無題741


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今日はお姉ちゃんがいないから、私の部屋にこなちゃんが遊びに来てる。
二人っきりとは言っても、いつもと同じように
こなちゃんはゲームをしていて、私はそれを見ているだけだったんだけど。

「ね、つかさ」
「なあに?」
「何か他のことしよっか」
「ゲーム、飽きちゃった?」
「いや、そうじゃなくて」
「そうじゃなくて」
「まあ今さらこういうこと言うのもなんだけど」
「うん」
「横で見てるだけだとつまらなくない?」
ああ、そんなこと。こなちゃんは、気にしなくていいのに。
「ううん、見てるだけで楽しいよ。こなちゃん上手いし」
それに、ゲーム中のいつもよりちょっぴり真面目な顔のこなちゃんも好きなんだ。
「そんなもんかなあ」
「そうだよ」

「でも、そうだ」

でも、こなちゃんがそう言うなら
ちょっとだけ、悪ふざけ。
こなちゃんに近づいて
うしろから、うしろから
ぎゅっと
「へ?」
抱きついちゃった。
「つかさ?」
「じゃあ今日は、横からじゃなくて、後ろから見てみようかな」
なんて、ちょっと、わざとらしすぎるかも。でも、女の子同士だもん。女の子同士なら、友達でも、これくらい。
「はあ」
「……だめ?」
「だめでは、ないけど」
ごめんね、こなちゃん。でも、こんなこと、二人っきりでもなければ、ぜったいにできないことだもん。
「じゃ、続きやるね」
「うん」
こなちゃんの視線の先にはゲーム画面。肩から顔を出した私の視線の先には……こなちゃん。
画面は…全然見てないや。こなちゃんが、こんなに近くにいるからだよ。
こなちゃんのからだ、ちっちゃい。
こなちゃんの背中、あったかい。
こなちゃんの髪、さらさら。
こなちゃんのにおい……

「こうしてると」
背中に顔をうずめて
「ん」
「ちょっと、どきどきするね」
今の私には、これだけ言うのが精一杯。
「ふふ、つかさ、どうしたの?」
でも、こなちゃんは、笑ってくれた。
「こうしてると、あったかいよね」
抱きしめた両手に、思わず力が入る。こなちゃん……こなちゃん……

……




「……つかさ」


「つかさ!」
「え、あ、あ、はい!」
「もうゲーム終わったけど……寝てたの?」
あぶないあぶない……ちょっとぼーっとしちゃってたみたい

「うぅん、ただ、ちょっと、気持ちよくて」
わー私、変なこと言ってるかも。でも、ホントのこと。

「つかさ、眠そうだね」
「んー……そうかも」
「そんなに気持ちよかったんなら、もう少し、このままでいていいけど」
「……いいの?」
「いいよ。私は漫画読んでるから」
「ごめんね、こなちゃん」
「いいって」


静かな部屋、こなちゃんと二人っきりで。
腕の中にはこなちゃんがいて。
こなちゃんの背中で、まどろむ私。
すごく、幸せな時間……

「こなちゃん」
「ん」
「……こなちゃん」
「なに、つかさ」
「……なんでもない」
「そっか」

いつもと変わらない、やさしい声。

ずるいことかもしれないけど、今がこんなに幸せだから。
そのやさしさに、もうすこしだけ、甘えさせて……






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