“日本叩き(ジャパン・バッシング)”の温床・日本の英字新聞―外国の諜報活動に利用されっ放しでいいのか?

本間尚『“日本叩き(ジャパン・バッシング)”の温床・日本の英字新聞―外国の諜報活動に利用されっ放しでいいのか?』日新報道 *1


1992年発行、現在絶版の本です。1992年の本ですから今回の毎日の件よりも前の本です。
(このページは現在書きかけで随時、追加、訂正、していきます)

この本によれば 日本の英字新聞全部 が今回の毎日となんら変わらない内容の新聞です。


まえがき


 旧ソ連が崩壊し、せかいのスリラー作家やサスペンス・スパイ映画の製作者たちはナチやKGBなどの悪役を使えなくて困っているそうだ。しかし、救世主が現れたのである。日本人を悪役に使えることがわかって、作家や映画製作者は胸をなでおろしたという。すでに日本人を悪役にした小説や映画は現れ始めているが(中略)日本人を標的にする材料はどこから来るのだろうか。
 一過性でなく継続した材料でなくては、作家や映画製作者も困る。彼らにとって幸いなことに、日本には世界にも稀な四紙もの日刊英字新聞が発行され、毎日、日本について英語で報道してくれている。多くの日本人は、この英字新聞が日本叩きの震源地などとは思ってもいないだろう。日本の英字新聞の実態は、日本で知られていないからだ。逆にその実態は欧米では知られている。要は、日本には英字新聞発行の哲学がないということである。
(中略)
何故なら、これらの日刊英字新聞に投書や定期コラムを書くのは大部分が在日欧米人であって、彼らは毎日、日本人の悪行(人種差別、動物虐待、特にクジラ・イルカ虐殺や犬猫虐待、汚職、警察国家、セクハラ、環境汚染、政治癒着、銀行・証券犯罪、強姦事件、医薬品不正、いじめ、閉鎖性など)並びに日本人の弱点、文句を言わず裁判で争わない示談習性などを書いて、それが英語記事であるが故にストレートニ欧米に流れ、日本叩きや日本人相手の訴訟材料になっているからである。まるで、現代版「ネズミ小僧」のように、悪人で金持ちの日本から金をふんだくれるという義賊の論理は、日本の英字新聞にその材料があるのだ。
 ナチやKGBに代わる悪役に対処するためには、ゾルゲのように日本研究をし、小説や映画の結末は日本人を見事にやっつけて、彼らにとってハッピーエンドでなければならないのは当然である。その材料は、日本の英字新聞で日本人自身が提供しているのだ。
(中略)
 欧米人は、日本人が法律上はおろか新聞紙上でも反抗も反撃もして来ず、外国語の土俵では羊のように大人しく、莫大な示談和解金を払ってくれることを次第に知り始めている。彼らは「うるさいギアは油を注してもらえる」と信じて、うるさく日本に騒音、雑音を向けてくるであろう。そして小説や映画にも貿易摩擦交渉にも使える材料を懸命に集め続けるだろう。日本にはそれを提供してくれる場の英字新聞があるから、その場にハッカーのように巣作りすることが容易なのだ。本文で述べるように、独仏にはそんな英字新聞はない。
 日本とアメリカのあらゆる面での摩擦は両国の国民性の違いの故に絶対になくならないと思った方がよいのである。第一にアメリカでは日本の三十倍もの弁護士がいて何によらず弁護士が出てきて訴訟をおこし、裁判は陪審員制度であり、訴訟費用は成功報酬であるから、成功して報酬を得るためにはどんな手でも使うことになる。
 このような思考様式、行動様式の欧米人が日本に来たら、ふんだんにある日本の英字新聞にどんな投書、寄稿をしても許される欧米の習慣に基づいて同様のことをするのは、むしろ当然であろう。日本人が反論しないのに比べて欧米では反論が当然であるから悪いとは思っていない。
 本文で触れるが、新聞の投書規定にしても日本人にはカルチャーショックデアリ、スパイも許される規定になっている。しかし、誤解曲解投書や記事に対しては反論も説明もしない。欧米人から見た一方的な日本人像が次第に増えてくる。それがまた、ナチやKGBの代わりの悪役日本人の材料を提供するのだ。その一方でPL訴訟知的所有権訴訟で金を強要され湾岸戦争では130億㌦の上にその為替レートの目減り分まで支払ったのである。
 このような実態は、その原因となるものが、以外にも、日本資本で経営され日本人読者が多数を占める日本の英字新聞であることを指摘するものである。ただ、本書では筆者が購読しているデイリー・ヨミウリの引用を主に使用したが、特定新聞を批判するのが目的ではない、すべての日本の英字新聞に当てはまることを指摘したいと思う。
 平成四年七月         本 間  尚
3~6頁より

目 次

まえがき

第1章 外国諜報団が白昼堂々と活躍できる日本のメディア…11
  • 投書規定とUSAツデー-

日本の英字新聞のコラム記事や投書例
宗教宣伝も許される日本の英字新聞
ハッカーに托卵を許す英字新聞の投書規定
挫折したオーストラリア紙との交換記事計画
諜報機関の存在-真昼の諜報活動を公然と許している日本の英字新聞
スパイ・諜報機関はあるか
アメリカ最初の全国紙USAツデーの投書規定

第2章 新しい「スパイ」の定義…………………………………45
日本だけにしかないスパイの態様とは?
新しい「スパイ」の定義
”カッコウ作戦”を宣言

第3章 ジュニアス・レスターとNHK受信料不買を呼びかけられる英字新聞……63
ジュニアス・レスター
珍しく返事のあった「NHK受信料について」と外国人の不払い呼びかけ投書

第4章 小錦”人種差別発言”や宮沢・桜内発言の伝えられ方…77
英語で何を言われても無知-間が抜けたジャーナリズム
小錦発言の真相
宮沢・桜内発言

第5章 ノーベル賞受賞を危うくされた遠藤周作の受難………99
遠藤周作のコラム記事
外国人の反論
書評の遠藤周作批判
日本の英字新聞はフェアな新聞であり得るか
またまた続く遠藤周作攻撃
もう一人の遠藤氏

第6章 小説に現れた「悪役・日本人」…………………………117
ヴァッチョン氏の書評
アメリカデでベストセラー『ライジング・サン』
目覚めはまだか
日本叩き専門記者を養成する日本の英字新聞
ホイト氏の証言

第7章 世界の英字新聞……………………………………………129
内村鑑三とインターナショナル・ヘラルド・トリビューン
世界の英字新聞(非英語国)

第8章 日本の英字新聞-英字紙の発行理由と読者層
日本の英字sんぶんの現況
英字新聞の発行理由と英字新聞の読者層

第9章 「カッコウの島」と「リア王の悲劇」…………………147
日本はカッコウの島
カッコウの生態

第10章 資料アメリカの高卒資格試験問題集など……………155
資料1プロパガンダ技術を教えるアメリカの高卒資格試験問題
資料2日本の英字新聞における日本叩きの震源地と経路構図
資料3アメリカ大使からの筆者宛の手紙

おわりに


資料2日本の英字新聞における日本叩きの震源地と経路構図

①独仏には日本のような英字新聞はなく、「非英語国に公正な英字新聞はありえない」という哲学がある。しかし日本では、外国人に自由な発言を許したくない、日本人の発言を確保し世界に知らせたいという本音と建前の最初の動機が、日本資本による英字新聞発行の発端であった。この人工的な動機と英語が不十分な日本人が大多数という高読者層の不自然さが逆に外国人に自由放題を許し、少数の欧米人に新聞内容の面で乗っ取られ、日本たたきの震源地となっている。
②英字新聞がふんだんにあるから、日本語や日本の文化、歴史を学ばなくてもいいとする外国人ジャーナリストが増えて取材報道するが、誤解曲解も多くなる。さらに、日本の英字新聞には外国の猟奇的な犯罪報道でも外国通信社から英文で直接入って来て掲載されるから、それを読む外国人ジャーナリストや一般外国人は比較的に日本での事件が少なく「隠している」として、日本のアラ捜しをする傾向が生ずる。
③日本の英字新聞に投書や記事を書くのは外国人が多数派で、日本人は弱少数派である。
④サインだけが強調される投書規定でフリーパスの投書が許され、ハッカー的な外国人による日本人蔑視と敵意の投書や記事に対して、日本人は反論も説明もしない。(できない)。外国人ボーダレス(国境なし)で、日本人ボーンレス(骨なし)。
⑤ふんだんにある英字新聞から、都合のいい資料を選択して記事にする傾向。
⑥日本の英字新聞に多少の色をつけて、ヨコヨコに本国本社に記事を送る傾向。
⑦日本人は元の日本発の英字新聞の内容に無関心(カッコーに托卵されても気がつかない野鳥のように)だが、二次的な欧米からの逆上陸報道には大騒ぎする。
⑧これらの報道は、日本側の説明・反論なしにヨコヨコに外国政府や外国人に伝わる。
⑨外国政府、議会や産業界、市民団体、個人などから日本叩きや訴訟が始まる。


注、ヨコヨコとは英語記事であるが故にそのまま外国や外国人に伝わる現象を指します。


  • 日本人が外国で日本語新聞を盛んに発行するように、欧米人に英字新聞を日本で自ら自然に発行させ、日本人はそれを読むべきである。欧米人は本国並みの公平公正を守り、日本叩きや欧米報道に大騒ぎすることは減少し、日本人の英語力はより向上する。
  • パスツールの法則:自然発生論を否定し、”生物は生物から生ずる”のと同様に、外国の日本叩き的報道は日本での報道から生ずる。日本叩きや訴訟公正は、一方的に外国から生じるのではない。日本側に、それを許す世界唯一の生態現象がある。
167~169頁より



日本の英字新聞のコラム記事や投書例

”日本の英字新聞の投書欄には「日本の漁港に行くと鯨の肉安いよと売っている」とか、「ペットショップでなく保健所にいけば、日本人が虐待している犬を分けてもらえる」とか、「日本の女性は愛情もないのに見合い結婚する」「セクハラ天国でレイプが頻発し、日本の若者は宮崎幼児殺人犯同様の色魔だ」とか「「NHK料金や電車賃を英語でがなりたてて払わない方法」「日本人は猿真似で日本に学ぶことは何もない」「日本人は裁判で争うことを避けて和解金を払う、融解にも金を払う」とかの途方もない投書が平気で掲載される(以下略)
12頁より

このような投稿が毎日当たり前に載り、記事もこの本で紹介されている内容を見ると、今回の毎日新聞とほぼ似たような外国人記者による偏見で作られたものです。

挫折したオーストラリア紙との交換記事計画

(中略)この英字新聞の投書や記事が日本語新聞に翻訳掲載されるかどうかであるが、はっきり言えば、ほとんど掲載されないということである。
つまり、外国人の苦情や非難記事は日本の読者には知らされないで、逆に日本語新聞に掲載された日本人の意見の一部(どういう基準で選ばれたのか分からないが、両紙のスペースの違いで、そのまま全部の投書や記事が翻訳転載されることはそもそもあり得ない)が本人が知らない間に翻訳され掲載され、本人の知らない間に非難されて、世界中に知らされている。日本の英字新聞の経営者も編集者も、自分の新聞が欧米紙のように地方紙でなく全国紙、いや、世界史になっている事実に気がついていない。  
23頁より

日本で発行される英字新聞は経営は日本人で記事を書いたりするのは全部外国人で、日本人は内容に無関心。読者層は英語を勉強中の人だから内容がよくわかっていない。英米の英字新聞の投書規定は「タブーはない」であり、あらゆる過激なことも偏見も許されている。これは英米の場合は「見えざる手」による反論が必ずあり、結果としてバランスが取れるが、日本ではこの反論の部分が弁明を嫌う国民性と英語力の問題で決定的に欠けており、偏見で攻撃されても日本人による反論も説明も全くないのがふつうで、またあっても筆者が試しましたが載せてもらえなかったりするそうです。

何を言っても自分の主張が通るということで外国人が英字新聞で好き勝手なことを書いていること、それに日本人が気がつかず許してしまっていること。
偏見に満ちた記事が毎日書かれ、それが英語記事であるがゆえにストレートに欧米に流れ、日本叩きや日本人相手の訴訟の材料になっていることなどが指摘されています。

筆者がこの現象に注目したのは(本の発行は1992年)この2年くらいだそうですが、それ以前十年以上も日本人の意見を封じて好き放題の日本蔑視と敵意を、英語であるがゆえにアメリカを中心とする外国に流しているものがいたのではないかと推測しています。現在の日本叩きの基礎は、長年に渡って築かれてきたのだと。
この動きはもしかすると、戦後まもなくのころからかもしれないそうです。
内村鑑三は日本在住の外国人が日本の悪口を書く習性もっていることを指摘し、この習性は幕末から明治はじめの在日外国人について「一外交官の見た明治維新」でアーネスト・サトウも述べているそうです。

筆者は英字新聞の経営も日本人が行うゆがんだ形でなく、外国人に任せるべきでそうすればこのような状況も解消されるだろうという内容のことを書いています。独仏では英字新聞は経営も中身も外国人が行うのが当たり前だそうです。




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