「修学旅行出発SS後編」

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*修学旅行出発SS後編 **石原 華央梨 そうやって話を交わしている内に薔薇の館についた。 リズミカルにそして優雅に登っていく慧理奈に華央梨は 「慧理奈ちゃんさ、確か今月修学旅行だったわよね?」 「はいそうですけど・・・?」 「ならいいの」 にっこりと笑んでビスケットの扉を開ける。 するとそこには慧理奈の予想通り京がいた。 「ごきげんよう慧理奈、華央梨。華央梨が薔薇の館に来るなんて珍しいね」 「ごきげんよう、お姉さま」 「ごきげんよう、京。ご訪問させていただこうと思って」 京はにっこりと笑んで席を立った。 「紅茶いる?」 「あ、私は忘れ物をとりに着ただけですから、すぐ帰ります」 そう言って机の上にある文庫本を取ると「ごきげんよう」と残して去っていった。どうやら急ぎの用事があるみたいだ。 「どうぞ、お構いなく」 そう言いつつも席に着く華央梨。 「そんな、お客様なんだし」 と、言うと華央梨に紅茶を差し出す。 「ミルクと砂糖はご自由に」 「ありがとう」 華央梨はお礼を述べたものの何もいれずに口にした。 「あんまりかわってないわね。京」 ぽつりと呟く華央梨。 「何が?」 「修学旅行よ。慧理奈ちゃんが少しでも居なくなって寂しくない?」 「あ、それ考えてなかった。うーん、寂しくはなると思うけど、でも、帰ってくるし」 その言葉に華央梨は少しはにかんだ微笑を浮かべ 「ほかの野次が言わなくても黄薔薇姉妹は結束固しね。んまぁ、私もいるし」 「そうだね、華央梨もいるから安心」 そう言って微笑む京に華央梨は少し頬を紅潮させると 「面と向かっていう言葉じゃないでしょ。それ」 「あはは、そうだね」 華央梨と京は顔を見合わせ笑った。 しばらくして京がたずねた。 「華央梨は妹作らないの?」 華央梨は一瞬驚きの表情を見せたがその後微笑んで 「私は、欲張りだから。一人に絞る事はできないわ。下級生という大きな妹たちを見守ってたいの」 と答えた。「もちろん、慧理奈ちゃんもね」と付け足すのも忘れずに。 「何か、女王さまみたいだね。民を見守る優しい女王さま」 「そう言うのやめてよ。何か照れるじゃない。あ、そうだ」 ふと思い出したようにきりだす華央梨。 「何?」 京が首をかしげると華央梨は少し不敵な微笑を浮かべて 「慧理奈ちゃんにお土産頼んどいて。お金はだすから」 と頼んだのであった。

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