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2体の石像
ボボッ
霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」
ブシュッ
霧香「いいわ、ミレイユ、撃って。ありがとう。今まで付き合ってくれて」
男「バルザンは死んだ。偉大なる革命家バルザンは貴様らの雇った暗殺者に、殺された!ああ、何ということだ!バルザンが、我らのバルザンが!」
男「言え!貴様らは一体誰を雇った!くっ……!」
老人「NOIR」
メガネの男「あ……!」
老人「殺人を生業とする者達の中でも最高位に位置する名称。我らも名前以外は何にも知らない!」
男「NOIR」
メガネの男「ハッ……」
老人「NOIRこそ神の僕。お前達は革命の名を借りて、大地を血で汚した。バルザンは報いを受けたのだ!」
ミレイユ「アラメラ川から先は歩きなのに、その体でどうするつもりなの?4時には川を越えないと、手配したヘリが出てしまう。標的を仕留めるだけではプロとは言えない。綺麗に逃げて、初めてプロと言えるのよ。あんただってそれくらいは……」
霧香「くぅ……!」
ミレイユ「痛む?」
霧香「うん。……平気」
ミレイユ「いっそのこと、死んでくれたら、私も開放されたのに」
霧香「そうだね」
2体の石像
ボボッ
霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」
ブシュッ
霧香「いいわ、ミレイユ、撃って。ありがとう。今まで付き合ってくれて」
男「バルザンは死んだ。偉大なる革命家バルザンは貴様らの雇った暗殺者に、殺された!ああ、何ということだ!バルザンが、我らのバルザンが!」
男「言え!貴様らは一体誰を雇った!くっ……!」
老人「NOIR」
メガネの男「あ……!」
老人「殺人を生業とする者達の中でも最高位に位置する名称。我らも名前以外は何にも知らない!」
男「NOIR」
メガネの男「ハッ……」
老人「NOIRこそ神の僕。お前達は革命の名を借りて、大地を血で汚した。バルザンは報いを受けたのだ!」
ミレイユ「アラメラ川から先は歩きなのに、その体でどうするつもりなの?4時には川を越えないと、手配したヘリが出てしまう。標的を仕留めるだけではプロとは言えない。綺麗に逃げて、初めてプロと言えるのよ。あんただってそれくらいは……」
霧香「くぅ……!」
ミレイユ「痛む?」
霧香「うん。……平気」
ミレイユ「いっそのこと、死んでくれたら、私も開放されたのに」
霧香「そうだね」
メガネの男「NOIRの名は聞いたことがある」
男「パキスタンで、裏の仕事をしていた頃か?」
メガネの男「ああ。死神より恐ろしい相手だそうだ」
霧香「ミレイユ、あの学生証」
ミレイユ「えっ?」
霧香「学生証、無くしたみたい。銃に撃たれた時」
ミレイユ「ええっ?」
霧香「ずっと持っていたの。どうしても捨てられなくて。あんなの、あんなの本当じゃないのに。本当の私でも、何でもないのに」
ミレイユ「黙ってて。今はそれどころじゃないでしょう」
霧香(気づいたら、私はそこにいた。名前も、戸籍も、みんな嘘。私は誰?私はNOIR。それ以外は何も知らない。だけど、嘘でも、手の中にこれがあった。私にはこれが)
ミレイユ(まだ間に合うかもしれない……私1人なら)
男「誰か(聞き取れず)しなくなくなったか!」
男「上だ!」
男「止まれー!トランクを開けろ!指処理しろ!早くしろ!これは何だ!
トランクを早く開けろ!止まれ!お前もだ!早くしろ!」
霧香「いいわミレイユ。やって。ありがとう、今まで付き合ってくれて」
オルゴール音
霧香「さあ、早く」
ミレイユ「冗談じゃないわ。1人だけ楽になろうって気?あんたが一体何者なのか。そんなことはどうだっていい。私はソルダのやつらに聞くことがある。奴らの正体が分かるまで、あんたを絶対死なせたりはしない。それが分かった時、あたしがあんたを殺す」
霧香「そうだったね」
男「何かあったか!何だこれは……」
ミレイユ「ん?アッハハハ」
店員「はい」
ミレイユ「ハッ」
兵士「イェィ!おい、いたぞ!女かおい。怪我をしているな。まだガキじゃねえか。」
メガネの男「ん? 何だこれは」
兵士「はい、分かりました」
オルゴールの音
霧香(私とあなたの、過去への巡礼)
兵士「はははは。いやしかし金の使い方が間違ってるぜ」
兵士B「えっ?司令部の通信回路が?」
兵士「いや、俺の彼女の携帯電話なんだけどな」
兵士B「携帯?」
兵士「ああ、これが高性能なんだ。司令部のよりはな」
兵士B「料金もだろう?」
男「フッフッフッフッフ……」
アルテナ「そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御霊は迷い子を
業火の淵に誘いたもう」
ヒゲの男「これが死神」
男「NOIRと関わりがあるのは間違いないあ」
男B「こんな、小娘が?」
男「この娘は、死の匂いを纏っている」
メガネの男「ハッ……こいつは」
男「それは?」
メガネの男「東通路に落ちていた」
男「お前の写真だ」
メガネの男「夕叢霧香。そのカードにはそう書いてあるようだ。それがお前の本名か?それとも偽名か?何故偽名を使う。お前はNOIRの仲間か?」
男「告白するがいい。己の罪の全てを。どのみち貴様は地獄の業火に焼かれるのだから」
男「そのカードがそんなに大切か?ああ?!貴様らがバルザンを殺した!不浄な殺し屋が、バルザンを!恥知らずの悪魔め!貴様が!貴様らが!」
ミレイユ「ハアイ」
メガネの男「し、死んだのか?」
男「いや、全身が灼熱の砂と変わるほどの苦痛を与えてから殺してやる」
メガネの男「一緒にいた仲間は?」
男「一七三〇二(ひとななさんまるに)、街で尻尾を出した。すでに部隊は向かっている」
メガネの男「確認しよう」
男「どうした?」
メガネの男「誰も出ない」
男「何……?」
男B「??(聞き取れず)のやつらか?」
男C「バカな。動きに変化があれば連絡が入る」
男「お前たちは行け!」
霧香「NOIR、そは……古の……」
男「ん?」
メガネの男「うわぁ!」
ミレイユ「教えてあげるわ。NOIRは2人で1つの2人組」
メガネの男「NOIR……」
ミレイユ「そう、2人で1つの殺しのユニット」
霧香「NOIR……は……古よりの……定めの……名……死を」
男「こいつ、何を言ってる!」
霧香「NOIR……そは古よりの定めの……名。死を司る2人の乙女」
男「何のことだ?お祈りか?」
霧香「黒き御手は嬰児の……安らかなるを守り給う」
男「うわあ!」
霧香「やっぱり、嘘は嘘。分かっていたのに、最初から分かっていた筈なのに……ミレイユ……私は、誰?」
ミレイユ(あんたと私結ぶ糸。それはきっと黒い色をしている。闇より深ーい、真っ黒な糸よ)