「片足だけあげて 後編2」

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*片足だけあげて 後編2 **正木 聖香  芽衣子と話しているとあっという間に時間がすぎていた。せっかくなので、私は彼女をリリアンの学園祭に誘うことにした。 「よかったら学園祭にいらっしゃらない?」 「行きたいですけど……ちょっと」  私はもう一度、 「どうしたの、その日は都合が悪いの?」 「はい、都合が悪いです」  彼女は即答した。私は理由が知りたかったが、今日会ったばかりの彼女に理由を聞くわけにもいかず。 「そう……残念ね。じゃあ、あなたの写真、一枚撮らせていただけるかしら?」  芽衣子は驚いた表情をみせたので。 「ダメかしら?私はこれといった写真は撮っていく主義なの、風景、人物かかわらずにね」 「……これでよければ」  その声を聞いて、さっそく私は構図を考え、さっきお互いに見ていた木の下に芽衣子を立たせた。 「せっかく、だから面白いの撮りましょう、木にもたれてみて」  木の下に立った、芽衣子をみて。私は閃いたように 「そうねぇ、木に耳をあててみて木の鼓動を聞くように」  芽衣子は少し、困惑の顔をしていたが、言う通りのポーズを取ってくれた。やはり、顔には緊張の色がみえる、そこで私はファインダーから目を離し、芽衣子に向かってウィンクをした。芽衣子が一瞬、微笑をみせた。その瞬間、 (カシャ)  いつになく、小気味のいいシャッター音が聖香の胸の中に響いた。

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