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 紫色の…

 

和服の少女が立っている。
こちらを射抜くような目をした、黒髪の少女。
紺とも紫ともいえぬような振袖の着物を纏って…。

「あの、あなたは…」
これは幻か何か、もしくは犯罪者?一体、なぜ…?
すると、その少女が答えた。
「私は、あなたから生まれたもの。」
少女の表情は何一つ変わらない。
「だ、大丈夫?君、何を言ってるの?」
俺が放ったセリフは、おかしかったのだろうか。
少女が髪を横に揺らして笑う。
クス、と口に手をやりながら。
「私は、あなたから生まれたもの。名前は、ありません。」
「俺から生まれる?意味がわからないんだけど…」
俺には子どもなんていない。まして、この歳の少女なんてありえない。
「違います。あなたのここから、私は生まれました。」
少女はそう言って、すっと袖から細い手をのばして俺の胸に触れる。
「私は、あなたの強い願いから生まれました。昨晩、それを願ったのに、あなたは意識を失うように眠ってしまった。随分、お仕事でお疲れなのですね…」
は?何を言ってるんだ?
俺が昨晩…なんだって?
俺は自分の記憶の糸を手繰る。
昨日は残業で深夜に帰宅し、そのままシャワーを浴びて…眠っただけじゃないか。
何かをしようと思ったわけではなかったはず…。

連日、ずっとこんな生活だ。
好きな読書という趣味ですら、最近は封印していると言うのに…。
「俺は何かやろうとか、してないと思うけど?」
俺は、正体のわからない少女に本気で答えていた。
「そんなことはありません。私は、ずうっと見ておりました…。あなたが、思いとどまっていたこと。」
少女は先程の強い視線ではなく、ふっと微笑むような目をした。
「ですがもう、限界です…。」
いつのまにか、少女に距離を縮められていたことに気づく。
ふんわりと、お香のような香りがする。
「私となら、きっと昨日のような罪悪感など消えてしまいます…」
その言葉に、ハっとなった。
俺が昨日、罪悪感を覚えつつやめたこと。
しばらく、していないのだ。
すれば体力を奪う。翌日の朝の身体が重くなる。仕事がたて込んでいる今、そんなことはできなかった。
だが、この少女は何だと言うのか。
見るのは今日が初めてだ。
おかしなことを言っていたな…俺から、生まれたとか…。
それで俺は思い出した。
聞いたことがある。
何日もそれを我慢していると、限界を超えたあたりで突如あらわれると言う少女の伝説。
いわゆる都市伝説の類いだとタカを括っていた。
それでは、この少女は…その伝説どおりなら、俺好みの少女だと言うことなのか?
この顔、この視線、この着物姿…。
いままで、こんなタイプと付き合ったことはない。
俺はいつも…胸が小さくて茶髪で巻き髪、ピンクの服にハイヒールを履いたような女が多かった。
まるで正反対のような少女。
これは、やはり何かの間違いなのでは…。


「君は、その…禁断少女、ということなの?」
恐る恐る聞いたのが、またおかしかったのか、少女がククッと笑う。
「そうです。ようやく分かっていただけたのですね。」
「だけど、俺の好みとは違うと思うんだけど…」
「そうですか?私は、私の外見を自分できめることはできません。きめるのは、あなたの心ですから…」
そういうものなのか。
では、この着物の色まで…?
「で、君はこれから、どうするの?」
「私はこれから、あなたを、その…」
そこまで言って、少女は初めて顔を背けた。耳まで赤くなっているのがわかる。
「そのため」にしか存在しないのに、それを口にして頬を赤くするとは思わなかった。
これも俺の好みなのか…?
「その、何?」
「あの…あなたをきもちよく、したいです…」
聞こえないくらいの小さな声でそういうと、ソファに座る俺のすぐそばに跪いた。
太腿に手を置かれた途端、ぞくっと俺の身体が反応した。
おいおい、こんなことで感じたことなんて一度もなかったじゃないか。
どうしたんだ、俺は。
それにしても少女の黒髪が見事なのには驚く。
まっすぐで漆黒の闇のような髪が美しい。
俺はうつむき加減の少女の頭に手をおいた。
つやつやと、さらさらとして、手のひらに心地よくて…まるで絹糸のようだ。
何度か髪を撫でると、少女が俺を見上げる。
「ずっと、お会いできるのを楽しみにしておりました…。」
「ずっと?」
「えぇ…。」
少女は俺の腰に抱きついたとき、きゅっと衣擦れの音がした。


「振袖って、重いんだね…」
俺は膝にかかった振袖の重さを口にした。袖だけでも、ずっしりと重く、あたたかい。
「慣れればそうでもありませんよ」
少女はこともなげにそう言う。
何なんだろう、この感覚。
初対面の少女に、違和感を感じたのは最初だけだ。
静かな口調が俺を落ち着かせたのか、今はこの少女のこと以外は頭から抜けていた。
見れば特に嫌なところもない。
香りも嫌いじゃない。
息遣いも、所作も、引っ掛かるようなところはなかった。
よくわからない、不思議な気持ちだった。
「あの…明かりを落としてもよろしいですか?」
少女が顔を真っ赤にして聞いてくる。
今にも泣きだすんじゃないかと思うくらい、小さな声で。
「いいよ…。」
俺は素直にそう答えた。
すると、明るかった部屋の蛍光灯が、不思議なことにほの暗くなった。
調光機能など付いていないのに…。
「私を…一度でいいので…その……」
少女はうつむきながら、遠慮がちに俺の膝に座った。
こんなに内気な女の子は初めてだ。
だが、不思議なことにいらつくような感情は沸いて来ない。
俺は少女を抱き寄せ、唇を少女の唇に軽く重ねた。
ちゅ、と小さな音がした。

「うれしい…」
少女はそう言うと、俺の胸に顔を埋めた。
髪がさらりと揺れ、いい香りがする。
やがて少女が俺の服をそろそろと脱がせはじめた。
シャツのボタンを外し、ベルトを外し…ズボンを下ろしていく。
俺は腰を浮かせて仰向けに横たわると、少女がそれを引き抜いていく。
うす暗闇の中で、言葉も交わさずに、ただ相手の呼吸と衣擦れの音だけが部屋に響く。
その音だけなのに、妙に耳がくすぐったい。
俺の分身が固さを増しているのがわかる。
この少女がそれに触れるのを、渇望する自分がいた。
「もうこんなになって…」
少女はそう言って、腹のあたりから手を滑らせてトランクスを剥がしていく。
ひんやりとした空気に触れて、一瞬それが震えた。
「我慢していたのですね…」
独り言のようにそういうと、少女の指が根元を優しく擦る。
ビリ、と電気が走った。
なんせ、随分とためていたのだ。射精したいという気持ちが、むくむくと大きくなっていく。
「はずかしいので…みないで…ください……」
少女はそう言うと、俺に覆いかぶさるように唇を重ねてくる。
少し積極的な口づけ。
だがすぐに唇は離れ、少女は俺のものに手をのばす。
天井を指すように固く張ったそれに顔を近付け、先端に口付ける。
わずかな刺激にさえ、俺のそれは敏感に反応してしまう。
少女は袋にやわやわと触れ、竿を指で固定して先端を口にふくむ。
熱くねっとりとした感触が、俺の中枢を蕩けさせていくのがわかる。
少女の髪が腹や腿あたりまで垂れ、少女の動きに合わせてさらさらと動く。
その一連の動きに、俺のそれは長く耐えることはできなかった。


この状況で、我慢することに何の意味がある?
一体何のために我慢すると言うのだろうか…
少女の少し苦しげな呼吸を聞きながら、俺はその黒髪に手をのばした。
するりと指の間を抜けていく。
少女は舌を纏わり付かせながらも、俺が髪を撫でる動きに反応した。
「そろそろ…我慢できなそうなんだ…けど……んッ」
少女が口の動きを強めていく。
「だして…ください……たくさん…」
途切れ途切れに言う少女を制し、俺は口を開いた。
「まって…名前を決めてなかったよな……君の。」
「わたしの…名前?」
「そう…。」
「名前を…つけてくださるのですか?」
「うん…。こんなときに、今さらでわるいけど…。」
少女は口を離して惚けたような顔をした。
指は添えられたまま、むにむにと竿を往復する。
「君の…その振袖の花模様が綺麗だから……その花の名前がいいかな…」
「この花の、名前…」
「そう、なんて言うの…。俺は花がわからないから…」
「あやめです…あやめと言う花…」
少女は自分の着物を見て呟くように答える。
「じゃ、あやめ…かわいい名前だと思うよ。」
「あやめ…」
「あやめ…また、続けてもらえる…?」
俺の言葉に、あやめは素直に舌を絡ませる。
熱くて、とろとろのあやめの口の中。小さな口にこんなにグロテスクなものを押し込んで…
必至に俺をそこへ連れていく。
出したい。もう…もう……。

俺は呻くように荒い呼吸を繰り返し、やがて限界を迎えた。
どくん、とあやめの中で大きく痙攣したそれから、大量の液体た放たれた。
何度も、何度も脈打つように射精した後、ようやくそれは力を失った。
少女は少し咳き込んだ後、口を拭って再びそれを手に包み、舌で綺麗に拭いはじめた。
ぺろぺろと、舌が触れる感触が心地いい。
「たくさん、でましたね…」
「気持ちよかったよ…ありがとう、あやめ…」
俺は少女の髪を撫でた。
「なまえ…私の名前…うれしいです。」
あやめはそう言って、俺の横に横たわり、首に抱きついてきた。
「あやめ…」
俺は、心地よい疲労感に酔いながらも、あやめがいつ消えるのかと言う不安に気づいた。
伝説によれば、もういつ消えてもおかしくはないだろう。
「あやめ、もう少しだけいてくれないか。」
あやめは少し驚いたような顔をして、だがすぐにこくんと頷いた。
「少しだけなら大丈夫だと思います…」
俺はあやめを組み敷き、少し乱暴なくらいに口付けた。
慌てたようなあやめに構わず、あやめの口に舌を差し入れる。
「ん…ふぁ……っ!」
あやめが明らかに動揺している。
身を捩って切なそうな声をあげて…
「あ、あのっ…わたし…っ!!」


「わたし、何?」
「こういうのは、初めてで…あの、何を…なさる…んですか?」
あやめは不安そうな声をあげた。
「なにを、って…あやめを抱きたいんだよ。」
俺は当然そう答えた。
「私を…抱く…?」
あやめは何を言われているのかわからないような、そんな表情を見せた。
「そう。俺は凄く気持ちよかったから、今度は俺があやめを気持ちよくするために抱くんだよ。」
俺はひとまず帯を結んでいる紐に手を掛けた。
「私を気持ちよく…?」
「あやめは、あんなに俺を気持ち良くさせてくれたのに…自分が抱かれることは考えたことがないの?」
「わ、わかりません…はじめに、抱き締めていただきましたもの…。それ以上は…」
あやめが困惑したような顔をして見上げてくる。
「じっとしてて…大丈夫だから…」
俺はなんとか長い帯を引き抜いて、着物の合わせをゆるめると、ちりん、と音を立ててちいさな飾りの付いた鈴が床に転がった。
「ぁ…」
あやめは帯が緩むと、不安そうに自分の手で胸元を押さえる。
「隠さないで、あやめ…」
俺は耳元で囁いてから、何枚も重なる着物を剥いでいく。
やがてあやめは何も纏わぬ姿で俺の腕に抱かれた。
小さく震えているのがわかる。
「恐いの?」
「い、いいえ…なぜだかわからないけど…震えて…止まらない…」
俺はあやめの唇に、髪に、首筋に唇を滑らせた。
「ひゃ…ぁ…」
切ない声が天井へあがっていく。
着物を着ているとわからないのに、あやめは胸が大きかった。
ふにゅ、と柔らかい弾力が俺の指を押し返す。
「はぁ……ん…っ」
少し冷たい胸を撫で上げるようにすると、ぽっとあやめの身体が熱くなっていく。
時折身を捩りながら、あやめは助けを求めるように俺に抱きつく。
「…ぃや……ぁ……」
あやめは初めての感覚に、何を言ったらいいのかわからないようだった。


たすけて、と助けを求める相手の指が、あやめをこんなにもこまらせているという事実。
俺は自分のそれが、再び固く、もしかしたらさっきよりも凶暴に立ち上がるのを感じていた。
あやめはうっすら涙を浮かべながら、身を捩って俺の指の動きに喘いでいる。
「あやめ…もうこんなに濡れてるよ…」
俺はクレバスに差し入れた指を引き抜き、あやめの前でくっついた2本の指を離した。
透明に輝く糸が、指の間に渡って伸びる。
あやめは見てはいけないものを見た時のように、くっと目を瞑った。
やわらかなそこは既にぬるりと粘度を増し、身を捩る度に蜜が流れ出る。
いつ挿入しても大丈夫そうだ。
「かわいい…」
俺は恥ずかしそうに顔を伏せるあやめの顎を取り、こちらを向かせた。
「あやめ、かわいいよ…とても。」
唇を吸うと、あやめは細い腕で俺に絡み付いてくる。
「わたし…なんだかへんな感じに…なって……ます…。」
「気持ちよくなってるんだよ。これからもっと気持ちよくなるんだ…」
俺は子どもに言い聞かせるように、あやめに囁いた。
「あなたの望みどおりに……わたしを…抱いてください…」
あやめは俺の脚に自分の脚を絡ませた。
固くなった俺があやめの茂みに触れ、ぴくん、と震える。
「あやめの中に、入るよ…」
俺は自身をあやめに宛てがい、入り口を探して先端を埋め込んだ。
「ひゃ…ぅっ…」
たまらずにあやめが悲鳴をあげる。
思っていたよりも中は狭くて、悲鳴と同時にきゅぅっと絞り上げられる。
「うっ…っ、あ…やめ…!」
俺は予想以上の締め付けに、全力で耐えた。


こんな締め付けが何度も続いたら…
俺は馬鹿なプライドを保つべく、必至にもたせるように意識を集中した。
あやめの双丘を舌で愛撫しながら、手を太腿へ這わせていく。
あやめはその度にせつなそうな声をあげて、増々腰を捩り、膣中を収縮させた。
「ああっ……!ぃ、いや…ぁ…あぁんっ…!」
まずい…!
そう思ったが、遅かった。
俺のそこは前触れもなくいきなりびゅる、と震えながら精を中へ叩き付けた。
「出して…もっと、出してください…あなたの…」
あやめが脚を絡ませながら懇願する。
「あやめ…」
結合部からは、じゅぶ、と音を立ててふたりの液体が混じりあって溢れ出る。
俺はあやめの唇をむさぼるように奪い、長い間乱暴に口の中を犯した。
あやめは苦しそうな表情をしながらも、身体の奥から新たな蜜を溢れさせ、俺のそれに熱を与えていく。
かつてこんなセックスをしたことがあっただろうか。
俺はすっかり、与えられ、それに応えるセックスに溺れていた。
セックス、という言葉を使うことに、なんのためらいもないと思えるほどの感情。
あやめをどうしても絶頂へ引き上げたい。
そのためだけに俺は、分身が力を増すことを願った。
うっとりとした表情をして、濡れた唇を動かしてあやめが口を開く。
「…あつ…い…」
俺のそれが、あやめのなかでゆっくりと屹立していく。
ぬるぬると摩擦が消えていく中で、腰を動かすと合わせ目から水音が激しく響き出す。
んっちゅ、くちゅ…っ、じゅぷっ…。
「はぁっ…、はぁっ……あんっ…!」
突き上げられる衝撃に、あやめの胸が弾んで揺れる。
その扇情的な光景に、俺は動きを速めた。
ぴたぴたと肌がぶつかる音、互いを呼び合う切なげな声…
高みへ近づいていくことを知らせる嬌声が、段々に高く、間隔を短くして唇から漏れている。
あやめが、体全体で自分に感じている。


これほどまでの感覚を与えておきながら、あやめは「現実には存在しない」ものなのか。
俺はあやめの体温を感じながら、そんなことを思った。
身体の中心が、ひどく熱い。
もうそんなに長く持たせることはできなそうだ。
どくん、と分身が大きく痙攣したのが分かった。
「あっ、あっ…ああぁっ…わ、わたし…っ!!ひゃあっっ……!も…ぅ……ひゃあああッん!!」
あやめは大きく弓なりに身を反らせて、ぐったりと脱力した。
額にうっすらと汗が光っている。
俺は最後に腰を深く沈めると、思いきりあやめの奥を目がけて熱く白濁したものを射出した。
あやめがびくん、びくん、と腰を弾ませる。
どくどくっ、どくどくっ…
俺のそれは、最後の一滴まで出し切るかのように、あやめの膣を満たしていく。
あやめの胎内からあふれ出たものが、ふたりの脚を濡らしていく。
「あつい…あつい…です……」
あやめがうわ言のように訴える。
おれはだらりと力を失った自身を引き抜くと、手を添えて先端をあやめのちいさなそこの上へ擦りあげた。
わずかに、こり、とした感触を確かめると、自身の先端でそれを刺激した。
「ひゃあああ!」
敏感になっていたあやめが、悲鳴のような嬌声をあげる。
「ごめんあやめ…」
俺は涙をうっすら浮かべたあやめに口付けた。
「い、いいんです……ただ、どうしようもなくて…わたし…」
「いいんだ。あやめが気持ちよくなってくれれば…」
俺はそう囁いて、あやめのさらさらとした髪を撫でる。
「はい…とっても…気持ちよかったです……ありが…とう…ございます……」
あやめは消え入るような声でそう言ってから、胸に顔を埋めた。
やわらかな胸に押しつぶされる感触に、俺は少し目眩がした。
俺がつくり出した少女が、俺をここまでにさせるとは…。
禁断少女、都市伝説といわれるような、不思議な存在。
その少女を確かに抱き締めながら、俺は眠りに落ちていった。


翌朝、けたたましい目覚まし時計の音で目が覚めた。
いつもどおり起きる時間だ。
だが、驚くほど身体が軽い。
普段は作らない朝食を作り、洗濯までした。
あれはそれでも夢だったんだろうか、それともやはり幻…。
俺は昨日の一部始終を覚えていた。あやめと名付けた少女の香りや、体温まで。
一つ一つ服を身に付けながら、俺はベッドに腰を掛けた。
ぼんやりと部屋を見渡す。
いつもと同じ、朝日が眩しい東向きの部屋。
すると…。
俺は目を疑った。
朝日を透過して輝くものを見つけたのだ。
「これは…」
紫色のガラス玉が付いたそれを拾い上げると、ちりん、と小さな音がした。

 


おしまい。