《似ている二人》


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  《似ている二人》



誕生日
私がこの世に産まれた日

小さな頃はそれを特に意識した事は無かった

プレゼントを貰えて、いつもより少しだけ豪華な食事が食べられる
その程度にしか

でも、今は違う
だって……大切な人が祝ってくれるから……


   《似ている二人》


「泉さん、飾り付けはこんな具合で良いですか?」
「おぉ!さっすがみゆきさん!センスあるねぇ~」
「そ、そうですか?」
「うんうん、私のイメージ通りだよん♪」
「後は何をすればよろしいですか?」
「あとはねぇ……うーんと……もうないかな~、笹を飾るのは二人が来てからだし」
「では一先ず小休止ということで」
「コーヒーでも飲んで二人を待ちますか~」


同時刻 駅前ロータリー

えーっと、つかさは何処かな~

「あ!おねーちゃーん!!こっちこっちー!!」

……全く、もう二十歳なんだから少しはそういった行動を慎みなさいよね……

「お待たせ」
「待ったよぉ~」
「仕方が無いじゃない……車両点検で電車が止まっちゃったんだから」
「あぁ、そうだったんだ~。だからなんかアナウンスしてたんだね~」
「……それを聞いていたのなら、私が遅くなるのも予想できたと思うんだけど?」
「……」
「何故そこで黙る?」
「……全然気付かなかった。テヘッ♪」
「テヘッじゃないでしょ……全く、ホント最近似てきたよね~」




「ほぇっ!?似てきたって……誰に?」
「自覚していないのですか?」
「うん。全く」
「……そ、そうですか……」
「あ!もしかしておとーさん?」
「いえ、違います」
「じゃぁ……ゆーちゃん……んなわけ無いし……ハッ!もしかしてゆいねーさん!?」
「どちらも違いますね」
「むぅ……じゃぁ誰だろう……」

……腕を組んで悩んでいる所を見ると、本当にわからないようですね
私やかがみさんからしたら、すぐに判る程似てきているんですけど……
あらあら、両手を上げているということは降参ですか?
仕方がありませんねぇ……

「泉さんが似てきた人は……」


「えぇっ!?私そんなに似てきてる!?」
「多分みゆきも私と同じ意見を言うと思うわよ……実際仕種とかそっくりじゃない」
「そう……かなぁ?」

ほら、その考える時の手の動き、首の傾げ具合、誰が見たってそっくりじゃない

「でも……エヘヘ……嬉しいな……」
「……そう?」
「そうだよ。だって……似てるんでしょ?」


「えぇ、そうですけど……」
「だからだよ~。だってそれって夫婦みたいなもんでしょ~?」
「夫婦……まぁ、そうですね。長年連れ添った夫婦は似てくると言いますし」
「……ねぇ、みゆきさん。私達が付き合い始めてからどれくらい経ったと思う?」
「確か……高校三年生の時の……」


「こなたの誕生日からだから……二年とちょっとか。でもそれって何か関係有るの?」
「大有りだよ~。だって付き合い始めてからまだそれだけしか経ってないんだよ~。それなのに夫婦みたいなんでしょ~?」
「ん~、まぁ、そうとも言えるわね」
「だから嬉しいんだよ~」
「……私はまだ誰とも付き合った事が無いからわからないけど……そんなモンなの?」
「そんなもんだよ~」

……随分と嬉しそうにしてるわね
てことはやっぱそんなモンて事か……
あ、そうだ

「ねぇ、つかさは短冊になんて書くの?」




「泉さんはなんと書かれるのですか?」
「えぇ~?今それ聞くのぉ~?」
「はい♪だってお二人が来たらこんな事聞けませんから」
「みゅぅ~、……絶対に秘密だよ」


「はいはい、ちゃんと約束するから。で?なんて書くの?」
「えっと……ちょっと恥ずかしいんだけどね……」



「こなちゃんと「つかさと」ずっと一緒にいられますように」



「……って書く予定。みゆきさん、絶対に言っちゃダメだからね!」
「勿論ですよ」

フフッ、泉さんったらあんなにも顔を真っ赤にして恥ずかしがるなんて……
でも……素敵な願い事ですね……
正直、とても羨ましいです

「お!そろそろ着くかな~」
「あ、そうですね。では、お出迎えの準備でもしますか?」
「……準備?」
「あら?泉さんはやらないのですか?」
「……何を?」
「エプロン一枚の恰好で……」




「お帰りなさい、お風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも……なんてね」
「えぇ~!?いくらこなちゃんでもそんな事は……しないよぉ~」
「ハハッ、わかってるって。……でも今一瞬考えたでしょ」


「え、や、それは、その、あの」
「ウフフ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ」
「べ、別に恥ずかしがってなんか……」
「あら、じゃぁ今からやってみますか?」
「も、もぉ!みゆきさん、そのくらいにしないと怒るよっ!!」

少々名残惜しいのですが、泉さんをからかうのはこれくらいにしておきましょうか
丁度足音が聞こえてきましたし


誕生日
大切な人がこの世に産まれた日


小さな頃はおとーさんがその対象だった
だからそれを特に意識した事は無かった

プレゼントをあげて、いつもより少しだけ豪華な食事を食べる
その程度にしか

でも、今は違う
だって……大切な人を祝う事が出来るから……


「つかさ!そして他一名!!お誕生日おめでとう!!!」

おしまい!!




おまけ


「だからなんで毎年毎年アンタは私の名前を省略するんだ?」
「いやー、何となく……」
「こなちゃん!」
「な、なーに?」
「私の誕生日はお姉ちゃんの誕生日でもあるんだよ!だからちゃんと名前で呼ばなきゃダメだよ!」
「あ、えと、その、一応お約束って事で……」
「それだとしてもダメだよ!!」
「は、はぁ~い。……では改めて、かがみ、お誕生日おめでとう!」
「あ、ありがとう……」
「はい、よくできました♪」

(ねぇねぇ、みゆき)
(なんですか?かがみさん)
(あれってさ、所謂『尻に敷かれている』ってやつ?)
(……近しい物ではないかと)
(ハァ……こりゃ完璧に『夫婦』ですなぁ~)
(フフフ……そうですね)



おまけおしまい!!








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