第2話 誰がために薔薇は微笑む


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女子生徒「ウテナさまーーー。おはようございまーす」

ウテナ「おはよう」

女子生徒「はああ……」

キラーン

女子生徒「はあ……」

キラーン

女子生徒「はあ……」

キラーン

女子生徒「かっこいー!」

ウテナ「おはよー」

女子生徒「おはよー」

男子生徒「誰かのラブレターが貼り出されているんだってさ」

男子生徒「ええと、なになに。そして私は、夢の中で西園寺様と踊っていました」

ウテナ「おはよー若葉。珍しく読書なんかしちゃってー。それ、なんていう本?ねえ」

若葉「……」

ウテナ「あ……」

パタン

ウテナ「あ。ん?」

若葉「ずっと、さ。ずーっと好きだった男がいて、でも失恋するんだけどそのすぐ次の日に都合よく他の男が現れて、ヒロインと結ばれるの」

ウテナ「あ」

若葉「昔読んだ時はね、うるせー、つまらーん、とか思ったんだけど、今読むとチョー悶え!」

ウテナ「ああ……」

若葉「……」

若葉「あーやっぱ私はウテナだけのものよー!ウテナさまーん!私だけのものー」

ウテナ「あのさー若葉。お願いだからそのあなたのもの、っていうのはやめてくれる?」

若葉「なんで?」

ウテナ「はあ……ん?」

アンシー「おはようございます」

桐生「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。我らの雛だ。卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ」

桐生・幹・有栖川「世界を革命するために」

桐生「世界の果てからの手紙は、諸君にも届いたかな?」

幹「ええ」

有栖川「届いている」

桐生「我々は皆、手紙に従って集い、手紙の指示通りに行動してきた。この手紙に書いてある通り、昨日西園寺は敗れ、薔薇の少女はその決闘に勝った子とエンゲージした」

有栖川「我々生徒会以外にも、世界の果てから手紙を受け取っていたものがいたのか」

桐生「さあな。だが、薔薇の刻印ははめていた。この目で見た。」

有栖川「何者だ?その少女」

幹「天上ウテナ。中等部では結構有名ですよ。人気者です」

桐生「凛々しくて、可愛い子だったなあ」

有栖川「冗談じゃない。我々の知らない間に、決闘の参加者が増えているなんて。今後もそんなことがあるなら」

桐生「あるならどうする?ゲームを降りるか?世界の果ては、いつも一方的に我々に手紙を送ってくるんだ。それに従うかどうかは、俺達の自由だ」

幹「この薔薇の刻印で決闘広場の扉が開き、手紙に書いてある通り、幻の城は出現しました」

有栖川「わかっている。あれだけのものを見せられたら降りる訳にはいかない」

桐生「そう、世界のは果てからの手紙は言っている。決闘に勝ち、薔薇の花嫁とエンゲージするものが、やがてはあの城にたどり着き、世界を革命する力を手にいれるのだ。我々は、だから戦い続けなくてはならないんだ」

カチッ

リーンゴーン

若葉「もう、こんなに仲良しこよしを別々の部屋にするなんて、神様って残酷よね?」

ウテナ「しょうがないさ。生徒会の決め事だから。ま、一人部屋らしいから、クールな僕の趣味には合ってるよ」

若葉「でも、東館って10年以上使ってなかったから、きっと部屋の掃除は大変よ?」

ウテナ「10年……」

若葉「へー。まあ、1人で掃除するのも、きっとクールなウテナの趣味には合ってるわよねー。じゃ、私の部屋は南館の3階だから、お化け屋敷に飽きたら遊びに来てよね?さらばじゃー」

ウテナ「お化け屋敷かー。
なんだよー、可愛い建物じゃーん。ちぇ、若葉のやつ、脅かしやがって」

カチャ

ウテナ「こんにちわー」

ジャッ

ウテナ「天上ウテナですけどー。誰もいないのかー?まさかこの寮に1人で住めってわけじゃないだろうな?
えーと、2階の奥の部屋、と」

ガチャ

きゅ?

チーン

ウテナ「う
10年かー、あり得る。うーん、うーん、うーん、うーん。よし!」

ガチャ

ウテナ「あ?
あ」

アンシー「すみません、ウテナ様。もうすぐ終わりますから」

ウテナ「なんで君がここにいるの?」

アンシー「今日からご一緒させていただくことになります。よろしく」

ウテナ「よろしく。ってここは一人部屋じゃあ
ないのか」

ガサガサ

ウテナ「君と同室になるなんて、不思議な巡り合わせだなー。ずいぶん綺麗に掃除してあるねー。君1人にやらせて悪かったよー」

アンシー「夕べのうちに、ほとんど済ませておきましたから」

ウテナ「でも。この寮の部屋割りが発表されたのはついさっきだろ?」

アンシー「一緒の部屋になったのは、偶然じゃありません」

ウテナ「ええ?」

アンシー「それが、薔薇の刻印の掟なのです」

ウテナ「あー?」

ドスッ

ウテナ「あうっ」

アンシー「私は、薔薇の花嫁ですから」

ウテナ「は、花嫁?」

アンシー「私は、決闘で勝った方と、エンゲージしなければならないのです」

ウテナ「大丈夫かー?」

カチャ、カチャ

ウテナ「1つ、聞くけど、あの蜃気楼の城や、手品の剣とかは、一体何なの?」

アンシー「不思議ですよねー」

ウテナ「ですよねって、何、君も知らないのかー?知らないのに、なんでそんなことしている訳?」

アンシー「ウテナ様は、何故いつも男装なさっているのですか?」

ウテナ「あ。これは、なんとなく、まあ、好きだから」

アンシー「私も同じです。私たちがいると、迷惑ですか?」

ウテナ「そんなこと言ってないけど。え?私たち……え?」

キュウウウ、ウウウウウ

ウテナ「え?」

ピッ

キュイイ

!サクサクサクサク

チュチュ「ちゅー」

ウテナ「あ、うう」

アンシー「紹介します。友達の、チュチュです」

ウテナ「君のペット?」

アンシー「友達です」

ウテナ「ああ」

アンシーまあ、大変」

ウテナ「どうぞ?
えっへへへ」

チュチュ「アイヤ」

ドーン

チュチュ「げぷ」

ウテナ「よろしく、チュチュ。僕は天上ウテナ。僕も君の友達にしてくれるかい?」

チュチュ「チュイー」

ウテナ「はは」

チュチュ「ちゅ、ちゅ、ちゅー」

アンシー「チュチュが人に懐くなんて初めてですー」

ウテナ「あーのさー、そのウテナ様ってのはやめてくれよー」

アンシー「でも、ウテナ様は私とエンゲージした方ですから」

ウテナ「はー。またそれか
あの西園寺ってやつは、これと同じ指輪をしてたけど、これが何なのか君は知っているのかい?」

アンシー「ここの生徒会の人たちは、みんな持っています。それは薔薇の刻印。その指輪を持っているのは、決闘の参加資格のある人です。」

ウテナ「え」

アンシー「だから、現在の勝者であるウテナ様には、これから薔薇の刻印を持つ人たちが、次々と決闘を申し込んでくるはずです」

ウテナ「冗談じゃない!僕はそんな無意味な決闘をするつもりはないから!」

アイキャッチ

カチッ シャーーーー

ヒュン!

西園寺「フン!」

ヒュン!ヒュン!ヒュン!フオッ!

西園寺「お前か、生徒会長」

桐生「邪魔だったかな?副会長」

西園寺「いや、君も一応うちの部に籍を置いているんだ」

桐生「剣道部主将が、また中学生と喧嘩するのか」

西園寺「あたりまえだ。世界を革命する力は、この僕のものだ。あんな娘が花嫁とエンゲージするなんて間違っている」

桐生「それは仕方ないさ。とにかく彼女は、姫宮アンシーは、決闘の勝利者とエンゲージする」

西園寺「違う!」

ブンッ

西園寺「彼女は僕のものだ。彼女は永遠に僕の言うことを聞くと、ちゃんと交換日記にも書いていた」

桐生「捨てたのか、交換日記」

ウテナ「まいったなー。この寮って、本当に僕と彼女しかいないわけー?これも薔薇の刻印の掟とかいうヤツか」

ピュピュピュ

チュチュ「チュチュチュチュ」

ピョーン

チュチュ「チューチュチュチュー!」

ウテナ「あむ……ん。チュチュ!早く彼女を呼んできてくれよ!じゃないよこの広い食堂で1人きりの食事になっちゃうよー」

チュチュ「チュチュッ、チューチュ、チューチュ、チューーーー!」

ウテナ「え?」

チュチュ「チュー、チュー」

西園寺「何故だアンシー!どうして僕のいうことが聞けない!」

アンシー「ごめんなさい西園寺先輩。今の私は、ウテナ様とエンゲージしていますから」

西園寺「しかし君は、僕とエンゲージしている時、君の全てを僕に捧げると誓ったではないか」

アンシー「ええ。でもそれは過去のこと。あなたとのエンゲージは、終わったのです。諦めてください」

西園寺「はあ。恥知らず!」

パアン!

アンシー「ああっ」

西園寺「破廉恥にもほどがある」

ウテナ「破廉恥なのはお前だ!」

ジャーン

チューン

チュチュ「チュー……」

西園寺「君か。まあちょうどいい。この前の決闘では僕も油断した。薔薇の花嫁が誰のものなのか、はっきり決着をつけようじゃないか。明日の放課後決闘広場でリターンマッチだ」

チュチュ「チュッチュッ」

キン、キン

チュチュ「チュー。ぶしっ」

ウテナ「ばかばかしい。理由のない決闘をするつもりはないね。僕が昨日あなたと決闘したのは若葉の、友達のためさ。薔薇の花嫁なんて興味ないね」

西園寺「そっちになくても僕にはある。
デュエリストとして薔薇の花嫁とエンゲージするつもりなら、君は断れない。生徒会の規則に逆らうものはこの学園にいられなくなる。それは校則にもさだめられている」

ウテナ「わかった。受けて立つ。明日の放課後、決闘広場で会おう!」

西園寺「フッ」

チュチュ「およっ」

ムギュ

カツカツカツカツ

ぴょーんぴょーん

チュチュ「チューチュチュー!」

アンシー「決闘を、受けないんじゃないんですか?」

ウテナ「仕方ないさ。決闘を受けなきゃこの学園にいられないって言うんだから
わざと負けるさ!それで問題はないわけだ」

アンシー「ええ、お好きなように」

チュチュ「チュッ」

A子「かしらかしらー、ご存知かしらー」

B子「今日、裏の森でまた決闘があるんですってー」

A子「いよいよ決着をつけるときがきたぜ」

B子「バキューン」

A子「うおー、やられたー」

ヒューーー

A子「でも平気。だってわざと負けたんだもーん」

B子「でもでも勇者さまー」

A子「わざと負けちゃう難しさ」

B子「果たしてあなたはご存知かしらー?」

A子「かしらかしら」

AB「ご存知かしらー?」

ガチャン

ピチョーン

ピーン

ザアッ、ドオオオ

(♩絶対運命黙示録)

西園寺「ルールは知っているな?」

ウテナ「胸の薔薇を散らされた方が負けなんだろう?」

アンシー「お気をつけて」

ウテナ「ああ。わざと負ける勝負で怪我をするのはばかばかしいからね」

カッ キイン カラン

アンシー「気高き城の薔薇よ。私に眠るディオスの力に、主人に答えて、今こそ示せ」

ウテナ「世界を革命する力を!」

ゴーンゴーンゴーン

(♩)

キィン シャッ!

西園寺「はあっ!」

キン!キン!キン!キン!

ウテナ「はっ、はっ」

西園寺「ていっ!ていっ!ていっ!ていっ!」

キン、キン、キン、キン

ウテナ「ハッ、ハッ、ハッ!」

西園寺「フンッ!」

キンッキンッキンッ

西園寺「はああああああ!」

ウテナ「ううっ」

西園寺「もらったぁ!」

ビュン!

ウテナ「ううっ」

西園寺「いい度胸だ。命より薔薇をかばうとはな!
わかっているな!生死に関係なく、薔薇を散らされたものの負けだ」

ウテナ「……」

カチン

西園寺「フッ、うおおおおおお!」

ガシィィン

西園寺「ディオスの剣といっても、剣自体に特別な力があるわけじゃない!それは最も優れたもののもつべき王者の剣!昨日は油断したが、実力の差ははっきりしている! うらあ!」

ドカッ

ウテナ「うわあっ」

アンシー「ああっ」

西園寺「その剣も、そしてアンシーも僕のもの。この西園寺恭一のための花だ」

ウテナ「うっ」

西園寺「覚悟!」

ヒイイイン!

ジャキーーーーン

西園寺「うっ!」

ウテナ「ああ……」

アンシー「ああ」

桐生「ああ……なんだ、今のは。あれが世界を革命する力。ディオスの力なのか!」

チュチュ「チューチュチューチュチューチュ」

アンシー「わざと負けるんじゃなかったんですか?」

ウテナ「君のためじゃない。チュチュのためさ」

アンシー「えっ?」

ウテナ「西園寺なんかがきみと一緒にいたら、チュチュがいじめられそうだからねー」

チュチュ「ウーン、ウーン。チュ?」

ウテナ「あっはははは」

チュチュ「チュ!」


次回予告
ウテナ「すごいじゃないか、姫宮。ダンスパーティーのクイーンにノミネートされたんだって?」
アンシー「でも私行きません。パーティー会場には知り合いもいませんし」
ウテナ「だから行くべきだよ!友達がたくさん出来るって!」
アンシー「ウテナ様がそうおっしゃるのなら。でも、そのダンスパーティーの裏には罠が」
ウテナ「次回、少女革命ウテナ。舞踏会の夜に」
七実「絶対運命黙示録」