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2体の石像
ボボッ
霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」
ブシュッ
バネル「ミレイユか。バネルだ。情報が手に入った。そう、例の件だ。いや、詳しいことは会って話す。明日の午後、家に来ないか。女房も会いたがっている」
ミレイユ「うん……。んっ!ハッ!あ……あ……」
霧香「遅かったね」
ミレイユ「あたしのせいだわ。あたしはデュクスが最近誰と接触したか調べていた。バネルにも情報を頼んでいたの。そしてバネルは殺された。家族もろとも」
オルゴールの音
霧香「仕方ないよ。考えても仕方ない」
ミレイユ「そうね」
女性「最初に会ったのは、偶然よね」
ミレイユ「教えてちょうだい。NOIRを消せと誰に頼まれたの?」
女性「あなたなら、教える?」
ミレイユ「いいえ」
女性「うっふふふふ……」
ミレイユ「あなたの名前は?」
女性「うっ……げほげほげほ。聞いてどうするの。あなたにも私にも名前を刻む墓は……うっ!……ないのよ」
ミレイユ「バネルは、奴らの手がかりを掴んだのよ」
霧香「おはよう。あ……」
ミレイユ「花の世話は結構だけれども、今にその花は真っ黒に染まるかもね。NOIR。その名は私も知っていた。この業界で最も古い称号の1つ。でも、その起源を知るものは誰もいない。このパズルは得体の知れないピースばかり。NOIRというピース。あんたというピース。それともう1つ」
オルゴールの音
ミレイユ「バネルの周辺を当たってみる。
あんたはいいわ」
店員「むごい話しだ。一家皆殺しとは。バネルは義理堅い男でね。顔役になった後も、昔の兄貴分の俺をちゃんと立ててくれた。大した貫禄だったが、えらい子煩悩で息子と娘をそれはもう可愛がってな。やつの女房がまたよく出来た女でね」
ミレイユ「知っているわ。あの夫婦は信頼出来る数少ない人間だった」
店員「そうだったなぁ。ところで、えーと……」
ミレイユ「先週の話し」
店員「そうだ。先週だ。あんたの言うとおり奴は確かに来たよ。2年ぶりに突然顔を出したもんだからよく覚えてる」
ミレイユ「何か、言ってなかった」
店員「いやあ……特に……えー……。考えてみれば顔色はよくなかったかな」
ミレイユ「そう……」
店員「そうだ!奴はあんたの名前でボトルを入れていったよ」
ミレイユ「えっ。そのボトルは!?」
店員「ああ、これだよ。今度あんたと飲みたいって言ってたな」
バネル(ミレイユ。サンギャラン教会、思い出に)
霧香「サンギャラン教会の思い出って?」
ミレイユ「行ったこともないわ」
霧香「これ」
ミレイユ「それも何だか分からないのよね」
霧香「Dと5に丸、Gと7に三角」
ミレイユ「バネルはよっぽど大変なネタをつかんだらしいわね。怖くなってそれを隠した。多分サンギャラン教会に」
霧香「サンギャラン教会にあるもの……」
ミレイユ「礼拝堂。それに鐘楼(しょうろう)」
霧香「クロワートル、僧坊」
ミレイユ「違うわね。薬草園」
霧香「カタコンベ」
ミレイユ「ハッ!」
霧香「えっ?」
ミレイユ「D、ドロワ。右5。1、2、3、4、5。右の5。Gはゴーシュ。左の7。1、2、3、4、5、6、7
あっ」
ミレイユ「ふぅ……あ。やっぱり来たわね」
男「何?」
ミレイユ「監視されているのわ分かっていた。目的がそれってこともね」
男「うおっ」
ミレイユ「こっちの目的はあんたよ。誰の命令で動いているのか、洗いざらい吐いてもらうわ」
男「そう、上手くいくかな」
男「どわぁぁ」
ミレイユ「その封筒の中が何だっていうの」
男「大事なものさ。地上のどんな人間の命よりもな」
ミレイユ「バネルと家族を皆殺しにしたのはあんたね」
男「それが彼らの命令だった。秘密は保たれなければならない」
ミレイユ「彼ら?彼らって何?」
男「知りたいか?知りたいだろうな。彼らは絶対の存在だ。だが、彼らについて知るものはごく少ない。例えば俺だ
俺を撃てば鍵は消える」
オルゴールの音
ミレイユ「人の中の人、愛の中の愛、罪の中の罪。隠者は罪人に告げた。ソルダは真実と共にあると。ソルダ。それが奴らの名前。私たちの敵」
霧香「ん?」
ミレイユ「国で。コルシカであたしの両親と兄は殺された。どういう理由で、誰に殺されたのかは分からない。あたしがこの時計を見たのは、あの時が最後だった。あんたはこれを、過去から運んできたのよ」
霧香「でも今は何も持ってない。ごめん。ごめんね、ミレイユ」
ミレイユ「過去への扉は開いてみせる。この手で、きっと」
2体の石像
ボボッ
霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」
ブシュッ
プルルルルル、プルル カチャ
バネル「ミレイユか。バネルだ。情報が手に入った。そう、例の件だ。いや、詳しいことは会って話す。明日の午後、家に来ないか。女房も会いたがっている」
ギィィ(空いている扉)
ミレイユ「うん……」
ギィィ
カツカツカツカツ
ミレイユ「んっ!」
カチャ(銃を構える)
ミレイユ「ハッ!
あ……あ……」
霧香「遅かったね」
バッ(振り返るミレイユ)
カツカツカツカツカツカツ
バー(船の音)
ミレイユ「あたしのせいだわ。あたしはデュクスが最近誰と接触したかを調べていた。バネルにも情報を頼んでいたの。そしてバネルは殺された。家族もろとも」
オルゴールの音
霧香「仕方ないよ。考えても仕方ないよ」
ミレイユ「そうね。
奴らは、あたしたちNOIRを消そうとした」
女性「最初に会ったのは、偶然よね」
ミレイユ「教えてちょうだい。NOIRを消せと誰に頼まれたの?」
女性「あなたなら、教える?」
ミレイユ「いいえ」
女性「うっふふふふ……」
ミレイユ「あなたの名前は?」
女性「うっ……げほげほげほ。聞いてどうするの。あなたにも私にも名前を刻む墓は……うっ!……ないのよ」
ミレイユ「バネルは、奴らの手がかりを掴んだのよ」
カチャ(窓を開ける音)
ミレイユ「あ……」
霧香「おはよう」
ジョジョジョジョジョ(植木に水をあげる)
霧香「あ……」
ミレイユ「花の世話は結構だけれど、今にその花は真っ黒に染まるかもね」
ミレイユ(NOIR。その名は私も知っていた。この業界で最も古い称号の1つ。でも、その起源を知るものは誰もいない)
ミレイユ「このパズルは得体の知れないピースばかり。NOIRというピース。あんたというピース。それともう1つ」
オルゴールの音
ミレイユ「バネルの周辺を当たってみる。
あんたはいいわ」
キイ。バタン。
店員「むごい話しだ。一家皆殺しとは。バネルは義理堅い男でね。顔役になった後も、昔の兄貴分の俺をちゃんと立ててくれた。大した貫禄だったが、えらい子煩悩で息子と娘をそれはもう可愛がってたな。やつの女房がまたよく出来た女でね」
ミレイユ「知っているわ。あの夫婦は信頼出来る数少ない人間だった」
店員「そうだったなぁ。ところで、えーと……」
ミレイユ「先週の話し」
店員「そうだ。先週だ。あんたの言うとおり奴は確かに来たよ。2年ぶりに突然顔を出したもんだからよく覚えてる」
ミレイユ「何か、言ってなかった」
店員「いやあ……特に……えー……。考えてみれば顔色はよくなかったかな」
ミレイユ「そう……」
店員「そうだ!奴はあんたの名前でボトルを入れていったよ」
ミレイユ「えっ。そのボトルは!?」
店員「ああ、これだよ。今度あんたと飲みたいって言ってたな」
バネル(ミレイユ。サンギャラン教会、思い出に)
ミレイユ「ん……」
コツコツコツコツ(ミレイユのヒールの音)
トストストストス(男の革靴の音)
ミレイユ「んっ」
カチャ(銃を構える)
トストストストス
カチャッ(銃を構える)
カチャ
アイキャッチ
霧香「サンギャラン教会の思い出って?」
ミレイユ「行ったこともないわ」
霧香「これ」
ミレイユ「それも何だか分からないのよね」
霧香「Dと5に丸、Gと7に三角」
ミレイユ「バネルはよっぽど大変なネタをつかんだらしい。怖くなってそれを隠した。多分サンギャラン教会に」
霧香「サンギャラン教会にあるもの……」
ミレイユ「礼拝堂。それに鐘楼(しょうろう)」
霧香「クロワートル、僧坊」
ミレイユ「違うわね。薬草園」
霧香「カタコンベ」
ミレイユ「ハッ!」
霧香「えっ?」
カチッ ブー(電球がつく音)
ミレイユ「D、ドロワ。右5。1、2、3、4、5。右の5。Gはゴーシュ。左の7。1、2、3、4、5、6、7
カチッ
ガサガサ
ミレイユ「あっ」
カサッ
ミレイユ「ふぅ……。あ」
カチャ
ミレイユ「やっぱり来たわね」
男「何?」
ミレイユ「監視されているのわ分かっていた。目的がそれってこともね」
バンッ
男「うおっ」
ミレイユ「こっちの目的はあんたよ。誰の命令で動いているのか、洗いざらい吐いてもらうわ」
男「そう、上手くいくかな」
バンッ キュンッ
バンバン
ガタッ
カツカツカツ
ミレイユ「ハッ」
バンッ
男「どわぁぁ」
ミレイユ「その封筒の中のコピーが何だっていうの」
男「大事なものさ。地上のどんな人間の命よりもな」
ミレイユ「バネルと家族を皆殺しにしたのはあんたね」
男「それが彼らの命令だった。秘密は保たれなければならない」
ミレイユ「彼ら?彼らって何?」
男「知りたいか?知りたいだろうな。彼らは絶対の存在だ。だが、彼らについて知るものはごく少ない。例えば俺だ
俺を撃てば鍵は消える」
バンッ
男「ううっ……フッ」
バサ
ミレイユ「ふう……」
霧香「あ」
ミレイユ「人の中の人、愛の中の愛、罪の中の罪。隠者は罪人(つみびと)に告げた。ソルダは真実と共にあると。ソルダ。それが奴らの名前。私たちの敵」
ジャボボ
霧香「ん?」
ミレイユ「国で。コルシカであたしの両親と兄は殺された。どういう理由で、誰に殺されたのかは分からない。あたしがこの時計を見たのは、あの時が最後だった。あんたはこれを、過去から運んできたのよ」
霧香「でも今は何も持ってない。ごめん。ごめんね、ミレイユ」
ミレイユ「過去への扉は開いてみせる。この手で、きっと」