「ミックス☆ジュース」リメイク版 第五話

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*ミックス☆ジュース リメイク版 第五話 **私市 朔耶 [[目次へ戻る>「ミックス☆ジュース」リメイク版]]
*ミックス☆ジュース リメイク版 第五話 **私市 朔耶 「ねぇ、あっちの方からやたらと黄色い悲鳴と言うか・・・  そう言うの聞こえてこない?」 「そうですねぇ、どこかの女優でも来たんでしょうか?」  人垣のむこう側。  玲と京は相変わらず忙しいが、手の空きがちになってきた香と朔耶は、先ほどから騒がしいそちらに気をとられていた。  その人垣を抜けてきたのは・・・ 「香クン香クン、マリア様が出てきましたよ!?」 「・・・そうだね、メイドさん連れたマリア様だ」  受胎告知、と言ってわからない生徒はリリアンにはいないだろう。  その姿をしたマリア様・・・演劇部所属の名女優、貴水朋子は剣道部のジュースバーの前までくると、その優雅な歩みを止めた。 「ごきげんよう、剣道部のホストのみなさん」 「ごきげんよう、みなさまとってもカッコイイですわ」  彼女の次に挨拶を贈ったのは、隣にいたイギリス風のメイドさん・・・朋子の妹、一年生の一ノ瀬ひめ乃だ。  衣装の歴史に1800年ほどのズレがあるのだが、二人の笑顔は時代なんぞとうに跳び超えているらしい。 「いや、まぁ、ありがとうございます」  へこへこと頭を下げる朔耶。  とりあえず断っておくが、ここはジュースバーであって、ホストクラブではない。 「ごきげんよう、朋子さん、ひめ乃ちゃん。  二人とも、今はデート中なの?」 「そうね、デートと言えば、デートよね?」 「えっと・・・はい・・・」  香の問いに朋子はさらりと、楽しそうに答え、そしてひめ乃は恥ずかしそうに、それ以上に嬉しそうにうなずいた。 「あら、ようこそ朋子。  相変わらずかわいいねーひめ乃ちゃん」  注文をすべて捌ききったのだろう、京が軽く汗を流しながらもカウンターへ近づいてきた。 「でもまさか、演劇の衣装のままで、しかもひめ乃ちゃんを仕事着のまま連れて来るなんて・・・。  よっほど早くひめ乃ちゃんと文化祭を楽しみたかったのね?」 「えっ!?」  京の言葉にさっと頬に赤みがさすひめ乃。  表情はそのままで、少し上にある姉の顔を上目遣いに伺う。 「もちろんよ、この子は私の大切な妹なんだから」  少し低め位置にあるひめ乃の肩を軽く抱き寄せながら、恥ずかしいセリフをさらりと言う。  演技の得意な彼女だが、妹を見つめる優しい眼差しやその言葉が、偽りのものでないことは誰の目にも明らかだった。  ひめ乃はそれを聞いてカァッと赤くなり、両手で口元を隠している。 「デキたてホヤホヤの姉妹はいいね~♪」 「羨ましいですわね~♪」  香と彩が次いで茶化しに入る。 「それじゃ、本題に入りましょうか。  朋子さんは、誰を指名しますか?」  朔耶に問われて、うーんと喉を鳴らして考える。 「そうね、京さんに作ってもらおうかしら」  本人的に結構意外だったのか、京の反応が一瞬遅れる。 「私に?  ・・・そう、わかったわ。  腕によりをかけて作ってあげる」  その笑顔に軽く邪なものが入る。  普通ここでちょっとビビるのだが、朋子はいたって強気だ。 「京さん、あんまりおいたしないように(^^;  ではひめ乃ちゃんはどうしますか?」 「はい・・・えっと・・・朔耶さまで、お願いします」  まだ赤い顔を隠すように、うつむき加減で指名する。 「はいはい、承りました。  じゃ、そっちにかけてまってて下さいね~」 『はいっ、お待たせしました』(京&朔耶) 『早っ』(朋子&ひめ乃)  二人ずつ、しっかりハモって面白いことをする。 「手作りって聞いてたから、もうちょっとかかるものだと思ったけど・・・」  素直に驚いている朋子。  無理も無い、頼んでからほんの2分弱。  カップラーメンよりも早く手作りのジュースを出されれば、本当に手作りなのか、疑いたくもなる。 「ちょっとね、のっけから回転があんまり速ものだから、慣れちゃったわ」 「そうですね~、人気があるのはいいんですけど、多すぎれば対応が疲れますから」  などと小さな不平を漏らすが、この二人どこにも疲れた様子が無い。  むしろ、楽しんでいるように見える。 「まぁいいわ。 ありがとう、京さん。  ひめ乃、いただきましょう」 「はい、お姉さま。  あ、朔耶さま、ありがとうございます」 「いえいえ、さ、召し上がってください」  二人でまたもや一緒に『いただきます』と言う。  ぱくっ。ちゅる~~~・・・・・・ 「あ、おいしい。  ・・・これって、りんごとパインとマンゴーですか?」 「お、すごいですねぇ、そんな簡単に分かっちゃうものですか?」 「この子は特別よ。  センスがいいって言うのかしら、お料理も得意だし、原料とか出汁とかも、一度味わうだけで大体見抜いてしまうの」 「へぇ、それはまた凄い才能ですねぇ。  私なんか一生努力しても、そんなのわかんないかも知れないですよ(^^;  ところで朋子さん、そちらは何が入ってらっしゃるんですか?」 「・・・とりあえず、メロンとわさびが入ってるのは分かったんだけど?」  京をみつめる瞳の温度は、絶対零度だった。  おいしいものを期待していたのに、という意味が込められているようだ。 「あれ?おいしくなかった?  メロンとわさびって結構合うものよ?  私はよくおいしく飲んでいるけれども・・・」 「・・・よく?」  聞き返したのは朔耶だ。 「まぁ、京さんが何をするのかは分かってたつもりだから」  そう言って、なんと表情ひとつ変えないままほとんど飲んでしまった。 「ごちそうさま、ひめ乃、行きましょう」 「え?あ、はい。  朔耶さま、ごちそうさまです(ぺこり)」 「あぁ、いえ、こちらこそ・・・」  二人はまた、颯爽と人垣の中へ消えてしまった。  しかしどうしても、その居場所は黄色い声として残っていたが。  後日。 「実は、あの京さまのジュース、とんでもなく辛くて・・・」 「え!?」 「少し残っていたお姉さまのジュースを飲ませてもらったんですけれど、あのわさびの量はちょっと・・・」 「は~。それで、顔色が変わる前に・・・」 「え?いえ、あのあとも普通にしてましたけど」 「・・・朋子さん、精神力ありますねぇ」 「あ、朔耶さまのジュースはおいしかったって言ってましたよ?」 「え?あ、交換して飲んだんですか。  それは光栄です^^  ところで、ひめ乃ちゃん」 「なんですか?」 「ヒソヒソ(それって、お二人の間接ちゅーになりますよね?)」 「・・・・・・(///)」 **あとがき もうちょっと会話を充実させたいなーと思いつつも、 それが実現できないのは私がヘタレなせいだと思います(^^; オチに関しては、暴走したかなと思ったのですが、 朋子さんには結構好評でした。公認です。 [[目次へ戻る>「ミックス☆ジュース」リメイク版]]

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