東京大学教養学部基礎科学科2008年進学者WIKI
量子力学II
最終更新:
kisokagaku2008
2007年
第1問
調和振動子なので猪野先生のプリントでも見てください。
第2問
要するに、さっさと行列表示してしまえば楽なわけなんですけど、|↑>を(1,0)、|↓>と(0,1)と同一視してしまえば、
-
あと同様にも行列表示して、の行列表示をすればよい。あとは、この固有値、固有ベクトルを求めて、固有ベクトル(s,t)をs|↑>+t|↓>とすればOK。
第3問
縮退のない摂動の問題は、
- エネルギーを摂動パラメタ(λ)の冪級数に展開する
- 状態ベクトル(or波動関数)もパラメタの冪級数に展開する(ただし0次の項は無摂動Hamiltonianの注目している固有状態)
- 状態ベクトル(or波動関数)の1次以上の項を無摂動Hamiltonianの固有状態でさらに展開する
- Schrödinger方程式にぶち込んで、λの必要な次数をとってくる
- 両辺を無摂動Hamiltonianの注目している固有状態と内積を取るとその次数のエネルギーシフトの係数が分かる
- 無摂動Hamiltonianのそれ以外の固有状態と内積を取ると、その次数の状態ベクトル(or波動関数)の補正の展開係数が分かる
と、やることはワンパターン。ただし、縮退がある場合(この問も当然そう)は、
- 与えられた基底に対して永年方程式を解くなどして、となるような線型結合を新しい基底とする
という操作がまず加わる(H1は摂動項)。
1.
この問に即すと、(yも同様)
は明らか。即ち ψ0, ψzは摂動の影響を受けない。
即ち、ψx, ψyの線型結合を適当に取ればよいが、永年方程式を解かなくても、x, yの反対称性から単純な線型結合
- ψ±=(ψx±iψy)/√2
とすればよいことが期待でき、実際このとき
となる(計算にはを用いるとよい)。ちなみに永年方程式は以下になる。
-
ここで、Scrödinger方程式のλの1次を取り出すと
ここで非摂動Hamiltonianのエネルギー固有値はすべてE0だから、両辺第2項はキャンセルするので、両辺第1項のみが残る。
ψiと内積をとって、
エネルギーシフトは±2ħλである(実はこれは対角化された行列要素の対角成分であるから、固有値そのものであり、既に永年方程式の解として求めている)。
2.
対称性より、摂動に関与するのはx,y,zすべてに対して偶のψ0とψxの組み合わせのみ(そのほかは全て摂動の行列要素の積分が正負でキャンセル)。
永年方程式は
だから、エネルギーシフトは
分裂後の固有状態は
2005年
第1問
1.
並進演算子
に対し(このような基底の取替えを行う演算子は基本的にユニタリ)
をa微分、
より
2.
可換ということは同時対角化可能、つまり双方に共通の固有関数を用いて正規直交基底を作れる。ただし、例えば自由粒子においてexp(ikx)+exp(-ikx)はエネルギー固有値(ħk)2/2mの固有関数だが、運動量の固有関数ではないので誤っている。
3.
Heisenberg描像で考えたら分かりやすい。
であれば、
これはψがいかなるベクトルであろうと成立するので誤っている。
第2問
調和振動子、もう飽きたでしょ。
第3問
動径分布、つまりr2がかかっていることに注意。このせいで、必ずr=0で値が0になるので紛らわしい。これを除いた節の数がn-lで、これが同じ波動関数はnが大きいほど外側に来るので、順に10, 21, 22, 33, 32, 31