「七夕祭SS・飾りつけ編」

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*七夕祭SS・飾りつけ編 **正木 聖香 今年も七夕の季節がやってきた。リリアン女学園でも、 山百合会主催の「リリアン七夕祭」を行うことになった。 七夕祭当日、山百合会役員は揃って会場の飾り付けを するため、ここミルクホールに集合している。 「芽衣子、ここお願いね」 「あのお姉さま、こよりはこう巻いたらよろしいのでしょうか?」 手作りの会らしく、試行錯誤で飾りつけを行う光景は参加していても なにか微笑ましい。まるで、小学校の時のお楽しみ会のようだ。 普段クールな香さまや朋子さまも、少しはしゃいでいる。 「皆さん、願い事お決まりですか?」 ひめ乃さんが、飾り付けのお星様を折り紙で作りながら訪ねた? 「リラックマとデートしたい!」 芽衣子が真っ先に声をあげた。 「リラックマって何?」 私が、首をかしげながら尋ねると。 「お姉さまは、ホントに遅れてますね……」 「う~、どうせ私は流行には疎いですよ~!」 香さまが苦笑いを浮かべながら。 「あ~あ、また姉妹漫才が始まったよ」 「香の願い事は?」 今度は朋子さまが香さまに尋ねる。 「まだ決まってないけど、今はこのイベントが成功に 終わる事かしらね」 「そういう、朋子とひめ乃さんはどうなの?」 「ふふふ、まだ秘密ですけれど。一緒のお願いですよね~お姉さま?」 「うん、そうね。私たちの願いは一緒よ」 そうしているうちに着々と飾り付けがつけられていく。 「そうそう、芽衣子。スタンプの準備は大丈夫?」 今日のメインイベント、肝試し大会の準備に話が咲いた 「はい、お姉さま。各教室にスタンプを設置してまいりました」 スタンプは香さまの提案で薔薇のスタンプを各コースに 2年桜組には濃いピンク、音楽室にはオレンジ、理科室には青の スタンプ台を置くことにした。 「ナイスアイデアね、香。これならみんながちゃんとコースを回ったか 確認できるね」 朋子さまが、香さまの肩をポンと叩きながら言った。 「でも、香さま。よく薔薇のスタンプ、見つけましたね?」 私が香さまに尋ねると芽衣子が。 「ふふ、それは私が芋版で彫りましたのよ!」 「え、ホント?すごいわ、芽衣子!」 「嘘ですよ~だ、そんなお姉さまにはリラックマグッズ見せてあげませんから」 「芽衣子~」 そんなこんなで、時計は2時近くをさしていた。 「さあさあ、みんなそろそろお客様がいらっしゃる頃よ」 朋子さまの一声がかかる。 こうして、リリアン七夕祭の幕は開けた。

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