第5話 レ・ソルダ

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2体の石像 ボボッ 霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名 死を司る2人の乙女 黒き御手は嬰児(みどりご)の 安らかなるを守りたもう」 ブシュッ バネル「ミレイユか。バネルだ。情報が手に入った。そう、例の件だ。いや、詳しいことは会って話す。明日の午後、家に来ないか。女房も会いたがっている」 ミレイユ「うん……。んっ!ハッ!あ……あ……」 霧香「遅かったね」 ミレイユ「あたしのせいだわ。あたしはデュクスが最近誰と接触したか調べていた。バネルにも情報を頼んでいたの。そしてバネルは殺された。家族もろとも」 オルゴールの音 霧香「仕方ないよ。考えても仕方ない」 ミレイユ「そうね」 女性「最初に会ったのは、偶然よね」 ミレイユ「教えてちょうだい。NOIRを消せと誰に頼まれたの?」 女性「あなたなら、教える?」 ミレイユ「いいえ」 女性「うっふふふふ……」 ミレイユ「あなたの名前は?」 女性「うっ……げほげほげほ。聞いてどうするの。あなたにも私にも名前を刻む墓は……うっ!……ないのよ」 ミレイユ「バネルは、奴らの手がかりを掴んだのよ」 霧香「おはよう。あ……」 ミレイユ「花の世話は結構だけれども、今にその花は真っ黒に染まるかもね。NOIR。その名は私も知っていた。この業界で最も古い称号の1つ。でも、その起源を知るものは誰もいない。このパズルは得体の知れないピースばかり。NOIRというピース。あんたというピース。それともう1つ」 オルゴールの音 ミレイユ「バネルの周辺を当たってみる。 あんたはいいわ」 店員「むごい話しだ。一家皆殺しとは。バネルは義理堅い男でね。顔役になった後も、昔の兄貴分の俺をちゃんと立ててくれた。大した貫禄だったが、えらい子煩悩で息子と娘をそれはもう可愛がってな。やつの女房がまたよく出来た女でね」 ミレイユ「知っているわ。あの夫婦は信頼出来る数少ない人間だった」 店員「そうだったなぁ。ところで、えーと……」 ミレイユ「先週の話し」 店員「そうだ。先週だ。あんたの言うとおり奴は確かに来たよ。2年ぶりに突然顔を出したもんだからよく覚えてる」 ミレイユ「何か、言ってなかった」 店員「いやあ……特に……えー……。考えてみれば顔色はよくなかったかな」 ミレイユ「そう……」 店員「そうだ!奴はあんたの名前でボトルを入れていったよ」 ミレイユ「えっ。そのボトルは!?」 店員「ああ、これだよ。今度あんたと飲みたいって言ってたな」 バネル(ミレイユ。サンギャラン教会、思い出に) 霧香「サンギャラン教会の思い出って?」 ミレイユ「行ったこともないわ」 霧香「これ」 ミレイユ「それも何だか分からないのよね」 霧香「Dと5に丸、Gと7に三角」 ミレイユ「バネルはよっぽど大変なネタをつかんだらしいわね。怖くなってそれを隠した。多分サンギャラン教会に」 霧香「サンギャラン教会にあるもの……」 ミレイユ「礼拝堂。それに鐘楼(しょうろう)」 霧香「クロワートル、僧坊」 ミレイユ「違うわね。薬草園」 霧香「カタコンベ」 ミレイユ「ハッ!」 霧香「えっ?」 ミレイユ「D、ドロワ。右5。1、2、3、4、5。右の5。Gはゴーシュ。左の7。1、2、3、4、5、6、7 あっ」 ミレイユ「ふぅ……あ。やっぱり来たわね」 男「何?」 ミレイユ「監視されているのわ分かっていた。目的がそれってこともね」 男「うおっ」 ミレイユ「こっちの目的はあんたよ。誰の命令で動いているのか、洗いざらい吐いてもらうわ」 男「そう、上手くいくかな」 男「どわぁぁ」 ミレイユ「その封筒の中が何だっていうの」 男「大事なものさ。地上のどんな人間の命よりもな」 ミレイユ「バネルと家族を皆殺しにしたのはあんたね」 男「それが彼らの命令だった。秘密は保たれなければならない」 ミレイユ「彼ら?彼らって何?」 男「知りたいか?知りたいだろうな。彼らは絶対の存在だ。だが、彼らについて知るものはごく少ない。例えば俺だ 俺を撃てば鍵は消える」 オルゴールの音 ミレイユ「人の中の人、愛の中の愛、罪の中の罪。隠者は罪人に告げた。ソルダは真実と共にあると。ソルダ。それが奴らの名前。私たちの敵」 霧香「ん?」 ミレイユ「国で。コルシカであたしの両親と兄は殺された。どういう理由で、誰に殺されたのかは分からない。あたしがこの時計を見たのは、あの時が最後だった。あんたはこれを、過去から運んできたのよ」 霧香「でも今は何も持ってない。ごめん。ごめんね、ミレイユ」 ミレイユ「過去への扉は開いてみせる。この手で、きっと」
2体の石像 ボボッ 霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名 死を司る2人の乙女 黒き御手は嬰児(みどりご)の 安らかなるを守りたもう」 ブシュッ プルルルルル、プルル カチャ バネル「ミレイユか。バネルだ。情報が手に入った。そう、例の件だ。いや、詳しいことは会って話す。明日の午後、家に来ないか。女房も会いたがっている」 ギィィ(空いている扉) ミレイユ「うん……」 ギィィ カツカツカツカツ ミレイユ「んっ!」 カチャ(銃を構える) ミレイユ「ハッ! あ……あ……」 霧香「遅かったね」 バッ(振り返るミレイユ) カツカツカツカツカツカツ バー(船の音) ミレイユ「あたしのせいだわ。あたしはデュクスが最近誰と接触したかを調べていた。バネルにも情報を頼んでいたの。そしてバネルは殺された。家族もろとも」 オルゴールの音 霧香「仕方ないよ。考えても仕方ないよ」 ミレイユ「そうね。 奴らは、あたしたちNOIRを消そうとした」 女性「最初に会ったのは、偶然よね」 ミレイユ「教えてちょうだい。NOIRを消せと誰に頼まれたの?」 女性「あなたなら、教える?」 ミレイユ「いいえ」 女性「うっふふふふ……」 ミレイユ「あなたの名前は?」 女性「うっ……げほげほげほ。聞いてどうするの。あなたにも私にも名前を刻む墓は……うっ!……ないのよ」 ミレイユ「バネルは、奴らの手がかりを掴んだのよ」 カチャ(窓を開ける音) ミレイユ「あ……」 霧香「おはよう」 ジョジョジョジョジョ(植木に水をあげる) 霧香「あ……」 ミレイユ「花の世話は結構だけれど、今にその花は真っ黒に染まるかもね」 ミレイユ(NOIR。その名は私も知っていた。この業界で最も古い称号の1つ。でも、その起源を知るものは誰もいない) ミレイユ「このパズルは得体の知れないピースばかり。NOIRというピース。あんたというピース。それともう1つ」 オルゴールの音 ミレイユ「バネルの周辺を当たってみる。 あんたはいいわ」 キイ。バタン。 店員「むごい話しだ。一家皆殺しとは。バネルは義理堅い男でね。顔役になった後も、昔の兄貴分の俺をちゃんと立ててくれた。大した貫禄だったが、えらい子煩悩で息子と娘をそれはもう可愛がってたな。やつの女房がまたよく出来た女でね」 ミレイユ「知っているわ。あの夫婦は信頼出来る数少ない人間だった」 店員「そうだったなぁ。ところで、えーと……」 ミレイユ「先週の話し」 店員「そうだ。先週だ。あんたの言うとおり奴は確かに来たよ。2年ぶりに突然顔を出したもんだからよく覚えてる」 ミレイユ「何か、言ってなかった」 店員「いやあ……特に……えー……。考えてみれば顔色はよくなかったかな」 ミレイユ「そう……」 店員「そうだ!奴はあんたの名前でボトルを入れていったよ」 ミレイユ「えっ。そのボトルは!?」 店員「ああ、これだよ。今度あんたと飲みたいって言ってたな」 バネル(ミレイユ。サンギャラン教会、思い出に) ミレイユ「ん……」 コツコツコツコツ(ミレイユのヒールの音) トストストストス(男の革靴の音) ミレイユ「んっ」 カチャ(銃を構える) トストストストス カチャッ(銃を構える) カチャ アイキャッチ 霧香「サンギャラン教会の思い出って?」 ミレイユ「行ったこともないわ」 霧香「これ」 ミレイユ「それも何だか分からないのよね」 霧香「Dと5に丸、Gと7に三角」 ミレイユ「バネルはよっぽど大変なネタをつかんだらしい。怖くなってそれを隠した。多分サンギャラン教会に」 霧香「サンギャラン教会にあるもの……」 ミレイユ「礼拝堂。それに鐘楼(しょうろう)」 霧香「クロワートル、僧坊」 ミレイユ「違うわね。薬草園」 霧香「カタコンベ」 ミレイユ「ハッ!」 霧香「えっ?」 カチッ ブー(電球がつく音) ミレイユ「D、ドロワ。右5。1、2、3、4、5。右の5。Gはゴーシュ。左の7。1、2、3、4、5、6、7 カチッ ガサガサ ミレイユ「あっ」 カサッ ミレイユ「ふぅ……。あ」 カチャ ミレイユ「やっぱり来たわね」 男「何?」 ミレイユ「監視されているのわ分かっていた。目的がそれってこともね」 バンッ 男「うおっ」 ミレイユ「こっちの目的はあんたよ。誰の命令で動いているのか、洗いざらい吐いてもらうわ」 男「そう、上手くいくかな」 バンッ キュンッ バンバン ガタッ カツカツカツ ミレイユ「ハッ」 バンッ 男「どわぁぁ」 ミレイユ「その封筒の中のコピーが何だっていうの」 男「大事なものさ。地上のどんな人間の命よりもな」 ミレイユ「バネルと家族を皆殺しにしたのはあんたね」 男「それが彼らの命令だった。秘密は保たれなければならない」 ミレイユ「彼ら?彼らって何?」 男「知りたいか?知りたいだろうな。彼らは絶対の存在だ。だが、彼らについて知るものはごく少ない。例えば俺だ 俺を撃てば鍵は消える」 バンッ 男「ううっ……フッ」 バサ ミレイユ「ふう……」 霧香「あ」 ミレイユ「人の中の人、愛の中の愛、罪の中の罪。隠者は罪人(つみびと)に告げた。ソルダは真実と共にあると。ソルダ。それが奴らの名前。私たちの敵」 ジャボボ 霧香「ん?」 ミレイユ「国で。コルシカであたしの両親と兄は殺された。どういう理由で、誰に殺されたのかは分からない。あたしがこの時計を見たのは、あの時が最後だった。あんたはこれを、過去から運んできたのよ」 霧香「でも今は何も持ってない。ごめん。ごめんね、ミレイユ」 ミレイユ「過去への扉は開いてみせる。この手で、きっと」

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