冬とつかさとこなちゃんと・・・


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夜、一人人気の無い街を歩く。
買い物の途中だった、夜食が欲しくなったのだ。
でも、こんな時間じゃスーパーは何処もやってない、少し離れたコンビニまでやってきた。
今日はつかさは一緒じゃない、家の手伝いが忙しいんだって。
また巫女さんやるのかなぁなんて想像して笑った、少しでもつかさの事を考えてないと、寒くてしょうがないんだもん。
コンビニの中に入ると、手近なサラダを物色し始める。
最近のコンビニのサラダは捨てたもんじゃない、いや、むしろ下手な喫茶店なんかよりよっぽどおいしい。
密かに最近ハマっている。
自分でもよく作るけど、夜中なんかはこうやって買出しにくるのだ。
最近はつかさと一緒に来ることが多いんだよね、つかさは見てるだけ、私の顔を見て微笑んでるだけ。
サラダを2,3個放り込んでレジに持っていく。
清算を済ませて外へ出た。
冬の風が、私の体を容赦無く冷やしていく。
今日は、私の手にはつかさの手は握られていない。
愛しい恋人の手は、今日は、ここにはない。
たった一日会えなかっただけなのにね、軽い依存症かな。
最初はこんな風になるなんて、正直思わなかった。
ただ、いつもの様に一緒にお弁当を食べた。
かがみとみゆきさんは委員会の仕事で一緒に昼食を取れなかった、それだけが違っていた。
あと、屋上で食べた、二人しかいなかった。
食べ終わって、つかさに教室に戻ろうと言おうとした時、肩を掴まれて、いきなりチューされたんだっけ。
あれはキスじゃなくて、チューだね、うん。
だけどそれでつかさを受け入れた訳じゃない、実際された時私は怒ったはずだ、つかさを怒鳴りつけた。
からかわれてる、って思ったからさ、いつもだったらおふざけだって思って私も一緒になってけらけら笑ってる所なのに。
でも、その時のつかさ、いつものおどおどしたつかさじゃなかった、私の目をキッと睨みつけるように、一歩も引かなかった。
たじろいだのは、私の方だった。
つかさ「いきなりキスしたのはごめんね・・・・・・でも、好きなんだもん」
相手側からすれば、随分自己中な発言・・・・・・でも、もう私の中に憤りの感情は消えていた。
というより、その時のつかさに圧倒されてしまったんだろうね、きっと。
私は動かなかった、声も出なかった、つかさも、私の目を捉えたまま動かなかった。
今にして思えば、ほんと、何でこんなにつかさに惹かれたのかな。
後で、つかさを受け入れる返事を告げた、断るつもりだったのに。
顔を見たら、答えがひっくりかえっちゃったよ。
その時つかさは初めて泣いた、周りに人がいるのなんてお構いなしに。
瞬間、私の常識も道徳も一気にガタガタと崩れ落ちた、つかさに落とされた。
人が人に惹かれる瞬間って、こんな感じなのかな。
その日からはほとんどずっと、一緒にいた。
私がつかさの家に遊びに行く事もあれば、つかさが家に来ることもある。
でも、今日は、いない。
風が、吹き抜けた。
手に感覚がほとんど無い。
つかさがいない夜、私は初めて実感した。

冬って、こんなに冷たかったんだね。


家まで、遠い。
距離以上に遠くに感じる。
きっと、寒いせいだ、早く家に帰ってコタツに入ろう。
ゆっくり、ゆーちゃんとテレビでも見よう。
不意に携帯が鳴った。
つかさと付き合う様になってからは、私も常時持ち歩く様にしていた。
理由は単純、つかさとお揃いだから。
二人で一緒に機種変した、ストラップだってお揃いだ。
メールだね、着信音ですぐわかる、つかさだ。
今日みたいに、会えない日があればこうやって必ずメールをくれる、もっとも会っていてもよく送ってくるけど・・・・・・。
会えない分、つかさの打った文を見て少しでもつかさを感じようと思った。
メール欄を開いた。
『こなちゃん、今何処にいるの?』
  • ・・・・・。
瞬間、私の足は勝手に動き出した。
私は家に向かって走り出していた。
さっきまで寒かった私の体が嘘の様に熱くなってくる。
恐らく、いきなり家を訪ねて私を驚かせようとしたんだろう、喜ばせようとしたんだろう。
つかさの考えそうな事だ、でも残念だったね、つかさの思い通りにはならなかったよ。
息を整えることも忘れて、一心不乱に走る。
走る、ひたすらに。
私の家の前、愛しい恋人は、はあ、と手に息をかけながら立っていた。
こなた「つかさ?」
つかさ以外の誰でも無い事位分かってるのに、何故か疑問系になってしまう私。
つかさ「こなちゃん?」
つかさも疑問系で返してきた、むむぅ、やりおるなつかさ・・・・・・。
だけど、おどけ心はそこまでで限界だった。
私は、恋人の体に触れた、冷たいけど暖かい。
包み込まれる、これだ、もう病みつきだ。
暖かすぎて涙が出る、ねぇ、つかさ・・・・・・。
つかさ「手伝い、終わったから来ちゃったよ、お父さん達に許可取るの大変だったけど」
つかさは手をこすりながら言う。
きっと事情を知ってるかがみあたりが援護してくれたんだろうな、会ったら、お礼しとかないとね。


二人で、家の中に入る。
そうじろう「こなた帰ってきたのか?」
お父さんがリビングから顔を出す。
こなた「帰ってきたよ、ただーま」
ゆたか「お姉ちゃんおかえりー」
つかさ「お邪魔します」
そうじろう「中で待ってれば良かったのに」
つかさに対して言っているようだ、一回訪ねたんだ、って、そりゃそうか・・・・・・だから待っててくれたんだもんね。
つかさ「いえ、えへへ・・・・・・」
私の部屋につかさを招き入れる。
こなた「ごめんねつかさ、寒かったよね」
つかさ「ううん、私が勝手に外で待ってただけ」
こなた「でもお父さんの言う様に中で待っててくれれば良かったのに」
心からそう思った。
あんなに寒そうにしてさ。
つかさ「だって、こなちゃんだって寒かったんでしょ?」
こなた「そりゃあ・・・・・・」
つかさ「じゃあ私も寒い方がいい・・・・・・」
そう言って、私の額にぴと、と額をくっつけてきた。
ああ、もう、叶わない・・・・・・。
最近、ずっとつかさに主導権握られっぱなしだな・・・・・・。
二人で体くっつけ合って、つかさは楽しそうに今日の話をした。
私は笑って聞き手に回っていた。
時々相槌をうちながら、私はつかさの顔に見惚れていた。
やっぱり、つかさはこういう笑顔が一番いい。
何せ、この私が落とされてしまったほどの表情なのだから。
時間って、本当に経つのが早い、特にこういう時間は。
既に二時を回っていた。
もうお父さんもゆーちゃんも寝てるんだろうね。
こなた「つかさ、大丈夫?」
つかさ「うーん、ちょっと眠いかも」
そう言って軽く目をこするつかさ。
こなた「寝よっか」
つかさ「一緒に寝ていい?」
こなた「何を今更」
私の家に泊まりの時は必ず二人で寝る。
二人、くっついて寝る。
電気を消す。
二人でベッドに上がる。
枕は一つだけ、もちろん枕なんていっぱいあるけど一つで充分。
いつもの様につかさの手が私の背中に回された。
包まれる、布団なんかよりずっと暖かくて心地良い。
つかさの胸に手をやり、顔を寄せた。


つかさ「今日・・・・・・迷惑だった?」
こなた「何で?」
つかさ「いきなり押しかけてきて・・・・・・」
迷惑?
私が、迷惑?
こなた「100%あり得ない」
つかさ「こなちゃん」
こなた「嬉しかった、涙抑えるのに必死こいたよ」
つかさ「有難うこなちゃん」
私の背中に回った手が、少し強くなった。
つかさ「私も、あり得ない」
つかさの目尻が少し、光っていた。
つかさ「こなちゃんの顔を見れない日が、あり得ない」
つかさの言葉一つ一つが、私の心を暖めていく。
これ以上無い位に・・・・・・私は、幸せだった。
つかさ「もう、こなちゃんに触れない日なんて考えられない・・・・・・」
こなた「私も」
もう、のろけでもおのろけでも何でも良かった。
つかさは今、ここにいる、私を抱いてくれている、その事実だけが私を癒してくれる。
このまま寝れば、夢の中でもつかさと抱き合えてそうな、そんな気さえする。
私の唇に、つかさの唇が触れた。

軽い口付け、私は導かれる様に何度も受け入れた。
決して器用じゃない、でも、つかさらしい、そんな口付け。
こなた「何か、眠れなくなりそうだから・・・・・・」
それ以上は、言わなかった。
つかさは頷いて。
つかさ「おやすみ、こなちゃん」
こなた「おやすみ、つかさ」
最後の口付けを交わすと、つかさはゆっくりと眠りに落ちていった。
私の事を、きつく抱きしめたまま。
私はつかさの寝顔に見入りながら、つかさを感じていた。
人を好きになるのに理由なんていらない、ってよく聞くけど、きっとこういう事なんだね。
私にも、睡魔が襲ってきた。
もっとつかさを見ていたいんだけれど・・・・・・と睡魔に講義してみたものの、睡魔は抵抗を許してくれない。
しょうがないか・・・・・・この続きは夢の中で。
ゆっくりと、最後に目を閉じるまで、意識が消えるまで、私の目はつかさを離す事は無かった。
本当に、大好き つかさ

―・・・
私は、うっすらと目を開けた。
いつもなら昼まで寝ちゃうのに、まだ、光が差し始めたばかり。
時間を見る、まだ6時ちょっと前。
まだ3時間と少ししか寝てないんだ・・・・・・。
こなちゃんは、私の隣で静かな寝息を立てていた。
子供っぽい寝顔が、すごく綺麗だった。
私が、どうしようもない位、好きになってしまった人。
部屋は寒い筈なのに、私はそれを感じなかった。
感じるのは、こなちゃんの体温だけ、それで充分。
もう、放したくない、このままずっと。
ずっとこうしていたいと思う、だけどそれは叶わない、意識が、ぼんやりとしていくのを感じる。
私の意識が、また引き込まれていく・・・・・・。
元々私は寝ないと駄目な方だ、すぐに眉が落ちてくる。
こなちゃんの髪を掻きあげると、額に口をつけた。
好き、大好き・・・・・・。
つかさ「こなちゃん、ずっと傍にいてね・・・・・・」
寝ているこなちゃんに、私の全ての思いを込めて呟いた。

きっと私の言葉は、こなちゃんの見ている夢が届けてくれる。

受け取ってくれた様に、こなちゃんは夢の中で笑ってくれた。



                                 ~fin~




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  • ホロ甘いです… -- 名無しさん (2009-05-07 16:26:02)