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「――禁断少女って、みんな呼んでるのよね?」
 画面に映る様々な文字列を縁の無い眼鏡に反射させながら、長い髪をした彼女は
そう呟いて薄く笑った。
 パソコンのディスプレイだけが電気の消された真っ暗な部屋の中で浮いて見えて、
前に座る彼女を青白く照らしている。わたしは部屋のベッドに裸で転がされたまま
それを怖々と見上げて、ただ彼女の動向を黙って眺めている事しか出来なかった。
「自慰を我慢してたら現れて、色々と素敵な事をしてくれる女の子。あなたもそうでしょう?」
「そのはず……でしたけど……」
 またぱちりと部屋の電気を付けてから、くすくすと楽しそうに近付いて来る彼女に
冷や汗を垂らす。蛍光灯の光が肌に突き刺さるようでむず痒かった。
 確かに禁断少女とは彼女の言う通りの存在だけれど、会うなり自分の事を拘束具で
縛り上げて脱がせてくるような相手に誰が体を許すものだろうか。わたしの手首は
冷たい金属の塊でベッドの端にくくり付けられていて、無理に動こうとすればぎしりと
骨が軋む。とんでもない奴を選んでしまったなと後悔した。
「私、攻められるのって性に合わないのよ。こういうのもお仕置みたいで楽しいと思わない?」
「いや、わた、わたし的にはちょっと……」
 着ていた黒い服を脱いで、彼女は仰向けになっているわたしにそっと馬乗りになる。
下着も外したのか、ふっくらと柔らかい感触が腹部を擦れた。
 近くで見る彼女の顔は綺麗で大人びて見えるけれど、年齢自体はわたしとあまり離れて
いないように感じる。それこそ、高校生くらいだろうか。
「……あなた、胸小さいわね」
「んっ」
 わたしの薄い膨らみをまさぐりながら、随分と失礼な事を言う。プロポーションの良い
彼女相手ではどうみても負け惜しみになりそうだから、文句を言う気にもなれなかった。

 
「もう少し大きくしてみましょう。その方が楽しいかもしれないわ」
 禁断少女は何でも出来るから便利よねと笑いながら口付けてくる。熱い舌が唇を舐めて
きたので仕方なしに閉じた口を開いた。
 後悔はしていても不思議と嫌悪感がないのは、やはり禁断少女だからだろうか。
なんとも迷惑な話だ。
「ふっ……う……」
 絡んだ舌の心地良さに思わずくぐもった声が漏れた。相変わらずまさぐられたままの
胸では彼女がころころと指先で突起を弄んできて、ぴんと堅さを増している。
それに続く乳房にも緩やかな刺激が与えられ続けてくすぐったかった。
 次第に頭の中がぼんやりとしてきて呼吸が荒くなると、自ら舌を擦り付け始めるわたしに
彼女は愉快そうに目を細める。ぴちゃぴちゃと水音がして、二人分の唾液が唇の端から
だらしなく垂れてシーツを濡らた。
「ぷはっ……あ、ひゃうっ!」
「うん、良いおっぱいになったと思わない?」
 顔を離した彼女が、いつの間にか慣れないサイズに成長したわたしの乳房に指を沈ませた。
張り詰めた肌を掬い上げるように下側からやわやわと揉みこまれて、ずくんと奥の方で
甘い快感がはじける。不自由な頭を動かしてなんとか視線を向けると、柔らかそうな小山が
ぷにぷにとした弾力を感じさせながら形を歪めていた。少し、嬉しいかもしれない。
「……やっぱりやめましょう。あなたには小さい方が似合うわ」
 つい快楽とは違う意味で頬を緩ませてしまって、彼女は不機嫌そうに鼻を鳴らした。
瞬間、空気の抜けた浮輪みたいにわたしの胸は元通りの平原に戻る。
 あまりにも間抜けな光景に落胆していると、そんなに残念がる事はないじゃない、と彼女は
意地悪く続けた。
「ただ大きいだけより、小さいけれど感度は抜群って方がずっと楽しそうでしょう?」
「へ? あ、ちょっ……ぃ!?」
 嫌な予感を覚えて慌てて身を捩ろうとするけれど、背筋をぞくぞくと突き上げる衝撃に
体を強張らせる。あまり日に焼けていない肌の上で真っ赤に熟れていた蕾に、彼女が
ちゅうと音を立てながら吸い付いてきたのだ。

「あっ、やだ、ほんとだめでっ……やぁぁ……!」
 熱で焼けてしまうような気持ち良さに半ばパニックになって目を白黒させる。突起を
唇で緩く食むようにされた中でねっとりとした感触が這い回る。ちろちろとくすぐるように
尖った舌でつつきまわされて、泣いてしまっているような情けない声が喉から零れた。
「こんなに気持ち良さそうなのに嫌なの? 我が儘な子ね」
「だってこれっ、おっぱいなのに、こんなっ!」
 不規則に呼吸しながら声を吐き出す。勃ちあがった乳首にふぅと冷たい息を吹きかけ
られるだけでびくびくと背筋をのけ反らせるわたしはすっかり彼女のおもちゃになって
しまっていて、無力にも手首の枷が擦れる音を出すくらいしか抵抗が出来ないのだ。
 ぷっくりとした乳輪を整えた爪先で擦られ、温かい口内で乳首が舌にこね回される度に、
わたしの頭はどんどん真っ白になっていく。
「っは……あ、ぅ……ひゃああ……!」
 軽い絶頂に何度も押し上げられたせいで弱々しい声しか出せなくなると、ようやく
彼女はわたしの体から離れてくれた。なかなか引かない余韻に惚けたままでいると、
楽しいでしょう? なんて囁きながら耳朶を甘噛みしてくる。
 楽しいのは、わたしを苛め続ける彼女だけである。
「も……いい、ですか……?」
 ここまでしたら満足したでしょう、許してくれませんか。そんな願いを込めながら尋ねて
みると、彼女は快く首を振ってくれた。当然、横にだ。
「自分だけ気持ち良くなって終わりだなんて、そんなのただのオナニーじゃない。
人を満足させるのがあなたの仕事よ?」
「そ、それはそうですけどぉ……むぐ」
「ね?」
 口元に押しつけられた感触にまばたきする。彼女の股間からにょっきりと伸びた、男性器だった。
 さっきまでこんなの無かったじゃないかと言いたいところだけれど、理由なんて私が一番
良く分かっているはずだ。
――深層で思っているままの世界を作り出せるのが、禁断少女なのだから。

 つるりとした亀頭を急かすように突き出してくるので、このまま無理に喉を犯されても
たまらないしなと舌を伸ばす。もっとも拘束されて首も自由に動かせないわたしにとって、
結局は彼女にされるがままなのだけれど。
「んちゅ……ぷあ……」
 開いた唇に乗せられた先端と、キスでもするみたいに吸い付きながら舌でねぶる。
こんなディープキスをするはめになるとは思ってもみなかった。
 唾液代わりの先走りをくちゅくちゅと舐め取るわたしに、そういえばと上にいる
彼女が気楽に話しかけてくる。
「私の事はご主人様とお姉様、好きな方で呼んでいいわよ。気分出そうだし」
「……おねーひゃま」
「うんうん。とってもエッチで可愛いわよ」
 どちらかといえば歯医者で恐怖と痛みを訴える子供みたいな声で呼んだのだけれど、
それでも彼女は――お姉様は満足そうに頷く。あ、もう口でしなくてもいいからと身勝手に
わたしから降りた。隣りに寝そべってきて、さらさらとした長い髪の毛から花のように
甘い匂いが香ってくる。
「どうせ射精するならやっぱり、ねぇ?」
「お、お姉様ぁ……」
 お腹の上を滑り降りていった手のひらが下腹部をとんとんとノックする。胸への過剰な
責めでお尻が冷たくなるほどシーツを濡らしていたわたしのあそこが、今更刺激を拒むわけも
なかった。潜り込んできたお姉様の指をちゅるんと美味しそうに飲み込んで、おねだりする
ように内壁をひくつかせているのが自分でも分かる。
「欲しい?」
 中で指を折り曲げてくにくにと上側を擦りながらそれだけ聞いて、顔を覗き込まれた。
お姉様の柔らかくて大きな胸がむぎゅっと押し付けられてきて、もう何でもいいやといった
気分になる。

 
 だからわたしは上気した顔を精一杯こくこくと頷かせてお姉様を見上げた。
「欲しい……です。お姉様のおちんちん、欲しいです……! エッチで悪い子のわたしに
たくさんお仕置きしっ」
「あ、ごめんね。もう我慢できないし、言葉責めとか面倒なのよ」
「なっ、いやちょっといきなりすぎっ……ひぃん!」
 気分を出してこれから思い付く限りの淫語を喋ってやろうとしていたわたしを遮って、
お姉様は本当に自分勝手に太股を抱きかかえてくる。なんて最低なやつだ。
 ひたりと粘膜同士を触れさせて、お姉様がわたしの汗ばんだ額に唇を落とした。
少しずつ、腰を進めてくる。
「ぅく……あ、あっ、おねーさまぁ……!」
「ん、少しきついかしら……でも痛くはないでしょう?」
 みちりと入口が押し広げられる感覚に自然と涙が滲んでくるけれど、お姉様の言う通り
痛みは全くと言って良いほど無い。禁断少女はただ純粋に、快楽のみを与えられるのだ。
 と、がちゃがちゃと金属音を鳴らしていた手首が急に軽くなる。お姉様が枷を消して
くれたんだろう、拘束されていた部分の皮膚が傷付いて痛むという事も無かった。
「んんー……っ!」
 わたしが思わずお姉様に腕をまわしてしがみつくと同時に、熱い杭が一気に突き入れ
られる。根元までぴったりとくっついてしまったせいか、奥がこつこつと圧迫された。
「ほら入った。ねぇ、このまま私のおちんちんを触手化させて、もっと奥まで犯してあげ
ましょうか? 子宮の中までこちょこちょくすぐって、ぐちゃぐちゃにかき混ぜちゃうの。
どろどろの液体をあなたがもうやめてって泣き出しちゃうくらいたっぷり注いであげるのも
良いわね。どう?」
「やぁぁ……いや、いやです……! おねえさまごめんなさいぃ……!」
 本当にそうされてしまうんだろうかと怖くなって、すすり泣きながらお姉様の首筋に
鼻先をすり寄せる。腰を引かれて、限界まで広がった膣壁を段の高いくびれがごりっと
削っていった。柔らかくぬるついた肉を入口の辺りまで掻き出されて、わたしの体は
お姉様と離れたくないと自然きゅっと力を込めて締め付ける。接着密度が上がって甘く痺れた。

 
「……ただの冗談よ。泣かないで?」
 ぐずるわたしを慰めるように目尻の涙を舐め取ってくる。ああ、意外と優しいところも、
「大体、どうせぐちゃぐちゃに犯すんだから触手化なんて面倒だわ」
 やっぱり、優しくない。
 慰めて労るどころか、肌のぶつかる乾いた音を立てながらまた深く突き込まれる。
獲物のわたしを確実に追い詰めてやろうと、器用に色んな箇所を責め立ててくるのだ。
 入口付近を亀頭でねちっこく捏ね回されたと思えばいきなり奥の子宮口をぐいぐい
押し込んできたり、少しは快感を和らげようと身を捩っても逃すまいと追いかけてくる。
無駄な抵抗を続けているうちにわたしは体の向きを180度回転させてしまっていて、
俯せになった腰を高く持ち上げてながらがつがつと激しく突き上げられた。
 体が揺れる度に敏感な乳首がシーツと擦れて、粘膜を掻き混ぜられる音を聞きながら
ただただ喘ぐ。わたしの頭は気持ちの良い事しか分からないばかになってしまったんじゃ
ないかと思った。
「う、ん……さすがに、もう無理……!」
「ふぇっ……んきゅぅぅ……!」
 お姉様が短い頻度で腰を打ち付けながら背中に覆い被さってくる。はっはっと荒い息が
耳の裏にかかった。
「あっ……あああ……!」
 いきなり縛り上げられるというお姉様との衝撃の出会いから、初めて余裕のないとろける
ような声が鼓膜に響く。
 膨れ上がった欲望がわたしの奥で弾けて、断続的に震えながら粘度の高い液体が吐き
出されてきた。勢いの良い射精を搾り取るように中がきゅうきゅうになって、やっぱり
気持ちの良い事しか分からない。
 ただ。
「おねー……さまぁ……」
 ただ、終わっちゃったんだなぁとぼんやり思いながらわたしは目を閉じて倒れ込んだ。

 
   ×××
「あー……なんかすごい夢みた……」
 ぱちりと目を覚まして自室の天井を眺めながら、わたしは寝間着にしているTシャツを
めくってぽりぽりとお腹を掻いた。
 そう、自分の部屋である。服だって着ているし、下着だってきちんと――それも汚れて
いないさらさらのまま――履いている。本来溜まった性欲を慰めてくれるはずの禁断少女に
逆に拘束されて犯されまくるだなんて、どんな了見の夢だろうか。
「やっと起きたの? だらしないわね、学校に遅刻するわよ」
「もー、自分で着替えれるよぅ……」
 呆れ顔でシャツを脱がそうとしてくる彼女の腕を振りほどく。寝ぼけた頭でもぞもぞと
やっていると、今更だけれど妙な違和感を感じて手を止めた。
「昨日も一人でさっさと寝てしまうし、綺麗に後片付けしてあげた私におはようの挨拶も
無し。やっぱり、高校生なんてまだ子供ね」
「なななななんっ、おね、えええ!?」
「きちんと喋りなさいよ」
 なんでお姉様がまだいるのだといった意味の言葉を吐こうとするわたしに、縁の無い
眼鏡をかけた長い黒髪の彼女は――禁断少女は溜め息をつく。
 仕方の無い子ね、と軽く怒りながら頬をつねられた。
「な、なんで消えてないんですか!? ああまた会いたいな、だからオナ禁頑張ろう、
みたいなオチじゃないんですか!?」
 うろたえながら唾を飛ばすと今度は嫌そうにお姉様はわたしの唇をつまんだ。アヒル
みたいな間抜け顔でお姉様を見つめる。
「あなた、未成年でしょう?」
「……ひゃい」
「それなのになんで禁断少女を知ってるのかしら? なんでエッチな小説を書いては
掲示板に投稿しているのかしら?」
「……ばれなきゃいいひゃ、と思ひまひた」
「まずその根性が気に食わないわ」
「ひぃん」
 ごめんなさいと首を竦める。わたしは若さ故持て余した性欲を小説で表現しては某巨大
掲示板で作品を発表して褒めちぎられる事に快感を覚えている、いわゆる職人と呼ばれて
いる人間だが、ぶっちゃけ年齢を詐称していたわけだ。
 そして禁断少女という話を聞いて自慰を数日我慢してみたところ、現れたお姉様に会う
なり拘束されてわたしの書いた様々な小説から性癖を読み取られたわけである。
「未成年が出入りしているのを見過ごすわけにもいかないわ。だから、私があなたを
監視する事にします」
「え、ええー……」
「またお仕置されたいなら別に良いわよ?」
 不満そうな声を出すけれど、服の中に手を突っ込まれて黙り込む。
 わたしがお姉様から逆にお姉様と呼ばれるようになる21歳の誕生日まで、あと5年。
小説自体は個人で書き続けられるけれど、
「次はやっぱり触手にしてみる? お尻も好きよね? ああ、学校に遅刻するとかそんな
心配はしなくていいわよ。私は禁断少女だもの」
「か、勘弁してくださいよぅ」
――発表する頃には、全てノンフィクションになってしまいそうである。