メガネの子供たち


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ヤサコ「子供たちの噂によると、大黒市では最近、ペットの行方不明事件が多発しているそうです」

ヤサコ「あ、あれは……」

京子「霧だ! お姉ちゃん霧があるよ!」

ヤサコ「あれは空間が壊れた時に出る霧だわ。

なんか引っ越し早々幸先悪いわねー」

車内アナウンス「まもなく、大黒、大黒」

ヤサコ「あ、いっけない。降りるわよ!」

車内アナウンス「落し物、忘れ物無いようご注意ください

まもなく大黒、大黒」

ヤサコ「はい、京子」

京子「はい、デンスケ」

デンスケ「ワォン! クゥーン……」

ヤサコ「ほら京子、急ぐわよ!」

(神社)

イサコ「来た!」

(猫の鳴き声)

イサコ「そうだ、そのまま猫の中に入れ!

ううっ。

あとちょっとだったのに!」

ヤサコ「あ、お母さん? 今大黒駅にいる。なんで来てないのー?」

ヤサコ母「ごめんごめん。引越し屋さんが道間違えちゃってー。来たことあるんだし、道分かるんでしょ? おばあちゃん待ってるから、先行ってて」

ヤサコ「えー、でも

タクシー? うん、うん、仕方ないなー。やだなぁ。おばば苦手なのよねー。

そのタクシーが全然来ないじゃない」

京子「うんち!」

ヤサコ「もうそのうんちってのやめてよー。恥ずかしいわねー」

京子「何かやって。デンスケで何かやってー」

ヤサコ「何かって……。そうねえ。じゃあ、デンスケ、バク転!」

デンスケ「アウゥーン……」

京子「うんち!」

ヤサコ「京子、待ちなさい!

ど、どうもすみませんでしたー。京子―、どこ行ったのー? 待ってろって言ったのにー。

京子―! もう勝手に動かないでよー」

京子「うんち!」

ヤサコ「これ、何かしら。まさか本物のうん……よかった。電脳物質ね」

京子「あ……」

ヤサコ「え?」

京子「続いてるよー」

デンスケ「(匂いをたどりつつ)アウッ」

京子「でっかいうんち!」

ヤサコ「一体何なのよ、これー。

蒸発していくわ……。デンスケ、ヘルプある?」

デンスケ「アゥーン」

ヤサコ「ヘルプもないの? 違法の電脳物質かしら……うわっ

デンスケ「ウゥ……? ワン!」

京子「わぁ……ひゃはははー」

デンスケ「ワン! ワン!」

ヤサコ「待ちなさーい!」

京子「へへへへー!」

フミエ「おっ、いたいた! 電脳猫だわ。名前は……ヘップバーン? 変な名前ねぇ」

ダイチ「うりゃー! まてー! この猫がー!」

フミエ「ちょっとぉ! あたしのエモノに何すんの?」

ダイチ「あっ、フミエ!」

フミエ「あたしが先に依頼を受けたのよ!」

ダイチ「商売を始めたのはオレが先だー!

(猫の鳴き声)

ダイチ・フミエ「あ……? ヘップバーンー、ヘップバーン」

(神社)

ヤサコ「本当にどこ行っちゃったのかしらー。

デンスケー、京子―。

困ったなー……ん?

デンスケ? ……そい! よし、つかまえたー」

(猫の鳴き声)

ヤサコ「あら?

やだ、電脳猫? 何よ紛らわしい」

フミエ「ヘップバーン!

ハァハァハァ。ちょっとー、あんた誰? あたしのエモノに何すんの?

先回りして横取りするなんて、さてはダイチの仲間ね?」

ヤサコ「な、何よ」

フミエ「返しな。それはあたしのエモノよ! 返さないとひどいわよー

ヤサコ「い、意味わかんない。ダイチって誰?」

フミエ「あ、なんだ。シロウトさんか。ね、譲って? いくら? いくらならいいの? ねえ、時間がないのよ。

ね、これでどう?

200メタ相当よー。どお?」

ダイチ「あー!

オレのエモノどーする気だー!」

フミエ「来た! じゃ、これで交換ね!」

ダイチ「あっ、この! まてコラー!

まてー!」

ヤサコ「……あ。電脳、探偵?

デンスケー、京子―?

もうどこ行ったのよー。そうだ、位置を表示するソフトがあったんだ。

出た! 何よすぐ近くじゃない

デンスケー! おっかしいなー。

確かにこの辺のはず……うえぇ!?

こ、来ないでー!

う……何よこれ。来たらぶつわよ!

ふ……ふぇ……? こ、こ、来ないでー!」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「デンスケ!

デンスケ……。

デンスケ!

あっ、大変! デンスケ! た、大変……どうしよう。そうだ、もう1度穴を! ふぅ……ダメだわ」

京子「お姉ちゃん」

ヤサコ「京子」

京子「デンスケはー?」

ヤサコ「それが……」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「あ!」

(デンスケの鳴き声)

京子「ん?」

(デンスケの鳴き声が響く)

ヤサコ「デンスケ?」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「いないわ……」

(デンスケの鳴き声)

京子「ねー、どうしたの?」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「デンスケの声が、あちこちから聞こえるの」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「どこにいるの? デンスケー!」

(異空間)

(デンスケー、デンスケー)

デンスケ「クゥーン……」

サポート「サポートセンターです。ただ今、回線が大変混みあっています。もうしばらくお待ちいただくか、もう一度おかけ」

(過去の記憶)

ヤサコ母「優子―、優子―。優子、上がってらっしゃい。

おじいちゃんのプレゼントよ」

ヤサコ「わー!」

おばあさん「かわいそうにねぇ。やっと孫が来たのに。

よりによってこんな時にポックリ逝くなんてねぇ」

ヤサコ「わー、かわいー!」

デンスケ「ワウ! ワウ! ワウーン

アウーン

アウ、アウ、アウー……」

ヤサコ「はは……大好き!」

京子「ん……あ?」

ヤサコ「はぁ。あ、そうだ!

コイル、電脳探偵局・

行方不明のペット、探します!?」

(アイキャッチ)

ヤサコ母「乗らないの?」

ヤサコ「デンスケがいなくなっちゃったの。探してくる」

京子「え、京子も行くー!

ヤサコ「ダメ!

ハァハァハァ……

まだ来てないのかなー?

UFO? 今時?」

フミエ「お客さん」

ヤサコ「あっ」

フミエ「また会ったわね。

静かに。じっとして。

はぁ。最近増えたわよねー。キューちゃん」

ヤサコ「キューちゃん?」

フミエ「知らないのー? 球体だからキューちゃん・

で、仕事は何?」

ヤサコ「あ、ペットが壁の中に入っちゃったの。

穴があったんだけど、すぐに消えちゃったの」

フミエ「ふーん。……んー?」

ヤサコ「あの……私、小此木優子って言うの。よろし…く…」

フミエ「えいっ。

あたしは橋本文恵よ。よろしく。

フン……空間が古いわね。料金は200メタだけどいい?」

ヤサコ「メタ? メタって何?」

フミエ「あんたメタバグも知らないの? ほら、さっき渡した」

ヤサコ「ああ」

フミエ「そうそれ。それでちょうどです。で、どんな状況で壁の中に?」

ヤサコ「それが、変な黒い生き物についていって」

フミエ「なんですって?」

フミエ「うん、そう。そうよ。イリーガル見たんだってさ。うん、分かったわ、メガばあ」

ヤサコ「ねえここ勝手に入っていいいのー?

フミエ「霧だわ……急いだ方がよさそうね。ちょっとそれ取って?」

ヤサコ「へ?」

(異空間)

デンスケ「アゥーン……」

フミエ「古い空間は、だいぶ前に廃棄されたはずの空間なの。

そこに入り込んだとなると……ちょっとヤバいかもね。特に最近のペットはね」

ヤサコ「どういうこと?」

フミエ「バージョンが合わない空間では、ペットの体は壊れやすくなるのよ」

ヤサコ「壊れやすく?」

フミエ「すぐには死なないわ。ちょっとどいて・

認識。」

ヤサコ「ねぇ、こんなんで本当にデンスケ助けられるの?」

フミエ「まあ、見てなさいよ」

ヤサコ「な、何よこれ?」

フミエ「黒バグスプレー。メ菓子屋で売ってるわ」

ヤサコ「メ菓子屋?」

フミエ「駄菓子屋の名前よ」

ヤサコ「うわぁ……」

フミエ「こうして、まず穴を開けるの。サッチーに見つかったら大変だけどねー」

ヤサコ「サッチー?」

フミエ「サッチーも知らないの? ほら、赤くて大きくて、4個ついてる」

ヤサコ「はぁ……」

フミエ「はぁ……。アンタ本当に何も知らないのねー

ヤサコ「今日、金沢から引っ越してきたばかりなの」

フミエ「金沢はサッチーいないのかしら?」

ヤサコ「はぁ……」

フミエ「うん。

ちょっと持ってて。それは電脳釣竿。

メ菓子屋で売ってるわ。そしてこいつが……。

このミッションの主役よ」

おやじ「キー」

ヤサコ「あなたのペット?」

フミエ「ペットじゃないわ。あたしのしもべ、おやじよ」

ヤサコ「これもメ菓子屋で?」

フミエ「これは売ってないわ」

ヤサコ「あ、これはご丁寧に」

フミエ「仕事だおやじ!

さ、後はメタタグを貼って!」

(叩きつける音)

フミエ「これでちょっとは壊れにくくなるわ。よーし、行け、おやじ!」

おやじ「キー!」

ヤサコ「あっ、あっ。

ああー……。えー?」

フミエ「面白がってられないわよ。あんたの見たのがもしイリーガルだとしたら、キューちゃんが嗅ぎつけてもうじきやって来るわ」

ヤサコ「イリーガルって一体……」

フミエ「最近発見された、コンピューターウィルスよ。ペットに感染すると、ヤバいらしいわ」

ヤサコ「どうなの?」

フミエ「うーん、思ったより入り組んでるわね。ちょっと、様子聞いてみるわ。

もしもーし、こちら文恵。おやじ、聞こえる? オーバー?」

(異空間)

フミエ(おやじ? おやじ? 応答せよ。オーバー?)

おやじ「キュー」

フミエ(おやじ、おやじ、応答せよ)

おやじ「キュ、キュー」

フミエ「ふーん……」

ヤサコ「ねえ、どうなの?」

フミエ「思ったより大きいわ。古い空間の中は迷路みたいになってるの。もっと近くにポイントが見つかるといいんだけど」

(何かが飛行する音)

ヤサコ・フミエ「あっ!」

フミエ「まずい!」

ヤサコ「何なの?」

フミエ「キューちゃんよ。いつもならもっと時間かかるのに……」

ヤサコ「どうするの?」

フミエ「予定変更よ!」

ヤサコ「まさか見捨てる気?」

フミエ「あいつら、クロバグもペットも見境なく撃ってくるのよ! ここは一時退散しかないわ!」

ヤサコ「そんなぁ!」

(異空間)

デンスケ「アゥン! アゥンアゥン!」

フミエ「さ、引き上げよ!」

ヤサコ「待って!」

フミエ「あたしたちだって撃たれたらただじゃすまないわ!」

ヤサコ「お願い、ちょっとだけ。ちょっとだけ待って」

(異空間)

デンスケ「アゥンアウーン!

アッアッアッアッ……

アウーン!」

ヤサコ「デンスケ……」

フミエ「どうしたの?

何よ。どうしたの?」

ヤサコ「はぁ……ここじゃない」

フミエ「ねえ、どういう事よ?」

ヤサコ「違う……」

(デンスケの鳴き声)

ヤサコ「ここよ!

この近くにきっと居るわ!

ね、早く!」

フミエ「おやじ、急げ!」

ヤサコ「早く!」

おやじ「キュー」

フミエ「来た!

来たぁ!」

ヤサコ「あっ、デンスケ!」

フミエ「えいっ、このぉ!

逃げるわよ!」

ヤサコ「はい」

ヤサコ・フミエ「はぁはぁはぁはぁ!」

ヤサコ「今度は何?」

フミエ「いよいよ、サッチーのおでましだわ」

ヤサコ「一体……一体どうなってるの? この街は……」

(次回予告)

ヤサコ「次回、電脳コイル。コイル電脳探偵局。お楽しみに」