Rain-Road


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ジトジトと湿った嫌な雨が降る。おかげ様で洗濯物も乾かない。部屋干しだと、生乾きで匂うし……
少しは主婦の大変さも、解ってほしいもんだよ!

でも、そんな五月雨の季節が好きだった。

  • Rain-Road-

5月の雨が降る日は、決まって つかさが何の前触れもなく家にやって来る。
「こなちゃ~ん、来ちゃった♪ 」
「…うん、絶対来ると思った! 間違いなく来ると思った! 」
「えへへ~♪ 」
つかさは自分より一回り、大きな傘を持って、恥ずかしそうに笑っている。

「さぁ、こなちゃん早く行こ? 」
「うわっ! ちょっと、つかさ待ってよ!? 私まだ準備がぁ!? ……」

そうやっていつも私の手を引っ張って、インドア派な私を雨の世界へと連れ出して行く。
でもなんで、雨の日に限ってこんなにもつかさは、積極的なんだろう……まぁ、それを嫌がらない私も、なんなんだけどねぇ―

…………
……

「ねぇ、こなちゃん! 今日はあまり人がいないね」
「まぁ、今日は雨だしねぇ~ ってか、雨の日に出かけたくなるなんて、つかさぐらいだと思うよ」
「えへへ、そうかな? 」

「(いや! 絶対つかさだけだって! )」

普段は大勢のカップル達が行き交う並木道も、こんな雨の日は人通りも少なく、二人だけの時間が流れる。

元はと言えば、つかさが大きな傘を買ったのが きっかけなんだけど、こんな雨の日でしか使えないからと言う理由で、『雨の日限定デート』をするようになった。


「ねぇ、つかさ寒くない? 」

「ううん、大丈夫だよ? こなちゃんは? 」
そう言って、私の方を向き ギュウ! って手を握ってくるつかさ。
「あっ、う、うん! 私はダ、大丈夫ダョ? 」

「(つかさのせいで、寒さどころではないよ! なんて、つかさの前で口が裂けても言えないよ! って、今顔赤くなってるかも! ど、どうしょう!? )」

つかさの時たま見せる、さりげない仕草や表情が、こなたにとっては、この上ない萌え要素。それを全部受けとめていたら、いつか萌え殺されてしまうような気がした。

恥ずかしさで、下を向いていると つかさが……

「……こなちゃん、本当に大丈夫? 」
と、顔を覗かせる。
「うん、平気だよ? 」


「ねぇ、こなちゃん……」

「ん? 」

…………
……

チュ♪

「!!!? ………」
「えへへ、こなちゃん、隙だらけだよ? 」
いきなりのつかさからのキス。突然の事に慌てるこなた。
「つ、つかさ! いきなりなんて、ズルいよ!! 」
「えへへ、だって、こなちゃんが大好きなんだもん♪ 」

ドキッ! こなたの胸が高鳴る。つかさは満面の笑顔で笑っている。
きっとこれが『萌え殺される』って事なんだと思った。

突然つかさが、傘から飛び出して 目の前でクルクルと回り始めた。
「え? ちょ、つかさ濡れちゃうよ!? 」
「わ~い、雨よ、もっと降れぇ~♪ 」
つかさはこなたの忠告も聞かずに、雨の中回っている。こなたも言うのを諦めて、つかさを見ていた。

でも、そこでこなたが見たのは、雨の中で踊るつかさの姿だった。
雨の雫が弾けて、舞う姿はとても綺麗でつかさが輝いてみえた。

「つかさ……」
「ん、なぁに? こなちゃん? 」
ギューウ!!

雨の中、傘を放り出し、つかさに抱きついた。
「……こなちゃん? 」


「……ごめん、つかさ……もう少しだけ、こうしててもいい? 」

顔を赤くして、こなたはつかさの胸にうずくまる。
「……うん、いいよ! こなちゃん♪ 」
そして、つかさもギュウ! っと、こなたを抱きしめた。

「温かいね……こなちゃん♪ 」

「うん♪ 」


  • Rain-Road-
雨の降る道に、二人の影が重なる並木道。

  • END-


【翌日】
「今日は泉さんとつかささんはお休みなんですか? 」
「そうなのよ~ あの二人、昨日雨の中出歩いたみたいで……二人揃って風邪なのよぉ~ 」

「まぁ! そうなんですか? ……でも微笑ましいですね♪ 」
「まったくよねぇ~ 本当少しぐらいは自重してほしいわ! 」
「うふふ♪ 」





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