二人きりの夜


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「はぁ~寒いな~」
去年に比べて今年は本当に『冬』って感じの気温だな~
家でも上に何か着てないと寒くていられないよ
今度部屋にコタツでも買おうかな~。でもコタツ買ってもPCする時は結局使えないし・・・
寒さ対策にあ~でもないこ~でもないと悩んでいると後ろから私の太陽のような存在の声が聞こえてきた

「おはよ~こなちゃん」「うーす」
「つかさにかがみおはよ~」
つかさ・・・とかがみ。今の私にはつかさがいるだけで私の心はポカポカ春陽気になる。
でも身体の寒さは補うのは難しいから本当はつかさにガバっ抱きつきたいけど
流石に人前ではねぇ・・・自重自重

「すっかり寒くなったよね~」
「そだね~こんな日は家に引き篭もってゲームするに限るのにね」
「あはは・・・ゲームとは言わないけど確かにお布団の中でゴロゴロしたいよね~」
「あんたらねぇ・・・若者らしくシャキシャキしなさいよ」
「いや~私達はかがみと違って皮下脂肪がそんなにないし・・・」
私だってないわー!と思いっきり頭を叩かれた
何もそこまで必死になる程のものじゃないじゃん・・・つくづく女って奴は分からないな~


『二人きりの夜』


「え?じゃあ明日の土曜日つかさ1人なの?」
「うんそうなの~」
お昼時間
いつものように4人で机を囲みながら話をしていたらそんな話になった

「そうなのよ。お父さんとお母さんは仕事の関係で。上のお姉ちゃん達はそれぞれ友達と遊ぶらしくてね」
「かがみは?」
「私は日下部達とお泊り会するのよ」
「かがみさ~最近みさきち達と遊ぶ方が多くなってるよね~。こなた寂しい!」
「あのなぁ・・・」
いつもならもう少し良い反応すると思ってたけどあまり予想してたのと違う反応だった

「どったのかがみ?」
「日下部といいお前といい私を自分達の所有物か何かと勘違いしてないか?」
「え~かがみは私の物でしょ~?」
「だ、誰があんたの物だ!日下部も同じ事言うし・・・本当にもう・・・」
顔を赤くしながらツインテールの先を指でくるくるとしている
かがみって照れてる時の反応がいちいち面白いよね~。だからからかうのをやめられない

「流石ツンデレ、模範的な反応ですな~」
「ツンデレ言うなー!」
机をバン!として立ち上がって怒鳴った
だからそういう反応するからからかいたくなるんだってば。でも言うと直されるから言わない
そんな事をしていたらこのままでは収集がつかなくなると判断したのかみゆきさんが話の軌道を戻してくれた

「しかし最近物騒ですからね・・・戸締りをきちんとしてても安心は出来ませんよね」
みゆきさんの言葉にようやく本来の話を思い出したのか(自分から言ってきたのに)
かがみが冷静さを取り戻して席に着いた。ていうかもうすぐで殴られそうだったから渡りに船だったよ。みゆきさん

「そうなのよね。しかもうちって結構有名な神社でしょ?そこの4人姉妹ってのも有名らしくてさ
私やお姉ちゃん達が1人ってならまだいいんだけど、残るのがつかさだからねぇ」
「確かにかがみなら悪党が入ってきても逆に張り倒しそうだけど、つかさじゃ心配だよね」
「お前人を何だと思ってるんだ?一度真剣にお前の中の私像について話合わないか?」
かがみは眉間にしわを寄せたまま「ったく」と言いながらお弁当のミニ春巻きを口にしている
今日のお弁当当番はつかさかな?バランスが取れてて色も綺麗で美味しそう
しかしつかさ1人か・・・これは本当に心配だな・・・そうだ!

「じゃあつかさ家に泊まりにきなよ」
「こなちゃん家に?」
「そ。なんなら私が泊まりに行くのでもいいよ?」
一人でいる不安からか少し暗くなっているつかさの少し嬉しそうな感じになった

「確かにそれはいいアイディアですね。泉さんがいてくれたらつかささんにはとても心強いでしょうし」
「う~ん・・・このバカで心強いかどうかはともかく1人でいるよりは安心出来るわね。不純の塊だけど格闘技経験者だし」
「不純の塊って・・・とにかくこれならどう?つかさ」
私がどうするのかつかさの方を振り向くと少し暗いような感じがしたけどつかさが笑っていた


次の日


「何?それじゃあこなたの友達が来るのかい?」
「そうだよ~つーかお父さん?もしつかさに手を出したら本気で許さないからね?」
「ハハハ、いくら俺でも流石に手は出さない・・・ってこなた?目がものすごいマジだぞ?」
私は気づかなかったけど、ものすごい怖い顔をしていたらしい。入り口から入ってきたゆーちゃんが本気で怖がったくらいだし
どんな顔をしていたのかは分からないけど、私の大事なつかさに手を出すなんて事したらいくら肉親でも許すはずがないんだから
お父さんがお母さん以外の人にそんな事をするとは思ってないけど、念には念を・・・って言うし

「だってお父さんものすごい危険人物じゃん?」
「あのなぁ~こなた。娘の友達に手を出す程俺は落ちぶれていないぞ?」
「分かってるよ~。でも念の為に・・・ね?」
「まあこんなんだし心配したくなる気持ちも分かるけどさぁ実の親を・・・」
「ってあれ?お父さん?どしたのその格好?」
つかさの身の危険を案ずるばかりで気づかなかったけど、お父さんがいつものだらしない格好ではなく
ビシっとスーツを着て髪型もバシっと決めていた

「なんだ忘れたのか?俺は今日授賞式に行くから多分帰ってこれないって事を」
あぁそういえばそんな事言ってたね。ゲームしてる時にそんな事話されていたのをボンヤリ覚えてる

「そっか~。じゃあつかさも安心出来るね」
「おま・・・まだ俺を信用してないのか」
「普段が普段だからね」
「かなたぁ!こなたがいじめるよ~」
そういうとお母さんの遺影に泣きつくお父さん。でもお母さんがいても同じ事言ったような気がするな
何となく、だけどね。でも私もお母さんも心の中では信用してるから大丈夫だよ。お父さん

「それより間に合わなくなるよ?さっさと行った行ったぁ」
「あ、もうこんな時間か。じゃあこなた、戸締りと火の元の・・・」
「いいから早く行きなよ、小学生じゃないんだから大丈夫だってば」
「そうか?それじゃあ行って来ますー」

「まったくいつまでも子供扱いしおって~・・・ってゆーちゃんも何処か出かけるの?」
お父さんを玄関まで見送って後ろを振り向くとゆーちゃんがお出かけバックを持って後ろに立っていた

「うん。みなみちゃん家に皆でお泊りするの」
つかさのお姉ちゃんズ(かがみ含む)と言い今日は何かお泊り会する打ち合わせでもしてるの?
偶然にしては出来すぎている気がしてならないな~

「そっか~、気をつけて行くんだよ?ゆーちゃん」
「ありがとうお姉ちゃん。それじゃあ行って来まーす」
ゆーちゃんを見送った事だしそれじゃあつかさが来るまで部屋の掃除でもするか・・・

「あ」
お父さんは授賞式でゆーちゃんがみなみちゃん家にお泊り・・・かがみはみさきち達でしょ。それにみゆきさんは家の用事・・・ということは

「今日はつかさと2人きりじゃん」
以前の私ならパニクってたかもしれないけど
今の私は何度となくあった『つかさと2人きり』のシチュエーションに慣れてきたので幾分か落ち着いてる

「まあ2人きりだからって別に何か変わった事するわけじゃないしねー」
お父さんとゆーちゃんがいてもいなくても大して変わらない
むしろいない方がいつでもどこでもラブラブ出来ていいかも
ヘタな事してる所をお父さんやゆーちゃんに見られたらばれてしまうかもしれないしねー

「さて部屋も掃除終わったわけだし。つかさの布団でも出しておこうかな」
確かこの前つかさとかがみが泊まりに来た時の布団はここにあるはずだし・・・


ない。
確かに置いた筈の場所に布団がない

「あっれー?ここだと思ったのにな~・・・こっちかな?」
他に置きそうな場所を全て探したがどこにもなかった
ていうかつかさとかがみが使った物どころか予備用の布団さえない

頭をポリポリ掻きながら部屋を見渡すと1枚の紙切れが目に止まった

「・・・お父さんめ・・・」
それはクリーニングの引換券だった
日付は昨日・・・恐らく私が学校に行ってる間に出したのだろう
そういえばさっき「やべ」と言った様な顔をしていた気が

「普段こんな事しないくせに~」
困ったな~。お父さんの布団を使わせるのはつかさが可愛そうだし
仕方ないからゆーちゃんにメールして布団貸してくれるように頼むかな

さっそくメールをしようと携帯を開いた瞬間、玄関のチャイムが鳴った
「あ・・・もしかしてつかさかな?」


「こなちゃん来たよ~」
「いらっしゃ~い、つかさ」
「えへへ~こんにちは~」
玄関を開けると手荷物と共に笑顔でつかさがいた。

「お邪魔しま~す」
「あぁ今日誰もいないから別に挨拶なんかしなくていいよ」
「あ、そうなんだ~?」
「うん。私もさっき分かったばかりなんだけどね」
本当は前から聞いてたけど覚えてないから今日分かったのと同じだよね

「じゃあ後回しにして正解だったな~」
「?何が?」
「本当はこなちゃん家に来る前にお料理の材料買ってこようと思ってたの~」
「あぁ・・・じゃあ危なかったね~。かがみがいたら4人分でも5人分でも大丈夫だったかもしれないけどね」
「・・・また・・・」
「え?何か言った?」
「あ、何でもないよ。こなちゃん」
今つかさが何か呟いたような気がしたけど気のせいかな?聞いてみたけど何でもないと笑顔で答えられた
でもいつもに比べるとつかさの顔が何処となく暗いような・・・

「・・・じゃあもう少ししたら2人で買い物行こっか?タイムセールするお店とか知ってるし」
「うん」

タイムセールまではまだ時間があったので私達は2人でゲームをしていた
といっても私がゲームをしてその隣でつかさが見ている・・・といったいつも通りの状態だけど

「・・・」
「・・・」
「・・・つかさ」
「何こなちゃん?」
「見ているだけで楽しい?」
「楽しいよ~こなちゃん上手だし」
別に魅せプレイをしているわけじゃなく、ただ普通にプレイしているだけだけど楽しいのかな?
といっても魅せプレイしたところでつかさに分かるかどうか微妙な気もするけど

「そう?」
「うん」
「ならいいけど・・・」



・・・


やっぱりこんなのダメだよね

カチ
「あ、こなちゃん何で消しちゃったの?」
私がゲームの電源を切ったのを見てつかさが少し困惑したような感じで聞いてきた

「・・・」
「こなちゃん?」
何も答えない私に戸惑いを隠せないつかさ。答えても良かったんだけどあえて答えない。
だってあうあうしてるつかさを見てたかったから

「2人でこれやろっか?つかさ」
そういって私は一本のゲームを取り出した

「え?でもこなちゃんさっきの進めなくていいの?」
「だってこれやってても楽しいのは私だけでつかさは面白くないでしょ?」
「そ、そんなことは・・・」
「いいよ~気を遣う事ないんだよ?付き合ってるんだから本音で話してよ~」
「ん~・・・こなちゃんとお話出来ないからそんなには楽しくは・・・」
「でっしょ~?」
私はふふ~んと勝ち誇ったようなポーズを取った
付き合って結構時間経つんだからそのぐらいは分かるようになったよ。つかさ?

「でもでも、私ヘタクソだからこなちゃんつまらないと思うよ?」
「ヘタクソか上手かなんてどうでもいいよ~、私は『つかさとゲームが出来る』だけで幸せなんだから」
でもぉ・・・と言いたげなつかさに有無を言わさずコントローラーを渡す
少し考えたもののつかさもコントローラーを受け取ってくれた

「大丈夫だよ~。これは対戦型じゃなくて協力型だからさ」
「そっか~・・・なら大丈夫かな?」
「ちなみにつかさがマリオで私がサポートだから」
「え!?」
つかさの中では逆、もしくはツインビーみたいに同時にやるのを想像していたのか自分がメインと聞いて更に驚いている
まあつかさがこういう反応すると予想した上でわざとそうしたんだけどね
後、つかさを支えるみたいな事を形はどうあれしたかったから

「大丈夫だってば~。分からない所は教えてあげるからさ」
こうして私達は2人でゲームを始めた

「あう~また落ちちゃった」
「あ~・・・ゲームオーバーになっちゃったね」
「せっかく人数増やしてくれたのにごめんね?」
「気にしなくていいよ~すぐに集まるし。それに」
チラっと時計の方を見る
その私につられてかつかさも時計を見た

「そろそろタイムセールが始まる時間だし」
「あ、そうなんだ~。じゃあ行こっかこなちゃん?」
「うん」


「流石に寒いね~」
「冬だもんね~」
私達の住んでる所は割と南にあるし暖かい方だとは思うけど寒い
去年が暖冬だった事もプラスしてるのか例年以上に寒く感じる
今日は外に出てなかったし、つかさの格好も割りと軽装だったから寒くないかなと思ったけど
これは寒すぎる

「こんなに寒いなら手袋してくるんだったな~」
「そだね~。でも結構ポケットの中も暖かいよ?」
ほら。と自慢気にポケットに手を突っ込んでいる自分の姿を見せてくる
つかさはいちいち仕草が可愛いんだから
試しに自分のコートのポケットに手を入れてみる

・・・

やっぱり手を入れたばかりだから暖かくない。むしろ冷たい
少し我慢しようかと思ったけどあまりの冷たさに我慢できずにポケットから手を出してしまった

「ダメだ~!冷たい~!」
「え?コートのポケットだから冷たいって事はないと思うけど・・・」
不思議そうな顔でつかさが聞いてきた
普通コートの中が冷たいなんて事はないしね。そう聞かれても当たり前だと思う
しかしこれにはちゃんと理由がある

「いやぁ実はさ」
そう言いながら私はポケットの中にあるDSを取り出してつかさに見せた

「持ってきちゃったんだ~」
「うん。すれ違い通信起きるかもしれないって思うとどうしても手放せなくて」
しかし「持ってきた」まではいいとして、こんなに冷たいんじゃポケットの中は暖かくならない

「う~ん・・・少し我慢すれば温まるんじゃないかな?」
確かにつかさの言う事が正しい。でも私には良い案がある
「ふっふ~ん。我慢しなくても暖かくなる方法があるよ?」
「え?どうやるの?」

「そ・れ・は~・・・てい!」
「ひゃう!」
「はぁ~つかさの手暖か~い」
私は油断しているつかさの手を両手で握り、更にホッペでスリスリした

「ちょっと・・・恥ずかしいかな・・・」
「え~何で~?女の子同士で手を繋ぐぐらい別に普通だよ。ふつ~」
少し照れているつかさだったけど「そうかな~」と言っている
どうやら納得したようだ。まあこれぐらい普段からしてるもんね
それにしてもずっとポケットに入れてただけあって暖かかった。つかさの手だからって言うのもあるかも
とにかくつかさの手は物凄く暖かかった

「お野菜安かったね~」
「つかさの特製鍋楽しみだな~」
「えへへ~がんばるよ~」
今日は野菜の特売日でかなり安く白菜とかが買えたからか「じゃあ」とつかさが鍋を作ると言ってきた
つかさの手作り鍋・・・楽しみだな

「うちにある物だったら何使ってもいいからね~」
「ありがと~こなちゃん」
うちは基本自炊だし何気にお父さんが凝り性だから調味料類は一般家庭よりはあると思う
一体何に使うつもりなの?というような物まであった気がする・・・
マジョラムやらガラムマサラとかほとんどインテリア状態だし
お父さんってこういうのにもコレクター魂とかあるのかな?何気に西洋のやら中東系のやら集めてるし

「しかし本当に寒いよね~」
スーパーで買い物が長かったせいかすっかり夜になっていた
時刻はもう6時を過ぎていた

「こなちゃん家に着いたらすぐに作り始めるからね~」
「私も食材切ったりとか手伝うね」
「ありがと~こなちゃん」
「それとつかさ~」
私は意地悪・・・というかつかさが真っ赤になって困りそうな事を思い浮かんだ
さっそく言ってみる事にした

「今日は2人きりだし『こなちゃん家』じゃなくて『私達の愛の巣』って言っていいんだよ~」
「えぇ!?」
予想通りの反応に予想通りの行動
「そんな事言えないよ~」と顔を真っ赤にして首を横に振ってる

「あはは、冗談だよ~ジョーダン」
「もう・・・こなちゃんたら」
「ぉわ!か・・・寒風だ・・・」
「うぅ~本当に寒くなってきたね~」
「少し急いで帰ろっか」






「はぁ~天国だ~」
「ほんとだね~」
寒風が一段と強くなって地獄のような寒さの外から私達は猛ダッシュで家に帰った
念のためにエアコンの暖房入れっぱなしで良かった~。なかったらここも地獄だったよ

「じゃあ暖まって来たからお鍋の準備するね」
「それじゃあ食材は私が切るね」
「お願いこなちゃん」
リビングと台所は繋がっているから冬でも結構暖かいけど台所には台所用の電気ストーブがある。足元は寒いしね
私は暖房を切ってストーブを付けた後、台所用の電気ストーブを私とつかさに当たる様に配置した



「へぇ・・・そういう味付け方もあるんだ」
「うん。こうするとダシが利いておいしくなるんだよ~」
私も料理が出来る方だとは自負しているけど、やっぱりつかさには勝てなさそう
流石調理師目指しているだけの事はあるね
私達が結婚したらつかさが料理担当、私が洗濯・掃除担当になるのかな~なんて事を考えながら
私はつかさに言われた食材を切っていった

「はぁ~美味しかった~」
「本当?」
「もちろんだよ!私やお父さんが作る鍋とは正に雲泥の差だよ~」
「えへへ~ありがと~」
大げさなんかじゃなくて本当にそうだと思う
鍋なんてただダシ取って食材煮込めばいいと思ってたけどやっぱり作る人が上手いと全然味も違うね

「本当につかさは料理の天才だよね~。これはみさきちと白黒はっきりさせないと」
「そんな事ないよ~・・・でも何で日下部さん?」
「みさきちとはつかさと峰岸さんのどっちが料理上手いかって事で未だに決着つかなくてさ~」
「あはは・・・でもお姉ちゃんが貰ってきた峰岸さんの手作りのお菓子も美味しかったよ~?」
今度こなちゃんももらってみたら?と言われた
確かに峰岸さんの作ったお菓子っていうのも食べてみたいけど、食べたところで私の評価は変わらないと思う
だってつかさの場合は愛というなのスパイスも付いてくるんだから・・・流石にこのセリフは恥ずかしい。いくら私でも口に出して言えない

「それにしてもかがみがいなくて良かった~。こんな美味しい物かがみがいたら私の取り分が凄く減っちゃうし」

カシャン

後片付けをしていたつかさの手が止まった。それに何か表情も暗い・・・
どうしたのかな?声をかけようとしたらつかさが先に口を開いた

「・・・またお姉ちゃんなんだ」
「へ?」
またお姉ちゃん?いったい何の事だろ?

「こなちゃんって私といてもいっつもお姉ちゃんの事気にするよね」
「え?そうかな?そんなつもりはな『そうだよ!』」
いと言おうと思ったらつかさの大声で掻き消された。つかさがこんなに大きな声を出したのは初めてだ
思わず体がビクっとなった

「昨日だって・・・」
「昨日?私何か言った・・・?」
「『かがみは私の物』って・・・」
あぁそういえばそんな事も言った気がする。でもそんなのはいつもの事じゃ
「いつもの事でも私は嫌なの・・・そう言われるとこなちゃんがお姉ちゃんの方に行く気がして・・・」
「つかさ・・・そんな事は」
私は弁明しようとしたが、今はつかさが言いたい事を黙って聞く事にして途中で言うのをやめた

「私、こなちゃんの話を分かってあげたり、合わせたりしてあげたり出来ないし・・・」
どんどんつかさの目に涙がたまっていくのが分かる
「それに比べてお姉ちゃんはそんな事息をする様に簡単に出来てて・・・他の人から見たら2人がが『一番の親友』に見えてるんじゃないかな・・・て」
・・・
「でも私こなちゃんの事好きだから・・・誰にも負けないぐらい好きだから・・・こなちゃんがお姉ちゃんとそう思われるのが嫌で・・・
頑張ろうとしても・・・さっきみたいにこなちゃんに気を使わせちゃうし」
さっき、恐らくゲームの時の話かな。あんなの気にする事ないのに
・・・いや違う。つかさにとっては気になる事なんだと思う。それだけつかさは悩んでいたんだと思う

「一番最初に仲良くなったのも私なのに・・・なのに全然話合わなくて・・・
それなのにこなちゃんこんな私といつも一緒にいてくれるのか・・・最近ずっとそんな事考えてたの」

「こなちゃんだって本当はお姉ちゃんが好きなんじゃ・・・って事さえ」
「つかさ」
つかさがようやく口を開いた私の方を見る

「はい」
私はティッシュの箱をつかさに差し出した
それをつかさは受け取って涙を拭いた

「ねぇつかさ」
私はそのままつかさの前にしゃがみ込みつかさの頭を撫でながらそっと言った

「私、つかさが大好きなんだよ?」
キョトンとしながらつかさはこっちを見ている
でも私は構わず続けた

「確かにかがみも好きだし、みゆきさんだって好き。でも私はつかさが誰よりも大好きなんだよ?
大体告白したのは私だよ?それなのに今更かがみになんて行くわけがないじゃん」
それでもつかさは「でもぉ・・・」と言いかけたので私は更に続けた

「確かに私は一番かがみと話している気がするな~。つかさはあまり私の話理解してないしね」
うぅ・・・とつかさが更に落ち込んでいくように見えた。けど私の話はまだ終わらないよ
「でもね」
「え?」
「私もつかさとはもっと話したいと思うけどさ、今のままでも十分幸せなんだよ」
「・・・どうして?」
自分の心境なんてそうそう他人には話せない。けどつかさには話せる
だってつかさは『他人』なんかじゃない。つかさの事を『他人』だなんて思いたくない
それにつかさだって自分の心境を教えてくれた。だから今度は私の心境を教えてあげたい

「うちのお父さんとお母さんもねちょうど私達みたいだったらしいの」
「私達みたい・・・って?」
「お父さんはあんなのでしょ?でもお母さんはつかさみたいにこういう物は全然興味なくてさ
趣味関係ではあまり話しも合わなかったんだって。」
そういって私はお父さんのフィギュアを手に取ってつかさに渡した

「だけどね」
私の手渡したフィギュアを見ていたが、私の言葉に再びこっちを見た

「そんな状態でいっつも一緒にいるのが不思議でお母さんが聞いた事あるんだって
そしたらお母さんがお父さんにこう言ったんだって『会話が合わなくても”ただ一緒にいられるだけ”で嬉しい』って」
「・・・」
「だから私はつかさもそうなんだと思ってたのに違ったのかな~」
私は「はぁ~」とわざとらしい溜息をついた。それを聞いたつかさは大慌てで
「そ、そんな事ないよ!私もこなちゃんのお母さんと同じだと思うよ!」
と言った
慌てっぷりが面白くって思わず私は吹き出した
それを見て何で吹いた分からずポカーンとしている

「ゴメンゴメン・・・慌てっぷりが面白くて・・・」
ふぅ・・・と気持ちを落ち着かせて私は続けた

「それを聞いて安心したよ。私もつかさも”一緒にいるだけで”幸せなんだからさ、かがみとの方が話してるの多いとか気にしなくてもいいよ
『話してるようが多いから一番仲良し』なんて思ってる人にはそう思わせとけばいい
誰がなんと言おうと私はつかさが一番の親友だし、一番大切な人なんだからね」
「こなちゃん・・・ありがと・・・」
そう言いながらつかさが私の方に倒れてきた

「つかさ!?どうした・・・」


倒れてきたつかさを支えて顔を覗き込むと・・・寝てた
そういえば最近ずっと悩んでるって言ってたよね

「もしかしてあまり寝れてなかったの?」
そこに私の言葉を聞いて安心して寝ちゃったのかな
でもこのままじゃあ風邪も引いちゃうし起こそうと思ったけどつかさの寝顔が可愛かったのでやめた

「・・・まぁ少しぐらい休ませてあげるのもいいかな」
私の行動で誤解させたせいだもんね。ちゃんと寝る時に起こしてあげればいいかなと思い
つかさの体勢を寝やすいようにして、膝枕をしてあげた

「つかさの寝顔ってやばいぐらい可愛いな~・・・そうだ!」
私は自分の携帯を取り出してつかさの寝顔を写メに取った
そしてそれを待ち受けにした

「これでいつでも見られるな」
他の人に見られても「つい可愛くって」って言えば大丈夫だと思うし
それにしても

「今のつかさの寝顔は凄く安心しているように見えるな~」
ずっと悩んでいた事が解決したおかげかな?
でもその悩みの原因は私にあるんだよね。今度からつかさ以外に対する接し方改めないと

「ん~・・・何か」
つかさの可愛らしい寝顔見ていたら眠く・・・なってきたな・・・







その後私達は夜中に帰ってきたお父さんに起こされるまでずっと寝ていた
ストーブもとっくに消えていたせいで恐ろしい寒さだった
よくこんな中寝れていたな・・・と思えるほどだった
後少し発見が遅ければ命はなかったんじゃないかと思えるぐらい

おかげで私とつかさは風邪を引いて日曜日はずっと一緒に過ごした
帰るのも辛いからという理由で(建前だけど)つかさは日曜日も私の家に泊まった
つかさの制服と鞄はかがみに持ってきてもらって月曜日の事も心配する必要はなかったので
私達はお父さんにばれない様に私のベットで2人手を繋ぎながら1日中過ごしていた

つかさの手はとても柔らかくて、暖かくて気持ちが良かった
そして私はつかさが不安にならないように
スヤスヤと寝ているつかさにもう一度言った

「私は世界中の誰よりもつかさを大切に想っているよ
だから世界中の皆が何といおうと絶対に幸せにしてあげるからね」と




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  • 見事に和ませてもらいました。
    GJ! -- 名無しさん (2009-03-03 20:55:07)