第1話 葵上(あおいのうえ)

超自然特異対策本部、司令センターより
特殊戦術隊第1課起動中隊へ
目的は首都高速5号線を南下
北池袋で災害活動を進行中
特異4課、了解
高速入口は全て閉鎖
路上の民間人には即時退避避難勧告を発令
各報道機関に報道規制及び情報訂正を通達
通達内容は4192第35-B
なつき……フッ
悪い、今夜は俺のシフトだったな
トオル
ここにアオイはいないって分かっているのに
いつまでも、何をやっているんだろうな、俺は
ピーピー
特戦4課、司令センターより特示33
こちら特務33
首都高で045が進行中
詳細、特戦1課の起動中隊が出動しました
特戦4課は、これより第一種戦闘待機に入ります
特務33、了解
現場に向かう
でもまだ
ヤツの匂いがする
ヤルは……この手で殺る!
最大圧力で放水しろ!
負傷者の救出は急げ!
な!?
特戦1課、現場に到着
現刻より状況を回避する
オイ!
何なんだあんたら
急いでこのデカブツをどけろ!
消火活動の邪魔だ!
我は防衛相所属、超自然災害特務本部
特殊戦術第1課
ここは、我々が預かる
君たちは下がれ
な、何を……
バァン!
何だ?
総員展開、対象はカテゴリーC
その数約40!シンカー、オン!
攻撃、開始!
何なんだこりゃー!
冷水、散布!
クリア!
クリア!
カテゴリーC、消滅を確認
第1種戦闘態勢を解除
おい
ん?
まだいたのか
引きあげていいぞ
後始末は我々が引き受ける
なんだよ、ありゃ……
ん?
馬鹿な……
カテゴリーD、火車
ああ、見えてる
負傷者を連れて避難して!早く!
ナツキ!火車を殺る!
怨霊の数が多すぎるわ!
マサキ達が合流するまで、待って
いいから、来い!
相変わらず、気が短いんだから、トオルは
マサキか!
クドウさんも居るよ
現場まで30秒、到着と共に冷水を散布
もう一発、いっときます?
巻いて、巻いて、巻きまくれ!
了解〜
行ける?
いつでも
特戦1課の機動中隊が、全滅だと?
いえ、死亡が確認されたのは半数で
残りを重軽傷に留まりま
それを全滅と言うのだよ!
一体何のために、わざわざ防衛相に
超自然災害対策本部を設けたと思っているのかね
全く
これでは環境省の笑いものだ
戦果をあげたのは、特選4課の
第一小隊だけか
さぞ、鼻が高いだろう、コンパル君
よしてください
うちは寄せ集めの連中を飼っているだけ
それも、少し人より見える連中
と言うだけです
環境省の奴らと同じようにな
その環境省ですが
向こうも何かゴタついていると聞きますが
ああ、見えてる先日主力の退魔師が1人
再起不能になったらしい
3年前に行った、例の除霊作戦以来
しばらく怨霊事件は沈静化しておりました
それがここ最近
再び事件が増しております
我々が環境省に頼り切りだとでも言うのかね!
いえ、そういう話しではなく
3年前の怨霊
完全な浄化確認は取れなかったと聞いているが
まさか……
飽くまでも推測ですよ、飽くまでも
はーぁ、これ高いのに
機械に頼らなけりゃ見えねえようなヤツらに任せるからだ
口をつつしめ!仲間が死傷しているんだぞ!
はいはい
全ての人類が見える人なら
みんな信心深くなって世の中平和になるのにね
あれー?
なっちゃん、何か信心してたっけ?
レッドツェッペリン
大変ですぅ!
どったの、マミちゃん
都内で新たな045が発生
カテゴリーBの模様です
ヤツだ
衛星写真で映像解析した画像です
でか!
種別は先程と同じ火車ですが
零体写真じゃ30倍以上はあるかと思われます
現在、簡易結界をはって、活動を抑えていますが
どこまで持つか……
カテゴリーBがたて続けに出現するなんて
どうなってるの
とにかく、手順通り霊水で浄化して
弱ったところをマニ弾で仕留めるのが
手っ取り早いか
でも!
あの火車を除霊するのには計算上
最低でも200トン以上の反応量が必要ですよ
200トン!
そんな大量の霊水を空中散布する機なんてないよ!
運べなければ、現地調達という手もあるんじゃないか?
1つ、働いてもらおうか
大丈夫
結界で封印してる限りこいつは何も出来ない
でも、機動中隊の連中も全滅したって
ウソだろ、おい……
お、おい
今のは……
特務33、目標と接触
現在外苑通りを東へ移動中
この先、○からすぐに入ります!
了解
特務33、引き続き誘導お願いします!
特務55、特務77現場に到着
特務11と共に第3立坑到着まであと10分
特務55、マミちゃーん、こっちもOKだよ
了解です!特務77!
特務77、準備完了
特務33、第2立坑に侵入
ワイヤータスク!
目標、第2立坑より第1トンネルより突入
えつりゅうていで撃破!
南無阿弥陀仏!
送電開始、まくまくどう、送出
霊水聖水!
第1立坑、トンネルより霊水流入
目標と接触します!
目標確認
距離、900
850
800
750
700
650
シュート!
浅い!
あっ……!
特務33?
ナツキ!
ナツキ……くそっ
トオル
ナツキ、悪い
俺のミスだ
らしくないよ
あっ!
特務77、衝撃に備えてください!
おーつかれー
間一髪ってとこ?
マサキ!
特務55、作戦終了
司令センター、了解
うふっ
ふぅ……それにしても
外郭降水路を使うだなんて
大胆な作戦だねぇ
ここなら、一般市民に被害が及ばないからな
霊水を生成するのに使う水も、大量に引き込める
ん?
マミちゃんに感謝してよぉ
連絡受けて飛んできたんだから
1つ、借りだな
僕たちにも
ん……
ふっ
あれ……コーヒー
ぐあっ
カテゴリーA!
マサキ!
クドウさん……
ちくしょう
こちら、司令センター♪
マミ!
キャハハ、そんなに慌てても駄目ですよー
もう手遅れなんですからー
んっはっはっは
あたしたちぃ
先に涅槃で待ってますからぁ
トオルさんもすぐ来てくださいね
くそっ
ナツキ、俺が援護するから、その隙に
アオイ、アオイー!
あきらめて!
あれはもう、あなたの知っている彼女じゃないのよ!
何をあきらめろと言うんだ!
もう手遅れなの!
どけっ
アオイ!
よせ……
撃って
アオイ……アオイ!
撃って!
諦めてって、言ったでしょう?

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最終更新:2018年03月11日 23:49