第5話 レ・ソルダ


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2体の石像

ボボッ

霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」

ブシュッ

プルルルルル、プルル カチャ

バネル「ミレイユか。バネルだ。情報が手に入った。そう、例の件だ。いや、詳しいことは会って話す。明日の午後、家に来ないか。女房も会いたがっている」

ギィィ(空いている扉)

ミレイユ「うん……」

ギィィ

カツカツカツカツ

ミレイユ「んっ!」

カチャ(銃を構える)

ミレイユ「ハッ!

あ……あ……」

霧香「遅かったね」

バッ(振り返るミレイユ)

カツカツカツカツカツカツ

バー(船の音)

ミレイユ「あたしのせいだわ。あたしはデュクスが最近誰と接触したかを調べていた。バネルにも情報を頼んでいたの。そしてバネルは殺された。家族もろとも」

オルゴールの音

霧香「仕方ないよ。考えても仕方ないよ」

ミレイユ「そうね。
奴らは、あたしたちNOIRを消そうとした」


女性「最初に会ったのは、偶然よね」

ミレイユ「教えてちょうだい。NOIRを消せと誰に頼まれたの?」

女性「あなたなら、教える?」

ミレイユ「いいえ」

女性「うっふふふふ……」

ミレイユ「あなたの名前は?」

女性「うっ……げほげほげほ。聞いてどうするの。あなたにも私にも名前を刻む墓は……うっ!……ないのよ」


ミレイユ「バネルは、奴らの手がかりを掴んだのよ」


カチャ(窓を開ける音)

ミレイユ「あ……」

霧香「おはよう」

ジョジョジョジョジョ(植木に水をあげる)

霧香「あ……」

ミレイユ「花の世話は結構だけれど、今にその花は真っ黒に染まるかもね」

ミレイユ(NOIR。その名は私も知っていた。この業界で最も古い称号の1つ。でも、その起源を知るものは誰もいない)

ミレイユ「このパズルは得体の知れないピースばかり。NOIRというピース。あんたというピース。それともう1つ」

オルゴールの音


ミレイユ「バネルの周辺を当たってみる。

あんたはいいわ」

キイ。バタン。


店員「むごい話しだ。一家皆殺しとは。バネルは義理堅い男でね。顔役になった後も、昔の兄貴分の俺をちゃんと立ててくれた。大した貫禄だったが、えらい子煩悩で息子と娘をそれはもう可愛がってたな。やつの女房がまたよく出来た女でね」

ミレイユ「知っているわ。あの夫婦は信頼出来る数少ない人間だった」

店員「そうだったなぁ。ところで、えーと……」

ミレイユ「先週の話し」

店員「そうだ。先週だ。あんたの言うとおり奴は確かに来たよ。2年ぶりに突然顔を出したもんだからよく覚えてる」

ミレイユ「何か、言ってなかった」

店員「いやあ……特に……えー……。考えてみれば顔色はよくなかったかな」

ミレイユ「そう……」

店員「そうだ!奴はあんたの名前でボトルを入れていったよ」

ミレイユ「えっ。そのボトルは!?」

店員「ああ、これだよ。今度あんたと飲みたいって言ってたな」


バネル(ミレイユ。サンギャラン教会、思い出に)


ミレイユ「ん……」

コツコツコツコツ(ミレイユのヒールの音)

トストストストス(男の革靴の音)

ミレイユ「んっ」

カチャ(銃を構える)

トストストストス

カチャッ(銃を構える)

カチャ

アイキャッチ

霧香「サンギャラン教会の思い出って?」

ミレイユ「行ったこともないわ」


霧香「これ」

ミレイユ「それも何だか分からないのよね」

霧香「Dと5に丸、Gと7に三角」

ミレイユ「バネルはよっぽど大変なネタをつかんだらしい。怖くなってそれを隠した。多分サンギャラン教会に」

霧香「サンギャラン教会にあるもの……」

ミレイユ「礼拝堂。それに鐘楼(しょうろう)」

霧香「クロワートル、僧坊」

ミレイユ「違うわね。薬草園」

霧香「カタコンベ」

ミレイユ「ハッ!」

霧香「えっ?」

カチッ ブー(電球がつく音)


ミレイユ「D、ドロワ。右5。1、2、3、4、5。右の5。Gはゴーシュ。左の7。1、2、3、4、5、6、7

カチッ

ガサガサ

ミレイユ「あっ」

カサッ

ミレイユ「ふぅ……。あ」

カチャ

ミレイユ「やっぱり来たわね」

男「何?」

ミレイユ「監視されているのわ分かっていた。目的がそれってこともね」

バンッ

男「うおっ」

ミレイユ「こっちの目的はあんたよ。誰の命令で動いているのか、洗いざらい吐いてもらうわ」

男「そう、上手くいくかな」

バンッ キュンッ

バンバン

ガタッ

カツカツカツ

ミレイユ「ハッ」

バンッ

男「どわぁぁ」


ミレイユ「その封筒の中のコピーが何だっていうの」

男「大事なものさ。地上のどんな人間の命よりもな」

ミレイユ「バネルと家族を皆殺しにしたのはあんたね」

男「それが彼らの命令だった。秘密は保たれなければならない」

ミレイユ「彼ら?彼らって何?」

男「知りたいか?知りたいだろうな。彼らは絶対の存在だ。だが、彼らについて知るものはごく少ない。例えば俺だ
俺を撃てば鍵は消える」


バンッ

男「ううっ……フッ」

バサ

ミレイユ「ふう……」

霧香「あ」


ミレイユ「人の中の人、愛の中の愛、罪の中の罪。隠者は罪人(つみびと)に告げた。ソルダは真実と共にあると。ソルダ。それが奴らの名前。私たちの敵」

ジャボボ

霧香「ん?」

ミレイユ「国で。コルシカであたしの両親と兄は殺された。どういう理由で、誰に殺されたのかは分からない。あたしがこの時計を見たのは、あの時が最後だった。あんたはこれを、過去から運んできたのよ」

霧香「でも今は何も持ってない。ごめん。ごめんね、ミレイユ」


ミレイユ「過去への扉は開いてみせる。この手で、きっと」