───あたしは、今日も空を見上げている。

 あの日、あの時。都市の人々が言う《復活の終わり》の日にもあたしはこうして空を見ていた。雨の中にひとりで立ち尽くして、ぼうっと、空を見上げたり、水溜まりを見たりしていたのを覚えてる。
 その直前に自分が何をしていたのか、あたしは何も覚えていない。
 自分が誰なのかは言われずとも分かった。2級市民、クストス家の長女。機関工場で計算手をしている。肌の白さと料理の腕が数少ない自慢。父のことも、母のことも覚えている。自分の家の場所も、働いていた工場も、通っていた学校だってちゃんと分かる。けれど、自分が何故ああして立ち尽くして、10年の月日を覚えていないのか。あたしは何一つ知らない。
 そして、自分がこの見知らぬ街に来た経緯も、また。考えても、悩んでみても、答えはちっとも浮かんでこない。

 だから、あたしは窓から空を見上げるのが日課となった。他にすることが何もないから。
 ……一応、部屋の掃除や簡単な家事くらいはしている。単純に自分が暮らしやすくすること兼部屋の持ち主に対するせめてもの罪滅ぼしから、部屋はできるだけ綺麗に使おうと考えている。
 けれど、そういう最低限のことを除けば、あたしはずっと空を見上げるばかりだ。あとは精々、たまに帰ってくるアーチャーと会話したりするくらい。

「……駄目だ、これじゃ前と変わらない」

 ふと、独りごちた。完全に無意識から出た言葉だった。
 ただ漫然と空を見上げるばかりだった日々を、自分は確かに覚えている。それは10年の記憶を失い、インガノックに立ち尽くすばかりだったあの頃。
 自分に何があったのか、自分のやることは何なのか。それすら分からず、曖昧な思考のまま日々を過ごしていた頃と、まるで同じだ。

 未だに、自分は一体何をすればいいのか、答えを出せていない。
 正体の分からない誰かの影、失われた10年の記憶、それを追い求める無意識の渇望。それらは決して消えることはないし、取り戻したいと思う気持ちにも嘘はない。
 だからこそ、聖杯に願うために生き残りを目指すべきなのかと。そう問われても、まだ確たる答えは出せそうにない。
 迷いは停滞を産む。少なくとも、つい先ほどまでのアティは迷うばかりで他のことには一切関心を抱こうとはしなかった。
 一つの答えに惑うことは、他の行動すらをも阻害するのだということを、今になってようやくアティは自覚した。

 それでは駄目だろうと自戒する。曲りなりにも今の自分は戦乱に巻き込まれた当事者であるのだから、少しはマスターらしいことをしなければなるまい。
 それは例えば情報収集であるとか、自衛の手段の構築であるとか。あるいは、そもそも自分はこの見知らぬ街の文化にすら疎いのだから、そこの齟齬を埋めるだけでもやっておいて損はない。
 出来ることは限られているが、未だこの身に迷いはあるが、それは何もしないことへの免罪符にはなり得ないのだと、そう思った。

「……よし、頑張れあたし」

 えいっ、と気合をひとつ。色々危ないから外に出ることはしたくないが、それでもできることをやろうと思い立ったのだ。




 そういうわけで、とりあえず「テレビ」というものに触れてみることにした。
 ぼうっとしているばかりで整えてなかった身だしなみを軽く整え、テレビの長方形で黒い光沢のある表面にうっすら積もっていたほこりを払うと、アティはいそいそとソファへ移動しリモコンを手にした。テレビはアティにとっては馴染みのない機関製品であったが、一応簡単な操作くらいはできると思う。これでも機関には結構強いのだ。
 アーチャーから聞いた話に曰く、これはタブロイド紙や娯楽雑誌の内容を紙媒体ではなく映像記録媒体で伝える通信設備なのだそうだ。アティの住まうインガノックはおろか北央帝国ですら話に聞かないようなこの珍妙な機関は、当初彼女を大いに驚かせた。思えば街中では、とても珍しいはずの硯学式機関自動車が所狭しと並んでいたし、この街はアティの常識とはかけ離れた場所なのだと改めて実感する。

「やっぱり不思議。こんなのがあるなんて、信じられない……」

 ともかくとして、アティは手にしたリモコンの一際目立つ赤いボタンをポチッと押した。瞬間、プゥンという耳慣れない小さな音と共に、テレビの表面に映像が映し出される。
 明るく、鮮明な映像。ノイズとは無縁な清涼な音声。話を聞いた後ですら、この黒い箱の中に誰かが入っているのではないかと思えるほどにクリアな画面。
 そして、画面の下部に表記される、「テレビを見る時は部屋を明るくして離れて見てください」という白い書き文字。

「え、明るくしなきゃ駄目なの?」

 あたふたとした様子でアティは思わず聞き返してしまった。虚を突かれたといった風な、そんなこと思いもしなかったという表情だ。
 現在彼女のいる部屋は、一言で言ってしまえば非常に薄暗かった。そもそもいつもはカーテンを完全に閉め切って、空を見上げる時も最低限しかカーテンを開けないのだ。いくら外が晴天の朝であろうとも、そりゃ暗くなるというものである。
 今だってカーテンは外の光を見事に遮断し、その役目を十分に果たしている。陽の光など、分厚い生地を貫通した朧気なものしか入ってきていない。
 つまるところ、現状のアティは「部屋を明るくして」というテレビの要求を、一切満たせていなかった。

「え、えっと、明かりのスイッチってどこだっけ……?」

 心持ち慌てた様子で、アティは薄暗い部屋の中で照明の電源を手探りで求めた。カーテンを開け放つのはなんだか怖かったので、ここは照明頼りである。
 ぎこちない動きで探すこと十数秒、ようやく指先にそれっぽい感触を探り当てると、アティは即座に照明を点灯。パっと部屋の中に白色の光が満ちた。思わず安堵の息をつく。

 これでよし、とアティはそそくさとソファへと戻り、テレビへと注視する作業へ戻った。画面には相変わらず、不可思議な映像が絶え間なく流れ続けている。
 よく注意して見れば、それはこの鎌倉の街を訪問するという趣旨の映像らしかった。画面には、語り部らしき女性が満面の笑みを浮かべながら飲食店などを紹介している。

「……ん、こういうお店もあるんだ」

 今自分のいる街の紹介であるならば情報収集にはちょうどいいと思って見た映像だが、何やら予想以上に面白い。
 胸に燻る暗鬱とした気持ちが無くなることはないが、それでも一時の気晴らしにはなり得るものだった。

 結局、アティは数時間に渡り、テレビという異文化に興味と好感を以て接し続けることと相成った。




   ▼  ▼  ▼





 書に充ちていた。
 数に充ちていた。
 そして、何よりそこは知識に溢れていた。

 そこは書庫だ。鎌倉市中央図書館の一室、所謂閉架式書庫と呼ばれる場所。外部の閲覧が禁止されたその場所には、およそ一般では手に入らない量の情報が敷き詰められている。
 雑多、混沌。まるで誰かの心の如く。溢れんばかりの知識が押し込められ、しかし病的なまでに理路整然とした様はある種の矛盾さえも内包している。
 本来であるならば限られた職員しか立ち入れないはずのその場所。しかし今は違う。
 男が一人立っていた。張りつめるほどの静寂の中、一切の足音を立てないままに書架の間を練り歩き、思いのままに史料を手に取り閲覧している。
 若き美貌の男だった。蒼白の頭髪は薄暗がりの中にあって尚輝き、怜悧な瞳は確かな知性の光を感じさせる。常態として放たれる存在圧は、彼が見た目通りの若輩に非ずという事実をこれ以上なく如実に伝えている。
 男は何故ここにいるのか、男はどうやってここにいるのか。それは、男の正体がサーヴァントであり、その白貌の奥に燻る疑問を解き明かすためと言えば、全てが事足りるであろう。
 その者の名はローズレッド・ストラウス。聖杯戦争に際しアーチャーのクラスで現界した若き夜の王である。

 彼が手にした資料は猛然の勢いでページが捲られ、それを追う眼球すらも尋常ではない速度で目まぐるしく反復動作を繰り返し、得られた視覚情報は全て違わず高速で脳内処理が施されている。
 一冊、また一冊と手に取り、目を通し、用が済めば元へと戻す。彼はその所作を、およそ丸一日以上も続けていた。
 そして驚くべきことに、彼はこの膨大な資料をある特定の分野に限定すればその大半を把握することに成功していた。如何な妖術でも使ったのか、目録を作るだけでも優に数日は費やされるだろう知識の大塊を、しかし彼は己が知性のみで切り崩し自らの思考の糧として吸収するに至っているのだ。
 およそ不条理としか思えない所業、常識では想像さえできない光景。知性の悪魔としか形容できないが、しかし彼はそれを成せる者なのだ。この場に学を知る者がいれば、まさしく万能人たるウォモ・ウニヴェルサーレの現身であるとさえ讃えるであろう破格の成果を出して。けれども彼が浮かべる表情は賞賛を受け止めるべき達成者のそれでは断じてなかった。

「……やはり該当する記述は見当たらない、か」

 手にした最後の一冊を書架に収め、ストラウスは深い溜息とも深呼吸ともつかない息を大きく吐いた。その間にも彼の手は失望の念とは関係なく動き、自分が荒らした分の体裁を整え書棚を整理する。
 呼吸に沈んだ面を上げると同時に霊体化、次の瞬間には姿は愚か気配さえもが消失し、再び書庫に静寂が訪れた。まるで最初から誰もいなかったように、その空間には無機的な気配のみが満ちていた。
 最早どこにも、彼がそこに存在した痕跡は残されていなかった。





   ▼  ▼  ▼





 小町通りから見える空は、雲一つない快晴であった。
 鎌倉市中央図書館から抜け出したストラウスは、現在小町通りの一角に佇んでいた。およそ一日を費やした情報収集は求めていたものを掴むことはできなかったものの、完全な無駄足に終わったわけではない。収集を終えた彼は、ひとまず次の目的―――聖杯戦争参加者との接触に赴いていたのだ。
 この場所に来たのは、単純に地理的な問題と、手軽に人の集まる場所だったからという以上の理由はない。あるいは参加者の捜索以上に、市井の様子を探るのも重要になるかもしれないという考えもあるのやもしれなかった。

 活気ある商店街に和気藹々とした人々、本日も天下は泰平なり。争いの様子など微塵も感じることはない。少なくともこの繁盛した一角において、血生臭い気配は一切存在することはなかった。
 けれど。

「……酷く浮かれているな」

 そう、あくまで見かけの上では、ここは平和そのものである。だが実態は多少趣を異としていた。
 浮かれている───ストラウスがそう形容したように、今この鎌倉という都市は異様な熱気に包まれている。いいやもしくは、渾沌とさえ評せるほどの「何か」が、この都市を寸分の違いなく冒し満たしているのだ。
 それは数多の英霊魔性が入り乱れる魔都であることも当然含まれるが、しかしそれ以上に鎌倉に住まう無辜であるはずの住人たちでさえ痴れた衝動に狂している有り様こそが、この都市を渾沌と形容する最大の所以となるだろう。
 彼らは闘争を望んでいる。彼らは破滅を望んでいる。つまらない日常に飽いて、あり得ざる非日常を歓迎し、今や三桁にも上るであろう異常な数の都市伝説が住人達の話題を席巻している。
 表向きは恐怖し、あるいは無関心を装い、あるいは人倫を説く者もいる。しかし彼らの胸中はこんなものだ。こうなったら面白い。こうならなければ嘘だろう。もっと面白い夢が見たい。
 それは個々人が胸にしまっている密かな思いでしかないだろうが、大多数の民衆が同じものを抱けば話は別だ。
 故にこそ、この街は病んでいる。見かけこそ平常の美しさを保ち、けれど内在する病巣が痴れた夢を奏でているのだ。


 一日レンタルの色鮮やかな着物を着た外国人旅行者が多く行き来する小町通りを、ストラウスは人ごみを縫うようにして歩いていた。往来ですれ違う人々は皆口ぐちに何かを噂し、その視線は平常に見えて実のところ焦点さえ合っているようにも思えない。
 道端、商店、あるいは路地裏。端々から感じられる異質な熱気は、晴天の陽光から来るものだけでは断じてない。現地住民のみならず、観光に訪れる異国の人間でさえもこの雰囲気に毒されているのか。かつては鎌倉の原宿とさえ呼ばれたこの場所は、今や怪しげな異形の都市と成り果てている。
 無論、このような異常事態に陥っている区画は、最早小町通りに留まらず鎌倉市街全域に及んでいるのだということは、最早言うまでもないことであった。
 そして物理的には狂乱とも言うべき微睡みに沈んだ鎌倉は、同時に情報面から見た場合においても異常極まる魔都と化していることを、ストラウスは身を以て知らされていた。

 当初、ストラウスは戸籍あるいはパスポートを偽造し、マスターであるアティの身分を確固たるものにしようと画策していた。事実、魔力の応用で電子通信さえ容易に制御可能である彼にとって、その程度の書き換えはさして難しいものではないはずであった。
 だが、この鎌倉にはストラウスすら及びもつかない電子の怪物が住まっていたのだ。いざ行動に移らんと電子の海に介入したストラウスが目の当たりにしたのは、圧倒的なまでの視覚イメージすら伴った膨大すぎる情報支配網。情報空間に差し入れた右手が物理的な破壊すら受けるほどのそれは、少なくともストラウス個人では到底太刀打ちできないほどに強大無比であった。
 結論を言えば、ストラウスは鎌倉のデータベースに介入することはできなかった。調べものに際し、直接資料を当たるというアナログな方法を選択したのもそれが原因である。
 今やこの街は、電子情報網という名の怪物の胎の中にいるようなものなのだ。ストラウスでさえ、辛うじてかの者に気付かれぬよう手を引くことで精一杯であった。
 伝説や神に語られる英雄のみならず、情報機械に特化した現代の英霊までもが召喚されているのか。それとも文字通り人智を超越した卓抜のマスターが参戦しているのか。
 最早電子の海から弾き出された敗残者に過ぎないストラウスにそれを確かめる術はないが、いずれにせよ厄介な競争相手が存在するものだと嘆息しそうになったものである。

(尤も、そのせいでマスターに要らない苦労をかけさせてしまったことが、私にとっては最大の失態か)

 街路を歩くストラウスの口元が知らず形を歪めた。マスターたる彼女に満足な身分を与えることができず、結果として詐称紛いの真似をさせてしまったことが、あるいは彼にとっては自身の如何なる敗北よりも苦いものであるのかもしれない。
 彼女―――アティ・クストスは迷える者だ。願いと良心の狭間に揺れる二律背反。自身でさえ把握できない何某かに突き動かされる彼女は、正しく自己の存在意義における瀬戸際にあるのだと、容易に想像がつく。
 だからこそ、せめて身の回りの環境くらいはこちらで用意しておきたかったのだが……そこは世に偉業を打ち立てた英雄が一同に会する聖杯戦争、そう上手くはいかないということなのだろう。

 往来を歩いて暫し。視線の先には鶴岡八幡宮が大きく陣取り、小町通りの直線も終わりを告げようとしていた。人通りの絶えないその場所でストラウスはふと立ち止まり、改めて周囲に意識を向ける。肌を突き刺すような魔力の気配はどこからも感じない。結局、この周囲においてサーヴァントの存在を感知することはなかったということになる。
 ふぅ、と小さく息を吐き、ストラウスは次に赴く場所を思案する。駅を抜け市街中央に行くべきか、それとも山間部等に隠れ潜む者をこそ探すべきか。いずれにせよ、今マスターのいるアパルトメントに戻るのは要らぬ襲撃を招く恐れがあるから却下だな、などと考えつつ、先を見据え方策を練る。
 既に都市鎌倉は物理・情報の両面において異形の都市へと変容している。故にこれ以上の遅れは取れないと己の内に強く戒める。
 守ると誓った剣に揺るぎはなく、この身は只管に彼女の道を切り拓かんと邁進する標である。愚物でしかない暗君たる自分であるが、それだけは違えてはならないのだと反芻して。

「さて、ならば私の向かうべき場所はどこになるか」

 鶴岡八幡宮を正面にしたストラウスは、今まで歩いてきた道を振り返ると、その情景を視界に収め呟いた。
 現在、彼のやるべきことはいくつかに分けられる。情報の収集、そして敵性存在の排除。あるいはこの地を覆うものに対する、思索による解明の試みか。

 そう、思索。実際に行動に移るより前に、考えなくてはならないものがあるのも確かなのである。
 何故鎌倉という街を舞台に聖杯戦争の幕が上がったのか。サーヴァント同士を争わせる行為に、何故市街戦という要素を加えたのか。神秘の存在を知らないはずの住民たちは、何故これほどまでに夢に惑い浮かれているのか。
 そして何より、あの「言峰綺礼」と名乗った神父は、その背後にいるであろう何者かは一体何を考えているのか。

 今や籠の中の鳥に甘んじる他ない参加者にとっては、それを解明するなどまさしく雲を掴むに等しい行為であろう疑問を解くために、ストラウスは座に記録される己の知識との相違点を鎌倉の街に求めた。自らの知る知識になく、しかしこの舞台に存在する要素。それを見つけることができたならば、この不可思議な空間の意義も分かるのではないかという期待。
 見つけたものは多々あった。その中でも一際存在感を放つものが、広く市井にさえ広がる「歴史の齟齬」。つい先ほどまで彼が行っていた歴史資料の検分から浮かび上がった「あり得ざる歴史の立役者」と、「不自然なまでに存在を隠蔽された何某か」。

(あるいは無駄となるかもしれないが、これからを戦う上で情報は欠かせない。何よりこれだけ不確定事項の多い催しだ、全てを疑ってかからねば首がいくつあっても足りないだろう)

 多少語弊があるかもしれないが、これはつまりジグゾーパズルのようなものだ。
 現状保有する情報は、いずれもばらばらの断片。それだけでは全体像は分からないし、どのピースがどのような役割を果たすかさえ判然としない。
 だが、それはあくまでストックされたピースが足りない場合である。数が揃えば、当然状況は大きく変化する。ピース同士の関連性、全体の中での役割。巨大な一枚絵が白日の下に晒された時、欠けたブランクの向こう側に見えてくる真実がきっとあるはずなのだ。

 彼の知るいずれの歴史にも存在しない。あり得ざる偉業を成した一人の英雄。
 異様なまでに熱に冒され、自滅すら厭わぬほどに狂喜乱舞する鎌倉の民。
 いくつもの文献を閲覧しても感じられる、何かを抹消し間隙を繋ぎ合わせたかのような奇怪な違和感。

 ならば、これらが一体何を意味し、何に繋がるのか。
 それこそは───

「……いずれにせよ、現状は単なる憶測に過ぎないか。まずは外部を取り巻く要素より先に、この聖杯戦争そのものを把握する必要がある」

 その上で、他の参加者の存在を無視するわけにもいくまい。そう一人ごちて視線を下げると、ストラウスを身を翻す。やや速足気味に歩を進める彼は、音もなく雑踏の中へと消えて行った。

 ───太陽の輝きの裏に隠れる太陰は、月の瞳そのものの双眸で全てを睥睨している。
 その手に掴んだ不確かな真実は、未だ姿を見せる気配はない。


【C-3/小町通り/1日目・午前】

【アーチャー(ローズレッド・ストラウス)@ヴァンパイア十字界】
[状態] 陽光下での活動により力が2割減衰。健康。
[装備] ラフな格好
[道具] なし
[所持金] 纏まった金額を所持
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを守護し、導く。
0:?????
1:他の聖杯戦争参加者と接触する。
[備考]
  • 鎌倉市中央図書館の書庫にあった資料(主に歴史関連)を大凡把握しました。
  • 鎌倉市街の電子通信網を支配する何者かの存在に気付きました。



【C-2/アパルトメントの一室/1日目・午前】

【アティ・クストス@赫炎のインガノック- what a beautiful people -】
[令呪] 三画
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] なし
[所持金] アーチャーにより纏まった金額を所持
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯に託す願いはある。しかしそれをどうしたいかは分からない。
1:自分にできることをしたい。
[備考]
  • C-2に存在するアパルトメントの一室に不法滞在しています。食糧等はアーチャーが仕入れてきているようです。


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000:封神演義 アティ・クストス 036:夢は巡る
アーチャー(ローズレッド・ストラウス) 019:焦熱世界・月光の剣

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