第10話 真のノワール


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2体の石像

ボボッ

霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」

ブシュッ

メガネの男「以上の事実が示す通り、被告モーリス・ルービックの容疑は明白であります。被告は警察官という職にありながら……」

判事「証拠の正当性に疑問がある。よって当与信法廷は汚職での訴追(そつい)を不可能と判断し、本件を不起訴とする!」

メガネの男「ええっ!?」

判事「被告を傷害容疑で軽罪裁判所へ移送のこと」

メガネの男「待ってください!被告は大規模な汚職に関与しています。これはしゅほうと警察組織全体を……」

判事「以上だ」


ミレイユ「ハッ……あ?」

ポン

ミレイユ「ハッ。
入金があったわ。約束の半金。依頼人は。私達の仕事だと思ってるみたいね。悪徳警官のルビックは大勢に恨まれていた。それで、誰かが先に……」

霧香「違うわ。あの殺しはそんなのじゃない」

ミレイユ「えっ?じゃあ、何だって言うのよ。
とにかく依頼された仕事は、まだ半分残ってる。肝心の、黒幕が。
予審判事がついているんだから、警官も安心して汚職に励めるわけね。私達の仕事よ。デスタンはやる。ルビックの半金はどうするかは、後で考えましょう?
冷えてきたわね。
お茶でも淹れましょうか?」

霧香「ミレイユ」

ミレイユ「分かってる」

霧香「うん」


ミレイユ「先回りしたのは誰か。あれだけの殺しをやってのける者、業界でもそうはいないわ
大丈夫。すぐに割り出せる。すぐに」


アルテナ「私は常に祈っています。クロエ、あなたのために。無事に努めを果たし、私の元に元気で帰ってくることを」


ミレイユ「NOIR?」

おじさん「そうだ。裁判所の殺しはNOIRの仕事だって、もっぱらの噂だぜぇ。ふっ、さすがはNOIRだよ。大したもんだ。最近また仕事を始めたって話しは聞いていたが、本当だったんだなぁ。ルビックがやられて大喜びさ。同じ悪党でも、警官の悪党は最低の野郎ばかりだからなぁ。今頃やつは地獄の底の糞ダメの中だろうよ」


ミレイユ「噂が流れている。暗黒街に複数の筋がある。あれはNOIRの仕事だと。
それって私達のこと?それとも、ルビックをやった正体不明の殺し屋のこと?」

霧香「分からない。でも、狙いは私達だわ」

ミレイユ「いやな風」


ミレイユ「己の影を見たものは死ぬ。そんな話し、あったわよね。ポーだったかしら」

ミレイユ「NOIR、そしてソルダ。200年前、マフィアの誕生にさえ関わっていた謎の集団。この2つの関係は何?」


クロエ「えへっ」


アルテナ「今度は特別なお務めです。あなたはあの子とあの子のお友達に会うの。ああ、この日をどれだけ待ったことかしら。全てはあなた次第。あなたがその瞳で見ればいい。あなたが見て決めればいい。分かっているわね」


判事「ん?う……ん?誰だ!何だね、君は」

クロエ「デスタン判事。あなたは罪を犯してきた。数え切れないほどの、罪を」

判事「何のことだ!」

クロエ「ルビックは死んだ。次はあなたです」

判事「ルビックをやったのは、お前か?」

クロエ「そう。だがあなたを狙っているものは他にもいます。私は警告に来ただけ。NOIRがあなたの命を狙っています。
NOIRは必ずあなたの元に死をもたらす。避ける術はありません。依頼の期限は迫っています。NOIRはすぐにでも動くでしょう」

判事「お前は一体誰なんだ!」

クロエ「名を受け継ぐ者。いにしえより、定の名を」


ミレイユ(依頼の期限よ)


霧香(例の暗殺者が、また現れるかもしれない)

ミレイユ(それを待つ。その時を狙う。私達のスタイル)


判事「ん?フッ、来たか」

ミレイユ「なるほど。みんな勤務外の仕事には熱心なのね」

判事「フッフッフッフッフ。殺し屋風情が、身の程を思い知れ。貴様らなど裁判を受ける資格さえ、ないのだぞ?
依頼人の名を聞かせてもらおう」

男「うおお!」

男「ぐおお!」

男「うわっ」

判事「お前は!」

クロエ「言ったでしょう?NOIRがあなたを殺す、と」


ミレイユ「あんた、名前は?」

クロエ「クロエ」

ミレイユ「で、何者?」

クロエ「真のNOIR」


ミレイユ「あっ!?」

クロエ「どちらが早いか試してみてもいい。
私は真のNOIR」