メインシナリオ:裏切り者のマジック・ショー:「目覚める花嫁」


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 リリィが、会場に向け、
 人差し指を口元にあてそっと微笑むと、
 割れるような歓声はいともたやすく静まった。 

 司会が口を開く。

 「ここに眠るは、先日事故で亡くなった、"祝福の花嫁"ミス・フルール。
  彼女は大女優、その死には多くの人が涙したはずだ。

  だが、もう心配はいらない。涙を拭いて、ステージを見てごらん。
  ここにいるのはリリィ。世紀のマジシャンだ。
  彼に不可能はない、そうだろう?
  きっと、彼女に心臓の鼓動を、取り戻してくれるはずさ」


 会場にはぱちぱちと拍手が起こる。

 そして、黒い布を被り、幽霊のような姿をした黒子たちが、
 死体の入ったガラスの棺を開けた。

 リリィはその中の死体にそっと近づき、
 しばらく見つめるような動作をした後、観客に向けてウインクをする。
 前列の観客達が声を上げる。・・・倒れた者もいるようだ。
 係員がその観客を運び出すあいだ、
 リリィはくすくすと笑ったあと、手を広げ、
 種も仕掛けもないよ、と身振り手振りで示してみせる。

 そして、リリィは跪き、死体の手を取ると・・・
 その甲に、そっと口づける。・・・すると。

 花嫁はふっと息を吹き返したように見える。
 会場が、にわかに湧き上がる。
 そして、彼女の周りにある花が揺れる。

 ・・・なんてことだろう。
 さっきまで、確かに冷たい『死体』だった彼女が、
 頬に薔薇の色を取りもどし、起き上ったではないか。

 そして、ステージを見渡し、驚くような表情を見せる。
 そして、リリィの顔を見ると、なにかひらめいたように声を上げ、  

 「リリィ、あなたなのね。
  あなたが、私を冷たい暗闇の底から助け出してくれたのね!」

 彼女は棺から飛び出すと、
 そう感動の言葉を叫び、リリィに飛びついた。

 リリィは彼女をそっと受け止める。
 そして、そのまま彼女を抱きあげた。

 「・・・さあ!帰ってきた"大事な人"、祝福の花嫁に盛大な拍手を!」

 司会がそう叫ぶと、
 会場はワッと湧き上がり、盛大な拍手が起こる。

 ミス・フルールはリリィの手を離れ、ステージの上を踊って見せている。
 リリィはそれを眺めながら、静かに笑みをたたえ、手拍子を送る。

 ──撃つなら、今だ。

 *ここで判定を行う。
  コインを三回投げ、一枚でも表が出れば、
  その時点でリリィを撃つことは成功する。
  シーンボーナス・チャンスは無効。

  ▼成功した場合、SCENE-04へ
  ▼失敗した場合、SCENE-05へ