見慣れない周囲の風景へ目を通す。すると、幸いここがどこかはすぐに判別することが出来た。
由比ヶ浜。鎌倉の名所の一つだが、俺はここを一度訪れたことがある。
学園を離れての就職活動の一環として訪れ……確か、朝日の昇る光景を眺めながらカップラーメンでも食べたのだったか。
それはともかく、見知った土地なのは素直に助かった。土地勘の全くない場所で手持ちゼロとなると、冗談抜きで死ねる。


 「ふぅ、情けねえ話だ。弟分だとばかり思ってたが、完敗しちまうとはなぁ」


朝方……時刻としては、午前五時を少々回ったところだろうか。
登り始めた朝日はいつかの思い出を蘇らせると同時に、俺を感傷に浸らせてくれる。
あんなものを見せられては、認めないわけにはいかない。あいつは強くなった。
俺達のしてきたことも、無意味じゃなかったんだ。少しだけ悔しいが――それで良しとしておいてやろう。


 「もうお前は安心して休んでろ、理樹。後は俺が何とかしてやるからよ」


ここは鎌倉。これからこの地で何が行われるのかは、きちんと頭の中に入っている。
聖杯戦争。古今東西の英雄を召喚してそれを殺し合わせ……どんな願いでも叶えるという、聖杯を出現させる趣向の儀式。
……正直を言えば、今でも信じられない。
あまりにも突拍子が無すぎるし、漫画の読み過ぎで頭がイカれちまったんじゃないかとさえ思っている。
だとすりゃ救いようはないが、それでもだ。どんなに馬鹿げた戦いでも、身を投じる価値はある。


 永遠の一学期――。
 修学旅行に向かうバスが崖から転落し、繰り返し続けた偽りの世界。
 理樹と鈴の二人に、俺達がいなくても生きていけるだけの強さを与えるために続けてきたリフレイン。
 それも、もうそろそろ終わりにする時だ。
 それどころか、この聖杯さえ手に入れれば……俺達の予想すらしなかった、最高の終わりを手に入れることも不可能じゃないだろう。
 夢を見るのはもう卒業だと思っていたが……


 「こういうのも、悪くない。――お前もそう思うだろ、ランサー?」
 「そうさな。確かに、悪くねえ」


答える声がある。だが、俺の周りには人っ子一人居やしない。
それでも、俺のサーヴァント……ランサーは、確かにそこでたそがれている。
青いタイツみたいな格好をした、何かとセンスのないやつだが――まあ、悪いやつじゃないはずだ。


 「俺は聖杯を手に入れる。こいつを被るのも、きっと最後になるだろうな」


白い仮面。今の今まで、寝そべった傍らに置いていたそれを被り、立ち上がる。
これは、俺があの迷宮で装備していた仮面。“時風瞬”としての仮面だ。
素顔を隠すためとか、そんな細かい理由なんてありはしない。
ただ……今の俺は、きっとこうするべきだ。棗恭介としてではなく、時風瞬として、この聖杯戦争を制覇する。


 「行くぞ、ランサー。闇の執行部、最後の仕事だ」
 「ハッ。小僧にしちゃいい度胸、いい声をしてやがる。――気に入ったぜ。正直な話、聖杯戦争なんぞ二度と御免だったが……力を貸してやる。だからてめえも、精々死に物狂いでやるこった」
 「言われるまでもない。無駄口を叩くな、ランサー」


もう役に入ってんのかよ。
呆れた様子で呟くランサーに、恭介――もとい、時風は仮面の下で微笑を浮かべた。


【クラス】
ランサー

【真名】
クー・フーリン@Fate/stay night

【パラメータ】
筋力B 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運C 宝具B+

【属性】
秩序・中庸

【クラス別スキル】
 対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

【保有スキル】
 戦闘続行:A
 往生際が悪い。
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命的な傷を受けない限り生き延びる。

 仕切り直し:B
 戦闘から離脱する能力。
 不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。  

 ルーン:B
 北欧の魔術刻印・ルーンの所持。

 矢よけの加護:B
 飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え対処可能。
 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。

 神性:B
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。

【宝具】

『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:1
 突けば必ず相手の心臓を貫く呪いの槍。ゲイボルクによる必殺の一刺。
 相手の心臓に槍が命中したという結果を作り上げてから槍を放つという因果の逆転現象を起こす。
 既に『心臓を刺した』という結果を起こしてから槍を放つため、槍の軌道から身を避けても意味がなく、必ず心臓に命中する。 心臓に命中するのを避けられるかどうかは『幸運』のランクによるが、高ランクでも外れるのは稀。
 対策として「防ぐには槍の魔力を純粋に上回る防壁を用意する」か「そもそも出させるようなスキを与えない」などが上げられており、また心臓が存在しない者には不発となる。

『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』
 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:5~40 最大捕捉:50人
 本来の使用法で、ランサーの真の切り札。
 全身の力と全魔力を使い、魔槍の呪いを最大限発揮させた上で相手に投擲する。無数のやじりを撒き散らすことで炸裂弾のように一撃で一軍を吹っ飛ばす威力を誇る。
 またコンマテによると英霊となってからは生前よりもさらにその数を増して強力になっている。
 こちらも因果逆転の呪いは顕在だが、威力重視の為に必中能力はあるが心臓を穿つ能力はない。
 また全魔力を込めて投擲するため使用後のランサーはかなりの消耗を強いられる。
 『命中するまで何度でも襲い掛かる』性質を持ち、一度ロックオンすれば地球の裏側まで逃げても追って来るという。

【weapon】
宝具

【人物背景】
アイルランドの光の皇子・クーフーリン。
ケルト神話の大英雄とされる彼だが、今回はUBWルートで死亡後からの参戦。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯にも、新たな生にも興味はない。
マスターの目的に付き合ってやるか、程度の認識。


【マスター】
棗恭介@リトルバスターズ!

【マスターとしての願い】
修学旅行の事故を、聖杯の力でなかったことにする

【weapon】
拳銃

【能力・技能】
なし

【人物背景】
ある学園にて暗躍する、『闇の執行部』の部長――時風瞬。

【方針】
聖杯狙い。全てを終わらせる。

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