覚醒の鼓動


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(雨の音)

未来(八千八声(はっせんやこえ) 啼いて血を吐く ホトトギス)

未来(その小さな鳥は、死ぬまで、歌を歌い続けるという。

私の大切な親友も、歌を歌い続けた)

(バスが発進する音)

未来(血を流しながら、歌い続けた)

未来「うっ……。会いたいよ、もう会えないなんて私は嫌だよ、響……!

うっ……くっ……うあああああ!」

未来(私の大切な親友は、戦場で、歌を歌い続けた)

(2年前)

(カモメの鳴き声)

響「未来ー、今どこ? 私もう会場だよ?」

未来「ごめん、ちょっと行けなくなっちゃった」

響「ええ!? どうして!? 今日のライブって未来が誘ったんだよ?」

未来「盛岡のおばさんが怪我をして、お父さんが今から車を出すって」

響「私よく知らないのに……」

未来「ホントにごめんね?」

響「私って呪われてるかも」

奏「間が持たない、っていうか、なんていうかさ。開演するまでのこの時間が苦手なんだよねー。こちとらさっさと大暴れしたいって言うのに、そいつもままならねぇ」

翼「そうだね」

奏「ん? もしかして翼、緊張とかしちゃったり?」

翼「当たり前でしょ? 櫻井女史も今日は大事だって」

(でこパチ)

奏「はーん、まじめが過ぎるねぇ」

弦十郎「奏、翼。ここにいたのか」

翼「司令!」

奏「こりゃまた弦十郎のダンナ!」

弦十郎「分かっていると思うが、今日は」

奏「分かっているから、大丈夫だって」

弦十郎「フッ。分かっているなら、それでいい。今日のライブの結果が、人類の未来をかけてるってことにな」

(携帯の着信音)

了子「まいどー、櫻井了子です。こちらの準備は完了よ?」

弦十郎「分かった、すぐに向かおう」

奏「ステージの上は、任せてくれ!」

弦十郎「うん!」

(料金支払いの携帯音)

店員「ありがとうございましたー」

響「ふふん……ん? うわあ!」

奏「さて、難しいことはダンナや了子さんに任せてさ、あたしらはパーッと! ん?

まじめが過ぎるぞ? 翼。あんまりガチガチだと、そのうちポッキリいっちゃいそうだ」

翼「奏」

奏「私の相棒は翼なんだから、翼がそんな顔してると、あたしまで楽しめない」

翼「うん。私たちが楽しんでないと、ライブに来てくれたみんなも、楽しめないよね」

奏「わかってんじゃねーか」

翼「奏と一緒なら、なんとかなりそうな気がする。行こう、奏」

奏「ああ、あたしとあんた、両翼そろったツヴァイウィングならどこまでも飛んで行ける!」

翼「どんなものでも、超えてみせる」


(ルミカライトを折り、発光させつつ)

響「いえーい!」


奏『聴こえますか…? 激情奏でるムジーク』

翼『天に解き放て』

翼『聴こえますか…? イノチ始まる脈動』

奏『愛を突き上げて』

翼『遙か彼方』

奏『星が』

奏・翼『音楽となった…彼の日』

翼『風が』

奏『髪をさらう』

奏・翼『瞬間 君と僕はコドウを詩(うた)にした
そして夢は開くよ
見た事ない世界の果てへ…』

奏・翼『Yes, just believe 神様も知らない ヒカリで歴史を創ろう
逆光のシャワー 未来照らす
一緒に飛ばないか?
Just feeling 涙で濡れたハネ 重くて羽撃けない(はばたけない)日は Wish』

翼『その右手に添えよう』

奏『僕のチカラも』

奏・翼『二人でなら 翼になれる Singing heart』

響「ドキドキして、目が離せない!すごいよ、これが、ライブなんだ!」

男性職員「フォニックゲイン、想定内の延び率を示しています」

了子「成功みたいね。おっつかれさまー」

(どよめく管制室)

女性職員「成功だわ!」

奏「まだまだ行くぞー!」

響「わあぁ……」

(アラーム音)


弦十郎「どうした?」

男性職員「上昇するエネルギー内圧にセーフティーが持ちこたえられません!」

弦十郎「!」

女性職員「このままでは聖遺物が起動、いえ暴走します!」

(爆発音)

奏「はっ……。ノイズが、来る!」

男性「ノイズだー!」

男性「助けてくれー!」

女性「死にたくない! 死にたくない! いやー!」

奏「急ぐぞ翼! この場に槍と剣をたずさえているのはあたしたちだけだ!」

翼「あ、でも、司令からは何も……奏!」

奏「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」
(クローツァール ロールツェール ガングニール ツィール)

(奏変身)

奏「ヘッハッ!ハア!」

奏「はぁっ!」


奏『まぼろし? 夢? 優しい手に包まれ
眠りつくような 優しい日々も今は
儚く消え まるで魔法が解かれ
すべての日常が 奇跡だと知った』

(奏技:STARDuST∞FoToN)

奏『曇りなき青い空を』

弦十郎「了子、了子くん、無事か……」

奏『見上げ嘆くより』

弦十郎「ああ……イブシタンの……鎧?」

奏『風に逆らって…輝いた未来へ帰ろう』

翼「はぁっ」

奏『きっと どこまでも行ける 見えない 翼に気付けば』

翼「はっ!」

奏『悲しみには とどまらずに 高く舞い上がれ』

(奏技:LAST∞METEOR)

奏『We are one 乗り遅れないで 時は止まってくれない
今を生き抜く為に 私たちは 出会ったのかもしれない』

響「あれは……え?」

奏『君ト云ウ 音奏デ 尽キルマデ
止まらずに Sing out with us』

奏「はっ……時限式はここまでかよ。あっ!

はぁ、はぁ……」

響「きゃーーーー」

(崩れる客席)

響「痛い……」

(近寄るノイズ)

響「ああ!」

奏「たあ!」

響「駆け出せ!」

響「ああ、はあ、はあ……」

(響に攻撃するノイズ)

奏「くぅう!」

翼「奏!」

奏「くぅっ!」

翼「奏ぇ!」

奏「うおぁぁぁぁぁ!!」

(血しぶきと共に倒れる響)

奏「おい、死ぬな! 目を開けてくれ! 生きるのを諦めるな!」

響「ほぇ……ぇ……」

奏「!」

奏(いつか、心と体、全部からっぽにして、思いっきり歌いたかったんだよな。今日は、こんなに沢山の連中が聴いてくれるんだ。だからあたしも、出し惜しみなしで行く。とっておきのを、くれてやる。絶唱)

奏「Gatrandis babel ziggural edenal
Emustolonzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl」
(ガトゥランディス バベル ズィーグェル エデュナル
エミュストロゼン フィーン エル バラル ヅィール
ガトゥランディス バベル ズィークラット エデナル
エミュストロゼン フィン エル ゼル)

翼「いけない奏! 歌ってはだめー!」

響「歌が、聞こえる……」

奏(そうさ。命を燃やす、最後の歌)

奏「フッ」

(消失するノイズ)


(手術室)

響「生き、てる」

『仰ぎ見よ太陽を よろずの愛を学べ
朝な夕なに声高く 調べと共に強く……』

(ピアノの鍵盤を叩きつける音)

先生「立花さん!」

響「はいぃ! あの……この子が木に登ったまま降りられなくなって……」

先生「それで?」

響「きっと、お腹を空かせてるんじゃないかって……」

先生「立花さん!」

響「くは-、疲れたー。入学初日からクライマックスが100連発気分だよー。私呪われてるぅ~」

未来「半分は響きのドジだけど、残りはいつものおせっかいでしょう?」

響「人助けと言ってよー。人助けは私の趣味なんだからぁ」

未来「響の場合、度が過ぎてるの。同じクラスの子に、自分の教科書貸さないでしょう? 普通」

響「私は未来から見せてもらうからいいんだよーん」

未来「ばか」

響「あっ、CD発売はもう明日だっけ? くー、やっぱかっこいいな、翼さんは」

未来「フフ。翼さんに憧れて、リディアンに進学したんだもんね。大したものだわ」

響「だけど、影すらお目にかかれなかった。そりゃトップアーティストなんだから簡単に会えるなんて思ってないけどさー」


響(あの日わたしを助けてくれたのは、ツヴァイウィングの2人に間違いなかった。だけど退院してから聞いたニュースは、奏さんや多くの人々をが世界災厄であるノイズの犠牲になったとだけ。戦っているツヴァイウィング、あれは幻? 私が翼さんに会いたいのは、あの日何が起こっていたのか、分かるような気がしているから)

(銃弾の音とノイズ)

自衛隊員「ぬうう! やはり、通常兵器では無理なのか!」

翼『Imyteus amenohabakiri tron』
(イミュテールス アメノハバキリ トロン)

(ヘリが飛んで行く)

(BGM:絶刀・天羽々斬)

弦十郎「翼、後は1課と連携しつつ、相手の出方を見て」

翼「いえ、私1人で問題ありません」

弦十郎「翼!」

(翼技:逆羅刹)

(翼技:千の落涙)

(翼技:蒼の一閃)

(学校)

未来「自衛隊、特異対策機動部による、避難誘導は完了しており、被害は最小限に抑えられた。だって」

響「もぐもぐ、むぐむぐ」

未来「ここから、そう離れていないね」

響「うん」

女生徒「ねえ、風鳴翼よ?」

女生徒「エナジーオーラ出まくりで、近寄りがたくて、孤高の歌姫と言ったところね」

響「は!

あ、あ……」

(翼、口元に指を当てる)

響「え?」

響「あー、もうだめだ。翼さんに完璧おかしな子だと思われた」

未来「間違ってないんだからいいんじゃない?」

響「それ、もう少しかかりそう?」

未来「うん。ん? あ、そっか。今日は翼さんのCD発売だったね。でも、今どきCD?」

響「うーるっさいなー。初回特典の充実度が違うんだよー。CDはー」

未来「だとしたら、売り切れちゃうんじゃない?」

響「うへは!?」

(走る響)

響「CD♪ ハァハァ、特典、ハァハァ、CD♪ ハァハァ、特典、ハァハァ、CD♪、ハァハァ、特典、ハァハァ、CD♪、ハァハァ、特典、CD……はー、はぁ」

(炭まじりの風)

響「え?

ノイズ!」

子どもの声「イヤー!」

響「はっ!」

(対策室に入る翼)

翼「状況を教えてください!」

男性職員「現在、(??)を絞り込み、位置の特定を最優先としています」

翼「くっ……」

響「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

(両道にノイズ)

子ども「お姉ちゃん!」

響「大丈夫、お姉ちゃんが一緒に居るから!」

子ども「うん!」

響「えい!」

(川に飛び込む音)

響「ぷはっ、はぁ、はぁ」

(走る)

響「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。直ぐに来るから、はぐれちゃうから! はぁはぁ、はぁ、はぁ……」

奏(生きるのを諦めるな!)

響「うー!

はぁ、はぁ、はぁ」

響(あの日、あの時、間違いなく私はあの人に救われた。私を救ってくれたあの人は、とても優しくて力強い歌を口ずさんでいた)

(給水タンクに登り)

響「はぁ、はぁ、はー」

子ども「死んじゃうの?」

(首をふる響)

(ノイズの一軍)

子ども「いやぁああ!」

響(私に出来ること、出来ることがきっとあるはずだ)

響「生きるのを諦めないで!」

響「Balwisyall Nescell gungnir tron」
(バーウッシュアル ネスケール ガングニール トロン)

女性職員「反応絞り込みました! 位置、特定!」

男性職員「ノイズとは異なる、高質量エネルギーを検知!」

女性職員「波形の称号……急いで!」

了子「まさかこれって! アウフヴァッヘン波形?」

弦十郎「ガンルニールだと!」

翼「……!」

響「うう、ううううう!

ああああああ!」