禁断少女    01-5

 
211 :207:2006/08/04(金) 18:02:33 ID:pVMhFfl8
SS投下開始します。

「──ぐぉ、う……」
 思わず呻き声が出た。進まない。進まないのだ。先程までサクサク進んでいた文章がぴたりとその流れを止めた。
 俺が某巨大掲示板で官能小説もどきを書き出してこれでもう一年になる。一年の間に大量の叱咤激励や様々な作品を読み、少しはマトモなものが書けるようになってきた。
 正直、最初の作品などを今読むと死にたくなる。誤字脱字、文章としての読みにくさ、独りよがりな説明文の嵐。それでももらえた「GJ」を糧に、ココまで書いてきたのだが──
「糞ッ」
 思い入れがありすぎると言うのも厄介なものだ。オタクは夢想家故に、自らの思い入れで妄想を縛る事もある。それが既存のキャラクターであろうが、妄想上のキャラクターであろうが。
「ここでコイツが折れてくれるわけがねぇ………」
 頭をかるくがしがしと掻いて煙草に手を伸ばした時に──
「未だそんなものを吸っているのか、君は」
 いるはずのない他人の声に俺は固まった。

「………誰だ」
「さぁ、誰だろうな。元々名前なんか私には無い。あえて言うなら『禁断少女』とか呼ばれているな」
 背後からヒトが近づく気配がする。いや、外見なんか見なくたってわかる。そう、『禁断少女』はその妄想を産み出した奴の理想の具現化なのだから。しかし──
「『少女』は無いんじゃないのか」
「君の趣味が年上だからな。全く、それにしても──相変わらず煩悩の塊だな、君は」
 そう言いながら『彼女』が背後からす、と手を伸ばしてマウスを操作する。
「しかしよくもココまで同じような趣向で書き連ねたものだな。一体どれだけの妄想が詰まっているんだ、君には」
 たわわな胸が背中にあたっている。スーツ姿の右腕が見える。ここまでご都合主義ならあとは見ずともわかろうものだ。眼鏡をかけてて、吊り眼で、気が強い。髪型はまとめ髪だろうな。そんで地は方言だ。
「……なぁ、やっぱりそういうことなのか?」
「ふふ。そういうコトだよ。私が呼ばれた以上、私はそういうコトしかしないんだ」
 椅子に座った状態で後ろから抱きしめられ、片方の手がジーンズの上から撫で擦っている。そう、──わかっている。禁断少女って奴は、溜まった精を抜く存在らしいのだから。


212 :207:2006/08/04(金) 18:03:55 ID:pVMhFfl8

『禁断少女』──このエロビデオのタイトルみたいな存在が語られだしたのはいつだったろうか。何でも自慰行為を禁止してれば出てくるだの、いや書き手のもとにしか云々だの、質が悪い都市伝説みたいなものだ。
 煩悩のままに筆を綴る連中の一種の救いであろうか。それが故か、その外見は千差万別、唯一つ共通するのは「精を抜く」というこの一点。煩悩のままの姿で現れ、煩悩のままに精を抜いていく。
 どこのイメクラか、という話ではある。ありえないにも程がある話ではある。そもそも打ち間違いから出たキャラクターであると聞いた事もある。
 別に何だってかまわないしどうだって良かった。俺は根がどスケベだからか、一度だって禁欲をした事は無い。自慰したければ自慰をする。そして小説モドキも書き上げる。だから多分一生縁が無い筈だ。
 しかしどうしたことか、今も耳元で怪しく笑っているこの女は俺のもとに来てしまった。大前提である、「禁欲者へのご褒美」はどこへいったのだろうか。
「ふふ……なんで私が来たのか、わからないだろう?」
「あぁ。一昨日もキッチリ出してるからな。そこに転がってるエロDVDで」
「ふむ……『巨乳オフィス・淫猥な残業』か。どーにもありきたりなタイトルだな」
「だから安心できるんだがな」
 ここまで話して、俺はようやく彼女をしっかりと見た。いや、正直に言おう。さっきまで見る度胸と心の準備が無かったのだ。
「うぉ、ぁ……コイツはまた」
「ふふ?どうした?」
「いや、すげー素敵だ。ビバ俺の妄想」
 そう、そこには、間違いなく俺の好みの塊がいた。スーツ姿にまとめ髪、眼鏡をかけていてオマケに洒落にならんプロポーションの良さ。泣き黒子まで完備とは気が利いている。
「さて、それじゃ始めさせてもらうよ」
 言うや、俺の股間を再び彼女の右手が撫で擦る。
「いや待て、ソイツは歓迎するとこだが……何で来てくれてるんだ、本当に」
 そう。その一点が疑問だ。
「ふう、君も無粋だな?私からサセておいて、それで中断してまで説明しろと?大体、そんなのどうでもいいだろ?所詮私は妄想の一部なんだ」
「あー……まぁ、いいか。うん、ところでな」
「何だ、まだあるのか?」
「あぁ。俺、攻められるより攻めるほうが趣味なんだ」
 言うや、俺は彼女の肩を掴んで床へと押し倒した。


213 :207:2006/08/04(金) 18:05:18 ID:pVMhFfl8
「ちょ、ちょっと待て……!!き、君はアレか、知らないのかもしかして?私達はその、口ですることはあっても……」
「知らん。俺の妄想の産物なんだろ?なら今から徹底的に可愛がってやる。大丈夫だ、弱いトコは全て知ってる」
「そ、そりゃそうだろうな、君の考えたとおりなんだから!!そ、そうじゃ無く……てッ……ンむ……ぁ……」
 強引に胸を揉みしだきながら唇を奪う。形の良い眉が八の字になる光景に、更に興奮が増す。そのまま舌を入れて相手の舌を絡めとる。段々と女の身体がびくんびくんと震えだす。
「ぷは……最高だな、アンタ」
「お、お気に召して幸いだよ……ん、ンッ!!」
 強がるのも俺の趣味だ。首筋に、耳たぶにキスを降らす。声も無く身をよじろうにも、それは俺の身体が上にのっているから無理だ。耳元の熱い吐息が、徐々に官能の色を強く帯びてくる。
「ず、ずるいな君は全く、私の弱いところばっかり知っているんだ……」
「ああそうだ。ていうか弱いところしか知らない。所詮ご都合主義だからな」
 スーツをはだけてワイシャツのボタンを外していく。大きな胸が外気に晒され、上に浮かぶ汗がキラキラと光る。激しく上下するそれを再び両手で鷲掴む。
「ら、乱暴にしないでッ……」
「どうかな。メチャメチャにしたいのも事実だからな」
 一瞬怯えたような目がぞくりと来る。
「ちょ、待って……あかん、痛いのイヤ……」
「安心しろ、痛くはしねえよ……そういうところを知ってるからな」
 口調が関西弁になっている。ここまで俺の好みのままだともうどう言っていいかわからん。とりあえず徹底して貪るのみだ。
「や、そこ、ウチ弱いッ……」
「知ってる」
 ブラをずらし、乳首を口に含んで先端を舌でくじる。はぁはぁと大きく息をつく彼女に、更なる快感を叩き込む。
「や、やぁぁ……そこ、あかんッて……」
 胸を刺激しながら右手が内股に忍び込む。ストッキングと下着の二枚の上からでも、既に秘所が湿り気を帯びているのがわかる。
「もう濡れてるんだな?エロいなぁ、アンタ」
「あ、あんたのせいやんかぁ……ンっ、あ、や、やぁ!!駄目、やって、ソコ……弱……ァァ!!」
「なあ、もうイキそうだよな?俺の趣味なんだもんな?もうイキそうでイキそうで必死だろ?」
 俺が囁く言葉に、顔面を真っ赤にしながらこくこくと頷く。紅潮した顔、目尻の涙、八の字の眉。全てがそそる。
「なら、イッちまいな。俺が女がイくときの顔が大好きだって知ってるよな?」
「あ、あかん、本当、イって……まぅ……い、イイっ……あ、あ、あああッ!!」
 びくん、びくんと一際大きく身体を痙攣させ、俺の腕の中で彼女は達した。はぁ、はぁという荒い吐息が、俺の股間を痛いぐらいぎちぎちにさせていた。




214 :207:2006/08/04(金) 18:06:13 ID:pVMhFfl8

「な、何てコトすんねん……」
 はぁ、はぁと呼吸を乱しながらも恨めしげに彼女は俺を見る。
「何てコトって……いやその……」
「う、ウチだけがイってもうたやろ?そしたらアンタ、もう一生書かれへんよ、ああいう小説」
「は?」
「う、ウチはな、あのテのモノに対する妄念が集まって出来たようなモンや。せやから『誰か一人のモノ』にはなれへん。せやのにアンタは一方的にイカせてもうた……」
「そ、それが悪いのか?」
「今、ウチは『アンタだけのモン』になってもうてる……アンタの妄想の具現たる精液をもらってへんのに、イクだけはイッてもうたからや。そしたら、もう『禁断少女』でも何でもない」
「……はぁ。そしたら何なんだ」
「た、唯の妄想みたいなモンや……アンタ一人のな。アンタの煩悩の塊や、せやからウチがここにいる限りは」
「書けない、か。別にいいや」
「は?」
 彼女の目が点になる。
「妄想でも何でもいいや。要は書けないかわりにアンタもココにいるしか無いわけだよな?何度でもイって見せてくれるんだよな?」
「ちょ、ちょう、アンタ!!」
「知ってると思うけどさ、俺女がイく時の顔みるの大好きでな。あと三回はイって見せてくれ」
「や、ちょう待って!!あ、あかん、あかん、て、そ、そんなッ……」
 再び唇を奪って舌を絡めとる。大きな胸を揉みしだきながら両方の乳首をしごく。
「は、ぁあッ……か、かんにんしてッ……あかん、てッ……」
「やー妄想ってのは素晴らしい。もう身体中ガクガクで力入んないよな?」
「な、何でアンタそんなに……ッ、違和感無く犯せるねんッ……ふぁ、ぁッ……ふ、普通やったらッ……、とまど、うッ……ぁ、ああ!!」
「さぁなー。俺がイタイからじゃねぇの?とりあえずココとか責めてみようかな」
 言うや俺は彼女の股間に顔を埋める。既に下着だのは消えてなくなっている。ビバ妄想。
「ちょ、ちょうッ、あかんッ、ひぁ……ぁあ!!」
 舌で入り口を刺激しながら先端を軽く挿入する。彼女がのけぞり、その拍子に豊かな胸がぶるん、と跳ねるのが見えた。左手を伸ばして胸を掴み、乳首をしごきながら舌と右手で秘所を責め続ける。
「ふぁ、ああ!!やぁ、アカン、あかんて、ほん、まにッ、また、イって……!!」
「イキやすいんだよな、凄く。それが悩みの種、って設定だからな。特に──」
 舌の先を入り口から陰核に変える。未だ包皮に包まれたままのそれを舌先でつついてやるだけで──
「は、ぁぁぁぁあ!!」
 電気に打たれたみたいに、彼女は声を上げながら二度目の昇天を迎えた。


215 :207:2006/08/04(金) 18:07:26 ID:pVMhFfl8
「はぁっ、はぁっ……、こ、こんなんやったら来るんやなかったわ……」
 恨めしそうな顔でこっちを見る。その顔が更に劣情を誘うのだが、それがわかっていないのだろう。
「なぁ、本当に何で来てくれたんだ?俺はこの通り、自分の欲求には素直に生きてる人間なんだが」
「あ、アンタ、色々なところに小説書いとるやろ?」
「……?ああ」
「それも、活気が無いところが多い。そンである程度賑わったら姿を消す」
「そうだな、それが多い」
「それがな、女神様の目に止まったんや」
「は?」
 女神ときた。それはアレか、SS書きの女神とか言う奴か。まあ禁断少女とやらがいるくらいだ、おかしくも無いか。
「そンで、アンタみたいな書き手がいると全体的な活性化に繋がっていくから、特別なご褒美として……」
「行って来い、か」
「なぁ、お、お願いや、アンタのん、頂戴?ウチ、このままやったら……」
 いや、実はそうやってジーンズの上からなでられてるだけでも出しちまいそうなんだが。ハッキリ言って俺、早漏だし。
「出したら、消えちまうんだろ?アンタ」
 再びやわやわと胸を揉みながら俺は尋ねる。
「んぁ、あっ、せ、せやかて、ずっとこうしてるわけにもッ、いかんやろ?ん、んぁっ、お、お願いや、ごっつう気持ちよくしたるから……ッ」
「……ん」
 実は俺も既に限界だ。二度も目の前で好みの女がイっているのだ、いい加減出したくて仕方が無い。俺が頷くと、彼女は淫靡に優しく微笑んで俺の股間をなで上げた。
 ベルトをカチャカチャと外すと、既に下着を押し破らんばかりに元気な俺の息子が先端を塗らして挨拶する。
「随分苦しそうやね……」
 下着をずらして、ぶるんと立つ肉棒にそっと彼女は手を添える。そのままゆっくりと手コキを始める。
「……く」
「ふふ、散々いぢめてくれはって……ウチかてアンタの弱いトコ、沢山知っとるよ……」
「く、ぅ……ッ」
 やわやわと袋を揉みながら竿をゆっくりと擦られる。そのまま先端に口付け、舌が尿道をくじる。
「う……くぁ……」
「ヒクヒク言っとる……もう、今すぐにもイキたそうやん……」
 しゅ、しゅと手が上下する。急速に股間が爆発しそうになる。畜生、一回イッちまったらコイツは消えちまう、のに……
「大丈夫、アンタ滅茶苦茶しはったから、一回出したくらいじゃウチは帰れへん……安心して、イってまい」
 その言葉に、何かが切れる。
「う、うぉッ……く、ぅあ!!」
 びゅる、びゅると白濁液が俺の肉茎からあふれ出る。それを上気した瞳で見つめながら、彼女は舌で舐めとり始めた。
「……ん、んっ……コレが、ウチや何かを文章で犯してるモトなんやね……ヘンな味や……」
 もう、そこまで見たのが俺の限界だった。
「え、ちょ、きゃぁっ!!」
 強引に肩を掴んで押し倒すと、そのまま胸にしゃぶりつく。
「あ、あぁッ、あかん、優しゅうしてっ……ふぁ、あ、ソコ……っ!!」
「悪い、もう我慢出来ねぇ。挿れちまうけど、いいな?」
「え……ん。ええよ、アンタやから……特別や」

216 :207:2006/08/04(金) 18:07:56 ID:pVMhFfl8
 纏めていた髪が解けて、床に広がる。汗ばんだ肌の上で、眼鏡が少しずれている。大きな胸が、呼吸と共にふるふると震える。まさに完全に理想形だ。俺は自らの逸物に手を添えると、彼女の秘所にあてがった。
「ん……」
 ぎゅ、と目をつむる彼女。そのまま、ゆっくりと腰を押し入れていく。
「ぁ、ぁ、っ、あっ、ん、んん……!!」
 正直、俺の逸物のサイズは大した事は無い。だが案ずる無かれ、こういう時はお互いのサイズはぴったり一致と相場が決まっているのだ。
「う、ウチのなか……アンタで一杯や……ぁっ……」
「動くぞ」
「ん、あ、あっあっあっ!!や、激し、そんな、いきなりッ……ああ!!」
 遮二無二腰を打ち付ける。視覚と触覚と聴覚と嗅覚、嗅覚にいたるまで五感全てが俺を馬鹿みたいに唯ひたすら生殖行動へと走らせる。
「あ、ぁあっ、や、アカン、あ、ああ……ふゥあ!!」
「わ、悪ぃ、さすがにまだイキたくないから……な!!」
「え、ちょ、ちょうッ、や、そ、そんなカッコ……!!」
 正常位から即位へと変え、すべすべした脚を抱えるようにしながら更に突く。そのまま後ろに回り、豊かな胸を掴みながら突き、上に載せる。
「は、恥ずかしい……こんなんッ……や、そ、それアカンっ!!」
 抱きかかえるようにして突き上げながら、右手を股間に這わす。出入りするところと陰核を指で刺激する。
「ああッ、ふぁああ……!!い、イク、イって……まうッ!!」
「俺も、げん、か……く、うぉ、で、出るッ!!」
 一瞬の弛緩の後、急速に締まる彼女の蜜壷。背後から抱きしめながら、俺は彼女の中に思い切り放出していた。

「全く、何て男だ。普通私達が呼ばれて、ここまで酷いことをされるなんて無いぞ」
「酷いコトって……あんあん感じてたやん」
「あ、あのなぁ君は!!感じてればレイプは犯罪じゃないとでも言うつもりか!?」
「んーにゃ。でもコレはレイプじゃねーだろ」
 抱きしめて髪を撫でながら、ぶーぶーという彼女と軽口を叩いていた。
「なあ、やっぱり」
「ああ。もうすぐかな、私は消えるよ。否、戻ると言った方が良いかな」
 やっぱりな。そりゃ中に出してまでこっちにいてくれる道理は無いわな。
「すげー気持ち良かった。アンタ最高だったよ、またエロいのが書けそうだ」
「ふん。一回精を抜くだけの仕事なのに、なんで三回もイかされて、おまけに中に出されなきゃならないんだか。もう二度と来ないからな」
 だがお互いにわかっている。恐らくは俺がSS書きを止めない限り、そしてコイツが「禁断少女」と呼ばれる事を忘れ去られない限り、どこかで俺達はまた会うのだ。ソレが他人が書いた物語の中であろうとも、だ。
「それじゃあな。最低のどすけべ小説家」
「ああ。最高の『禁断少女』だったよ、アンタ」
 そう言って、俺は眼を閉じる。そして──


217 :207:2006/08/04(金) 18:08:38 ID:pVMhFfl8
パソコンのモニターからの薄明かりで目が醒めた。寝ちまった上に随分と卑猥でご都合主義な夢を見ていたような気がする。どうにも、最近頭の中がピンク色で困る。
 と──、突然、筆がサクサクと進みだす。先程まで詰まっていたのが嘘のように俺の指がキーボードの上を走り出した。コレじゃ丸で──
「禁断少女のおかげで、か?」
 くすり、と鼻で笑う俺の脳裏に、一瞬物凄い良い女の顔がちらつく。──もう忘れかけているけど、さっきの夢の断片だ。
「よし。コイツを書き上げたら」
 次はあの女をネタに書いてみるかな。何とかおぼろげながら未だイメージは残っているし。よし、それじゃ一服入れて──

『未だそんなものを吸っているのか、君は』

 どこかでそんな言葉を聞いたような気がした。少し戸惑った後、結局煙草を咥えて火を点ける。構うものか、俺は俺のやりたいようにやる。過疎スレに投下するのも、活気が出たら去るのも俺のスタイルだ。
 禁断少女とやらがオナ禁をしている人間の下にくるというなら、それはきっと自分のしたいことの為にスタイルを崩さぬ人間へのご褒美みたいなもんなのだろう。
 まあ最も、俺は少女は好みじゃないのでお姉さんの方が良いんだがな。

 カチカチとキーボードの音、じりじりと煙草のフィルターが焼ける音。夜はまだ明けない。明日は休みだ、精々今夜のうちに作業を進めるとしよう。

以上です。すっかり寂れたこのスレの活性化の手助けになれば幸いです。では。

218 :名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 18:27:39 ID:mznehQEo
GJ!流石は禁断少女スレ。
良作、堪能させてもらいました。

219 :名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 18:40:15 ID:JAwYY4CI
神キタ―――!!!

テラエロス!

220 :名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 20:22:09 ID:TU5kuUyI
SUGEEEEE!!!!!
最高だあんた(;´Д`)ハァハァ

221 :名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:42:54 ID:JTzvyocZ
関西弁に萌えた

222 :名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 03:17:05 ID:sx71Hhxi
これはいいものだ まさにGJ

よし、俺も書く!

223 :名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 09:50:14 ID:dJFygVfS
超GJ。
関西弁の猥語ってあまり違和感なくていいな。

224 :名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 12:35:56 ID:UB2we7EO
>>217
超GJ!

225 :名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 21:37:28 ID:X8om3T2H
うわ、楽しんで頂けたみたいで良かったです。
正直、変化球になってしまったのでちょっと心配してまして……
よし、また何か書きます!!読んで下さって有り難うございました!!

226 :名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 20:55:57 ID:KGm76x1s
>>225のところに良い禁断少女が行きますように...

227 :名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 21:32:38 ID:bfuWst1/
>>226
>>211->>217

228 :名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 23:43:48 ID:cT3JtqV9
禁断少女降臨期待保守

229 :225:2006/08/10(木) 11:34:00 ID:Tqox3F2+
自分に対するブースト用に投下予告!!
今週末には新しいSSを投下します!!


230 :名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 22:54:25 ID:8B5iK7en
ガンガレー

231 :225:2006/08/13(日) 07:34:13 ID:MSvq8mMm
完成直前ファイルを間違って消去orz


………鬱だ。マジで来てくれ禁断。すいません俺は有言不実行のチキン野郎です

232 :名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 11:17:14 ID:lV4eTnSA
「宿題はやったんですけど持って来るの忘れました」
ということですね?

233 :名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 15:29:03 ID:OjKb/ruy
>>231
あと九時間残ってるぜ。

234 :名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 19:11:53 ID:o54xUmRq
9月2日or3日に宿題を提出しても、先生は案外受け取ってくれるものさ。

235 :名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 22:15:14 ID:aQ9O/VLS
もう追い詰めるのはやめようぜwww
ファイル削除なんてベタな言い訳するぐらいだし、よっぽど切羽詰ってんだよ

気長に禁断しようや

236 :名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 22:39:52 ID:uen9U0s0
ただ今オナ禁5日目・・・
後どのくらい我慢すれば彼女は現れるのだろうか・・・

237 :名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 10:03:08 ID:srrSwxbH
投下します。7レスあります

238 :1/7:2006/08/15(火) 10:05:08 ID:srrSwxbH
 前

「で、君がここにいる理由は?」
 恭子は平坦な声で呟いた。
 彼女は自分の机に向かっていて、彼は床に座っていた。
「家にクーラーないの知ってるだろ」
 彼の位置からだと、彼女のデニムスカートが絶妙な丸みを帯びているのがよく見える。
「知らないわ」
 ロングヘアーが左右に揺れる。
「ないんだ。で、家にいられないからこうしてクラスメイトの好意に預かろうと思ってさ」
 彼の家から徒歩十秒。お隣さんと言った方が分かりがいいだろう。もっとも、彼女の方が三年前に越してきたから幼なじみではない。
「私、隆也くんとクラスメイトだったの、去年だったと思うのだけれど」
「……あのさ。同情してくれない?」
「無理ね」
 そう言いながら出て行けと直接言わないのは、彼女なりの優しさなのか、それともただ面倒なのか。
「その。ここにいていいか?」
「君が勝手にそこにいるんでしょ」
「う」
「まあ、いいけど」
 くすりと笑って、恭子は椅子を回して彼の方を向いた。
「あ」
 そしてもう半回転して元の位置に納まった。
「お前……何してんの?」
「宿題」
 彼は首をかしげた。
「椅子にのって一回転するのが宿題か。おもしろいな」
「見たくせに」
「はあ?」
 会話が途切れる。
 ミーンミンミン。
「麦茶取ってくるわ」
 彼女はいきなりそう言うと、部屋を出て行ってしまった。
「へんなの」
 彼は呟き、ふと目にとまったデスクトップパソコンの画面をのぞき見ようとして、
「パソコン、見たら駄目よ」
 引き返した彼女の一言で、硬直した。
「ごめん」
「……」
「ごめんって」
「帰って」
「はあ?」
「いいから帰って」
「えっ、ちょっ、ホントに?」
「見たでしょう」
「え、いや、見ようとはしたけど見てないって」
「嘘」
「何で嘘つくんだよ」
「だって、」
 彼女は続きを言えなかった。
 パソコンの画面にあるテキストに書かれているのは――
 彼女の逡巡を、彼は見ていられなかった。
「分かった、帰るよ」
 彼女は思わず顔を上げ、彼の瞳を見つめようとして、できなかった。
 彼の目は申し訳なさげに伏せられていた。
「あ……」
「言えないことなんだろ」
「……ええ」
「悪かった。いきなり女の子の家に押しかけるなんて、いくら去年よく遊んだからって無神経だったよ」
 彼女も、黙ってうつむいた。
「それじゃ」

239 :2/7:2006/08/15(火) 10:07:09 ID:srrSwxbH
 出て行く隆也。階段を下りる音。それも段々聞こえなくなって――

 部屋は、静寂を取り戻した。


 中

 気まずい別れから一週間、温度計が壊れたかと思うほど暑い日々が続いてい
たある日の夜のこと。
 彼が部活から帰ると、部屋には、正座した一人の女の子がいた。
 彼女は襦袢一枚を身に纏い、髪を上げてかんざしで留めていた。年は一つか
二つ上に見える。瞳は、優しそうな深い鳶色。色は少し白すぎるくらいだった
が、その絹のようにしっとりと柔らかそうな肌は彼を蠱惑するに十分だった。
「で、名前も知らない貴女がここにいる理由は?」
 彼女は静かで、それでいて華やかさを感じさせる声で答えた。
「呼ばれたからです」
「呼ばれた?」
「はい」
「誰に、なぜ」
 彼女は優美に眉を寄せた。
「それが、わたくしにも分からぬのです」
「はっ?」
「わたくしは、禁断少女と呼ばれるモノです。わたくしをお呼びになるのは通
常、その、精を溜められた殿方ですので、慣例に従えば隆也様が私をお呼びに
なったはずなのですが……」
「が?」
「お見受けしたところ、隆也様は、あの、それほど精をお溜めになってはおら
れぬ御様子ですので、わたくしも困惑しておりました所なのです。……隆也様
のご質問にもお答えできぬぬような、不出来な娘で申し訳のうございます」
 彼女は深々と頭を下げた。
「いや、それはいいんだけど……」
 彼は、急速に彼女に引かれていくのを自覚していた。惹かれていくのではな
く、引かれていく。
 ごくりと、のどが鳴る。
 目の前の、真っ白な肌がひどく劣情を刺激する。
 普段の彼からは想像もできないほど――事実彼自身驚いていた――乱暴な気
持ちが、この一個の芸術品のような娘を滅茶苦茶にしてやりたいという気持ち
が、沸き上がってきていた。これも、禁断少女の効果なのかも知れない。
「隆也様? どうかなさいましたか?」
 彼女の声が震えていた。
「しようぜ。こういうこと、しにきたんだろ」
 彼は乱暴に彼女を抱きかかえ、そのままベッドに横たえた。
「あっ、隆也様、お戯れを」
 瞳は震え、身体はどうしていいか分からないかのように固まっている。
「さっき、男の精が溜まっている時に呼ばれるって言ってただろ」
「あの、それはそうなのですが、毎回わたくしは、わたくしをお呼びになる殿
方の好まれる姿に変わって参上し申し上げるのです。なので、このわたくしで
殿方と伽をするのは、その、初めてなのです」
 怯え怯え、彼女は言葉を紡ぐ。
 が、彼の目にはそのつややかな唇しか映ってはいなかった。
「隆也様に、大事にしていただきとうございま――んっ!?」
 彼は彼女を抱きしめるといきなり唇を奪い、そのまま舌をつっこんだ。
「んっ、んぁっ……ふぁ、んんっ……」
 瞳をギュッと閉じて、まつげを震わせながら、彼女は健気にそれに応える。
「ん……ぷはっ……美味い」
「あ……」
 彼女は頬を染め、目を伏せる。
 その仕草に、心臓がドクンと強く拍を打つ。
「脱がすぞ」
「あ、隆也様、お待ち下さいまし、それは」

240 :名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 10:09:11 ID:srrSwxbH
「うるさい」
 腰のあたりで結ばれていたひもを解き、ばっとはだけさせる。
 彼女はその均整のとれた美しい裸体を隠そうとするが、彼は両手を掴んで開
かせる。
 目の前に咲く、誰も汚していないまっさらな肢体。
 その白さ故か、羞恥に震える彼女の身体は美しい桜色に染まっていた。
「……恥ずかしゅう、ございます」
 まともに目を合わせられないのか、彼女は真っ白だった頬を上気させ、顔ご
と背けて呟いた。
「綺麗だ」
「いやです、おっしゃらないでくださいまし……っ!?」
 彼は、彼女の標準より少し控えめくらいの胸の先端を、いきなり口に含んだ。
「あ、あ、隆也様、いやです、んっ、いや、です……」
 舌で転がし、つつく。
「っ……んっ……」
 彼女は、襦袢の襟のあたりを噛み、声を殺していた。
「声を聞かせろ」
 びくん、と彼女の身体が震える。そして、一瞬だけ縋るような視線を送った後、ゆっくりと口を離した。
「いい子だ」
「あ……勿体なきお言葉、有難うございまひぁっ!」」
 彼女の至福の笑みは、その原因によって打ち砕かれる。
「あっ、ああっ、やっ、ああっ!」
 大きな声を上げてから、カアッと顔が赤くなる。
「いい声だ」
「……そのようなことをおっしゃられては、んっ……困ります」
「なぜ」
「声を、我慢できなくなります……」
 顔を背けたまま、震える声で彼女は言う。
「可愛いな」
「隆也様……んっ」
 唇を重ね、下半身にも手を伸ばす。
 さわさわと茂みをいじる。
「んっ……んっ、ふっ」
 恥ずかしいのか、瞑った目を更にぎゅっと強く閉じる。
 そして、彼の指が彼女の女の部分に到達すると。
「んっ、ぷはっ! そ、そこはっ」
「ここでしないと、終わらないだろ」
「い、いえ……その、私が隆也様の精を、どのような手段であれ抜いて差し上げれば、それでよいのですが……」
「ふーん?」
「あっ……」
 指を入れると、くちゅっと音がした。既に濡れていた。
「いいのか?」
 細かく出し入れし、時折くすぐるように壁をなぞる。
「あっ、んっ、あっ、たっ、隆也、様っ……おっ、おやめくださいっ……!」
 敏感に身体を震わせ、とろけた瞳で隆也を見つめる禁断少女。
「あっ……ああっ、いやっ、いやです……んぅあっ!」
 中指で膣をいじりながら、親指で陰核を軽くつつくと、彼女は途端に大声を出した。
「あ……」
 未知の感覚だったのか、呆然と自分の口を押さえて顔を赤くしている。
 彼は笑った。
「もっと弄ってやるよ」
「そ、そんな、どうか、どうかお許しをひあっ!?」
 ビクンッっと震える身体。彼はそれを押さえつけるように身体を密着させ、責め立てる。
「ああっ! ひうっ、んっ、は、あっ!!」
「聞いてるだけで犯したくなる声だな」
 耳元で囁く。すると、彼女を責め立てている手にとろりと愛液が垂れてきた。
「お前、犯されるって聞いて興奮したのか」
 のぞき込むと、彼女は顔を背ける。
「あっ……ああっ! そっ、それはっあっ……!」
「答えろ」

241 :4/7:2006/08/15(火) 10:11:12 ID:srrSwxbH
「あっ、たっ、隆也様っ、おっ、お許しっ、あっ、お許し下さいっ……!」
 既に答えているようなものだったが、あえて尋ねる。
「答えろ。目を逸らすな」
 一度愛撫の手を止め、背けられた顔を無理矢理正面へ向けて、彼は言った。
「あ……その……は、い」
「どんな風に犯されると思った。言ってみろ」
「い、いえ……そこまで思い至ってはおりませぬ……」
「じゃあ、どうやって犯して欲しいか言ってみろ」
「え?」
「お前が、俺にどうして欲しいか言ってみろ。さっきからイヤイヤ言ってるんだ、希望があるんだろ?」
「いえ、そんな、滅相もございませぬ……隆也様が気分を害してしまわれたならば、もう二度といやとは」
「うるさい。言え」
「あ……あの……その、恥ずかしゅうございます……」
「お前は俺の言葉を拒否するのか?」
「あ……いえ、その」
「言え」
 びくりと身体が震えた。
「……はい」
 彼女は目を逸らして、ぽつぽつと言葉を漏らし始める。
「隆也様は……わたくしをそっと抱きしめてくださって、それからわたくしの髪を梳り、くちづけをしてくださいます。それから、怖がっているわたくしの背中を撫でて安心させてくださって、微笑まれて……」
 夢見る彼女を遮って、彼はぽつりと言った。
「お前、さ」
「は、はい」
「なんでここにいるんだ?」
 途端に、彼女の顔に後悔が走る。
「も、申し訳ありませぬ、わたくしは決して、隆也様に不満があるなどというわけでは」
「言うな、分かってる。お前は嘘をついていないだけだ」
「申し訳、ありませぬ」
「謝る必要はない。俺は俺のやりたいようにお前を犯す」
 言って、彼は彼女を見た。彼女も、じっと目の前の男を見つめる。
 わずかな沈黙。
 静かに、彼女が目を閉じた。
 彼の手が動く。
 胸を荒々しく揉み、先端を抓り、押し潰し、責めたてる。
 膣に指を出し入れし、陰核を転がし、跳ねる身体を押さえつける。
 響く女のあえぎ。息づかい。乱れる髪と、飛び散る汗。
 やがて二人は繋がり、刹那の交歓を繰り返す。
 何度も何度も。
 それだけで己を満たすように。
 それだけで全てを埋めるように。
 二人の空虚な繋がりは、いつ果てるとも知れず続いていった。

 次の朝彼がまどろみから醒めると、彼女は消えていた。
 彼の脳裏に残る彼女の胸の柔らかさ、すべらかな腰のライン、尻の揉み心地、あそこの具合、そして涙。全て、夢幻のように感じる。
 だというのに、苦しい。
 繋がっていた気持ちよさと、それを越えて余りある虚しさが消えない。
 優しい交わりを求めた彼女と、それを打ち砕いた自分。
 全て受け入れた彼女の微笑み。そして裏に隠された悲しみ。
 全てが彼を捕らえていた。


 後

 あれから四日後。
 いまだ禁断少女のことを思い続ける隆也の元に、恭子が訪れた。
「こんばんは」
 彼女は、いつか彼がそうしたように勝手に部屋にあがってきていた。
「なんだ?」
「つれないのね。この前のお詫びに来たのに」
「お詫び?」

242 :5/7:2006/08/15(火) 10:13:14 ID:srrSwxbH
「少し前、私が隆也くんをいきなり追い出したでしょう。悪いと思ってたのよ、これでも」
「ああ、そう」
「……元気ないわね。どうしたの」
「さあね」
「……あ、そう言えば……」
 彼女は彼に耳打ちした。
「三日くらい前、誰かここに来なかった?」
 彼の目が驚きに開かれる。
「……お前、なんで?」
「……本当だったのね、あれ……」
「おい」
「あの子、私が呼び出したみたいなの」
「『みたい』?」
「禁断少女って言うんだけど」
「っ!!」
「当たりみたいね。その禁断少女っていうのは、まあ根も葉もない噂みたいな
ものだけれど、『溜まって』いる物書きの元に現れては精を抜いていく精霊と
か妖精のようなものなのよ。それで、実は、私はインターネット上でちょっと
した小話を書いていて」
 彼女は言葉を切った。そして、一度小さく息を吸い込む。
「それで……怒られても仕方ないし当然だと思うけれど、私、君をモデルにち
ょっとえっちな話を書いていて」
「はあ? お前ちょっと待てよ」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
「まあ……そのことは後でしっかり追求させて貰うとして……それがどうして、
あの子と繋がるんだ」
「その、この前私が君を追い出したとき、ちょうど『そういう』のを書いてる
ときだったのよ」
 彼の脳裏に、普段に比べて妙に冷たかった彼女が思い起こされる。
「勢い余って追い出してしまったのだけれど……その後、私、自己嫌悪でなん
となく『そういう』のからずっと遠ざかっていて。有り体に言えば、『溜まっ
てた』の」
 そして、禁断少女が呼び出された。
「で、なんでそれが俺の所に来たんだよ」
「きっと、私の願いを聞き入れてくれたのだと思う」
「願い?」
「私は、君にとても悪いことをしてしまったと思っていたわ。初めてこっちに
越してきたときから親切にしてくれて、遊んでくれて、守ってくれて……なの
に、この前は、私の我が儘で酷いやり方で追い出してしまった。だから、君に
何か償いをしたいと思っていたのよ」
「償い……」
「そして、四日くらい前だったけれど、本当に辛くて仕方ない日があったの。
それが恐らくは、君の家に禁断少女が現れた日だと思うのだけれど」
「お前」
「つまり、君にどうにかして喜んで欲しいと思った結果として、禁断少女が君
の元に現れた――
「ちょっと待てよ」
「なにかしら?」
「お前さ……都合が良すぎないか」
「そうね、私もそう思う。禁断少女なんておとぎ話――
「黙れよ」
「っ……」
 言葉の強さに思わず目を見開く恭子。
「『禁断少女』は確かに来た。いい女だった。でもな、それでなんでお前が償
ったことになる」
「それは……でも、楽しんだでしょう」
「ふざけるな!」
「え……?」
「あいつは確かに『そういうこと』のための女だったよ。お前の言うとおり、
楽しんださ。けど、虚しいんだよ……あいつは全部受け入れて微笑んで、でも

243 :6/7:2006/08/15(火) 10:15:16 ID:srrSwxbH
悲しんでたんだよ。なんか、正直な奴なんだろけど、必死に隠そうとする姿が、
もう笑っちゃうくらい虚しいんだよな」
「隆也、くん……?」
「なあ。禁断少女って呼び出した奴の理想の姿になるんだろ」
「え、ええ。そういう噂よ。とりあえず、もし本当に現れるなら君に迷惑をか
けないような子を、とは思ったけれど」
 彼は、禁断少女の従順な態度を思い出した。
「ああ。あいつは俺の言うことは何でもしたし、させてくれたよ」
「だったら……いいじゃない」
「良くない。あいつは従順だったが、ちゃんと意志も理想も持ってたんだ」
「理想?」
 禁断少女は、優しく抱いて欲しかった。
 誰かの願いを映す存在だとしても。
「俺はしょうがない奴だからあいつの思うようにはしてやれなかった。それは
俺が悪い。だが、勝手にあいつを呼び出したお前にも責任はある。呼び出した
奴の理想の姿になるなら、本当ならどっちもいやな思いはしないはずだった」
「ちょっと、何をそんなに怒っているのよ。たかが禁断少女でしょう」
「たかがでも、今はもういなくても、あいつが泣いたことに変わりはない!」
「……だったとしても、もういない女のことで私に怒鳴るなんて、酷いわ」
「はあ?」
「私は良かれと思って呼び出したの。私は君のために禁断少女を呼んだのよ」
「おい」
「もういいじゃない。もういない女のことにかまけてないで、私のことを考え
てよ」
「え?」
 彼女は一瞬瞳を揺らしたかと思うと、
「私はね、隆也。あなたのことが好きなのよ」
 泣きそうな顔で、そんなことを言った。
「……え?」
「泣きたいのは私の方。隆也とセックスしただけでなく、そんなに隆也の心の
内を占めているなんて。憎い。今はもういなかったとしても、禁断少女が、憎
い」
「元はといえば、お前が呼んだんだろ!」
「本当に現れるなんて思っていなかったもの! 隆也を盗られるなんて……思
っていなかったもの」
 そして、涙が一条、頬を伝った。
「あ……れ? ちょっと、なんで」
 彼女自身驚いているのだろう、両手で何度も目のあたりをぬぐう。
「やだ、こんな、うそ……ごめんなさい……!」
 彼女は、彼の前から逃れようとして、できなかった。
「待てって」
 彼女の手が掴まれる。
「いや、いやよ……離して」
「なんで」
「なんでも何もないわよ……隆也に……こんな私見られたくないの」
「こんな私?」
「嫉妬してっ! みっともなく泣きわめく姿よっ!!」
「お前」
 黒い考えが頭をもたげる。
 そんなことをしてはいけないと心の中で何かが叫ぶ。
 だが、彼の口はその言葉を発してしまった。
「……あの女の代わりになるか」
「え……?」
「俺の禁断少女になれよ」
「ふっ、ふざけないで……なんで、私が」
「お前はそれを望んでいるんじゃないのか」
「なっ、冗談言わないでよ」
「お前は、俺のことが好きなんだろ」
「……そうよ。悪い?」
「悪くなんかないさ。お前、さっき『隆也を盗られるなんて』って言ったじゃ

244 :7/7:2006/08/15(火) 10:17:17 ID:srrSwxbH
ないか」
「それが……何よ」
「盗られたなら盗り返せよ」
「なに、言ってるの。もう、貴方なんかもう……」
「もう?」
「い……いら、ないのに」
「本心か? 本当に俺がいらないのか」
「思い上がるのもいい加減になさいよ」
 言葉とは裏腹に、口調は弱い。
「思い上がってなんかいない。お前みたいにいい女に好かれてるんだ」
「褒めたって」
「お前は」
 ぐっと引き寄せ、顔を近づけて言う。
「俺を盗り返せるぜ」
「な、に言って」
「お前は言った。『今はもういなかったとしても、禁断少女が、憎い』と」
「だから?」
「今はもういないんだ。あいつは。お前はここにいる。俺の目の前に」
「どういう、意味よ」
「嘘をつくな。お前みたいに聡い奴が分からないわけないだろ」
「分かったとしても、そんな、あからさまに誰かの代わりにされるなんて……
いや」
「じゃあ、サヨナラだ」
「えっ」
 途端に、縋るような視線を向ける彼女。
「俺は、お前の言ったとおり禁断少女に惹かれている。これは事実だ」
 嘘だった。彼は、禁断少女としての彼女には『引かれていた』に過ぎない。
それは禁断少女としての本能とも言える、男をその気にさせる力の結果だった。
「う……」
「お前が俺の禁断少女になるなら、少なくとも、俺から彼女の幻影を消し去る
ことができる」
「でも……」
「お前は」
「っ……」
「俺が欲しいのか。欲しくないのか。どっちなんだ」
 彼女の目が見開かれ、唇がふらふらと揺れる。
 何かを言いかけ、口をつぐむ。
 そして、数秒か数分かの後、
「……たら」
 彼女は、声だけでなく身体まで僅かに震わせて、その言葉を、口にした。
「もし『そう』したら……愛してくれる?」
「あの女と同じように扱ってやる」
 禁断少女として。
 彼女は一瞬悲しそうに眉をひそめ、しかし、そしてやはり、言葉を続ける。
「……そうすることで、貴方の心からその女が消えるのね」
「お前がそう望むならば」
「なら……私は」
 とん、と彼の胸に響く、少女一人分の重さ。
 しかし禁断少女としての、本来使い捨てであるべき重さ。
「貴方だけの、禁断少女になるわ」
 そこはいつか夢見た場所と同じで、全く違う場所。
 しかし、彼女にとって間違いなく幸せな場所。



 途中改行が乱れたところがあり、お見苦しいところをお見せしました。
 申し訳ありませんでした。

245 :名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 15:11:50 ID:CIynNaDA
GJ
挿入部分をはしょらなければもっと良くなったと思うな~


246 :名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 03:35:15 ID:yZ33nBfo
いいシチュだ。GJ。
禁断少女を間に挟んだ恋模様というのを読んでみたかったんだわ。俺。
なかなかに切な萌えた。

247 :237:2006/08/17(木) 01:30:35 ID:1T9BBWKs
読んでくれてありがとう。
もっと精進します。

248 :名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 21:36:40 ID:vpAaCeNI
禁断少女降臨期待ageヽ(`Д´)ノ

249 :キュンキュン◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:25:29 ID:HH+OftuL

 どうも、こんばんはキュンキュンと申すモノです。
 一本SSを書けたので投下します。

 もう、極甘!
 書いていて背中がむずむずするような感触に耐えるのがものすごく辛かったです。
 何度も何度も自分の書いたSSに砂糖を吐くようなこっ恥ずかしさ。
 力作ですから是非是非読んでくださいねっ♪
 あ、悶死されても作者は責任とれませんので、ご利用は自己責任でお願いします★★★★
 七レス消費。

 (*´Д`)ノシ オパーイ オパーイ
 オパーイハイイモノダネ (・ω・`)
 ('A`) オパーイ マンドクセ

 タイトルは「禁断少女2 ~エレベーターで初えっち!?~」です。



250 :1/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:25:59 ID:HH+OftuL

「おい、お前何してんだよ」

 パソコンに向かってカタカタ叩いているバカに話しかけた。
 折角人が遊びに来てやったっていうのに、今日はずっとパソコンに向かって何かしっぱなしだ。
 友達甲斐のないやつだが、これでも腐れ縁だ。
 まあ、エロゲとか確かにその手の情報には詳しくて、
 それ関係でちょっとお世話になっているから文句は言えないがな。

 今日もまたPCに向かいっぱなし。
 適当にマンガなんかを引っ張り出して読んではいるものの、
 人のこと家に呼んでおきながら、さっきからずっとキーボード打つことしかしていない。

 そろそろとさかに来て、肩を叩いた。

「ん? 何?」

 何じゃねぇよ、糞。
 なんだよその目、クマできてるじゃねぇか。
 不健康そうな顔しやがって……ちゃんと寝てるのかよ、こいつ。

「ああ、ちょっとSSをな」
「SS? ナチか?」
「いや……そのSSじゃない」
「せきゅりてぃーさーびす?」
「それでもない」
「しゃふとせきゅりてーさーびす……?」
「違うし、Sが一つ多い」
「星新一」
「惜しいな。ショートストーリー、ま、短編小説みたいなもんだ」
「ふーん……」

 PCの画面を覗いてみると、本当に小説みたいだ。
 「あぁ~ん」とか「いくぅ」とかそんな文字が躍っている。
 阿呆か、こいつ。
 こいつが書いている以上官能小説だとは思っていたが、
 それを惜しげもなく俺に見せれるって、イタくね? こいつ……。
 ……今に始まったことじゃねぇな。

 軽く目を通してみると、なにやらさっき俺が読んでいた漫画のキャラの名前があった。
 ヒロイン役と主人公……エレベーターに閉じこめられてエッチなんて笑えない展開みたいだ。
 こいつも好きだなぁ。

「で? 俺を呼んでおいてこんなもん書いているのは一体どういうつもりだ?」
「あ、ああ……」

 一瞬、瞳に怯えが見えた。
 少し顔を伏せ、かけているメガネの位置を正すと、俺をまっすぐ見据えてくる。

「じ、実はな……」
「……なんだよ」

 やっぱりこいつは怯えていた。
 微かに手が震え、やっぱり瞳には不安げな光が宿っている。


251 :2/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:26:57 ID:HH+OftuL

「感じるんだよ」
「何が?」
「気配を……気配を感じるんだ」
「な、何の気配?」
「わからない……エロSSを書いていると、な。
 何かが、誰かが、どこかで俺を見ているような気がするんだ」
「は? き、気のせいじゃね?」
「気のせいなんかじゃない! 確かに何かが見てるんだ!」

 精神を病んだのか……。
 そこまでエロにこだわるとは、まさしく変態だな。

「ふぅ……大丈夫だよ。そういった経験は俺にもある。
 風呂で頭洗っているとき、後ろに誰かいるんじゃないか、とか思って何度も振り返ったり」
「違う! 違うんだよ! 本当にいるんだって!」

 パソコンラックに備え付けの椅子を蹴倒し、俺の肩を掴んで振った。
 どうやら本当に精神が衰弱してしまったみたいだ。
 このところ毎日部屋に閉じこもってみたいだし、少し付き合ってやらないと本当にやばいかもしれんな。

「わかったよ、わかった。じゃ、俺はその誰かか何かが来るのを見張ってりゃいいんだな」
「あ、ああ……頼む……」

 ま、これが終わったら外に出して一杯奢るか。
 そうすりゃ、この神経質閉じこもり野郎の顔色もちったぁよくなるだろうよ。
 ……にしても、何が好きなのかねぇ。

 来る前に買っておいたペットボトルのジュースを軽く口に含みながら、
 PCのモニターを覗き込んでみた。
 中々素晴らしいキーボード捌きで次々文字が打ち込まれていく。
 時折、うぁぁ、とか、おっぅ、とかうめき声をあげる。
 曰く、書けなくなったときの悲鳴らしい。
 一分二分、頭を抱えたと思うと、再びキーボードを打ち始める。

 やれやれ、見ている方は相当暇だ。

 しばらくすると読んでいた漫画にも飽き、目を離してあいつの背中を見る。
 相変わらず画面に向かってキーボードをカタカタ叩いている。
 なんだか段々眠気が出てきた。

 まあ、暇だからな。
 少し……眠らせてもらおうか。

 くちゃくちゃになっているベッドのシーツを軽く正し、その上に横になる。
 確かにベッドは軋む音をだしたが、あいつはそれに気づきもせず、
 変わらず何かに取り憑かれたかのように時折うめき声を漏らしながらもキーボードを打っている。

 さて、少し眠らせて貰うか。

 ……。


252 :3/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:27:44 ID:HH+OftuL

 夢を見た。
 俺がベッドに眠り、あいつがキーボードを打ち、同じ部屋に何かがいる。
 俺はその『何か』の視点になって、俺と、あいつをじっと見つめている。
 それはクローゼットの隙間から覗いていたり、テレビの裏から顔を出していたり、
 果ては俺の体の寝ているベッドの下に潜んでいたり、電灯の裏に隠れていたりした。
 同時に複数の視点を持つ奇妙な感覚と、自分の体が細かったり、小さかったり、薄っぺらかったり
 そういった尋常ではない体の感触を感じながら、無感動に、見つめていた。
 一片たりともなかった思考が、夢の最後にほんの少しだけ揺らいだ。
 それは俺の今持つ体の持ち主の名であり、更にはそれ自体に全く意味の持たぬもの。

 ――禁断少女

「はっ」
「……どうした?」

 突然目が覚めた。
 何か恐ろしい夢を見ていたのか、クーラーの効いた部屋であるにもかかわらず体が汗だくになっている。
 あいつがおどおどした表情でこちらを見てきた。
 俺がベッドに横になり、眠っていたことを特に非難することもせず……
 いや、あいつの熱狂ぶりを見て、俺が寝ていたことに気付いていないのかも知れない。

「いや、気にするな……なんでもない」
「すごい汗だぞ、大丈夫か?」
「本当に……何でもない」

 あいつは、更に何度か「大丈夫か」と続けたが、俺は首を振り続けていると「そうか」と言って
 再びキーボードを叩き始めた。
 俺はベッドの縁に座り、親指の爪を噛みながら、考えた。

 何か恐ろしい夢を見たような気がする。
 けれど、夢の内容が何も思い出せない。
 よくあることだ。
 夢なんて眠りがさめてしまうと忘れてしまうことがほとんどだ。
 でも、でも何か、重要なことがあったはずだ。

「……つっ」

 気が付けば親指は深爪していた。
 子どものころ、親に爪切りで深爪されたことがきっかけで、大人になった今でも爪を噛む癖が抜けなくなってしまった。
 もちろん普段から爪を噛んでいるわけじゃない。
 しかし、イライラしたときにはついついわかっていても爪を噛まざるを得なかった。
 それによって精神の安定をいくらか得られていたのも、認めたくはなかったが、認めざるを得ない事実でもあった。

 ふと、気が付くと外では雨が降っていた。
 小雨でもなく、かといって大雨でもない、普通の雨。
 特徴を述べるとしたら、静かな雨ということだろうか。
 雨音が一切聞こえない無音の雨でもなく、遠くで沢があるかのようなサアサアといった水音が俺の耳に届く。
 その雨のせいか、若干気温が下がったような気がした。


253 :4/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:28:26 ID:HH+OftuL

 なんだろう、空気が悪いような気がする。
 クーラーが効いているので、換気はちゃんとしているはずなのに、何故か息が詰まる。
 まるで何か得体のしれないガスが発生しているかのように、段々部屋の雰囲気が変わっていくのに気が付いた。
 どう変わっているのか上手く説明できない。
 あいつは相変わらずキーボードを無言で打ち続けているし、部屋の家具も勝手に動いたりしていない。
 けれど、さっきまで見ていた部屋だというのに、全く違う。
 それこそ物理法則すら違った異世界へと迷い込んでしまったような気がした。
 言いようのない懐郷病に襲われる。
 数秒前の世界へと戻りたい。
 そう強く心が願う。
 何も変わっていないのに。
 心が挫けなかったのは、あいつがいたから。
 この、どう変わったか判然としないが、とにかく変わった世界に俺は一人ではない。
 あいつというもう一人の人間がいたことだけが、俺の心の支えだった。

 俺も現金な性格なもので、あいつが唯一無二の大親友であるように感じられた。
 あいつがいればこそこの異様な世界の重圧に耐えられる……何の根拠もなくそう思えた。
 緊張も度が過ぎれば逆に冷静になるのか、いつも声をかけるときと同じ感じで、
 あいつの肩に手を置いた。

 あいつは平然としてなかった。
 俺よりも遙かに怯えて、それどころか硬直していた。
 糸は両端を強く引っ張るとピンと張って、動かない。
 けれど、何かきっかけを与えてやると激しく上下に揺れる。
 あいつの状態もそれと同じようだったみたいで、
 ずっと、指先の一ミリも動かない状態から、俺がぽんと肩を叩いたことをきっかけに、
 激しく全身が震え始めた。
 横顔はぞっとするほど青ざめ、尋常じゃない。
 キーボードに触れているだけで止まっていた状態から、いきなり全身が震えたことにより
 PCの画面に文字が次々と打たれていく。


 asjkasaji;lkjkjkdalj;adsfamfpmdal;
 ljldafjdakolasedadajlkraremallkda
 dadaraermapa:pきa;fkdaokfdafdaaf
 ;afdajklfasdfouiorraep@@k::;mgalj:l
da:mfad:fauoptakpmdgalmlfdaks:pf
 da:kae:pma:pmsfdapjnaifdp:kopkda:p
 waんwqojfroakcpckl;,a;::pikp[]jdasop
 dl;fanidapocop,lernekbkakldajp:dkak
 aj:jfd:pajdpjakdamkmfdklaml;:fdak:
 dajlfjapoeutaopeiopp@eだl;]:@hvdva
 ad;jzmlmea::uja:pjngamdlamlcz,ml;ajp
 a:ld;klfadjopjpmlc,./,d:a;kjopajhpgajlp
 daw@q@jadldaopickjl;c;,l;kpjopjopjpda
 ladjdaj:jfajopjopajfdl;fdm./a,m.l;kpckopja
 daljklnakgjjopzip@klp@r,k;ml;amnl;n
 dajopdajopdka:pkl;dal;c,z/.,lpiopup
 da:jfdlajfdjal:んaopuopdip@ckpjmpan
 dahoajoeja:lmdlaml:dak;:dk;:klfd;:k:das
 adj:pajojgaoklpamelmew[kopkdap:jpf
 jdkjpadkpdksopajdsiohfdioajjfdopkd
 ldasjdjajfdaljfdamnfdakljopdajoedop

 少女
                         』

254 :5/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:29:09 ID:HH+OftuL

「……ッ!」

 踊り狂う文字列の中に、何かを見たような気がする。
 俺の目の錯覚か……?

「ひっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
「お、おい! 大丈夫か!?」

 突然悲鳴をあげるあいつの肩を掴んだ。
 あいつはとても怯えていて、暴れはしなかったが、錯乱状態に陥っていた。
 何かをぼそぼそと言っている。
 聞き取れない。
 何を……何を言ってるんだ……?

「……女神……少女……キュン……オナ禁……千の子……も
 宿命……精液……孕み……双子……苦しみ……っ
 ふたなり……異形……人間……以外……ノボル……こ
 パロ……オリ……逆転……女兵士……キュン……シマイ……す
 オサナナジミ……リョナ……ハヤテ……pink……ロボコ……降
 悦楽不運藻掻き……呼び出す儀式……隠密……悲哀……臨
 秘密……呼び出してはならない……究極……ウッ、あッ!」
「お、おい! 大丈夫か!? 何を言ってる、何を見てるんだ!」
「来た! きたきたきた! 来た! 来たぁぁぁぁ!
 来るな、もう、だめだ、だめだ、来るな、あああああがあああ!!」

 おかしい、絶対におかしい。
 こいつは大声で叫んでいる。
 けれどその叫びはこの部屋の外へは届かない気がする。
 何故そう思ったのか俺にもわからない。
 ただ、勘、というものか、心の奥底で、ああこの声はこの部屋の外に届かないな、と
 何の根拠もなく漠然とそう思ったのだ。

 ぐっ、と腹の下が重くなった。
 この部屋に何かがいる。
 そうだ、この部屋には最初から何かがいた。
 なんで俺は気付かなかったのか。

 クローゼットの隙間にいる。
 ベッドの下にいる。
 テレビの後ろにいる。
 本棚の隙間にいる。
 ドアの向こう側にいる。
 天井裏にいる。
 床下にいる。
 部屋の四隅にいる。
 キーボードの中にいる。
 足下にいる。


255 :6/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:29:52 ID:HH+OftuL

 何がいる?
 ほんの少し影になったところに何がいる?
 これはなんだ、あれはなんだ。
 説明がつかない。
 全部が違い、全部が同じ。
 あれはなんだ。
 俺には見えない。
 こいつには見えているあれは何なんだ?
 黒いモノにしか見えない。
 不定形のモノにしか見えない。
 アレは何なんだ?
 なんであんなものがここにいるんだ。
 どこから来たんだ。
 なんで気が付かなかったんだ。

 あれは何なんだ?

「た、助けてくれ……」

 助けてくれ、俺を助けてくれ。
 なんでこんなことになったんだ。
 一体、あれは何なんだ。
 あのほんの少し影になったところならばどこにでもいるアレは何なんだ。
 こちらを見ているだけでなく、ごわごわと動くアレは何なんだ。
 通風口の隙間から覗いてくるアレは何なんだ。
 置物の後ろから様子をうかがってきているアレは何なんだ。
 本のページの隙間から目を向けているあれは何なんだ。
 天井裏で足音を立てるあれはなんなんだ。
 床下で蠢くあれはなんなんだ。
 テレビの凹凸に浮かぶ無数のあれはなんなんだ。
 ドアの後ろで待機しているのはなんなんだ。
 電灯の上から見下ろしてくるあれはなんなんだ。

 助けて、助けて……。

 次の瞬間、全身が総毛立った。
 パソコンラックの下にいた。
 あいつのズボンのジッパーを引き下ろし、陰茎を取り出したあれがいた。

 顔があった。
 その顔は、さっき読んでいた漫画のキャラと全く同一のものだった。
 それは俺が気付いたことに気付くと、俺の方に向いた。
 瞬時に、その顔がまったく違ったものに変わった。

 ぞっとするほど妖艶。
 魂を吸い取られるほどの美貌をもった顔。
 今すぐにでも心臓の鼓動を、えぐり出したくなるほどの魅力。
 美しかった。
 その顔はとても美しかった。
 あまりにも美しすぎて、死ぬほどの美しさだった。

 俺は逃げ出した。
 恍惚の表情を浮かべた友人を見捨てて俺は逃げ出した。
 目をつぶり、壁に当たってもくじけず、逃げた。
 走って走って、走って、街中を走って、逃げた。


256 :7/7◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:30:33 ID:HH+OftuL

 気が付くと、俺の部屋にいた。
 全身の活力を抜かれてしまったようにつかれてしまった。
 自分が百歳の老人になってしまったかのように、体が動かない。
 裸足で街中を走ったので、足は惨憺たるものになっている。

 駄目だった、逃げ切れなかった。
 背後にあれを感じる。
 もう俺は駄目だ。

 つかれた腕を無理矢理動かし、部屋のPCにスイッチをいれる。
 すぐさまモニターに彩りがみなぎり、PCが静かな動作音を発する。

 俺に何ができるんだろうか。
 あいつが書いていたSS……アレの正体がわかるヒントがあるのかもしれない。
 もちろんないかもしれない。
 正体がわかったところで、何かが変わるとも思えない。
 しかし、どうせ何もやることはない。
 ただ、あれの存在が一体何なのかだけを調べるくらいはいいだろう。

 あいつの行っていたサイトをグーグルで検索し、ページをすすめる。

 あった、これだ。

 ――禁断少女

 これが一体何なのか、クリックすればわかるだろう。
 あるいはわからないかもしれない。

 ああ、後ろの禁断少女が俺の元へ迫ってきている。
 時間がない。

 マウスを指で叩くと軽快なカチカチという音が俺の耳に届いた。


257 :キュンキュン◆4hcHBs40RQ:2006/08/21(月) 21:31:08 ID:HH+OftuL
 以上、終わりです。
 前書きは100%『ネタ』ですので、そこんところ考えて、大人の対応ヨロシク。


258 :名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 22:09:06 ID:mMT1M+tU
>>257
単純に良かったですGJ!

259 :名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 22:35:00 ID:IVG8eJVz
痛々しさを感じながら読み始めてみたらホラーものですか。
前書きにムカついたのでGJはあげません。

260 :名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 00:39:44 ID:Q7wTTqkn
GJ!
けどこんな夜中に読むんじゃなかったw

>>289
前書きは作中作品でないかい?

261 :名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 03:39:30 ID:v/SR+4Vl
挑発するような書き方がうざい

262 :名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:07:55 ID:1H/pUiB7
>>257
GJ。怖くて良かったです。
前置き?

ゴメ、読んでなかったw

263 :名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 01:18:47 ID:Be32iJAh
専ブラのおかげでメ欄丸見えだったから何がしたいのかは見る前に分かった
けどお預け食らった気分だ(´・ω・`)

264 :名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 16:37:11 ID:XmmG6rNj
>>257
散々ひっぱたかれてるけど、俺は好きだ。我孫子武丸の「探偵映画」とまではいかないけど、文章ネタならではの反則技だと思う。
ただ、ここの住人には受けが悪いみたいだな。
後、あのイッちゃってる文字の乱打が携帯から読むと流石にめんどかった。
ホラーな禁断少女ってのもアリだな。つーかホラーだしな。

01-6に続く。 501 KB
最終更新:2008年03月20日 05:11