自重できないワールドwithIZUMIKE


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突然だが、私、泉こなた(柊こなたになる予定)は恋と学業と仕事に大忙しの乙女である。
そして私の隣でダースベイダーの格好をしてテレビを見ているバカ……もとい、人は泉そうじろう、生物学的には私の父である。
今日は仮装大賞を見る日だからといってわざわざ張り合っているらしい。
口で「コホーコホー」などといってそれらしくしているつもりらしいが、
コタツにこもってちゃんちゃんこを羽織っているマヌケなダースベイダーなど見た事がない。
そして、台所で料理を作りながら鍋を爆発させているのが従妹のゆーちゃん。
爆発させているのは別に料理の腕がどうのこうのという訳ではない、ゆーちゃんの趣味になってしまっただけだ。
もちろん後片付けはお父さんの役目、仮面をかぶったまま四つんばいになってぞうきんがけをする姿は、言葉では表せない哀愁が漂う。
「お姉ちゃーん、ご飯できたよー」
ゆーちゃんがご飯と味噌汁とサラダと漬物を持ってくる、味噌汁沸騰してるんだけど。
最後にお父さんが鍋を持ってくる。
「今日はキムチ鍋だぞ!!」
お父さんはそう胸を張って鍋をおく、確かにキムチの匂いはするのだが、それ以上になんかこう、異臭が強い。
「あのねお姉ちゃん、普通のチゲじゃ味に新鮮味が無いかなと思って、ちょっと工夫したんだよ♪まずキムチと和のコラボレーションを実現させようと思って、くさやを入れてみたの、
それで次にイタリアンもドッキングさせようと思ってトマトもモッツァレラチーズも投入したよ♪最後にアクセントのつもりでバナナも入れてみたんだけど……」
それじゃ単なる闇鍋だ。
だが本人は改心の出来だと心から思っているらしい、無垢な笑顔からひしひしと伝わってくる。
これは酷い事をいって傷つけるわけにはいかない、「これなんてジャイアンシチュー?」などと決して言ってはならない。
「こなちゃ~~ん、ゆたかちゃ~~~ん、おじさ~~~ん……おひゃようございます~~……」
もう夜になりかけているのに今頃起きてきたのは私の恋人、柊つかさその人である。
寝ぼけまなこで私の隣に着席し、鍋を覗き込む。
「うわあ……ジャイアンシチュもごっ」
「さ、ささっといただきますしようよ」
禁句を言いかけたつかさの口を神速の速さで防ぎ、お父さんにいただきますの合図を送る。
「よし、じゃあ食べるか!いただきます」
仮面を取って言ったお父さんのいただきますに、私たちも習う。
それぞれ自分の前に置いてあるご飯だけを黙々と食べる私たち、ゆーちゃんだけが嬉々として自称キムチチゲに忙しく箸を運んでいる。
「どうしたのみんな?チゲ食べないの?」
嬉しそうに鍋をつっつくきながらゆーちゃんは尋ねる、二人とも青い顔色だった、恐らく私もだろう、そして……。

「「「ちょ、ちょっと私(俺)医者からキムチ止められてて……」」」
よ り に よ っ て 三 人 と も 言 い 訳 一 緒 か よ ! !
「そうなんだ……残念」

私たちの会心の嘘を信じ込み、本当に残念そうにゆーちゃんは箸を運ぶ、私たちはこうして一命を取り留めた。

「じゃあ明日はキムチを使わないで新しい料理にチャレンジしてみるねっ♪」

「「「……」」」
命あぶない。


朝、鳴っている目覚ましを止める。
隣でつかさが当然の如く寝息をたてている。
私はヘッドホンを取り出して「つかさ……今日は朝まで、いいよ?」と私の声が録音されているテープを装着し、つかさの耳に当てる。
そして、再生。
すると、

がばっ
「えっ、いいの?それじゃごちそうさま……」
「はいおはようつかさ」
「あっ、あれ?こなちゃん……お、おはよう」
はね起きたつかさに私はとびっきりのエンジェルスマイルを向ける。
「もう朝だから早く起きないと、ほれ、準備せい」
「……夢だったのかあ」
がっかりうなだれるつかさ、そんなにがっかりするか。
うれしはずかし……ってこれじゃ単なるノロケじゃないか。
「ほらー、時間ないからいそご?」
「う、うん、それじゃいってきまーす」
「あっ、お姉ちゃん達もういくの?」
途中でゆーちゃんに出くわした。
「うん、遅刻しちゃうからねー」
「朝ご飯位食べればいいのに、私つくっ「「ちょっと医者から朝ご飯止められてて……」」


「泉~!柊~!はよ席つかんかい!」
「は~~~い」
生後27年先生の号令で全員席につく。
「よっしゃ、じゃ出席とるで~、う~~~ん、良し、先生はお前らを信用しとるからもう出席はOKやな!」
そんなに面倒くさいか……出席とるの。
「んでもって、一時間目はウチの授業やから、え~今日は自習、あっ違う、道徳や、お前等最近道徳が欠けとるから先生はお前等がいまいち信用できん、よってお前等を社会で通用する人間に育てる一歩として今日はビデオを流したる!」
さっきと言ってる事が間逆じゃないか。

「え~、これや、「笑う犬の冒○」や、ええか、ここから笑いをしっかり吸収し、立派な社会人の一歩を遂げるんやで」
何か突っ込むのが面倒くさくなってきた……。
「困りましたね」
みゆきさんがため息をついた。
私も同じくみゆきさんに向き直りため息をひとつ。
「全くだよねェ、先生も何考えてんだか、何も考えてないんだろうけど」
「あのシリーズは全巻見つくしてしまっていますので……退屈です」
そっちかよ。
というか全部見たんだ……。
「あとおっぱいのせいもあって最近肩こりも激しいんですよね」
みゆきさんも何かおかしいな……。
「ふふふ、泉さん、もしよろしければ少し揉みガッ!!!!」
みゆきさんが私の手を胸にやろうとした瞬間、後ろから飛んできたシャーペンがみゆきさんの後頭部を直撃した。

「あっごめ~~んゆきちゃん、ちょっとシャーペンが己の意思でそっちに飛んでっちゃったぁ♪」
つかさがニコニコしながらペンを拾いにくる。
普通に「手が滑っちゃった」とかでいいじゃないかつかさ……。
「いえいえ、つかささん、お気になさらずに」
そう言ってつかさに微笑みを投げかけ、ペンを拾い、つかさに渡そうとした。
……つかさが受け取る瞬間、そのシャーペンがみゆきさんの握力によって「ばきり」と音をたてた後で。
「……ゆきちゃん、何でこれ砕けちゃってるのかなあ?」
「あらあら、それは恐らくシャープペンシルさんご自身の意思によるものと思われますね、きっと破滅願望があったのだと思います」
「あはは」
「うふふ」
……何か自分の意思とやらで最悪な末路を迎えたシャープペンシルさんが哀れに思えてきた。
でもって二人の間の空気が非常に重い。
挟まれている私は当然きつい。
「ん~?泉、あの二人仲ええな~~~」
この黄白髪教師の目はフシアナか。
いつの間にか私の後ろに立っている黒井せんせー。
「そ、そう見えますか……」
「おお、まあどうでもええけど、そんなことより泉、この次のアイテム交換の件なんやけど……」
授業中にノート持ってそんなこと堂々と聞きにくんな担任教師。
「ああ~~……それじゃ受け渡しは例の洞窟の前で七時に」
んでもって律儀に答えんな私。

「お?チャイムや、っと、どやお前等、ええ勉強になったなぁ、良かった良かった、今日の授業はこれで終わりや」
ビデオ止めてから言ってください先生。
「あはは」
「うふふ」
そんでもって二人ともそろそろ自分の席につかないか。
「ゆきちゃん絶対将来おっぱいたれるよね」
「つかささんこそいい年こいてそのヘアバンドやばいですよ」
「あはは」
「うふふ」
……もうなんかずっとやってろって感じが。
「おーい、こなたー、つかさー、みゆきー?」
す、救いの女神が!!
「あ、お姉ちゃん、おはよー」
「かがみさん、おはようございます」
二人とも、挨拶のとき位はかがみの方を向いて言おうよ。
「ほらもう二人ともそこまでにしなさいって」
かがみが仲裁に入ると二人の顔がふくれっつらになる。
「だってゆきちゃんが私のこなちゃんに」
「つかささんが私の後頭部に」
ジロリ
「「ごめんなさい」」
かがみのひと睨みですぐ大人しくなる二人、嗚呼、何て頼もしいんだろう、流石はツンデレ・ヴィーナス。
「全く、くだらない事で張り合ってないで、少しは抑える事を覚えなさいよ、子供じゃないんだから」
「そうだね……ごめんね、ゆきちゃん、はい握手」
「ええ、こちらこそすみません、つかささん」
そう言って二人はがっちり握手した、これだけ言えば仲直りの光景だが、何で二人とも迷わずに左手を差し出したんだろう。
しかも握手が終わった二人の手にはガムがべっちゃりくっついていた、二人して考えてる事一緒かよ。


私とつかさ、並んで食堂へ行く。
つかさは肩を怒らせながら歩いている、何か滑稽だが。
「ふんだ、私だって大人になればゆきちゃんのおっぱいの三倍はおっきくなるもん」
それは困る。
ちなみに別れる前にみゆきさんも「私だって大きくなれば、つかささんの三倍の人気投票数を獲得してみせます」などと言っていた、まあそれも無理だ。
「あ、そういえばこなちゃん……」
「んー?」
急に怯え顔になったつかさが私の袖をつかむ。
「きょ、今日もゆたかちゃんがご飯つくるのかな?」
……。
すっかり忘れていた……。
もはや医者に止められて戦法は通じないだろう、ていうか今まで通用してた事が不思議だ。

「ど、どうしよう、こなちゃん」
「ど、どうしようね」
食堂に行く足を止め、生命に係わるかもしれない料理を忌避する方法を二人で考えていた時、
向こうから、二人の人物が走ってきた。

「しらいし~~~~!!!!やれっつってんのよ~~~~~!!!!!」
「無理に決まってるじゃないすか~~~!!!ガムテープで作ったヒモでバンジージャンプなんて!!!」

一人はアイドル小神あきら、そしてもう一人はそのアシスタント兼クラスメイトのセバスチャン……。
私たちは、ランプがついたように閃いた。


「「  生  贄  だ  !  !  !  」」

私たちがその閃きを口にして叫んだのは同じ時だった。

そして、私とつかさは校庭で生贄を待つ。
「遅いな~生贄」
「うん、もう下校時間過ぎてるのにね~~」
そんな事をつかさと言いながらその場で待っている。
そして暫くすると……。

「WAWAWAあぶれ者っと……」
目的の生贄、もとい白石みのるがやってきた。
「うお~~~~い、セバスチャーン!!」
私が手を振ってセバスチャンを呼び止める。
「んー?泉と柊?何か用か?」
近づいてきたセバスチャンにつかさがもじもじと寄る。
「あのね?セバスチャンの事が気になってるっていう女の子がいるんだけど……」
デタラメを口走るつかさの言葉にセバスチャンが雷にうたれた様に硬直した。

「な、なんだってーーーー!!!」
私も言葉を重ねる。
「そーなんだよねェ、男前なセバスチャンに是非とも愛情料理をふるまいたいって張り切ってるんだよ、しかもその子が何と、私の親戚の子でさー」
セバスチャンが顔を赤くしてもじもじし始めた、正直キモい。
「そ、その子は本当に俺を?」
「間違いないよ、直接聞いたもん!」
「そうそう!もうゾッコンだよゾッコン!!」
そう言って私はゆーちゃんの写真を見せた。

「こ、こんなにロリ……可愛い子が俺を!?」
どうもセバスチャンはロリコン方面歓迎らしい、これは嬉しい(もちろん生贄として)
「う、うん、でね、ゆたかちゃんっていうんだけど、今日にも早速セバスチャンを招いて料理を振舞いたいんだって、かわいーよねー、あはは」
セバスチャンはプルプル震えている。
「おおお……今まで辛い事ばかりでした、理不尽な暴力、そして境遇、弱肉強食の世界に打ち捨てられた子羊……とうとう報われる時がくるのですね……ついにこの俺にも春が!!!」
一人感動に打ち震えるセバスチャンを尻目に私たちはパピコをチューチューしていた。

お父さんには予めコンタクトを取っておく。
全ての事情を話し終えると得心したお父さんが「ゆーちゃんには上手く言っておくから」と言っていたからこちらはもう大丈夫。
「でも良かったねー、セバスチャンが単純で」
「うんうん、他の人にこういう事できないもんねー、罪悪感とかもあるし」
「そうそう、こういう目に合うっていうのは、むしろセバスチャンにとっては名誉な事だと思うんだよ、そう、だから私たちは名誉を作ってあげるんだよ、究極の善行だよね」
私たちが好き勝手言ってる真後ろでセバスチャンは何度も拳を握っては「きめてやんぜみのるん」と自分で自分に気合を入れていた。
そんなにハマったかゆーちゃんに。

「やあいらっしゃい」
ニコニコ顔でセバスチャンを迎え入れるお父さん、それはもう白々しい程に。
「はっ、お邪魔します!!」
「ままっ、それじゃこちらに……」
いそいそとセバスチャンを居間まで連れて行くお父さん、私たちもそれに続く。
台所から既にかすかな異臭がする、既に作っているんだね、ゆーちゃん。
「いやー、来てくれてほんと嬉しいよ、白石君でいいのかい?」
「はっ!みのるであります!!」
おとうさんがセバスチャンのコップにビールを注ぎながら(未成年)ホクホク顔で訪ねる、それを一気に飲み干してからセバスチャンは礼儀正しく受け答える。
「いやーゆーちゃんも喜んでるよ、ただ、そのね、ゆーちゃんは自分の作ったご飯を残されるとか、そういうのに傷ついてしまう性質でね……」
「いえいえ、あんなロ……素敵な子の作ったものを残すなど、大和男児として失格と心得ております!!
もし万が一そのような愚行に出た場合この不肖白石みのる、全裸でケツに花火を突っ込んだままスクランブル交差点を駆け抜け、その状態のまま学校の屋上からガムテープバンジー決めてみせます!!!」
気持ちがいい位に自ら墓穴を掘ってゆくセバスチャン。
「お待たせしましたーーー!!」
ゆーちゃんがニコニコ顔でこちらに戻ってくる。
「わざわざありがとうございます、白石さん」
礼儀正しくセバスチャンにお辞儀をするゆーちゃん、私たちがセバスチャンにどう説明したかなどしる由もないだろう。

「い、いやとんでもない!そ、その、返事はもうちょっと考えてから出すさ、と、とにかく今はこのひと時を……」
白石の台詞にゆーちゃんが「?」マークを上に3つ位浮かべている、当たり前か……。
「あのー、出来上がるまでもう少しかかると思うので、お待ち頂いてよろしいですか?」
「あ、ああ!いいとも!ささ、どうぞこちらに!」
セバスチャンが自分の隣の席をパシパシ叩いてゆーちゃんを座らせる、どうやらもうしたたかに酔っている模様。
私たちはボロが出ないか慎重に見守っている。

「俺には夢があるんです!いつかBIGな男になって世界にシャインしてヨーロッパにも羽ばたいて歌手デビューはたしてヨーロッパに羽ばたいて老後はワイハで……」
泥酔しているセバスチャンは意味不明な妄言をゆーちゃんに向かって繰り返ししゃべっている。
ちなみにゆーちゃんはまるで聞いちゃいない。
「あっ、そろそろ出来上がった頃ですね」
ゆーちゃんは、調子こいて肩に手を回してきたセバスチャンの手をつかみ上げると一本背負いの要領で顔面から叩きつけると、そさくさと料理を取りに行った。
冷や汗まじりで私がセバスチャンを見ると、
「ああ~~~ゆたかさんこんなプレイお好みなんですかぁ~癖になるかもぉ」
……。
今更ながら気づいた、こいつただの変態だ。
「お待たせしましたっ♪」
ゆーちゃんが自慢げに披露した料理はグラタンらしきものだった。
確かに見た目はそれっぽいが、既にこっちにまで強烈な匂いが漂っている。
「ではセバスチャン、どうぞ」
私はセバスチャンを起こし、グラタン?の前に座らせる。
「んん?お、そうでした!!ではいただきます!!!」
ピシッ!と敬礼し、フォークを持って口に取り掛かろうとした瞬間。
「……」
セバスチャンの酔いが見る見る冷めていくのが伝わってくる。
「あ、あのー……」
白石がこっちに説明を求める目を向けてくるが、私もつかさもあさっての方向を向いてスルー。
「こ、これは、そのー」
お父さんも不自然な方向に首を曲げてスルーの意思を示している。
しどろもどろになり始めたセバスチャンに私は、
「ゆーちゃん泣かせたくないならお食べ」
と言っておいた。
「い、いやしかし、こ、これはちょっと……」
「?どうしたんですか?白石さん」
ゆーちゃんのまなざしを真正面から受け止められないセバスチャンは、何とか微笑をゆーちゃんに繰り出す、すごい不自然。

「あ、ちょっとトイレいってきますね」
ゆーちゃんが席を立ち、トイレに向かうと同時に、セバスチャンがこっちを見た。

「お、おい二人とも、こりゃ一体どういうことだ?俺は料理を出されるという話を聞いて……」
「料理には違いないじゃん」
「そうだよ、ゆたかちゃんが一生懸命作った料理だよ」
「い、いや、料理っていうのは普通口に出来るものを指すのであって……」
「でもセバスチャン食べなかったらガムテープでバンジージャンプ……」
「それとこれとはまるで話が別……」
「いや、もういいよ……」
急に私たちの言い争いを途切ったのはお父さんだった、悲しそうな顔を浮かべながら。

「白石君に何も話していなかった俺に一番の責任がある、大黒柱たるこの俺の責任だ、だから……」
お父さんは、一息吸い込むと、
「このグラタンは、お父さんが食べよう」
「ちょ!お父さん、正気なの!?」
「おじさん!そんな」
「え、ええ?食べれるんですか?」
「ああ、ゆーちゃんを悲しませたくないからね、多少は覚悟の上で食べるさ、任せとけ、お父さんは大人だからな」
「ま、待ってお父さん!」
「こなちゃん!?」
「元はといえば……セバスチャンを陥れようとしたのは私だし、元凶は私だよ……なのにお父さんに食べさせて私は見物なんて無理だよ!お父さんに食べさせる位なら私食べるよ、私のせいだもん」
「い、泉」
「待ってこなちゃん!私だって共犯だよ!こなちゃんにだけ食べさせて指くわえて見てるなんて出来ない、そんなの恋人失格だもん、私も食べる!」
「つかさ……」
「え、ええ……」
「三人はまだ若いんだ、辛い思いをするには早すぎる、ここはお父さんに任せてくれ」
「ううん、それはだめ、ケジメをとる意味でも私に食べさせて」
「こなちゃん、たまには私を頼ってほしいな、私がちゃんと食べてみせるよ」
「あ、あの……」
「たまにはお父さんにいい格好させてくれよ、親の背中見せてやりたいしな」
「そう言ってくれただけで充分だヨ、食べる役は私に任せて」
「おじさんにもこなちゃんにも、まだ私格好いいところ見せれたこと無いから……私が食べる!」


「あ、あの、そ、それじゃ乗りかかった船ってことでこの不肖白石が食べ「「「どうぞどうぞどうぞどうぞ」」」


この日、セバスチャンはこの世を去った。

                          ~Happy End~




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