「ロザリオの絆」

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*ロザリオの絆 **中司 春菜  慣れというのは恐ろしいもので、初めの頃は違和感ばかり募った リリアンの古風な制服も梅雨時になるとそれを着るのが自然になってくる。 制服に着替えた乃梨子は、机の上に置いてあるロザリオに目をやる。 そして、ロザリオを手に取り、ふと乃梨子は昨日、 志摩子からロザリオを掛けられた時を思い出す。そうしていると 「リコ、そろそろ出なくて……そうか、リコにもお姉様が出来たのね」  いつの間にか菫子が乃梨子の部屋に入ってきていた。 「ロザリオは志摩子さんから?」  当たり前のことを聞くかのように菫子は乃梨子に聞き、乃梨子は頷く。 実際の所、乃梨子が菫子に話をする中で出てくるリリアンの上級生と言えば 『志摩子さん』がほぼ独走状態なのだから、それ以外の選択肢が出てくるはずもない。 「そうか、乃梨子も白薔薇のつぼみなのね」  そう菫子がつぶやくと、乃梨子にロザリオを渡すように言う。 乃梨子がロザリオを渡すと、菫子はロザリオを目を細めて眺め 指先を滑らすように触っている。 「えっと、菫子さん?」  菫子の態度が、何か懐かしんでるように思えたので、つい声を掛ける乃梨子。 「未だコレが受け継がれていたのね。 それにしても、二条の家は白薔薇と縁があるのかしらね」  乃梨子の声に顔を上げた菫子がそうつぶやく。 「え、えっと……」  意外な展開に、乃梨子の普段なら高回転な頭の回り加減がかなり鈍くなる。 「リコにしては、察しが悪いわね。私も白薔薇様だったのよ」 「えぇ!」  乃梨子の口から驚きの声があがった。その反応に菫子はため息を吐くと、 「そんなに意外だったかしら? ……まぁ、それよりも白薔薇のつぼみが遅刻する方が大問題かもね?」  部屋に掛けられてる時計を見ながら言い、 「リコ、じっとして。ロザリオを掛けるから」  菫子は乃梨子の首にロザリオを掛ける。 「さぁ、お行きなさい白薔薇のつぼみ」  そして、乃梨子に登校するように促す。 「あ、はい。いってきます」  乃梨子が部屋を出て行く。それを見送った菫子は、 「リコが薔薇の館に関わってくれたらとも思ったけど、本当にそうなるとはね」  そう呟くと遠くを見るような顔つきになる。薔薇様と呼ばれていたあのころを……

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