「どりゃあ! 死ねぇぇぇ!」

男の放った斬撃を受け、一人の青年が虚空へと消滅した。

「ら、ランサー……!」
「勝負はつきました、ここから去って下さい」

青年―――ランサーのマスターだった男は、たった今まで対峙していた少女の言葉にがくりと膝をつく。

「がははー! 俺様大勝利ー! 見てたか音姫ちゃん?」
「う、うん……サーヴァントの戦いが、これほどの物だったなんて」
「だーっ! そうじゃなくて俺様の格好良い立ち回りのことだ!
 惚れ直せ! そしてヤラせろ!!」
「え……あ、はぁ、またそれなんだ……」

男の言葉に、少女は頭痛を堪えるかのように頭を抑えた。




「貴方が、私のサーヴァント……」
「うむ、その通り! 俺様がキミのパートナーとなるセイバーのサーヴァント、ランス様だ!」

朝倉音姫の前に現れたサーヴァント、セイバーはそう名乗る。
西洋の剣士といった出で立ちだ、緑色の服に銀色のアーマーをつけ、腰には剣を下げている。

「朝倉、音姫です。
 聖杯のため、よろしくお願いします」
「うむ、よろしくしてやるぞ。
 ……しかし、俺様と一緒に戦うためには一つやらねばならない儀式があるのだ」
「儀式、ですか?」

記憶にある聖杯戦争の知識を探っても、儀式なるものについては見当たらない。
首を捻る音姫へと、セイバーはその大きな口をニヤリと歪める。

「その儀式とは……こういうものだー!」
「えっ……きゃああああああ!?」

突然セイバーに飛びかかられ、音姫はその場に組み伏せられる。
必死にもがくが、サーヴァントの力に敵うはずもなくセイバーはびくともしない。

「ぐふふ、俺様のマスターが音姫ちゃんのような可愛い子でラッキーだったぞ。
 すぐメロメロでアヘアヘにしてやるから―――」
「わ、『私へ危害を加える事を禁ずる』!」
「ぬおっ!?」

令呪による命令によってセイバーの身体が硬直し、その隙に音姫はその下から抜け出す。

「と、突然何を……!」
「むぐっ! このっ! 動けーん!」
「……今の命令で動けないって、私を襲うことしか考えてないの……?」

令呪に縛られ藻掻くセイバーの様子に、気が遠くなりそうになる。
何としてでも聖杯を手にしなくてはならないというのに、こんなサーヴァントでどうすればいいのか。

―――音姫が聖杯に望むのは自身の住む島、初音島で起きている魔法の事件に関することだ。

人の願いを叶える、枯れない桜の木。
今、その願いを叶える機能が暴走し、数多の事故を引き起こしてしまっている。
今はまだ死者が出るような事には至っていない、だが、それも時間の問題だろう。
それを防ぐためには、桜の木を枯らし、桜の魔法を止めることが必要だ。
しかし―――桜の魔法を止めることは、音姫の最愛の人物、桜内義之を消すことと同義となる。
桜の魔法によって存在している最愛の人、それを守りながらも桜の暴走を止める方法を死に物狂いで探し―――見つけたのが、聖杯だ。

何としてでも……例え他の人の願いを蹴落としてでも、聖杯を手に入れなくてはならない。
それだというのに、このサーヴァントは―――。

「な、なんのこれしき……! ラ~ンス、フルパワー!!」
「ひぃっ!?」
「や~ら~せ~ろ~……!」

セイバーは令呪に縛られているはずの身でゆっくりと、だが確実に音姫の方へと歩み寄っていく。
音姫にとって、まだ見ぬ数多の敵サーヴァント等よりも、目の前の自身のサーヴァントの方が何倍も恐ろしい。
元々彼女はえっちな事が大の苦手であり、他人が話してるだけでも咎めるような性格である。
それがこの性欲の化身とでもいうような男をまともに制御できるはずもない。
それでも、この男に戦ってもらう他に義之と初音島の両方を助ける方法はないのだ、心の中で何十回と自分に言い聞かせる。

(弟君のため、弟君のため、弟君のため、弟君のため……!)
「わ、わかりました! そんなに、その、私を……襲いたいんでしたら、条件があります」
「むむっ?」
「聖杯を手に入れて下さい、聖杯と引き換えなら……覚悟を、決めます」
「……ガハハー! なんだ、そんなことでいいのか!
 ならばいいだろう、それで音姫ちゃんもノリノリになってくれるなら、聖杯を取るまでは我慢してやる!」
「の、ノリノリになんてなりません!」
「そうと決まればさっさと他の連中を探してぶっ殺すぞ! ついて来い!」
「あ、ま、待って!」

一人で勝手に行こうとするセイバーの後ろを慌てて追いかける。
この男とパートナーとしてやっていける自信は未だ無い、それでも、前を向いて歩き続けるしかないのだ。

(私は、正義の魔法使いなんだから―――!)


【クラス】セイバー
【真名】ランス
【出典】ランスシリーズ
【性別】男性
【属性】混沌・悪

【パラメーター】
筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:E 幸運:EX 宝具:B

【クラススキル】
対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術・儀礼呪法など大がかりな魔術は防げない。

騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。

【保有スキル】
カリスマ:B
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。

鬼畜王:EX
 鬼畜と言われる非道な行為を行い続けた王への称号。
 どのような悪事にも心が揺るぐことがない。

才能限界:EX
 ステータスの上限が存在しない。
 鍛錬次第でどこまでも強くなり、遊び呆けていると弱くなる。
 通常ではあり得ない、世界のバグ。


【宝具】
『魔剣カオス』 
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:1人
 人間が魔人・魔王に対抗する為の唯一の手段であるインテリジェンスソード。
 魔人の持つ無敵結界を切り裂く(中和)する力を持ち、カオス本人のテンションによってその攻撃力を上下させる。
 謎のオーラによって自分の意思で他人と触れ合うこともできる。

『ハイパー兵器』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:1人
 彼と性的に交わった者の才能限界の上限を上げる。
 あくまでも上限を上げるだけであり、能力を上げるには鍛錬が必要である。


【weapon】
ブロードソード
 一般的な剣士の持つ剣。

【人物背景】
 ただの人間ながらもSクラスの才能を持ち、才能限界無限という生まれ持ったバグが存在する最強戦士で、理論上では生物最強と成り得る存在。
 無闇に自信溢れた自己中心を絵に描いたような性格で、極度の女好き…と言うより、えっち好き。世界中の美女は全て俺様の物と、自分の欲望にどこまでも忠実に生きている。
 そのため世界を救うみたいな使命感はまったく考えていない。
 良識なんて物は持ち合わせないが、良心が無いわけではないというガキ大将気質な男。
 基本的にはエロを目的に動く単純な男だが、スケールが大きく強運に恵まれた男でもあり、一介の冒険者でありながら個人所有の城を手に入れるまでに至るほど。
 自分の力では勝てない様な実力者と戦う様な場面に陥った場合、知恵と鬼畜な作戦で相手を退けたりする等、単純なだけでなく頭脳派な一面も見せる。
 ただ自分の行動がもたらす常識的な結果を全く考えなかったり、考えたとしてもあり得ないほど都合良く曲解してしまうため、基本的に周りは振り回され、大変な目に遭いやすい。

【サーヴァントとしての願い】
 世界中、歴史上の可愛い子達全員とヤる!

【基本戦術、方針、運用法】
 地力が強いため、正面からぶつかっても早々力負けはしない。
 また頭も狡賢く回るため、強敵とは策を巡らせることも有効だろう。
 だが、普段から、特にエロが関係するとマスターの言うことなぞ一切聞かないため、連携を図ることは難しい。


【マスター】朝倉音姫
【出典】D.C.II
【性別】女性
【マスターとしての願い】
 枯れない桜の暴走を止める

【weapon】
無し

【能力・技能】
正義の魔法使い
 母親から魔法使いの血と魔法の力の監視者の役目を受け継いでいる。
 魔法学園に通い学んだわけではないため、使える魔法は限られているが、その魔力は高い。

【人物背景】
 風見学園本校2年3組在籍。生徒会長。
 まゆき曰く「生徒会の飴」であり、副会長まゆきと2人の絶妙なバランスにより生徒会は成り立っている。
 全校生徒に男女問わず人気があり、気取った態度をとらず、誰に対しても平等な態度で接するが、例外として義之には相当に甘く常日頃から(公私の区別なく)義之を「弟くん」と呼び、猛烈に可愛がる。
 いわゆる「ダダ甘」であるが、幼少時はクールで無愛想な性格だった。
 エッチなことが大嫌いで「えっちなのはいけません!」と叱ったり、義之が隠していたエロ本を燃やしてしまったりする。
 真面目でしっかり者であるが少し天然な所もあり、物事を信じやすい所がある。


【方針】
 何とかしてランスを制御し聖杯を手に入れる。

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