地球撲滅軍第九機動室室長、空々空は鎌倉の大地を踏みしめていた。

2012年10月25日、午前7時32分。
後に『大いなる悲鳴』と呼ばれる原因不明の大災害によって、人類の3分の1が死滅した。

それは他の何物にも影響を及ぼさず、見事に人類だけを殺害する現象であり、明確な『地球』からの人類に対する攻撃であった。
人類を滅ぼさんとする地球に対抗すべく、人類は地球を撲滅せんと立ち上がった。
正確には大いなる悲鳴より以前から地球陣との戦いは続いていたらしいのだが、その辺の事情は空々は詳しくない。というより興味もない。
そうした抵抗組織は世界中に存在し、その中でも国内最大手の政府に正式に認められた組織が、彼の所属する所の地球撲滅軍である。

そんな組織において、若干13歳にして第九機動室室長にまで上り詰めた地球撲滅軍の英雄。
コードネーム『醜悪(グロテスク)』。敵よりも味方を多く殺す、味方殺しの英雄。
その心に感情はなく、感動はなく、感傷はなく、感性はなく、感嘆はなく、共感を持たない。
何事にも動じず、何者にも執着せず、何故にも頓着しない。
それ故に、英雄足りうる資質を持っていた。
それがこの少年、空々空である。

空々は今、鎌倉にて聖杯戦争に巻き込まれてきた。
究極魔法を巡る魔法少女の争い、四国ゲームなる儀式に巻き込まれたこともある空々空ではあるのだが。
今度は鎌倉での魔術師による聖杯戦争ときたものだ。
科学を是とする地球撲滅軍の室長としてはこのような異能の巻き起こした儀式に連続して巻き込まれるのには異議申し立てをしたい所ではあるのだが。

しかし、そこは空々空である。
現実を受け入れる事と、生き延びる事には異常なまでに長けている少年だ。
そもそも空々に地球撲滅軍に対する帰属意識なんてないし、化学が絶対だなんて欠片も思っていないのだけれど。
巻き込まれてしまった以上、そういうものだと早々に割り切り、聖杯とやらに与えられた知識であるところの生き延びる手段(サーヴァント)を召喚したのだった。

与えられるのならば例え親の仇から与えられたものであろうと躊躇いなく使う少年だ。
実際、空々は実の両親を殺害した地球撲滅軍に所属しその庇護下に置かれている。
獅子身中の虫となり復讐を狙っている、という話ではなく、ただ保護者を失い生活力のない自分が生き残るためだけに。

もちろんその道具が、罠などではなく信用できる代物であるに限るが、少なくとも聖杯から与えられたルールの限りではその心配はなさそうである。
状況によってはサーヴァントの裏切りに会い襲ってくる可能性もあるが、その為の令呪だろう。

「どうかしましたか、マスター?」

隣を歩いていたサーヴァントは召喚してからこれまで一度も崩れることない温和な笑顔のまま、マスターたる空々へと視線を向けた。
そのサーヴァントは中性的な顔をした優男であり、蒼みのがかった和服に包まれた肉体は線が細く、ともすれば野球で鍛えた空々の方がまだ筋肉は付いているかもしれないくらいである。
もっとも空々は可憐な少女の外見に地球を滅ぼす力を秘めた、地球撲滅軍不明室が開発した人造人間である悲恋という存在を知っているから、外見で相手を侮るようなまねはしなかったけれど。
年の頃は空々よりもやや高く、地球撲滅軍における空々の初代世話係であるところの彼女と同年代くらいだろう。
そして、その腰元には白鞘に納められた日本刀がある。
これがこのサーヴァントの武器であり、これまで数々の敵マスターを切り捨ててきた凶器である。

「いいえ、なんでもないですよアサシンさん」

特に敬語キャラという訳でもないのだが、野球部として青春の汗を流した空々空である。
目上に対する礼儀作法はそこで叩き込まれているため、年上と思しき初対面の相手にはどうしても敬語になってしまう。
人付き合いの苦手な空々だから距離感を詰めかねているというのが本当の所なのだけど。
やはり、第九機動室室長として部下と接するのとは若干勝手が違う。

そして、そうアサシンだ。
目の前にいるサーヴァントは剣の英霊ではなく暗殺の英霊である。
このサーヴァントは温和そうな顔のまま人斬りを成し遂げる生粋の暗殺者だった。
何の躊躇いもなく空々の命令に従い、無茶な作戦に対しても何の疑問も挟まず異議申し立てもしない。
それでいて仕事はきっちりこなしてくるのだから空々としては言う事なしである。

現にこうしてここまで生き延びている。
幸運にも、後先を考えない空々にしては珍しく、令呪だってこうして一つも使わず保たれている。
それくらいに、このサーヴァントと空々の相性は良かった。

だが、空々は失念しているが、そもそもそういう所には疎い男なので今後も気付くかは怪しい所なのだが、それはあくまで道具としての相性であった。
決して信頼関係の上に成り立っているものではない。
だから、戦術的な相性が良くても、人間的な相性がいいとは言えないのである。
いやそもそも空々と相性のいい人間なんて、いるのかどうかもわからないのだけれど。

アサシンが空々に対して異議申し立てをしないのは、自分の意見を持たないからなのかもしれないし。
温和なニコニコ顔だからと言って、不満を感じていないとも限らないのである。
そもそもそんな笑顔で人を殺せるのだから、人間的に何らかの異常を抱えていると気付くべきなのだ。相手が人間ではないにしても。

しかし、そこは空々空である。
人の感情に対する疎さにかけては右に出る者のいない少年である。
気付くべきことに気付かず、ドツボに嵌ま墓穴を掘り続ける事には定評のある少年である。
もっとも、突き抜けて生き延びる事にも定評があるのだが。

ここまで接していながら笑顔であるからという理由で、目の前の少年が自分と同じく感情の死んでいる人間だと空々は気づかない。
正確には、全ての感情が死んでいる空々と違い、このサーヴァントは「楽」以外の感情が死んでいるのだが。

それは明治の時代、政府転覆を目論むとある修羅の片腕として、言われるがまま暗殺を成し遂げてきたもう一人の修羅。
感情を失い数多の人間を平然と殺害してきた人斬り。
その真名を瀬田宗次郎と言った。


【クラス】
アサシン

【真名】
瀬田宗次郎@るろうに剣心

【属性】
中立・中庸

【ステータス】
筋力:D 耐久:E 敏捷:A++ 魔力:E 幸運:E 宝具:E+

【クラススキル】
気配遮断:C
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば発見することは難しい。

【保有スキル】
天剣:B
 天より与えられた剣の才能。
 同ランクの心眼(偽)、宗和の心得の効果を併せ持つ。

感情欠落:B-
 喜怒哀楽の「楽」以外の感情が欠落している。
 精神面への干渉を無効化すると共に、直感、心眼などの先読みスキルを無効化する。
 しかし不殺スキルを持つ相手と対峙した場合ランクは著しく低下する。

縮地:A
 驚異的な脚力で初速から一気に最高速に達する、目にも止まらぬどころか目にも映らない速度を発揮する超神速の移動術。
 室内であれば、天井も使用した『全方位空間攻撃』を展開できる。

【宝具】
『瞬天殺』
ランク:E+ 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大補足:1
 「縮地」から「天剣」の抜刀術に繋げる連続技。「感情欠落」により先読みは不可能であるため、必中必殺の暗殺術である。
 この一撃が決まれば敵は自身が死んだことにすら気づかず痛みを感じることなく息絶えるだろう。

【weapon】
『菊一文字則宗』
 とある世界において志々雄真実を匿った際に礼として受け取ったとされる宗次郎の愛刀。
「菊一文字則宗」であるというのはあくまで同じ十本刀の才槌の見立てであり、実際には無銘。

【人物背景】
文久元年9月生まれ。相模国出身。
“天剣”の宗次郎。十本刀最年少にして最強の剣士。
とある米問屋の主人と妾の間に生まれ、幼少の頃より養父母一家から酷い虐待を受けて育つ。
そして被害を軽減させるには愛想笑いを浮かべているがの一番いいと悟り喜怒哀楽の中から「楽」以外の感情を封印するようになった。
その頃、全身に大火傷を負った逃亡中の志々雄真実と出会い米蔵に匿うが、その行為が親兄弟に露見。
新政府に取り入ろうとしていた養父に殺されかけるが、志々雄から語られた「弱肉強食」の理論を思い出し、宿賃代わりに渡された脇差で家族を全員斬殺する。
その後、志々雄真実の片腕として活動し、大久保利通などの多くの要人を暗殺してきた。

【サーヴァントとしての願い】
人生の答えを得る

【マスター】
空々空@伝説シリーズ

【weapon】
『醜悪(グロテスク)』
 不明室の生み出した透明化スーツ

【人物背景】
地球撲滅軍第九機動室室長。コードネーム『醜悪』。矯正された右利き。
何事にも感動しない性質で、その性分を隠すため自分を演じながら生きている。
その資質を見出され地球撲滅軍の勧誘を受け、その際に証拠隠滅のため家族を虐殺されるが、特に動じることなく家族を惨殺した張本人である少女と共同生活を開始する。
そして『犬歯』にそそのかされ地球撲滅軍からの脱走を試み、その際に『火達磨』『恋愛相談』『蒟蒻』といった仲間を殺害。
脱走は失敗に終わるも前室長である『蒟蒻』が死亡したため、第九機動室室長に任命される。
その後、四国で起きた異変の調査を行うため単身四国に乗り込み、そこで行われている究極魔法を巡り魔法少女たちが行う四国ゲームに巻き込まれる。
多くの犠牲を出しながらも究極魔法の入手に成功する。

【マスターとしての願い】
いつもの日常に戻る

【基本戦術、方針、運用法】
基本は正面戦闘は避け徹底して瞬天殺による奇襲でマスターを狙う
また状況におじて空々の英雄性に任せ臨機応変に生存を目指す

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