初デート


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初デート

私たちが付き合ってから1週間が過ぎた
お姉ちゃんとゆきちゃんのおかげで今の所順調に行ってる
「バ・・・ル・・・サ・・・」
私がこなちゃんにメールを打っている横でお姉ちゃんがテレビを見ている
ここまではいつもの私たちの光景だったけど
そこにお父さんが入ってきた
「かがみ、つかさ。これあげるよ」
そう言ってお父さんが私たちに4枚の紙切れを渡してきた
「何これ?・・・遊園地の割引券?」
渡されたのは1枚2人までフリーパスが割引されるチケットだった
「うん。お父さんの知り合いから貰った物なんだ」
「へ~・・・で家族皆で行くの?」
「いや~それがな~」



「へ~、でお父さんとお母さんとお姉ちゃん達皆用事あるんだ」
「そ。しかも有効期限が今週の日曜までなのよ」
次の日さっそくお姉ちゃんがこなちゃんとゆきちゃんに話した
こなちゃんには私から話したかったけど・・・忘れてた
お姉ちゃんも気を遣って言わなかったのに・・・じゃないと放課後の帰り道に話振るわけないもんね
「だからもったいないしさ、今度の日曜日に行かない?」
「今度の日曜日ですか・・・私は大丈夫ですよ」
「日曜日か~・・・う~ん・・・ちょっとイベントがあるけど・・・」
何かイベントがあるみたいでこなちゃんは少し悩んでいるみたい
するとこなちゃんがチラリと私の方を見て、何かを思ったのかわからないけど
「・・・いいよ。皆で行こう~」
と行く事にしてくれた
何だろう?私の顔に何かついてるのかな?それにこなちゃんの視線にお姉ちゃんも何か気づいたみたい
お姉ちゃんは何か気づいたのか分からないけど何やら呆れるような羨ましいような顔をしている
「でも私そんな遊園地聞いた事ないな」
「私もないですね・・・」
意外と知られてないのかな・・・でも私達はお父さんの仕事についていって知ってるけど
言われてみれば確かにあまり話題には上らない
そんなこなちゃん達の素朴な疑問にお姉ちゃんがチケットの裏側を見ながら答えた
「ん?あぁ、あまり知られてないかもね・・・まあ遊ぶものは沢山あるから大丈夫・・・ぁ」
チケットの裏側を見てお姉ちゃんの動きが止まった、何を見つけたのか確認しようとしたらおねえちゃんに防がれた
「・・・・・・そうか」
何に納得したのかな?
「どしたのかがみん?」
「ん?いや何でもないわよ?」
何でもないと言いながらお姉ちゃんは何か思いついたのかニヤニヤしながら私とこなちゃんを見てる
何だろう?

そして次の日曜日になった
ここの遊園地は近くに目立つ大型の遊園地があるせいかあまり人がいないけど
古いながらも大型の遊園地に負けないほど新しいアトラクション等も沢山ある
なので地元では隠れた名所と言うことで地元の人はこっちをよく利用しているらしい
ちなみにこの遊園地の目玉は真ん中に建っている教会。何か教会の跡地に建てたらしいけど、潰すのがもったいないとか何とかで・・・
あれ?後何かあった気がするな?なんだっけ?とにかくその遊園地の前で私は1人こなちゃんを待っていた
「おはよ~つかさ」
「おはよ~こなちゃん」
「そしておはよ・・・あれ?かがみは?」
こなちゃんがお姉ちゃんがいない事に気づいた
「実はね・・・今朝」

『つかさごめん!私急用出来たから悪いけどこなたとみゆき達だけで行ってくれない?』
『急用って?』
『日下部と峰岸と約束あったのすっかり忘れてたの!だから悪いけど・・・』
『うん。分かった~、こなちゃん達にはそう説明しておくね』
『ごめんね!じゃあ』

「って事でお姉ちゃん来れないの」
「ふ~ん・・・まあ仕方ないよね」
「それと・・・」
「?」
私は携帯を取り出しこなちゃんにゆきちゃんからのメールを見せた
『すみませんが、母の急用で行けなくなりました。せっかくのお誘いをこんな形でお断りしてすみません
私の事は気にせずに皆さんで楽しんで下さいね』
「だから・・・」
「ん~・・・仕方ないよね。用事が出来たんじゃ。とりあえず中に入ろうか?」
「そだね~・・・ぁ」
「?何つかさ?」
「え・・・いや何でもないよ・・・」
これって・・・デート?皆がいると思ってたから意識しなかったけどあの日から初めてこなちゃんと2人で出かける日=初デート・・・だよね?
「つかさ~、割引チケットは~?」
「え?あっ、これ!」
完全に顔が赤くなってる気がしたけどこなちゃんが平然としてるから多分大丈夫なんだと思う・・・こなちゃんもこの事気づいて変な雰囲気にならないようにしないと・・・
お互いまだ2人きりで出かけたりした事ないからギクシャクする気がするから・・・そんな事言っても・・・あぅ~意識しちゃう
「ってあれ?割引チケット1枚しかない?」
お姉ちゃん渡し忘れたのかな?でも今日までなんだから取っとく必要もないから全部渡すと思うけど・・・変なの・・・ゆきちゃんがちゃんと来れてたら危なかったよ~
「フリーパスがこんなに安くなるなんて何の特典だったのかな?」
あくまで平静を装わないと・・・こなちゃんはまだこの事に気づいてないよね?
お姉ちゃんは『こなたなんてわかり易い』って言うけど私にはまだイマイチわからないな・・・そういうところはお姉ちゃんに未だにジェラシー感じちゃう気がする
「う~ん・・・お父さんはただ貰ったって言ってたけどな~」
「やっぱりあれかな?ここのお土産を何か1BOX買った特典とかポイントと交換して貰ったとか・・・」
「何だろうね~?でもお土産買っただけで何枚もくれるんじゃお金なくなると思うけどな~」
「ん~・・・実はフリーパスは安くしておいてお土産を沢山買わせるのが目的とか」
「あはは、でも買わなかったら?」
「それはそれでフリーパスを定価で買わせるんだよ、そしてお土産沢山買えば割引チケット貰えると分かってる人はリピーター効果でまた買うわけ!」
「う~ん・・・そうなのかな?他にも何か目玉になるものがあるとか・・・」
「いや~きっとそうだよ~・・・あっそういえば」
「?」
「今日の朝出かけるときに何かゆーちゃんが慌てて出かける用意してたんだよね」
「そうなの?」
「うん。ゆーちゃんしっかりしてるから大体出かける1時間前には用意終わらせるのに・・・」
「急用が入ったとか?」
「ん~そうかもね?電話受け取ってから何か慌ててたし」
そういえば私も朝出かけるときお姉ちゃんがどこかに電話しているの見たな・・・
「それと・・・何か私の方チラチラ見てきたんだよね?」
「こなちゃんの方を?何でかな?」
「・・・まぁいいか!とりあえず何から乗る?つかさ?」
「え~っと・・・じゃあね~」

「・・・何処のアニメショップだ!」
こなたとつかさの後ろの物陰からこう呟く声がした
声の主は何処かの大統領のボディーガードを彷彿させるような全身黒服で染めたかがみだった
恐らくこなたの1BOX~やらポイントで引き換え~に反応しての事だろう
「それにしても泉さんとつかささんを騙す様な事していいんでしょうか?」
「はうぅ・・・やっぱりお姉ちゃん達ってそういう関係だったんだ・・・」
「・・・ゆたか落ち着いて」
そんな逆に目立つような格好のかがみの後ろにはみゆき・ゆたか・みなみの姿もあった
かがみのすぐ横で騙して申し訳ない。と言った顔のみゆき
こなたとつかさの関係を知って赤面になるゆたか、そのゆたかを支えるように後ろに立つみなみの順番で
「いいのよ、あの2人だっていつも4人で遊ぶよりたまにはこんな風にデートもしないとね。それにここには・・・」
かがみは何かを言いかけたが『おっと』と言わんばかりに自分で自分の口を塞いだ
それにしても・・・そう言いながらかがみはゆたかの方を振り向いた
「やっぱりゆたかちゃんあの2人の関係に気づいてたんだ?」
「う・・・薄々ですが、何か最近違うなって感じがして・・・かがみさんはどうして私が気づいてると思ったですか?」
「この前こなたの家で皆で遊んだでしょ?その時やけにゆたかちゃんがこなたとつかさの方チラチラ見るからさ」
「はぅぅ・・・」
「で、今朝確認の為に電話で聞いたの。番号はみゆき通じてみなみちゃんから聞いてね。そしたらビンゴだったから来てもらったの」
「・・・何で私も・・・?」
それだったら自分は関係ないんじゃ・・・?と疑問に満ちた顔でみなみが聞いた
「ゆたかちゃんが気づいたって事はみなみちゃんにも相談したと思ったし、それにゆたかちゃんだけだったら1人分の割引がもったいないでしょ?」
「なるほど・・・確かに相談されていました・・・」
自分も一緒にいたけど、まるで気づかなかったのに
よく皆の事を観察しているな・・・でもだからこそかがみが皆に慕われるのかもしれないとみゆきは感じていた
「でもかがみさん・・・その格好は?」
「え?デートを尾行するならこういう格好は当たり前でしょ?これもそう書いてあるし」
取り出したのはフルメタルパ○ック?ふもっふのDVD
「でも逆に目立つのでは?そんな格好では・・・」
「ん~・・・でも宗○がそう言うんだから間違いないわよ!○ン太君もあれば完璧だったんだけど・・・」
何だかんだいってかがみさんも泉さんと同様に影響されてるような・・・でもつっこんではいけない気がします
「・・・とまあ冗談はさておいて」
そういうとかがみは上着と帽子、それにサングラスを取りカバンにしまい、別の上着と帽子を取り出し付けた
「私はあの2人を見守るけど、皆は好きな物で遊んできていいよ?ただあいつらには見つからないようにね?特にみゆきは!用事で来れないって事にしてんだから」
「かがみさんはアトラクションに乗らないんですか?」
「そりゃ私も乗るわよ?ただあいつらが乗ったアトラクションに付いてく形だけどね。その為にわざわざツインテールまで取って帽子つけて変装してるんだから」
「・・・」「・・・」「・・・」
「あっ、あいつらあれに乗り込むみたいね。じゃあ皆は楽しんで・・・」
「あ・・・まっ・・・」
みゆきがアトラクションの列に並ぶこなた達の後ろに行こうとしたかがみの腕を掴もうとしたが掴めずにかがみが歩き始めた
けどそんなかがみの腕をギュっと掴む腕があった
その腕も持ち主はゆたかだった
「わ・・・私もご一緒します!」
思ってもいなかった返答にかがみは驚いた
ゆたかに続くようにみゆきとみなみも「私も一緒に」と口を揃えた」
「え?遊ばないの?せっかくのフリーパスなのに・・・私といると自由に遊べないわよ?あいつらの事見守るんだから」
「それは確かに遊びたいけど・・・でどそれはかがみさんも同じでしょ?」
図星を突かれた!みたいな表情を見せるかがみにゆたかは更に続けた
「そんなかがみさんだけ放って置いて自由に遊ぶのは申し訳ない気がしますし・・・」
「それに・・・尾行しててもしなくても乗れる事には変わりありません」
「私もかがみさんの傍にいた方が安心できますし。ほら私少しドジな部分もあるので・・・」
「皆・・・ありがとう・・・それじゃあ余り差が開かない内に並びましょ!」

まず初めにつかさが乗ろうとしたのは観覧車だった
流石にいきなりこれはどうかなと思ったのでまずはコーヒーカップに乗る事にした
それに何か観覧車は調整中ってなってたしね
「本当はジェットコースターも良かったんだけどね」
私の発言を聞いてか少し怯えた様子でつかさが聞いてきた
「え?こなちゃんジェットコースター乗りたいの・・・?」
「うん。けどさつかさああいうの怖いでしょ?だからこういうのが良いかなって思ってさ」
「うん・・・でも」
「まだ時間もあるんだし、つかさが乗ってもいいかなってタイミングまで待つよ?それにつかさが嫌なら乗らなくてもいいしさ」
つかさがおおいうの苦手なのは知ってるし、わざわざ怖い思いをさせる必要もないからね。せっかくのデートだしね・・・でーと・・・?
「!!」
「どしたのこなちゃん?」
「え?いや何でもないよ」
そうじゃん!かがみとみゆきさんいないからこれデートじゃん!何で気付かなかったんだろう
何か意識しだしたら・・・急に恥ずかしくなった気がする・・・

「あぁ・・・こりゃつかさもこなたも『デートになってる』って事に気付いたな・・・」
こなた達の4~5人後にいるかがみがボソっと呟いた
「え?どういう事ですか?」
「あの二人どっちも抜けてるからね~・・・恐らく途中まで気付かなかったんでしょうね。自分たちがデートしているって状況に」
「・・・そうなんですか?」
「うん。あの2人の様子が変わったから間違いないと思う」
「そうですね・・・確かに」
言われてみれば確かに先ほどより何やらこなたとつかさがぎこちない感じに見える、けどデートしていると気付かなかった2人より
すぐに気付いたかがみの洞察力の方に3人はただ驚かされた
「ひぃふぅみぃ・・・ギリギリ同じ時間に乗れるわね。それじゃあ・・・」
そういうとかがみはカバンから何かを取り出した
取り出したのはみゆき・ゆたか・みなみの分の帽子に加え、ゆたかとみなみには伊達メガネのオマケつきだ
「じゃあこれ付けて、中にピンがあるからそれを髪に挟んで飛ばないようにしてね」
なんて用意周到なのか。しかも風に飛ばされないような細工も施してるとは・・・
しかしみゆきには一体この中は何が入ってるのか・・・もしかして4次元ポケットみたいになっているんじゃ・・・という知的好奇心で頭がいっぱいだった
「あ・・・前のが終わったみたいね。ちゃっちゃっと乗り込むわよ!ゆたかちゃんとみなみちゃんはそっち、みゆきは私とこっちね」


こなた達がかがみ達に気付かないままコーヒーカップは回りだした
「くるくる~♪」
ただコーヒカップの上に乗って回転してるだけのアトラクションにつかさは子供のような笑顔だった
回っているのが楽しそうなつかさを見てこなたは悪戯心がくすぐられたらしい
「ねぇ?つかさ~、回ってるのがそんなに楽しい?」
「うん!楽しいよ~」
「じゃあ・・・こうすればもっと楽しくなるかな?」
「え?何するの?こなちゃああああああああああああ!?」
こなたが思いっきりコーヒーカップを回し出した
いきなりのハイスピードにつかさは奇声に近いような声で叫んでる
「・・・何やってんだ?あいつら」
すっごい回ってるよ!とどっかのK-1選手みたいな口調で言いたくなる程回転させているこなた達を見て半ば呆れながらかがみが呟いた

つかさにとって嬉しいような辛いようなな時間がようやく終わった
「ひどいよぉ・・・こなちゃぁん・・・」
まだ目が回っているらしくふらふらと歩くつかさを支えながらこなたは謝っている
「ごめん、ごめん。あまりに楽しそうだったからつい悪戯したくなって」
まさかこんなにフラフラになるなんて思いもよらなかっし
「少しそこのベンチで休もうか?」
「うん・・・」
そういうとコーヒーカップ乗り場から一番近いベンチに腰を掛けた
かがみ達はそのベンチが観察出来る木陰に隠れた
「ったく何やってんだか・・・来たばっかなのに」
「まあまだ時間もありますから・・・」
今すぐこなたの頭を思いっきり引っぱたきそうなかがみを抑えながら4人は様子を見ていた
「hるあふら~」
「・・・つかさ?大丈夫?」
流石のこなたもこのつかさの様子を見て少し不安になってきたらしい
ちょっと動揺している
「きついかも~」
「何か飲み物買ってこようか?」
そういって立ち上がろうとしたこなたの裾をつかさはギュっと掴んだ
「つかさ?」
「飲み物いらな~い。それより・・・」
ポンポンとベンチを叩き、私にベンチに座れというジェスチャーをした
何をするか分からないけど、私に落ち目もあるからととりあえず言われるがまま座る事にした
「何するの?つか・・・さ!?」
「飲み物はいらないからここ貸して~」
そういうとつかさはコロンと私の膝に頭を乗っけた
いきなりの事にもちろん私はパニックになった
「ちょ・・・つかさ!?誰が見てるか分からない人前で・・・」
やめさせおうとしたが、つかさがついっと私を上目使いで見て一言
「・・・ダメ?」
・・・そんなつかさの顔を見て断ろうと思ってた気持ちもどっかいった
上目使い+子犬みたいな目でしかも潤んでるってコンボはきついよ・・・
思わず抱き締めたくなる程かわいいんですけど
「こなちゃんの膝枕気持ちい~」
何そのセリフ?狙ってるの?
う~心臓がバクバクいってる・・・つかさまで聞こえてるんじゃないかな・・・
落ち着け~、そういえば心を落ち着かせたい時は素数を数えると良いって聞いた事があるし・・・やってみるか
1・・・4・・・6・・・8・・・って全部素数じゃないし!むしろ逆じゃん!
「ふぅ・・・落ち着いたし、こなちゃん次の行こうか?」
「え?あ、うん」
つかさってこういう事しても平気なのかな?何か私だけ振り回されてる気がするな

「つかささんって大胆・・・」
「・・・人前で堂々とあんな事・・・」
ゆたかちゃんとみなみちゃんはつかさの行動に赤面しているけど・・・あれは
「ただつかさが気付いてないだけね」
「え?気付いてないと言いますと?」
「自分たちがどんなに恥かしい事しているのか気づいてないのよ
つまりただの天然よ、て・ん・ね・ん、後でつかさにこの事言ったら真っ赤になるわよ」
これはいいからかうネタが出来たと言わんばかりにヒヒっと笑った
「でも・・・この事伝えたら尾行していた事がばれるのでは・・・?」
「う・・・そういえばそうね・・・残念だわ」
「あ・・・次のアトラクションに並んでますよ!」
「え?じゃあ早く並びましょう」

それから幾つものアトラクションに乗った
その度にこなたはつかさの天然に踊らされていた
「あんなに慌てるこなたなんて滅多に見られないわよね」
「そうですね~泉さんはどちらかというと物事に動じない感じの方ですし」
「尾行してなきゃからかえるのにな・・・本当に残念だわ」
「でもそろそろ暗くなってきたからお姉ちゃん達どうするのかな?」
「何やら帰るみたいですね・・・結局観覧車には乗りませんでしたね」
「観覧車・・・?今何時!?」
みなみが口にした『観覧車』と聞くと何やら慌てた様子でパンフレットを取り出した
「今は10月28日だから・・・あぁもう冬時間か・・・!」
冬時間?何をそんなに慌てているのか分からないがみゆきはかがみに時間を告げた
「今は・・・5時13分です」
「げっギリギリじゃない!あの二人は?」
「あそこにいます」
「もう入り口近くまで行ってますよ?何かあるんですか?」
「ええと・・・説明してる暇は・・・あぁもう!もうばれてもいいや!」
「かがみさん!?」
そういうとかがみはこなた達の方に走っていった

「あんた達!」
「かがみ!?」「お姉ちゃん?」
いるはずのないかがみの登場に2人はただ驚くだけだった
「どうしてここに?みさきち達と用があったんじゃ?」
「後で説明するからとにかく観覧車に乗って!」
「観覧車に?でももう暗いから何も見えないよ?」
「いいから!早く!間に合わなくなるから!」
何か鬼気迫るようなかがみに言われるがままこなた達は観覧車へと向かった
「・・・今は・・・5時15分か・・・間に合えばいいけど」

「何でかがみここにいるんだろうね?」
「う~ん・・・」
2人は突然のかがみの登場が未だに理解できていなかった
「でもまあ後でかがみが説明するって言ってたしね、あっ私達の番だよ」
「あっ本当だ~、乗ろうかこなちゃん」

お姉ちゃんに言われるがまま観覧車に乗ったのはいいけど
「・・・やっぱり何も見えないね・・・」
「・・・そだね~・・・」
外はもう暗闇に包まれかけている。観覧車から見えるのはもう遊園地のアトラクションと遠くの街の光と辛うじて風景だった・・・お姉ちゃんは何を見せたくてあんなに慌ててるのかな?
「そういえばさ・・・私達の前後ってさカップルだらけだったよね?」
「そういえば」
「それに何か私達乗り込む時に『今回もダメか』とか『もう少し早く付けば』とか聞こえなかった?」
言われてみると確かに色々言っていた・・・?これもお姉ちゃんが何か慌ててたのに関係するのかな?
「時計を見てる人もいたよね?何か関係あるのかな?」
そういうとこなちゃんが携帯を取り出して時間を見た
「5時28分・・・別になんともないと思うけどな」
そういえば・・・まつりお姉ちゃんがこの遊園地について何か言ってた気がする・・・
何だっけ?あの時は私には関係ないなと思ってよく聞かなかったんだよね
「う~ん・・・まだぼんやり明るいような感じだからここで今日の事落ち着いて振り返らせたかったんじゃないかな?」
「そうなのかな?まあ何でもいっか、下に付けば理由教えてくれるだろうし」
こなちゃんと一緒にとりあえず外を眺める。これだけでも私は幸せだな・・・
そしてちょうど私達の観覧車が頂上に達した時、観覧車が突然止まった
「!?」「な・・・何!?」
私達は何かのトラブルかと思って回りをキョロキョロした
「一番上で止まるとか・・・運がないにも程があるよ・・・」「そうだね・・・」
万が一何か起きたのだとしたら一番危ない位置にいるんだし・・・そんな事を考えていると突然アナウンスが流れた
『さぁ当遊園地にお越しの皆様!東の方を見てください!』
「東・・・?」
何が何だか分からないまま私達は東の方向を向いた
すると・・・

ドーン・・・ドドーン・・・
「花火?」
花火だった
とても大きな花火がいくつも上がっている
「綺麗・・・」
「・・・うん」
普段見る打ち上げ花火とは違い、私達のちょうど目線の高さまで上がっている花火はいつもより綺麗に見えた
・・・そしてその花火を眺めているこなちゃんの顔も・・・いつもと違って見えた・・・
「本当に綺麗・・・」
ついこなちゃんの方を見ながら言ってしまった。ヤバイと思いすぐに窓の方を向いたおかげかこなちゃんには気付かれずに済んだ
「・・・あれ?・・・ねぇ・・・つかさ、あの花火」
「え?」
こなちゃんが指を指した花火を見た
・・・その花火にははっきりと
『二人に永遠の愛が続くように神の祝福があらんこと』と書かれていた・・・



「ここの遊園地は毎月最後の日曜日にああやって花火をあげるのよ」
かがみが花火を見上げながらみゆき達に説明をしていた
「そうなのですか。でもここからでも見れるのに何故観覧車に?しかも異様に時間を気にして」
「これを見て、パンフのここ」
かがみがみゆき達の前にパンフレットを差し出し、ある一部を指差す
「え~と『毎月最終日曜日に4~9月は6時半、10~3月は5時半より花火を打ち上げています』」
ゆたかに続くようにみなみが読み出した
「『カップルには嬉しい特典、観覧車の一番頂上に止まった時にこの花火を見ると祝福されます』・・・?」
「そう」
そういいながらかがみはパンフレットを閉じて、続けた
「普段はこんな事しないんだけどね・・・これがある時は丁度観覧車があそこで止まるように調整してるんだって」
かがみが観覧車を指差す、3人は釣られるようにその観覧車を見ると
「あれはお姉ちゃん達?」
外を見るこなたとつかさの姿が見えた
何やら2人で照れているような顔をして話をしている
「どういう仕組みかは分からないけど、あの位置からしか”祝福”が見えない特別製の花火らしいのよ
どんな内容かは知らないけどね・・・
『たかが遊園地のスタッフに祝福された所で』って思うかもしれないけどさ、ここの遊園地はあそこに教会があるように元は聖地だったらしいのよ」
こなたがいたら聖地って言葉にえらく反応するんだろうな・・・そんな事が一瞬頭をよぎった
「別に信者が少なくて潰れたとかそういう宗教ではなくて・・・その時の教祖が神からのお告げを聞いてここに遊園地建てたらしいのよ
その神様ってのも恋愛を司る神だったとかなんとかの関係でああいったのやってるらしいの」
かがみはふぅ・・・とため息をつき、続けた
「『私はずっとあんた達を応援する』って言ったけどさ、所詮私一人が何しようと世間の目を変えられるわけじゃない・・・
あんな事言ったけど私にお父さん達を説得出来るか分からない・・・私がどんなに頑張ろうとも変えられない事が沢山あるわけだし」
「かがみさん・・・」
「私だって複雑な気持ちで・・・純粋にあの子達を応援出来てるか自分でも分からなくなる時もあるのよ・・・たかが1~2週間かそこいらでよ?
女同士なんて間違ってるって感じることだって多々あるわ・・・むしろ感じてる時のほうが多いかもしれない・・・
だからいつまであの子達の味方でいられるか不安でしょうがないの・・・もしかしたら私が一番あの子達の敵になる可能性だって・・・ないわけじゃない
だからせめて・・・”神様”だけでも最後まであの子達の味方であって欲しいから・・・」
かがみがクスっと笑った
「おかしいよね?普段『神様なんているわけない』って言ってる私がこんな事・・・」

「おかしくなんかないですよ」
「え?」
自虐するようなかがみにみゆきが答えた
「おかしくなんかありません『信じてないものだって信じられる』それだけかがみさんが泉さん達の事を考えてる証拠ではないですか?」
「それに・・・かがみさんがこなたさん達の敵になるなんて事は・・・ありません・・・絶対に」
「後もう一つ」
ゆたかがビシっとかがみの前に人差し指を立てながら言った
「お姉ちゃん達の味方はかがみさんだけじゃありません・・・私もみなみちゃんもみゆきさんも・・・皆かがみさんと同じ気持ちです」
ゆたかの言葉にみゆきとみなみがコクリと頷いた
「ゆたかちゃん・・・みなみちゃん・・・みゆき?」
「確かに最初は驚いたけど今日1日お姉ちゃん達を見て分かったんです・・・2人でいると本当に幸せなんだろうなって」
「1人で悩み込まなくても大丈夫です・・・1人でダメなら2人で・・・2人でダメなら3人で・・・それでもダメでも・・・応援してくれてる人達皆で何度でもやればいいんです」
「皆・・・」
「世界中の人たちがこなたさんとつかささんを受け入れなくても・・・私達が受け入れてあげればよろしいのではないでしょうか?
こういうのは祝福してくる人数の問題じゃないと思います・・・『心から祝福してくる人』がいることの方が重要です」
「~・・・そう・・・だね・・・私1人で悩んで・・・バカ・・・みたいだよね・・・」


10分ぐらいしてようやく下に戻ってこれた
「何か照れちゃうよね~あんな事書かれちゃうと」
「だよね~・・・もしかしてかがみはこの事知ってて私達を乗せたのかな?」
そういうとこなちゃんがお姉ちゃんを探して周りをキョロキョロ見始めた
私もこなちゃんと一緒にお姉ちゃんを探し出す
「何処にいるのかな・・・お姉ちゃん・・・」
観覧車は入り口に近いせいか帰る人達が多くて探すのが大変
「いた!」
こなちゃんが指差す方を見るとお姉ちゃんが立っていた
「行こう!説明してもらわないとね!」
そういうとこなちゃんが私の手を握った
やわらかい・・・それに暖かいな・・・
私もこなちゃんの手をギュっと握り、お姉ちゃんのいる方へと走り出した

「あ~ぁ・・・2人で手なんか繋いじゃって・・・」
自分に気付いたであろう2人を見てボソっとかがみが呟いた
かがみの近くまで駆け寄ってきた2人は更に驚いた
「をを!?かがみだけじゃなくてみゆきさんもいる!?」
「それに・・・ゆたかちゃんにみなみちゃん!?」
何でゆたかちゃんとみなみちゃんまで!?
・・・あっ手を繋いでる所なんて見られたらまずい
2人の姿を見るや否や大慌てで手を離した
本当はもう少し繋いでいたかったけど
「慌てなくても大丈夫ですよ」
「え?」
「もうゆたかちゃん達全部知ってるわよ。ゼ・ン・ブね」

「え・・・えええええええええええええええ!?」
「ごめんねお姉ちゃん・・・話が全部かがみさん達から聞いたの」
え?何でゆたかちゃん達にまで言ってるの!?
こんな事引かれちゃうじゃない・・・どうしよう・・・
「心配しないで下さい。私達も」
「お姉ちゃんとつかささんを応援しますから!」
「・・・どういう事?かがみん?」
「つまり」

「つまりゆーちゃん達は薄々気づいてたのね」
「うん」
まさかお姉ちゃんやゆきちゃんだけじゃなくてゆたかちゃんにも気づかれてたなんて・・・
私やこなちゃんのお父さんには気づかれてないよね?
「そうだったんだ・・・そんなに私達ってわかりやすい?」
「かなり」「他の方に比べたら分かりやすい方かもしれませんね」「えと・・・結構」「・・・そうかもしれません」
皆ほぼ同時に同じような答えが返ってきた
もう少し顔に出ないようにしないとダメかな・・・
「なんつーか単純っつーか、顔に出やすいっつーか、何か分かり易いのよね」
「分かったからもういいってば」
「いーやダメね!あんた達はまだ自分達の立場ってもんをね~」
「あはは・・・」
この後私とこなちゃんはしばらく誰にでも分かるような態度を取らないようにみっちりと絞られた
そして閉園の時間が迫ってきた事もあったので私達は一旦遊園地の外へと出た
「ふぅ・・・バカ2人に説教してたらこんな時間になっちゃったじゃない」
「誰がバカだ~失礼な」
「あんたらよあんたら」
両手を挙げて怒るこなちゃんの額に指を付けてお姉ちゃんが言った
確かに私達が悪いけどバカは酷くないかな
そんな光景を笑顔で見守っていたゆきちゃんが時計を見た
「これ以上のんびりとしていると帰宅時間がすごい事になりそうですし・・・皆さんそろそろ帰りましょうか?」
すごい事って一体何時になるんだろ・・・というかゆきちゃんとみなみちゃんの家は遠いからかな
「そだね~それじゃあかえろっ」
「ストープ!」
皆が駅へと歩き始めている中お姉ちゃんが私とこなちゃんに手を突き出して動くのを静止させた
「何?かがみん?」
「私達は帰るけど・・・あんた達は別よ?違うルートから帰ってね?」
「何で?」
お姉ちゃんの思いもよらない言葉に私とこなちゃんは声を張り上げて聞いた
「何でって・・・ハァ・・・」
こいつらどうしようもなく天然だな。と言いたげにお姉ちゃんが溜息をあげた
「あんたらここで私達と帰ったらせっかくの初デートが台無しじゃない?だからあんたらは別。分かったら次のバス来るまでここにいなさい
むしろ歩いて帰れ」
初デートってそんな恥ずかしい事・・・と反論をしようとしたけど反論は認めない。と言わんばかりに走ってゆきちゃん達の所へ行った
むしろ逃げたと表現した方がいいかも・・・

「・・・何か色々強引だね」
「そだね・・・」
ん~・・・こなちゃんがこんな声を上げながら頭を照れくさそうに掻いてる
そして私とは反対の方を向いて言ってきた
「あのさ」
「え?何こなちゃん?」
「つかさが良かったらでいいんだけど・・・歩いて帰らない?」
「・・・」
「ほら・・・ここから駅までそんなに遠くないしさ?・・・少しでもつかさと一緒にいたいから」
「こなちゃん・・・」
表情は見えないけどこなちゃんが照れてるのが分かった
そうか・・・お姉ちゃんがこなちゃんは分かりやすいって言ってるのが何となく分かったような気がした
私はまだ向こうを向いて頭を掻いてるこなちゃんの手を掴んだ
私が手を掴んだのに驚いてかビックリした顔でこっちを振り向いた
「つかさ?」
やっぱり顔が赤い。こなちゃん『も』照れ屋さんなんだな
・・・平気なふりをしているけど・・・私も顔が赤いのが分かってる。私達は両方照れ屋なんだな
「もちろん良いよ!こなちゃん♪」
「つかさ・・・」
私の返答を聞いてなのかどうかは分からないけどこなちゃんがうれしそうに見えた
表情こそは変わらないけど、少なくとも私にはそう見えた
「いこっか?こなちゃん」
「うん!」
「そういえばジェットコースターに乗ったときのつかさの顔がさ~・・・」
「え~そんな事ないよ~・・・」
私達は手を繋ぎながら駅へと歩き始めた
今日の出来事を2人で笑いながら駅へと歩いていった


後日お姉ちゃんに余っていたもう1枚のチケットはどうしたのか聞いてみたら
ちょうど峰岸さんがデートするみたいだったからあげたと言ってた
「私の分はないのかよ~柊~!」と日下部さんから文句言われたらしいけどそれは無視したらしい
そのせいか未だに根に持ってるみたいでウルサイとも言ってた
・・・私達は気づかなかったけど、峰岸さん達は観覧車で私達の2つ前に並んでたらしい・・・
行くのは3回目ぐらいだけど未だに見れてないらしい、そんなに行ってるのにまだ見れてないのは可愛そうかなと思ったけど
・・・けど私はそこに並んでもらって感謝している。峰岸さん達には申し訳ないけど
だってそのお陰で大好きなこなちゃんとあんなに良い物が見れたんだから




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