第9話 イントッカービレ(acte II)


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

2体の石像

ボボッ

霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」

ブシュッ

ミレイユ「はあ……」


ミレイユ(犯すべからず者、イントッカービレ。世界で最も凶暴な姫君)

シルヴァーナ「私には恐れはない」

ミレイユ(あの人には、勝てない。あの人にだけは)


霧香「うっ……」


パウロ「感謝します。レディ・シルヴァーナ。シシリアの土なら、フランチェスコもゆっくり眠れるでしょう」

ドミニクス「しかし、あなたまでどうしてシシリアへ?」

シルヴァーナ「調べたいことがある」

パウロ「あの、契約書ですね」

シルヴァーナ「そしてもう1つ。決着は、シシリアでつける」


霧香「ミレイユ、シルヴァーナはあなたの顔を見たのかも」

ミレイユ「分からないって言ったでしょう。もし見られていたなら、敵もそれなりの動きを見せたはずよ」

霧香「シシリアに行くのは危ない。私にはあなたが、なんだか」

ミレイユ「あんたも早く支度したら?」


パウロ「レディ・シルヴァーナ。ベローニ司祭が聖堂でお待ちです」

司祭「リッツォンがこれを持っていたのだとしたら、ドンルシオの元から密かに盗んだんでしょう。ここにグレオーネ家の子孫ミケーレとパレルマの貴族メシーナのサインがあります。これはグレオーネ家が領主から土地の管理を委ねられた際に作られた契約書なのだそうです
歴史的に価値のある古文書です。だがそれだけではない」

シルヴァーナ「主は真実に対して、常に耳を塞ぐなとお考えのはずです」

司祭「ううん……。よろしい、契約書の日付は1791年9月9日。王権貴族の領主から領地の管理を任された農地管理人。貴族は、農民の生活に関心を持たず、農地管理人が地方の支配者となっていった。ご存知の通りこれがマフィアの、コーザノストラの起源です。18世紀末、各地でこうした契約がなされた。その契約書はグレオーネ家が、その最古の1つであることを示しているのです」

ドミニクス「分かりませんね。あれがコーザノストラの起源を示すものだとしても、NOIRがどうしてそんなものを欲しがるのでしょうか」

パウロ「コーザノストラの歴史は200年。だがNOIRはそれ以上に及ぶと聞いたことがあります。NOIRはヨーロッパ1000年の闇だと」

シルヴァーナ「フッ、おもしろい」


キャーハハハ

ミレイユ「わぁー」

シルヴァーナ「シルヴァーナ・グレオーネより、コルシカのファミリーの娘へ、この冠を授けましょう」

ミレイユ「では、この冠をシシリアのファミリーの娘へ」

シルヴァーナ「ありがとう」


ミレイユ「あ……怖い」

シルヴァーナ「私はあなたに冠を授けた。あなたはその名誉にふさわしい勇気を持たなくてはならない」

ミレイユ「シルヴァーナ?」

シルヴァーナ「私には恐れはない。あなたはどうなの?ミレイユ。どうなの?ミレイユ
ミレイユ」


霧香「ミレイユ」

ミレイユ「先に、ホテルに帰ってて」

霧香「分かった」


ミレイユ「ううん……」

シルヴァーナ「ここへ来ると、思っていた」

ミレイユ「ハッ!あっ」

シルヴァーナ「コルシカの娘、ミレイユ。ミレイユ・ブーケ」

ミレイユ「やっぱり、見られていたのね」

シルヴァーナ「月の光は無慈悲。隠れたる者を暴き出す」

ミレイユ「そんな……私の顔、覚えていたなんて。一度。そうたった一度会っただけなのに」

シルヴァーナ「あなたは、あの時も震えていた。そのあなたが、NOIRという名の刃となって私の前に」


ミレイユ「!!死の……接吻……」

シルヴァーナ「その意味は知っているでしょう?明日の正午、リベオの荘園で待っている。契約書と共に」


ミレイユ「先に帰ったんじゃなかったの?」

霧香「あれが……イントッカービレ」


パウロ「レディ・シルヴァーナ、この場所は、確か……」

シルヴァーナ「そうだ。5年前、私はここで父を殺した」

パウロ「おお……イントッカービレ」

ドミニクス「あなたに血の祝福を」


霧香「うっ、くぅ……」

パウロ・ドミニクス「よし」

パウロ「ん?うん……?フン……」

ドミニクス「うああ!うわあああ!」


シルヴァーナ「待っていた」

ミレイユ「!!」

シルヴァーナ「シシリアの格言にある。報復こそ、最高の許しなり。ハッ!」

霧香「ミレイユ!」

ミレイユ「あ……」

シルヴァーナ「ハッ!」


ミレイユ「うわああああ!」

シルヴァーナ「ああっ……。これを、何故欲しがったの?」

ミレイユ「私の、両親が」

シルヴァーナ「NOIRに……コルシカの娘に、今こそ冠を授けましょう。受け取ってくれるわね。ミレイユ……あ、あの時のように……」


ミレイユ「下品な殺し。あんたみたい……」


ミレイユ「立会人。ソルダの男。マフィア発生の瞬間、ソルダがそこに立ち会っていた。どういうことなの?ソルダはそんな昔から存在してたって言うの?」