この作品は1-630レスに投稿された、イクシデズタル(元594)氏のイラストに
ID:poRYl6ND氏が寄せられた作品です。
638 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/20(日) 01:55:35 ID:poRYl6ND
>>630(註:590氏のイラスト)から即興で。
ttp://momoiro.s4.dxbeat.com/up/img/momoiro04273.png
「こなちゃん…… 」
満月が地上を煌々と照らしているのに、はるか遠くの山から、雪が舞う冬の夜。
こなちゃんは私に抱きついてきた。
「つかさ、寒いよ」
頭一つ分だけ低いこなちゃんの背中に手をまわすと、とっても温かい。
「こなちゃん。あたためてあげるね」
私は、こなちゃんの頭と首筋をぎゅっと抱きしめる。下をのぞくとこなちゃんの
蒼くて長い髪と、こなちゃんの少し幼くて、悪戯っぽくて、たまらなく可愛らしい顔が火照っている。
「つかさ。あったかいよ」
いつもの元気なこなちゃんと違って、今日のこなちゃんはとっても甘えんぼで寂しそう。
「こなちゃん。どうしたの? 」
私が聞くと、こなちゃんはとても寂しそうな顔をして言った。
「つかさ。卒業した後も遊びにいっていいよね」
「もちろんだよ…… 」
私はいいかけて、ようやく自分の迂闊さに気がついた。
大学に入れば、新生活の事で頭がいっぱいになって、他人を省みる余裕がなくなってしまうことを
こなちゃんは恐れていたんだ。だから、こんな不安そうな顔をしてるんだね。
私は、こなちゃんの頭をぽんぽんと叩いて言い直す。
「私が一番大切なのはこなちゃんだよ。だから、こなちゃん心配しないで」
想いのどれだけが伝わったのかは分からない。でも、こなちゃんの顔から不安が消えて
心底、嬉しそうになった。そして、こなちゃんは瞼をつぶって擦れた声を出した。
「つかさ…… ありがと」
私は、安心しきったこなちゃんの顔をみて、強く思った。
このまま時間が永遠にとまってしまえばいいのに……
夜空から一筋の流れ星を見つけた時に、お祈りしよう。
コメントフォーム
最終更新:2009年05月10日 12:02