泉家の記憶(柊家の愛情 続編)


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※この作品はSS柊家の愛情(柊家の掟 続編)の同一世界上の続きです。
 スレ投稿の「柊こなたになりたくて」を冒頭部と文末を中心に加筆修正し改題しました




みきさんといのりさん、そしてまつりさんにも文字通り裸の私を晒したあの日以降つかさと私は公認の仲になった。
つかさの自覚はともかく私が恋愛対象としてつかさを見ていることをみきさんといのりさんは受け入れてくださった。
かがみや自分たちのように護るだけではなく、対等な関係で時にはつかさに厳しく当たってほしいとも言われた。

あれ以来つかさが一人で私ン家に来ることも多くなった。こうやって時々かがみから離れてつかさが行動することを喜んでもらえてるようだ。
かがみは時々さびしそうだけれどつかさのことを思って送り出してくれている。
だから私とつかさは学校ではできるだけみゆきさんを入れて4人でいる時間を大事にするようになった。

………

そういった普通の日々の一日、今日もつかさが遊びに来て話をして、つかさが見ても大丈夫なゲームをやっている私。
でも本当はゲームなんてどうでもいいんだ、私がゲームを始めるとつかさは漫画を読み始める。
私の部屋にある漫画だからそういうシーンも当然ある、まあホントにアブナイのやキワドイ本は隠してあるけどネ。
つかさはそんな時いつも隣に座る、私がゲームにのめりこんで体を揺すったときに触れ合うくらいの少しの隙間を空けて。
邪魔にならず一緒にいることを感じられる絶妙な距離、つかさはこういった間のとり方が本当にうまいと思う。
だからつかさといても疲れないし何もしてなくても隣にいてくれるだけで落ち着けるんだ。

………

いつもこなちゃん家で二人でいる時、私は最初料理や家でのお姉ちゃんの話をする、こなちゃんはニコニコして聞いてくれる。
でも私はあんまり自分から話題をふれないから私の話のネタが尽きると、私にも楽しめるようなアニメや一緒にできるようなゲームを用意してくれる。
そしてアニメやゲームを見終わると私に漫画を貸してくれて、こなちゃんはたくさん買ってあるゲームや録りためてあるアニメを見始める。
これはこなちゃんの思いやり、私が話すのに疲れないように、こなちゃんの話を聞くのに疲れないように。
だからあまり積極的とはいえない私でもこなちゃんといる時はね、お姉ちゃんといる時のように安心していられるんだ。
あのねこなちゃん、私は漫画とかを借りなくても楽しそうにゲームに熱中して体をを揺すったりアニメを見てくるくる変わるこなちゃんの表情を見ているだけで楽しいんだよ。

………

恋人たちというよりは長年連れ添った夫婦が縁側でお茶を飲んでるようなこの二人、かがみも時々そういう風に軽く二人をからかったりする。
今日の漫画はちょっとこなたのいたずら心が入って、レズビアンとまではハードでないが百合百合な双子の姉妹の物語。
つかさには刺激が強かったが、やっぱり双子のそういった内容の本だからついつい内容に熱中してしまう。
顔が赤くなるのを感じながら読んでふと気がついたときにはゲームの手を止めてこなたがニヨニヨとつかさの顔を見つめていた。

「あの、こなちゃん、ずっと見ていた?」
「んーつかさが赤くなった頃からかな」
「はうううう」
「ちょっつかさっ」
こなたに赤面を見られない様にかつかさはこなたの後ろに回りこんでこなたを抱きかかえてしまった。
「こなちゃんのい・じ・わ・る!」
「つかさ、ごめん、ね、だから腕の力ゆるめてよ」
別にこういう風につかさにこなたが抱きかかえられるのは珍しいことではない。
一緒にテレビを見る時、特にちょっと怖いアニメや映画の時などはいつのまにか隣にいたつかさはこなたの後ろに回って抱きしめてしまう。

しかし自然にではなく今のように抱きしめられてることを意識すると、耳元にかかる息がくすぐったいし、つかさの甘いにおいもこなたは感じてしまう。
何よりも決して大きくはないがそれでも女の子であることを主張しているつかさの胸が背中に当たっているのを意識してしまう。
しばらくじっとこなたを抱きしめていたつかさは落ち着いたのか、片腕を解くとこなたの髪を一房手にとって口元に近づけて呟いた、
「こなちゃんの髪やっぱりきれいだね、それにシャンプーのいい匂い」
さすがのこなたもこの天然攻撃にはかなわず赤面した。

そのとき
「おいこなたお茶だ、つかさちゃんもいらっ…」
「え」
「あ」

抱きかかえて肩越しに唇を近づけている娘の友人の少女、真っ赤になっている愛娘、誤解してくださいを絵にした構図である。

「ごゆっくり」
そうじろうは油の切れた機械のように半ば固まりながらお茶と茶菓子の盆を置くとドアを閉めて立ち去った。

「えーっと、どうしようつかさ?」
「なにをどうするの?こなちゃん」
「だって、お父さんに見られちゃったんだよ?」
「ねえこなちゃん、けんかしてたんじゃなくてなかよくしていたのを見たらこなちゃんのお父さんは怒るの?」
天然というか純真というか、こなたはおもわず脱力した、そんなこなたをつかさはきょとんとして見ている。

………

つかさが帰った後夕飯の支度をする。こんな日に限ってゆーちゃんはみなみちゃんの家にお泊り。
だからお父さんと二人で食事を済ます、気まずいったらないよホント。
洗いものを終えて居間に行くと珍しくお父さんがいた。いつもは食後はすぐに仕事部屋に戻ってウォーミングアップと称してゲームを始めるのに。

自分の部屋に逃げ帰りたかったがそれも何か後ろめたい気がして、テレビを見ていたおとうさんの向かいに座る。
隣に座ると抱きついたりしてくるからね、嫌じゃないけれど。

おとうさんはごく普通に私に話しかけてきた
「こなたはつかさちゃんと仲がいいな」
「う、うん高校に入って初めに出来た友達だからネ」
照れくさいからさらりとながす。

「学生時代の友達は大事だからなぁ…いやこなた、でもこなたにとってつかさちゃんは特別なんだろ?」
「いやつかさだけじゃなくて、かがみも、みゆきさんも大切な友達だよ」
と私は言った、だってお父さんが女の子同士の付き合いをどう思っているかわからないから。

「こなたがうちに友達を呼ぶなんて事は中学時代も一人だけだったな。その子にしたってお父さんから見たらつかさちゃんに比べたらなあ…」
お父さんはちょっと間を置いて
「それにこなたが子供のころから思い出しても、あんなふうに抱きかかえられて平気なこなたは記憶にないな」
「いや、あれはゲーム画面を一緒に見るのに最適なポジションだから」
必死で言い訳するが、驚きとあせりで私は自分で地雷を踏んでしまっていた。

お父さんは私の顔をじっと見つめながら言った、
「なあこなた、つかさちゃんはこなたの髪を弄っていたけれど気にならなかったのかい。
こなたは美容室に行かないだろ。カット代もグッズに回したいからとか言っているけれど本当は………」
「…」
さすがお父さんだわかってたんだね。
そう、触られたくないんだ、ぼんやりと記憶の中のある青い髪。
その長い髪をさわったり、引っ張ったりしたのが自分の目で見て手で感じた唯一のお母さんの感触と思い出だから。
だから伸ばしたんだ髪を、お母さんと一緒にいたくて、そのおかあさんと同じ色の髪を、だから子供のころから触られるのが嫌だった。
髪だけじゃないよ、おかあさんそっくりな躰にも。

でもいつのころからかつかさが隣に座ってくれているのが平気になった。伝わってくるからだのぬくもりが快くなった。
寄り添うようにもたれかかって、いつの間にか後ろから抱きかかえるように座るのがあたりまえになっていったんだ。
そうだよね髪ごとか抱えられてるんだ。つかさのからだが私の髪を、おかあさんを抱きしめていたんだ。
そして時々、ちょっと退屈すると、指でツインテールとかポニテとか軽くまとめてつかさは遊んだりするようになった。
でも今、それも気にならない、傷まないように気を配ってくれているから、そして何よりつかさだから。

出会った頃にされたら、もしかしたらつかさを嫌いになっていたかもしれないね、でもそれはされなかっただろう。
つかさはそういうのを読むのが旨いと言うか天然のいや天性の感性を身に着けているんだよ。

あああ、こんな風に黙り込んじゃったら、もういい加減な言葉でこの場をごまかしたりできないよね。
私は決心してお父さんに自分の気持ちを言った。

つかさは自分にとって心が通じ合う友人として特別であること。
ただの友人としてではなくもしかしたらずっと一緒に人生の夢を共有する人になりたいと思っているかもしれないこと。
そして、女の子だからつかさが好きなのではなく、つかさだからつかさを好きであると。
私の話を静かに聞いていたお父さんは途中では少しショックを受けた。つかさの家族が自分よりも先に私とつかさのことを知っていると私が言った時だ
「こなたぁ~そんな大事なことを、なんでお父さんに一番に話してくれなかったんだ、だ────っ」
いつもの泣き落としリアクションが返ってきた。

でもね、あれだけ恋人同士みたいなこと平気でしてくるつかさが恋愛感情と愛情表現としては無自覚かも知れないと不安なんだヨ、私。
だから恋人としては私の片想いかもしれないと言った時、お父さんは急に立ち直って私の前途多難さに心から同情してくれた。

本当に前途多難かも知れないヨ、つかさに恋心を伝えて、恋人としての自覚ある愛情をつかさからもらうことは……




※つかさとこなたの交際のきっかけについては、SS 柊家の掟 をご覧下さい

『柊家の掟』シリーズは1-724氏作者ページから時系列順にアクセスできます



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コメント:
  • スレではとんちんかんな感想言ってすんませんでした。
    自覚なかったのはこなたじゃなくてつかさのほうだったんですなと改めて…。
    今後のこのシリーズにも期待しています! -- 2-613 (2009-06-04 01:48:08)