「2005年度山百合会劇・配役決めSS」

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*2005年度山百合会劇・配役決めSS **大河内 香 「それでは賛成の人は拍手をしてください」 香さまの声に従って全員が拍手を返した…いや、正確には全員-1人が。 「それじゃ、主役は聖香で決まりだね」 満足そうに頷くと、芽衣子がノートに『竹取物語 決定』と書き入れた。 「何故私が主役をやらなくてはいけないんですか」 漫画ならば『ダンッ』という効果音がついているだろう。 「…それは、今回行なう劇が竹取物語だからよ」 何を今更、といった調子で朋子さまが余裕の笑みを浮かべて答えた。 「な…だから…なぜ竹取物語だと私が主役になるのか、と聞いているんです」 いつもなら穏やかな白薔薇さまと称されるが、今日ばかりはそういうわけにはいかない。 「朋子さまがかぐや姫をやられてはどうなんです?演劇部の部長でもあるわけですし…」 「そうなのよね~、だからだめなのよ。それに、主役は若い子にやらせせあげないとね」 「だったら、ひめ乃さんだっていいじゃない?」 「え、私ですか」 「お姉さま。その着物の似合う長くて美しい黒髪をこの場で使わなくていつ活かすんですか。それにひめ乃さんは和風のお姫様より洋風のお姫様向きなんです」 最後は芽衣子のよいしょ。 「美しい…着物の似合う…」 口の中で繰り返してみる。どうやら気持ちが傾きかけているようだ。 芽衣子は私以上に私のことを理解しているのかもしれない。 「聖香さん、あなたにならできるわよ。いいえ、あなたにしかできないのよ」 朋子が整った顔に微笑を湛えて優しく声をかけると、聖香は陥落した。 「それじゃ、有志を募る前にこちらの配役を決めておきましょうよ」 「じゃあまずやりたい役がある人は?」 「私とひめ乃は翁夫婦に立候補するわ」 「はい、お姉さま」 二人は事前に話し合っていたようだ。 確かにその他はほとんどライバル同士になってしまうわけだが。 メモをとっていた芽衣子がスッっと手を上げた。 「芽衣子は何がやりたいの?」 「庫持の皇子がやりたいです。それから、帝に香さまを推薦します」 「まあ、それはお似合いだわ」 既に役が決定してしまい、見ているだけだった聖香が口を挟んだ。 目がキラキラしている。まさか仇討ちのつもりだろうか。 「え、いや…僕はナレーションでもいいかな~って思ってるんだけど」 「お二人もいいと思いますよね?」 聖香はやる気だった。 「やっておきなさいよ、香」 朋子も顔が笑っている。 「ええ、似合うと思います!」 この子だけは真面目だ。 「それでは決定ですね」 何故か芽衣子が決定権を持っていた。 こうして配役は滞りなく決定された。

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