White Goblin Games製作のボードゲーム、"Singapore"のルール抄訳です。
ゲームのプレイに必要と思われている部分を抜き出して訳していますが、意訳も多く、誤訳等もあると思いますので、参考程度に考えていただければと思います。
内容に関するご指摘等ございましたら、ページ下部にありますメール送信フォームやコメント欄、或いは
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ゲーム概要
White Goblin Games
Alexandre Roche作
3-4人
90分
12歳以上
序文
1861年、ラッフルズ卿は東インド会社の前哨地をシンガポール島に築くという任務を受けた。
島は殆どが森と沼地に覆われており、これは容易な任務ではなかった。
彼は、裕福な商人に無償で土地を与え、代わりに土地開発の義務を与える、という巧妙なアイデアでこの問題を解決した。
商人たちは何としても土地を開発しなければならなくなったため、それを自分たちのために利用することにした。
かくして、小さな前哨地は大都市となった。
しかし、合法的な取引だけではなく、アヘン貿易も盛んになっていた。
シンジケートたちは、非合法取引と賭博の支配権を求めて争った。
ラッフルズ卿自身、度重なる手入れを行い、犯罪の増加に立ち向かおうとした。
プレイヤーの役割は商人である。
土地を開発し、店を建設し、レンガ、織物、お茶の貿易で成功を収めるようとしている。
非合法だが有益な取引に与する好機があれば、彼らがノーということはないだろう。
セットアップ
スタートタイルをテーブルに置きます。
土地タイルを、スタートタイルか他の土地タイルに隣接するよう置いていき、ゲームボードを作ります。
タイルとタイルの間に隙間ができてはいけません。
タイルに書かれた数字は全て同じ向きになっていなければなりません。
水(スタートタイルの青い部分)の隣に土地タイルを置くことはできません。
建物タイルを、表面に書かれているローマ数字に従って3つに分け、それぞれをよく混ぜます。
続いて、3つに分かれた建物タイルの山を1つにまとめます。
まず「3」の建物タイルの山を表向きに置き、その上に「2」の建物タイルの山を表向きに乗せ、更にその上に「1」の建物タイルの山を乗せます。
こうしてできた建物タイルの山は、ゲームボードの脇に置いておきます。
商品コマとお金、そして街路マーカーを共通の場としてゲームボードの脇に置いておきます。
黒と白のチップを袋に入れます。
各プレイヤーは£5とワーカーコマ1つを受け取ります。
2つ目のワーカーコマは最初は脇においておきます。
このワーカーコマは、途中からゲームに登場します。
全プレイヤーの勝利点マーカーを集め、勝利点トラックの「5」のマスに無作為な順番で重ねていきます。
一番下に置かれている勝利点マーカーの所有者が、ラッフルズタイルを受け取ります。
準備ラウンド
ゲーム開始前に、準備ラウンドを行います。
建物タイルの山から、プレイヤーの人数に等しい枚数の建物タイルを取り、テーブルに一列に並べます。
ラッフルズタイルを持つプレイヤーの右隣のプレイヤーから反時計回り順に、並べられた建物タイルから1枚を選び、それを未使用区画(建物タイルの置かれていない区画)に置いていきます。
プレイヤーは、スタートタイルか既にプレイヤーによって建てられている建物タイルに隣接している区画だけを選ぶことができます。
プレイヤーは、置いた建物タイルの上に自分の色の区画マーカーを置き、使用した区画の使用料を支払います。
そして、街路マーカーを使い、置いた建物タイルと隣接する建物とを繋ぎます。
全てのプレイヤーが最初の建物タイルを置いた後、ゲームはスタートします。
ゲームの流れ
ゲームは、幾つかのラウンドによって構成されます。
各ラウンドは、更に幾つかのフェイズに分かれます。
1.ラッフルズプレイヤーの決定
毎ラウンドの開始時に、ラッフルズプレイヤーを決定します。
勝利点トラックで一番後ろにいるプレイヤーがラッフルズプレイヤーとなります。
同点の場合は、勝利点マーカーが一番下に置かれているプレイヤーがラッフルズプレイヤーとなります。
ラッフルズプレイヤーはラッフルズタイルを受け取ります。
2.建物タイルを取る
ラッフルズプレイヤーは、プレイヤー数+1枚の建物タイルを、建物タイルの山から取ります。
前のラウンドの建物タイルが残っている場合は、プレイヤー数と同じ枚数だけ建物タイルを取ります。
3.区画の分配
ラッフルズプレイヤーは、各プレイヤー(ラッフルズプレイヤー自身も含みます)の区画マーカーを1つずつ受け取り、それらをゲームボードの未使用区画の上に置いていきます。
ラッフルズプレイヤーは、スタートタイルか既にプレイヤーによって建てられている建物タイルに隣接している区画だけを選ぶことができます。
4.プレイヤーアクション
ラッフルズマーカーを持つプレイヤーから始めて、時計回り順に手番を行います。
手番プレイヤーは建物タイルを1枚選び、自分の区画マーカーが置かれた区画に置きます。
プレイヤーは、置いた建物タイルの上に自分の色の区画マーカーを置き、使用した区画の使用料を支払います。
そして、街路マーカーを使い、置いた建物タイルと隣接する建物とを繋ぎます。
特別ルール1
もし、手番プレイヤーが区画の使用料を払うのに十分なお金を持っていない場合、勝利点トラック上の勝利点マーカーを後ろに戻し、戻したマス1つ毎に£2を受け取ります。
支払いに必要なお金が得られるまで勝利点マーカーを戻すことができます。
お金も勝利点も足りない場合は、区画の使用料は無料になります。
特別ルール2
手番プレイヤーが非合法建物(黒い建物タイル)を置いた場合、袋の中からチップを引かなくてはいけません。
(その他のルール「非合法建物」の項参照)
特別ルール3
手番が最後のプレイヤーは、残っている2つの建物タイルから選ぶ代わりに、£1を支払うことによって、建物タイルの山の一番上のタイルを選ぶことができます。
建物タイルを置いた後、プレイヤーはワーカーコマを動かすことができます。
ワーカーコマは3マスまで動かすことができ、建物タイルのアクションを3つまで行うことができます。
新たにワーカーコマをゲームボード上に登場させる(どの建物タイルの上にでも登場させることができます)ことは、1マスの移動と数えます。
ワーカーコマは、街路マーカーを使ってのみタイルとタイルの間を移動することができます。
手番プレイヤーは、1つにつき£1を支払って、街路マーカーをタイルとタイルの間に置くことができます。
この際、斜めに街路マーカーを置くことはできません。
それぞれの建物タイルは、手番中一度しかアクションを実行することができません。
同じラウンドに、他のプレイヤーがアクションを実行することは可能です。
手番プレイヤーが他プレイヤーの所有する(区画マーカー置かれている)建物タイルのアクションを実行した場合、所有プレイヤーは1勝利点を獲得します。
スタートタイル上の建物を使用した場合には、どのプレイヤーも勝利点を獲得することはありません。
プレイヤーは、手番開始時にワーカーコマが置かれている建物タイルのアクションを実行することができます。
ラウンドの終了時、建物タイル1枚が未使用のまま場に残ります。
小屋マーカーを、この建物タイルの上に置きます。
次のラウンドでも誰もこの建物タイルを使用しなかった場合、この建物タイルはゲームから取り除かれます。
また、手番が最後のプレイヤーが£1を支払って建物タイルの山の一番上のタイルを選んだ場合は、建物タイルは2枚残ります。
この場合、そのプレイヤーは、どちらの建物タイルに小屋マーカーを置くかを選び、選ばれなかった建物タイルは即座にゲームから取り除かれます。
プレイヤーアクションの例
1 青のプレイヤーはStone Masonタイルを使用し、2個のレンガを獲得しました(最初のアクション)。
2 続いて、Pawn Shopタイルの上にワーカーコマを動かしました(1マス目の移動)。
このタイルを使うと1勝利点を£3に変えることができますが、青のプレイヤーはArchitectタイルの上にワーカーコマを動かし(2マス目の移動)、3つのレンガを£4に変えることにしました(2回目のアクション)。
Architectタイルを所有する赤のプレイヤーは、1勝利点を獲得します。
3 更に、£1を支払って街路マーカーを置き、Teahouseタイルにワーカーコマを動かし(3マス目の移動)、いずれか1つの商品コマを3つのお茶に変えることにしました(3回目のアクション)。
Teahouseタイルを所有する緑のプレイヤーは、1勝利点を獲得します。
これで、青のプレイヤーは3マスの移動と3つのアクションを終えました。
勝利点
勝利点を獲得したり失ったりしたプレイヤーは、勝利点トラック上の勝利点マーカーを動かします。
もし、動かした先に他プレイヤーの勝利点マーカーが置かれていた場合、自分の勝利点マーカーをその上に乗せます。
勝利点マーカーが、紋章の描かれたマスの上に入ったり通り越したりしたら、そのプレイヤーは£5を獲得します。
紋章のマスを越えて後ろに戻った場合は、何も受け取ることはなく、既にそのマスから£5を受け取っていることを示すために、勝利点マーカーを裏返して黒い点が描かれている面を上にしておきます。
この場合、再度紋章のマスを越えたら、勝利点マーカーを裏返すことになります。
言い換えると、一度の紋章マスからお金を得ることができるのは、一度だけということになります。
最後の紋章マスは60になります。
もし60を超えた勝利点を獲得した場合、勝利点マーカーを0に戻し、そこから勝利点マーカーを進めていきます。
ただし、その後紋章マスに入っても、お金を獲得することはありません。
その他のルール
秘密:
お金と商品コマは衝立の後ろに隠します。
スタートタイルの建物:
スタートタイルの建物は、全てお互いに繋がっており(例外的に斜めにも繋がっています)、また同じ場所にあるとみなします。
しかし、それぞれの建物の間を移動する場合には、1マスを移動したことになります。
建物タイル:(附録参照)
矢印は、対応するもの(商品コマ、お金、勝利点)を、別のものに変えることができることを示しています。
2つの矢印が描かれているものは、双方向に変換が可能であることを示しています。
白いキューブは任意の種類の商品コマを、黒いキューブは任意の同じ種類の商品コマを示しています。
お金は黄色のコインで、勝利点は赤い勝利点シンボルで示されます。
矢印が描かれていない場合は、何かと交換することなく、描かれているものを手に入れられることを示しています。
非合法(背景が黒い)建物タイル:
プレイヤーが非合法建物タイルを置いたりアクションを実行したりした場合、袋からチップを1つ引かなければなりません。
引かれたチップが黒だった場合は、そのプレイヤーの前に置いておきます。
白だった場合は、手入れが行われます。
全てのプレイヤーは、手持ちのアヘン(黄色)を公開しなければなりません。
アヘンの数と黒チップの数の合計が一番多いプレイヤーは、アヘン1つと黒チップ1枚につき£1を支払わなければなりません。
十分なお金を持っていない場合には、勝利点を失って支払わなければなりません(1勝利点=£2)。
手入れを受けたプレイヤーは、手持ちの黒チップを袋に戻し、手持ちのアヘンの半分(端数切り上げ)を場に戻さなければなりません。
同数だった場合は、全てのプレイヤーが手入れを受けることになり、お金を支払い、チップを袋に戻し、アヘンを戻します。
New Agent:
プレイヤーは、この建物タイルでのアクションを一度だけしか実行することができません。
アクションを実行したプレイヤーは、2つ目のワーカーコマを受け取り、ワーカーコマを1マス移動させる代わりにそのコマを建物タイルの上に置くことができます。
依然として、ワーカーコマを移動させられるのは3マス、アクションの実行回数も3回のままですが、それらを2つのワーカーコマに分配して行うことができます。
もし、プレイヤーが新しいワーカーコマを獲得した時点で移動できるマスが残っていない場合、ワーカーコマを手元に置いて次の手番で(1マス移動させる代わりに)建物タイルの上に置くことができます。
Courthouse:
プレイヤーは、黒チップを3つまで袋に戻すことができます。
ゲームの終了
新しいラウンドを始めるのに必要なタイルがなくなったら、ゲームは直ちに終了します。
最も多くの勝利点を獲得していたプレイヤーが勝者となります。
同点の場合は、勝利点マーカーがより下に置かれているプレイヤーが勝者となります。
附録
全ての建物タイルの概要です。
これらの効果は、プレイヤーが建物タイルのアクションを実行した時のみ発動します。
連絡について
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更新履歴
2011/11/10 「附録」部分、IIの"Raffles' instruction"を「5マスまで「追加で」移動できる」に修正。
2011/11/10 第1版をアップ。
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最終更新:2011年11月10日 20:48