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293 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:12:24 ID:70+x2KbF これから投稿します。 5レスの予定です。 294 名前:一期一会 1/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:24:11 ID:70+x2KbF  暑い日が続いている。日中は風が強く吹いていたが、夕方には収まっていた。  二階にあるこの部屋の窓から外を見れば、近所の家の明かりが見えるだろう。  俺は視線をカーテンからディスプレイに移す。そこには書きかけのSSが表示されている。  読み専だったのだが、ある事が切っ掛けとなり、SSに挑戦しているのだ。  それはある掲示板で、偶然見つけたスレに原因があった。  そこで禁断少女……もとい、素晴らしい作品群に出会ったからだ。  いざ書いてみると、想像以上に難しかった。作者の苦労を実感し、頭が下がる思いだ。  オナ禁してから既に一週間経つが、いまだに禁断少女らしい人物は現れていない。 「駆け出しの元に来るはずもないか……」  大きく伸びをした後、メールをチェックする。相変わらず、出会い系の怪しいメールばかりだ。  ふと、その中に『禁断少女』という差出人名を見つける。 「これは!?」  はやる気持ちを抑え、ゆっくりと唾を飲み込む。 295 名前:一期一会 2/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:27:36 ID:70+x2KbF  メールを開くと、本文には『今夜、貴方の元に伺います』と一行だけあった。  返信ボタンを押し、『突然部屋に現れても困るので、玄関から来て下さい』と入力する。  俺は細かい事は気にしないのだが、登場は自然なほうがいいと思ったからだ。  メールを送信してから後悔する。 「新たな手口に引っ掛った?」  俺の不安をよそに、送ったメールは配信不能というエラーで返って来た。  そうだよな。そんな都合のいい話があるわけない。少し期待していた自分に苦笑する。 「もう九時か。腹減ったな」  両親が旅行に出かけているため、食事はコンビニの弁当などで済ませていた。  最近、この辺りに怪しいヤツが出没するらしいので、夜はあまり外に出たくなかった。  男が襲われることはないと思うが、変質者に間違えられても困る。 「まだ何か残ってたかな?」  自分の部屋から出ると、階段を下りて食堂へと向かう。  食堂の入り口には、幾つかの洗濯物――体操着や下着など――が無造作に置いてある。  これらは昼間、隣りの家から飛んできた物だった。留守だったので、返していない。 296 名前:一期一会 3/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:30:46 ID:70+x2KbF  戸棚を漁るとカップラーメンが一つだけ残っていた。 「今夜はこれでよしとするか」  ヤカンに水を入れ、お湯を沸かすことにする。  自分の席に腰を降ろすと、頬杖をついた。  禁断少女はその人が想い描く姿で現れるらしい。性格や性癖なども合わせてくれるのだろうか?  実は隣りの家に住む少女に好意をもっている。彼女は今年高校生になったばかりだ。  小さい頃はたまに遊んだこともあるが、最近はそんな事もなくなっていた。  まあ、挨拶くらい交わすが、それ以上は望むべくもない。  今朝見かけた時、彼女は長い髪を揺らしていた。その笑顔には、まだあどけなさが残っていた。  もっとも体の発育は順調なようで、何度か風呂場を覗いて確認済みだった。  どちらかというと、髪は短い方が好みなんだが……。  もし、俺の元に禁断少女が現れるとすれば、彼女の姿で来てくれるのだろうか?  格好はもちろん制服で……いや、夏だから違ってても許すぞ。 297 名前:一期一会 4/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:33:21 ID:70+x2KbF  いきなり襲ったら、嫌がってビンタくらいされるかな? 従順なだけじゃ、イマイチ面白くない。  ヒールで踏み付けられたり、鞭で打たれてみるっていうのはどうだろう? ローソクは?  手錠なんか掛けられて、激しく罵られるとかは?  責められた事などないのだが、そんな経験をしてみたいと思っている。頼む、体験させてくれ!  幼さの残る子にそんなことをされたら、ギャップで萌え狂ってしまうかもしれない。  ヤカンが沸騰したことを知らせてきたので、火を止めにいく。  カップラーメンの蓋を開け、湯を注ぐ。 「ちっ」  お湯が線より多く入ってしまった。今にも溢れそうだ。まあ、いいか。  カップラーメンをテーブルまで持っていき、時計を見る。長針は4を指していた。  箸を用意し、椅子に座る。あと少しで食べられるぞ。  不意に呼び鈴が鳴った。 「誰だ? こんな時間に……ま、まさか!」  俺は食堂から玄関へと続く、真っ直ぐな廊下を小走りで進んでいく。 298 名前:一期一会 5/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:36:52 ID:70+x2KbF  玄関のドアを開けると、隣りの家に住む少女が立っていた。髪型は俺好みのショートカットだ。  白い半袖ブラウスにチェックのスカートを穿いている。両手は後ろに回されていて見えない。  さり気なく胸の辺りへ目をやると、ブルーのブラジャーが薄っすらと透けていた。 「こんばんは。あの、回覧板です」  彼女はそう言うと、両手で回覧板を差し出した。  マジか!? 俺の所にも、ついに禁断少女がキター!!  彼女に見えないよう、小さくガッツポーズをする。  この際、制服姿でなくてもいいじゃないか。俺は細かい事は気にしないのだ。 「どうしたんですか?」  彼女はちょっと首を傾げる。 「い、いや何でもないよ。ありがとう」  回覧板を受け取ると、それをゲタ箱の上に置く。 「失礼します」  彼女は一礼して、背を向ける。 「上がっていきなよ」  その背中に、慌てて声をかけた。焦らす作戦だろうか? 「えっ?」  彼女が振り向いた。 「ジュースぐらい出すよ」 「でも。わたし、帰りま……」  彼女の視線は、俺から廊下の奥、食堂の方へと向けられていた。 299 名前:一期一会 6/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:42:44 ID:70+x2KbF 「いいからいいから。遠慮することないって」  そう促すと、彼女は指を口元に持っていき、何事か考えているようだった。 「……じゃあ、少しだけ」  彼女はそう言うと、玄関の中に入ってきた。ゆっくりとした動作で靴を脱ぐ。  俺は食堂へと続く廊下をゆっくり進む。彼女は後ろから付いてくる。 「わざわざ俺の所に来てくれるなんて、感激だな」 「あの、なんのことですか?」 「またまた。俺、一週間も溜まってるんだ」  急に立ち止まって振り返る。彼女も慌てて止まると、二人は向き合った状態になる。  俺が彼女を見つめると目が合った。しかし、彼女はすぐに視線を逸らした。  次の瞬間、俺は彼女のスカートをめくった。青いパンツがちらりと見える。レース付きだ。 「キャッ!」  小さな悲鳴と共に、両手でスカートを押さえる姿が愛らしい。  た、たまらん! 「ちょっ、ちょっと何を――」  抗議しようとした彼女をその場に押し倒し、馬乗りになる。  手で腕を抑えつけ、強引に唇を奪おうと腰を浮かせ、前のめりになった。 「や、やめて下さい」  顔を背けた彼女が言う。 300 名前:一期一会 7/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:44:31 ID:70+x2KbF 「嫌がる姿もいいね」  彼女の耳元で囁く。 「ひ、人を呼びますよっ!」  顔を戻して言う彼女の声は、少し震えているようだった。  俺は左手で無理矢理ブラウスを襟元から引っ張ると、ボタンが幾つか飛んだ。  レース付きのブラジャーが露になる。柔らかそうな膨らみは目の前だ。 「い、いやぁー!」 「嫌よ嫌よも好きのうちって――」  頬に平手打ちを喰らった後、股間に鈍痛が走る。 「ってー!」  彼女の蹴りが入ったのだ。床で転げる俺を無視し、彼女は一目散に駆け出す。 「ちょ、まてよっ」  俺は手を伸ばすが、彼女は振り向きもせず、玄関から出ていった。  なんとか立ち上がり、ぴょんぴょんと跳ねる。 「ぅああ、マジ痛え……」 301 名前:一期一会 8/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:46:36 ID:70+x2KbF  暫くして、気を落ち着かせた俺は食堂に戻った。  時計を見れば、もう五十分を過ぎている。 「完全に延びちゃったな」  席に着き、水分を吸ってしまった麺を食べ始める。 「さすがにちょっと強引すぎたかな」  自分の衝動を抑えきれなかったことを反省する。  何も逃げ出すことはないじゃないか。まだ抜いていないんだから、すぐに戻ってくるだろう。  そういえば、なんで持ち物が回覧板なんだ? まあ、いいか。俺は細かい事は気にしないのだ。  殆んど残っていない汁をすすった。  パトカーのサイレンが近づいて来るような気がする。 「ん? 近くで何かあったのかな」  変質者でも出たのだろうか? のん気にそんな事を思う。  カラになったカップと箸をテーブルの上に置くと、ゆっくり背もたれに寄りかかった。 302 名前:一期一会 9/9[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:48:31 ID:70+x2KbF  それから一時間後――。  明かりの点いた家の玄関先に、人影が立っていた。  呼び鈴を何度となく鳴らしているが、誰も出てくる気配がない。 「おかしいなぁ」  髪の短い、制服姿の少女が首を傾げる。手には膨らんだ学生鞄を持っていた。 「確か、ここで間違いないと思うんですけど……」  少し玄関から離れると、ゆっくりと辺りを見回す。 「急でしたけど、苦労して集めたんですよ、コレ」  そう呟いて持ってきた鞄に目をやると、ため息を吐く。  玄関前に行き、もう一度呼び鈴を鳴らす。  少し待ってみたが、やはり誰も出てこない。 「せっかく来たのに……もう知らないです!」  少女は頬を膨らませると、その家を後にするのだった。 -完- 303 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/31(木) 18:52:38 ID:70+x2KbF 以上です。 ごめんなさい、ごめんなさい。 携帯からの書き込みなんですが、文字数制限に引っ掛かりました。 (つд`)
 暑い日が続いている。日中は風が強く吹いていたが、夕方には収まっていた。  二階にあるこの部屋の窓から外を見れば、近所の家の明かりが見えるだろう。  俺は視線をカーテンからディスプレイに移す。そこには書きかけのSSが表示されている。  読み専だったのだが、ある事が切っ掛けとなり、SSに挑戦しているのだ。  それはある掲示板で、偶然見つけたスレに原因があった。  そこで禁断少女……もとい、素晴らしい作品群に出会ったからだ。  いざ書いてみると、想像以上に難しかった。作者の苦労を実感し、頭が下がる思いだ。  オナ禁してから既に一週間経つが、いまだに禁断少女らしい人物は現れていない。 「駆け出しの元に来るはずもないか……」  大きく伸びをした後、メールをチェックする。相変わらず、出会い系の怪しいメールばかりだ。  ふと、その中に『禁断少女』という差出人名を見つける。 「これは!?」  はやる気持ちを抑え、ゆっくりと唾を飲み込む。  メールを開くと、本文には『今夜、貴方の元に伺います』と一行だけあった。  返信ボタンを押し、『突然部屋に現れても困るので、玄関から来て下さい』と入力する。  俺は細かい事は気にしないのだが、登場は自然なほうがいいと思ったからだ。  メールを送信してから後悔する。 「新たな手口に引っ掛った?」  俺の不安をよそに、送ったメールは配信不能というエラーで返って来た。  そうだよな。そんな都合のいい話があるわけない。少し期待していた自分に苦笑する。 「もう九時か。腹減ったな」  両親が旅行に出かけているため、食事はコンビニの弁当などで済ませていた。  最近、この辺りに怪しいヤツが出没するらしいので、夜はあまり外に出たくなかった。  男が襲われることはないと思うが、変質者に間違えられても困る。 「まだ何か残ってたかな?」  自分の部屋から出ると、階段を下りて食堂へと向かう。  食堂の入り口には、幾つかの洗濯物――体操着や下着など――が無造作に置いてある。  これらは昼間、隣りの家から飛んできた物だった。留守だったので、返していない。  戸棚を漁るとカップラーメンが一つだけ残っていた。 「今夜はこれでよしとするか」  ヤカンに水を入れ、お湯を沸かすことにする。  自分の席に腰を降ろすと、頬杖をついた。  禁断少女はその人が想い描く姿で現れるらしい。性格や性癖なども合わせてくれるのだろうか?  実は隣りの家に住む少女に好意をもっている。彼女は今年高校生になったばかりだ。  小さい頃はたまに遊んだこともあるが、最近はそんな事もなくなっていた。  まあ、挨拶くらい交わすが、それ以上は望むべくもない。  今朝見かけた時、彼女は長い髪を揺らしていた。その笑顔には、まだあどけなさが残っていた。  もっとも体の発育は順調なようで、何度か風呂場を覗いて確認済みだった。  どちらかというと、髪は短い方が好みなんだが……。  もし、俺の元に禁断少女が現れるとすれば、彼女の姿で来てくれるのだろうか?  格好はもちろん制服で……いや、夏だから違ってても許すぞ。  いきなり襲ったら、嫌がってビンタくらいされるかな? 従順なだけじゃ、イマイチ面白くない。  ヒールで踏み付けられたり、鞭で打たれてみるっていうのはどうだろう? ローソクは?  手錠なんか掛けられて、激しく罵られるとかは?  責められた事などないのだが、そんな経験をしてみたいと思っている。頼む、体験させてくれ!  幼さの残る子にそんなことをされたら、ギャップで萌え狂ってしまうかもしれない。  ヤカンが沸騰したことを知らせてきたので、火を止めにいく。  カップラーメンの蓋を開け、湯を注ぐ。 「ちっ」  お湯が線より多く入ってしまった。今にも溢れそうだ。まあ、いいか。  カップラーメンをテーブルまで持っていき、時計を見る。長針は4を指していた。  箸を用意し、椅子に座る。あと少しで食べられるぞ。  不意に呼び鈴が鳴った。 「誰だ? こんな時間に……ま、まさか!」  俺は食堂から玄関へと続く、真っ直ぐな廊下を小走りで進んでいく。  玄関のドアを開けると、隣りの家に住む少女が立っていた。髪型は俺好みのショートカットだ。  白い半袖ブラウスにチェックのスカートを穿いている。両手は後ろに回されていて見えない。  さり気なく胸の辺りへ目をやると、ブルーのブラジャーが薄っすらと透けていた。 「こんばんは。あの、回覧板です」  彼女はそう言うと、両手で回覧板を差し出した。  マジか!? 俺の所にも、ついに禁断少女がキター!!  彼女に見えないよう、小さくガッツポーズをする。  この際、制服姿でなくてもいいじゃないか。俺は細かい事は気にしないのだ。 「どうしたんですか?」  彼女はちょっと首を傾げる。 「い、いや何でもないよ。ありがとう」  回覧板を受け取ると、それをゲタ箱の上に置く。 「失礼します」  彼女は一礼して、背を向ける。 「上がっていきなよ」  その背中に、慌てて声をかけた。焦らす作戦だろうか? 「えっ?」  彼女が振り向いた。 「ジュースぐらい出すよ」 「でも。わたし、帰りま……」  彼女の視線は、俺から廊下の奥、食堂の方へと向けられていた。 「いいからいいから。遠慮することないって」  そう促すと、彼女は指を口元に持っていき、何事か考えているようだった。 「……じゃあ、少しだけ」  彼女はそう言うと、玄関の中に入ってきた。ゆっくりとした動作で靴を脱ぐ。  俺は食堂へと続く廊下をゆっくり進む。彼女は後ろから付いてくる。 「わざわざ俺の所に来てくれるなんて、感激だな」 「あの、なんのことですか?」 「またまた。俺、一週間も溜まってるんだ」  急に立ち止まって振り返る。彼女も慌てて止まると、二人は向き合った状態になる。  俺が彼女を見つめると目が合った。しかし、彼女はすぐに視線を逸らした。  次の瞬間、俺は彼女のスカートをめくった。青いパンツがちらりと見える。レース付きだ。 「キャッ!」  小さな悲鳴と共に、両手でスカートを押さえる姿が愛らしい。  た、たまらん! 「ちょっ、ちょっと何を――」  抗議しようとした彼女をその場に押し倒し、馬乗りになる。  手で腕を抑えつけ、強引に唇を奪おうと腰を浮かせ、前のめりになった。 「や、やめて下さい」  顔を背けた彼女が言う。 「嫌がる姿もいいね」  彼女の耳元で囁く。 「ひ、人を呼びますよっ!」  顔を戻して言う彼女の声は、少し震えているようだった。  俺は左手で無理矢理ブラウスを襟元から引っ張ると、ボタンが幾つか飛んだ。  レース付きのブラジャーが露になる。柔らかそうな膨らみは目の前だ。 「い、いやぁー!」 「嫌よ嫌よも好きのうちって――」  頬に平手打ちを喰らった後、股間に鈍痛が走る。 「ってー!」  彼女の蹴りが入ったのだ。床で転げる俺を無視し、彼女は一目散に駆け出す。 「ちょ、まてよっ」  俺は手を伸ばすが、彼女は振り向きもせず、玄関から出ていった。  なんとか立ち上がり、ぴょんぴょんと跳ねる。 「ぅああ、マジ痛え……」  暫くして、気を落ち着かせた俺は食堂に戻った。  時計を見れば、もう五十分を過ぎている。 「完全に延びちゃったな」  席に着き、水分を吸ってしまった麺を食べ始める。 「さすがにちょっと強引すぎたかな」  自分の衝動を抑えきれなかったことを反省する。  何も逃げ出すことはないじゃないか。まだ抜いていないんだから、すぐに戻ってくるだろう。  そういえば、なんで持ち物が回覧板なんだ? まあ、いいか。俺は細かい事は気にしないのだ。  殆んど残っていない汁をすすった。  パトカーのサイレンが近づいて来るような気がする。 「ん? 近くで何かあったのかな」  変質者でも出たのだろうか? のん気にそんな事を思う。  カラになったカップと箸をテーブルの上に置くと、ゆっくり背もたれに寄りかかった。  それから一時間後――。  明かりの点いた家の玄関先に、人影が立っていた。  呼び鈴を何度となく鳴らしているが、誰も出てくる気配がない。 「おかしいなぁ」  髪の短い、制服姿の少女が首を傾げる。手には膨らんだ学生鞄を持っていた。 「確か、ここで間違いないと思うんですけど……」  少し玄関から離れると、ゆっくりと辺りを見回す。 「急でしたけど、苦労して集めたんですよ、コレ」  そう呟いて持ってきた鞄に目をやると、ため息を吐く。  玄関前に行き、もう一度呼び鈴を鳴らす。  少し待ってみたが、やはり誰も出てこない。 「せっかく来たのに……もう知らないです!」  少女は頬を膨らませると、その家を後にするのだった。 -完-

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