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 神の座。
 絶対神が鎮座し、創り出した世界を見守る神聖な部屋……だった。
 昨今新たに代替わりした絶対神は、インスタント食品や缶ビールをはじめとする食料、執務室に置かれているはずの書類の山も持ち込み、最早世界を調整するためのコンソールが埋まって見えないほどに荒れていた。
 神は今現在、十一の世界を管理していた。国のパワーレベルや文化レベルのコントロールをはじめとする各数値の調整、天候や自然災害のコントロール等、その仕事は無限とも言えるほどだった。
「う~ん……管理も面倒になってきたなぁ」
 スキンヘッドにサングラス、大柄色黒の体躯に派手なブルーのアロハシャツとハーフパンツいう出で立ちの絶対神が、ため息混じりに呟く。
 先代の神が管理していた十一の世界をすべて引き継いだのは良いものの、まさか管理にこれほどの手間を要するとは思ってもいなかったのだ。
「いくつか消すかなぁ…あ~、いっそひとつに絞るかぁ」
 コンソールのひとつを巧みに操り、いくつかの世界に天変地異を起こす準備をする。
 天災起動のボタンに指が触れ…
「………まてよ、普通に消しても面白みが無いか」
 る瞬間にふと思いつき、すぐさま書類の山に埋もれていた、キーボードを引きずり出すと、高速で数値を入力してゆく。画面には様々な数値とグラフが表示され、立体画像で八角形の平面が現れる。
 さらにコンソールを操作し、平面の上に山や川、街並みや城などを配置していく。
「ふむ。上出来上出来」
 平面にトッピングとなるオブジェクトを取り付け始めて数十分で、そこには小さな世界が完成していた。
 八角形の平面上に出来た世界。その中心には土台より何回りか小さな八角形の街がある。中世ヨーロッパ風の街の中央には、大きな城と闘技場が威風堂々と立っている。
 その街を取り囲むように、北に山岳、北東に荒野、東に海岸、南東に森林、南に火山、南西に砂漠、西に氷原、北西に渓谷が、仕切られたようにきっちりと、台形に広がっている。
「舞台はこれにて完成っと。後は参加者か」
 十一個のモニターを見る。その中にはさまざまな形の立体世界地図が広がっている。

 住む人も、環境も違い、進化形態すら違う十一の世界を見つめ、神は手に持つ犀を振る。
 無常にも、犀は犠牲者を選び出す。選ばれる者の意思など省みることも無く。
「ふふふ………悪くない組み合わせだ」
 犀を投げること十一回。モニターには選び出された十一人が映し出されている。
 穏やかな生活を送る者、戦火の只中に身を委ねる者、苦しい生活に耐え忍ぶ者。事情は様々なれど、神はそれを考慮の端にも入れはしない。
「さぁ、楽しいショーを期待しているよ」
 唇の端を吊り上げ、邪神のように笑う。

 整い行く舞台と、選ばれた十一人。
 神の気まぐれで始まった、最後の闘いが始まる。