に複数ビデオカードを使用している場合は、ファンスピードを設定するビデオカードの分だけチェックを入れましょう。

5.ファイル名を入力後に画面右にある[Save]をクリック、続いて画面下部にある[Activate&Close][Close]をクリックして、[Profiles Manager]を閉じます。

この過程で作成したファイルを[プロファイル(Profile)]と呼びます。

6.Windowsのエクスプローラより、下記フォルダを表示させます。[任意の名前]には貴方がパソコンを設定した際に入力した名前が入ります。
C:\Documents and Settings\[任意の名前]\Local Settings\Application Data\ATI\ACE

表示されたフォルダには、前述の説明で設定したファイル名のプロファイル(*.xml)があるはずです。もしここにない場合は、再度[Profiles Manager]で設定し直したり、フォルダ&ファイル名を確認しましょう。

7.作成したプロファイルをWindowsのメモ帳で開き、下記と同じ項目を探しましょう。

<Feature name="FanSpeedAlgorithm_0">
<Property name="FanSpeedAlgorithm" value="Automatic" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedRPMTarget_0">
<Property name="Want" value="0" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedPercentTarget_0">
<Property name="Want" value="**" />

※ここでは[<Property name="Fan~]の行を行A、[<Property name="Wan~]の行を行Bとして呼称、説明します。なお行Bの[value="**"]にある**には、任意の数字が入ります。

行Aはメモ帳で中ほどあたりに、行Bはその数行下にありますので、メモ帳の検索機能を使うなりして探してください。

8-1.説明6で探した下記の行を後述する内容のように書き換えますが、その前に補足説明を。まず行AはファンスピードをAutomatic(自動)/Manual(手動)にする設定です。ここを書き換え忘れると、行Bで書き換えた数値が意味を成しません。続いて行Bはファンスピード自体の設定です。スピードは数値0~100(%)で入力します。

以上を踏まえた上で、下記のように書き換えましょう。当然ですが全て半角文字で入力してください。

変更前

<Property name="FanSpeedAlgorithm" value="Automatic" />

変更後

<Property name="FanSpeedAlgorithm" value="Manual" />

変更前

<Property name="Want" value="**" />

変更後(設定例)

<Property name="Want" value="50" />
※上記の数値はあくまで設定例なので、貴方が設定したい任意の数字を入力しましょう。なお上記の設定例だと、50%のファンスピードで作動します。

8-2.(ここの説明は複数のビデオカードを使用していたり、CrossFireユーザーのみ該当する内容です。該当しない場合は、スキップしてください)複数のビデオカードを使用していたり、CrossFireユーザーの場合は、8-1で行った設定を搭載しているビデオカード分だけ行う必要があります。

下記はビデオカードを2台使用している場合の、プロファイルの該当設定項目例です。

ビデオカード1台目の設定項目

<Feature name="FanSpeedAlgorithm_0">
<Property name="FanSpeedAlgorithm" value="Automatic" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedRPMTarget_0">
<Property name="Want" value="0" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedPercentTarget_0">
<Property name="Want" value="**" />

ビデオカード2台目設定項目

<Feature name="FanSpeedAlgorithm_1">
<Property name="FanSpeedAlgorithm" value="Automatic" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedRPMTarget_1">
<Property name="Want" value="0" />
</Feature>
<Feature name="FanSpeedPercentTarget_1">
<Property name="Want" value="**" />

一見同じように見えますが、1台目のビデオカードの設定は[FanSpeedAlgorithm_0]、2台目は [FanSpeedAlgorithm_1]と後部の数字が変わっています(恐らく3台目以降は_02、_03...となるのでしょう)。もし貴方が複数のビデオカードを使用している場合は、1台目のビデオカードを設定したように2台目も設定しましょう。

9.8-1&8-2の設定が完了したら、メモ帳で[上書き保存]を行い、再度[Catalyst Control Center]を表示させて、表示された画面上部のメニューより[Profiles][Activate Profiles][作成したプロファイル]を選べば、貴方が設定したファンの速度で動き出します。

お疲れ様でした。

【補足説明】

  • [Catalyst Control Center]のバージョンによっては、プロファイルの作成される場所が異なるようです(8.7Betaで確認)。

8.6Hotfix
C:\Documents and Settings\[任意の名前]\Local Settings\Application Data\ATI\ACE

8.7Beta
C:\Documents and Settings\[任意の名前]\Local Settings\Application Data\ATI\ACE\Profiles

  • 残念ながら[Catalyst Control Center]では、ファンスピードの速度を確認することはできません。そのため、設定したファンスピードが正しく反映されているかを確認するには、ビデオカードのインフォメーションを表示させるソフトウェア[GPU-Z]などを利用する必要があります。

  • ファンスピードを[Manual]に設定した場合、当然どのような状況下でもそのスピードで動作します。いくら熱くても、いくら寒くても。よって[Automatic]の設定を施したプロファイルを別途作成するなどして、使い分けるのが良いでしょう。

  • 「どのくらいのファンスピードが良いか?」という疑問に対しては、誰も明確な答えを持ち合わせていません。それは貴方のパソコンの環境は、貴方以外いないからです。普段使用しているソフト(ゲームとか)と起動させつつ[GPU-Z]を併用し、ファンスピードを調整してください。

なお一例ですが、この文章を書いた当方の環境(E6850+RF+HDD*3+HD4870CF@P180)では、二台のビデオカード共に速度を30%にして通常時55℃ 負荷時75℃で安定動作しています。

  • デフォルトの設定では80℃以上にでもならない限り、ファンは低回転で動作します。そのため、動作音はとても静かで快適です。しかし、ちょっとアプリケーションを使用するだけであっさりと高温に達成しますが、温度を感知してファンの速度が増減されてビデオカードの温度を下げるため、ビデオカード自体が熱により問題が発生するようなことはまずないでしょう。

そのため、考え方次第ではファンスピードを変更する必要がないと思われる方もいるでしょう。そしてそれは正しいかもしれません。

ですが、ビデオカード付近にある他のカード(サウンドカードやキャプチャーボードなど)やノース/サウスブリッジのチップにはその温度の副次的影響が及ぶため、パソコン内のエアーフローが極度に悪い環境では、何かしらの問題が起きないとも限りません。

よってあまりデフォルトの設定(Automatic)を過信せず、また、エアーフローに自信のない場合は、常に一定の速度でファンが回るように設定を施した方が、少なくとも精神衛生上では良いかもしれません。

以上。

なお、HD4870のリファレンスクーラーの温度推移は以下の通りです
(温度には個体差があるので1例として)

引用:BlogなMaterialisticA 様

※BIOSを書き換える方法について

BIOSの書き換えはメーカー保証外で保証が切れる行為ですので詳細な説明は避けます。
使用するツールとしてRadeon Bios Editorやatiflash、winflashがありますが、詳細は添付の説明書やWebサイト、スレッドの過去ログを参考にしてください。
全て自己責任ですので、一枚のゴミが出来上がる覚悟で行ってください。

ちなみに、HD4870の場合、古いBIOS吸出しツールで吸い出し書き込むとBIOSが破壊されます。
これは、旧来のRADEONシリーズのBIOSが64KBだったのに対しHD4870はGDDR5対応の為にBIOSが128KBに拡張された為で、
64KBであることを前提に製作されたツールのミスになります。新バージョンは出てますので適時確認を。


■HD4870を64KB問題で飛ばしてしまった場合の復旧方法(念のため)

※AtiFlash利用には起動ディスクが必要です。
 フロッピーをフォーマット時に『MS-DOSの起動ディスクを作成する』にチェックを入れてフォーマット後、その中にAtiFlashとBiosを入れる

 397 名前:Socket774&color(blue){[sage]} 投稿日:2008/07/16(水) 04:07:43 ID:kLhaVIww
 >>388
 いえいえ。情報交換しようと思って書いたらこんな状況になっち
 まってすまんな。
 
 もう寝るけど、本当に間違って64kbファイル書き込んでしまった場合の
 BIOS復旧方法を書いとくよ。どっかに出てた気もするけど。念のため。
 
 1:オンボでもなんでもいいので4870挿したまま別なビデオカードで
   PCを起動させる。
 2:ここから128kb版のBIOSをダウンロードする。 
   ttp://www.techpowerup.com/articles/152/images/4870.bin
 3:2でダウンロードしたbiosを↓このAtiflashを使って4870に書き込む。
   ttp://www.techpowerup.com/downloads/1123/ATIFlash_3.60.html
     
   書込み手順
   atiflash -i で4870のアダプタナンバーを確認する。
   atiflash -f -newbios -p [アダプタナンバー] 4870.bin で書込む。
   ※[アダプタナンバー]はatiflash -i で確認したものと置き換える。 

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最終更新:2008年11月10日 00:46
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