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=2007年= ==第1問== 調和振動子なので猪野先生のプリントでも見てください。 ==第2問== 要するに、さっさと行列表示してしまえば楽なわけなんですけど、|↑>を(1,0)、|↓>と(0,1)と同一視してしまえば、 :<math>\begin{align*} \hat{S}_{+}\begin{pmatrix}\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}&\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}\end{pmatrix} \end{align*}=\begin{pmatrix}\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}&\begin{pmatrix}\hbar\\0\end{pmatrix}\end{pmatrix}</math> あと同様に<math>\hat{S}_-</math>も行列表示して、<math>\hat{S}_x, \hat{S}_y</math>の行列表示をすればよい。あとは、この固有値、固有ベクトルを求めて、固有ベクトル(''s'',''t'')を''s''|↑>+''t''|↓>とすればOK。 ==第3問== 縮退のない摂動の問題は、 *エネルギーを摂動パラメタ(''λ'')の冪級数に展開する *状態ベクトル(or波動関数)もパラメタの冪級数に展開する(ただし0次の項は無摂動Hamiltonianの注目している固有状態) *状態ベクトル(or波動関数)の1次以上の項を無摂動Hamiltonianの固有状態でさらに展開する *Schrödinger方程式にぶち込んで、''λ''の必要な次数をとってくる *両辺を無摂動Hamiltonianの注目している固有状態と内積を取るとその次数のエネルギーシフトの係数が分かる *無摂動Hamiltonianのそれ以外の固有状態と内積を取ると、その次数の状態ベクトル(or波動関数)の補正の展開係数が分かる と、やることはワンパターン。ただし、縮退がある場合(この問も当然そう)は、 *与えられた基底に対して永年方程式を解くなどして、<math>\langle\varphi_m|\hat{H}_1|\varphi_n\rangle=0(m\neq n)</math>となるような線型結合を新しい基底とする という操作がまず加わる(H<sub>1</sub>は摂動項)。 ===1.=== この問に即すと、<math>\frac{\partial}{\partial x}=\frac{x}{r}\frac{\partial}{\partial r}</math>(''y''も同様) :<math>\hat{L}_z\psi_0=\hat{L}_z\psi_z=0</math> は明らか。即ち''' ''ψ''<sub>0</sub>, ''ψ<sub>z</sub>''は摂動の影響を受けない'''。 即ち、''ψ<sub>x</sub>'', ''ψ<sub>y</sub>''の線型結合を適当に取ればよいが、永年方程式を解かなくても、''x'', ''y''の反対称性から単純な線型結合 :''ψ''<sub>±</sub>=(''ψ<sub>x</sub>''±''iψ<sub>y</sub>'')/√2 とすればよいことが期待でき、実際このとき :<math>\int dV\psi_+\hat{L}_z\psi_-=0</math> となる(計算には<math>\hat{L}_z\psi_x=-\psi_y, \hat{L}_z\psi_y=\psi_x, \int dV\psi_i\psi_j=\delta_{ij}(i,j=x,y)</math>を用いるとよい)。ちなみに永年方程式は以下になる。 :<math>\begin{vmatrix}\int dV\psi_x\hat{L}_z\psi_x-E&\int dV\psi_x\hat{L}_z\psi_y\\ \int dV\psi_y\hat{L}_z\psi_x&\int dV\psi_y\hat{L}_z\psi_y-E\end{vmatrix}</math> ここで、Scrödinger方程式の''λ''の1次を取り出すと :<math>\hat{L}_z\psi_i+\hat{H}_0\sum_{j\neq i}c_{ij}\psi_j=E_1\psi_i+E_0\sum_{j\neq i}c_{ij}\psi_j\ (i=+,- \& j=0,+,-,z)</math> ここで非摂動Hamiltonianのエネルギー固有値はすべて''E''<sub>0</sub>だから、両辺第2項はキャンセルするので、両辺第1項のみが残る。 ''ψ<sub>i</sub>''と内積をとって、 :<math>\int dV\psi_i\hat{L}_z\psi_i=E_1</math> エネルギーシフトは±2''ħλ''である(実はこれは対角化された行列要素の対角成分であるから、固有値そのものであり、既に永年方程式の解として求めている)。 ===2.=== 対称性より、摂動に関与するのは''x'',''y'',''z''すべてに対して偶の''ψ''<sub>0</sub>と''ψ<sub>x</sub>''の組み合わせのみ(そのほかは全て摂動の行列要素の積分が正負でキャンセル)。 永年方程式は :<math>\begin{vmatrix}c_1-E&c_2\\c_2&c_3-E\end{vmatrix}</math> だから、エネルギーシフトは :<math>\lambda E_{\pm}=\lambda\frac{c_1+c_3\pm\sqrt{(c_1-c_3)^2+4{c_2}^2}}{2}</math> 分裂後の固有状態は :<math>(c_1-E_{\pm})\psi_0+c_2\psi_x</math> ==2005年== ===第1問=== ====1.==== 並進演算子 :<math>\hat{T}(a)=\exp\left(-a\frac{i}{\hbar}\hat{p}\right)</math> に対し(このような基底の取替えを行う演算子は基本的にユニタリ) :<math>T^\dagger\hat{H}T^\dagger=H</math> を''a''微分、 :<math>\hat{T}^\dagger\left[\frac{i}{\hbar}\hat{p},\hat{H}\right]\hat{T}=0</math> より<math>[\hat{p},\hat{H}]=0</math> ====2.==== 可換ということは同時対角化可能、つまり双方に共通の固有関数を用いて世紀直交基底を作れる。ただし、例えば自由粒子においてexp(''ikx'')+exp(-''ikx'')はエネルギー固有値''(ħk)''<sup>2</sup>/2''m''の固有関数だが、運動量の固有関数ではないので誤っている。 ====3.==== Heisenberg描像で考えたら分かりやすい。 :<math>\frac{d}{dt}\hat{A}(t)=[\hat{H}(t),\hat{A}(t)]=0</math> であれば、 :<math>\langle A\rangle=\langle\psi|\hat{A}(t)|\psi\rangle=0</math> これは''ψ''がいかなるベクトルであろうと成立するので誤っている。 ===第2問=== 調和振動子、もう飽きたでしょ。 ===第3問=== 動径分布、つまり''r''<sup>2</sup>がかかっていることに注意。このせいで、必ず''r''=0で値が0になるので紛らわしい。これを除いた節の数が''n''-''l''で、これが同じ波動関数は''n''が大きいほど外側に来るので、順に10, 21, 22, 33, 32, 31
=2007年= ==第1問== 調和振動子なので猪野先生のプリントでも見てください。 ==第2問== 要するに、さっさと行列表示してしまえば楽なわけなんですけど、|↑>を(1,0)、|↓>と(0,1)と同一視してしまえば、 :<math>\begin{align*} \hat{S}_{+}\begin{pmatrix}\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}&\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}\end{pmatrix} \end{align*}=\begin{pmatrix}\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}&\begin{pmatrix}\hbar\\0\end{pmatrix}\end{pmatrix}</math> あと同様に<math>\hat{S}_-</math>も行列表示して、<math>\hat{S}_x, \hat{S}_y</math>の行列表示をすればよい。あとは、この固有値、固有ベクトルを求めて、固有ベクトル(''s'',''t'')を''s''|↑>+''t''|↓>とすればOK。 ==第3問== 縮退のない摂動の問題は、 *エネルギーを摂動パラメタ(''λ'')の冪級数に展開する *状態ベクトル(or波動関数)もパラメタの冪級数に展開する(ただし0次の項は無摂動Hamiltonianの注目している固有状態) *状態ベクトル(or波動関数)の1次以上の項を無摂動Hamiltonianの固有状態でさらに展開する *Schrödinger方程式にぶち込んで、''λ''の必要な次数をとってくる *両辺を無摂動Hamiltonianの注目している固有状態と内積を取るとその次数のエネルギーシフトの係数が分かる *無摂動Hamiltonianのそれ以外の固有状態と内積を取ると、その次数の状態ベクトル(or波動関数)の補正の展開係数が分かる と、やることはワンパターン。ただし、縮退がある場合(この問も当然そう)は、 *与えられた基底に対して永年方程式を解くなどして、<math>\langle\varphi_m|\hat{H}_1|\varphi_n\rangle=0(m\neq n)</math>となるような線型結合を新しい基底とする という操作がまず加わる(H<sub>1</sub>は摂動項)。 ===1.=== この問に即すと、<math>\frac{\partial}{\partial x}=\frac{x}{r}\frac{\partial}{\partial r}</math>(''y''も同様) :<math>\hat{L}_z\psi_0=\hat{L}_z\psi_z=0</math> は明らか。即ち''' ''ψ''<sub>0</sub>, ''ψ<sub>z</sub>''は摂動の影響を受けない'''。 即ち、''ψ<sub>x</sub>'', ''ψ<sub>y</sub>''の線型結合を適当に取ればよいが、永年方程式を解かなくても、''x'', ''y''の反対称性から単純な線型結合 :''ψ''<sub>±</sub>=(''ψ<sub>x</sub>''±''iψ<sub>y</sub>'')/√2 とすればよいことが期待でき、実際このとき :<math>\int dV\psi_+\hat{L}_z\psi_-=0</math> となる(計算には<math>\hat{L}_z\psi_x=-\psi_y, \hat{L}_z\psi_y=\psi_x, \int dV\psi_i\psi_j=\delta_{ij}(i,j=x,y)</math>を用いるとよい)。ちなみに永年方程式は以下になる。 :<math>\begin{vmatrix}\int dV\psi_x\hat{L}_z\psi_x-E&\int dV\psi_x\hat{L}_z\psi_y\\ \int dV\psi_y\hat{L}_z\psi_x&\int dV\psi_y\hat{L}_z\psi_y-E\end{vmatrix}</math> ここで、Scrödinger方程式の''λ''の1次を取り出すと :<math>\hat{L}_z\psi_i+\hat{H}_0\sum_{j\neq i}c_{ij}\psi_j=E_1\psi_i+E_0\sum_{j\neq i}c_{ij}\psi_j\ (i=+,- \& j=0,+,-,z)</math> ここで非摂動Hamiltonianのエネルギー固有値はすべて''E''<sub>0</sub>だから、両辺第2項はキャンセルするので、両辺第1項のみが残る。 ''ψ<sub>i</sub>''と内積をとって、 :<math>\int dV\psi_i\hat{L}_z\psi_i=E_1</math> エネルギーシフトは±2''ħλ''である(実はこれは対角化された行列要素の対角成分であるから、固有値そのものであり、既に永年方程式の解として求めている)。 ===2.=== 対称性より、摂動に関与するのは''x'',''y'',''z''すべてに対して偶の''ψ''<sub>0</sub>と''ψ<sub>x</sub>''の組み合わせのみ(そのほかは全て摂動の行列要素の積分が正負でキャンセル)。 永年方程式は :<math>\begin{vmatrix}c_1-E&c_2\\c_2&c_3-E\end{vmatrix}</math> だから、エネルギーシフトは :<math>\lambda E_{\pm}=\lambda\frac{c_1+c_3\pm\sqrt{(c_1-c_3)^2+4{c_2}^2}}{2}</math> 分裂後の固有状態は :<math>(c_1-E_{\pm})\psi_0+c_2\psi_x</math> ==2005年== ===第1問=== ====1.==== 並進演算子 :<math>\hat{T}(a)=\exp\left(-a\frac{i}{\hbar}\hat{p}\right)</math> に対し(このような基底の取替えを行う演算子は基本的にユニタリ) :<math>T^\dagger\hat{H}T^\dagger=H</math> を''a''微分、 :<math>\hat{T}^\dagger\left[\frac{i}{\hbar}\hat{p},\hat{H}\right]\hat{T}=0</math> より<math>[\hat{p},\hat{H}]=0</math> ====2.==== 可換ということは同時対角化可能、つまり双方に共通の固有関数を用いて正規直交基底を作れる。ただし、例えば自由粒子においてexp(''ikx'')+exp(-''ikx'')はエネルギー固有値''(ħk)''<sup>2</sup>/2''m''の固有関数だが、運動量の固有関数ではないので誤っている。 ====3.==== Heisenberg描像で考えたら分かりやすい。 :<math>\frac{d}{dt}\hat{A}(t)=[\hat{H}(t),\hat{A}(t)]=0</math> であれば、 :<math>\langle A\rangle=\langle\psi|\hat{A}(t)|\psi\rangle=0</math> これは''ψ''がいかなるベクトルであろうと成立するので誤っている。 ===第2問=== 調和振動子、もう飽きたでしょ。 ===第3問=== 動径分布、つまり''r''<sup>2</sup>がかかっていることに注意。このせいで、必ず''r''=0で値が0になるので紛らわしい。これを除いた節の数が''n''-''l''で、これが同じ波動関数は''n''が大きいほど外側に来るので、順に10, 21, 22, 33, 32, 31

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