準備SS「ミックス☆ジュース」買出し編

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*ミックス☆ジュース 買出し編 **都橋 彩 「ねぇ、ブドウとマスカットってジュースにする時どっちがおいしいかな?」 「えーどうなんでしょうねぇ。  マスカットの方がさっぱりしてると思いますよ?」 「朔耶さまー、いいオレンジの選び方って知ってますかー?」  10月の終わり。  結局、彩が央にもらってきた「ジュース・バー」と言う企画が通った剣道部。  大河内香、私市朔耶、都橋彩の三人は、翌日の文化祭のために、学校最寄のスーパーへ 買出しに来ていた。  中々どうして、あれも欲しいこれも欲しいになってしまって、買い物篭がどんどん膨れ 上がっていく。 「ちょっと朔耶、なに、そのりんごの量」 「え?  いや、りんごジュースは需要が高いかと思いまして」  ひょっこり戻ってきた彩が、横から冗談を飛ばす。 「てゆーか、ご自分で飲むつもりだったりして?」 「・・・」 「な、なんですかその間は!?」 「えっとね、いいオレンジの選び方だけど――」 「話をそらさないで下さい!」  冗談が冗談でなくなったようだ。  そんなこんなで、買い物は楽しく進んでいく。 「レモンがあるなら蜂蜜も買って置きましょうか?」 「あ、賛成ですー」 「だったら、ミルクもあった方がいいんじゃない?」  隠し味もばっちり。  その他、各員持ち寄った道具の中で足りなかった物も揃えた。  一通りの物を取り揃え、レジに向かおうとした時。  なんと、そこに京がいた。 「ねぇ、あれって・・・」 「香クン、静かにッ」 「・・・(ゴクリッ)」  ついつい京の視界の中に入らないポジションまで移動してしまった三人の事など知るよ しもなく、京は会計を済ませる。  レジのお姉さんからレシートを受けとって、こちらに気づかぬまま歩き出した京。  その手に持っている買い物袋の中には、何かが大量に入っていた。 「持ってたのって・・・多分、わさび・・・だよねぇ」 「いえ、私はからしのように見えましたが?」 「え、でも、あの黒いビン。あれって、バルサミコ酢じゃ・・・」 「でも、それだけじゃなかった」  ――京さまファンの人、がんばって。  3人で同じ思いに浸っていた時、彼女たちはもう一人、見知った人間を見つけた。 「あ、香クン、玲さんもいらっしゃいますよ?」 「玲も多分、ここで調味料を揃えるつもりなんだろうね。  彩さん、何買ってるか見える?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、私は・・・」 「彩さん、その空白は何」 「いえ、お醤油が・・・」 「・・・・・・おうちが近いそうだから、ご家庭のお買い物かもしれないよ」 「そ、そうですよね、みりんや和風だしもありましたから」  ともかく、ここでこうして隠れていても仕方がない。  三人でレジへ向かう。  とりあえずびっくりしたのが、レジのお姉さん。 「すごい量ですね、これ、全部みなさんで食べるんですか?」 「いえ、明日の文化祭でジューススタンドをやるんですよ」 「あ、そうでしたか、これは大変失礼しました」 「いえいえ、お構いなく」  朔耶とそんなやり取りをしながら、手際よく商品を数えていくお姉さん。  ピッ、ピッとバーコードを読み取っていく様子を、香は何の気なく眺めていた。  ――・・・おや? 「ねぇ、彩さん、まさかとは思うけど、唐辛子とかって・・・」 「はい、もちろん買いましたよ?」 「・・・」  確認を取ってしまったことを軽く後悔し、沈黙する香。  彼女は思った。  ――自分の飲む分は、ちゃんと自分で作ろう――と。  なかなかに重量のある買い物だったが、そこは日ごろ鍛えている剣道部。  キャスター付の買い物籠も貸してもらい、すぐそこの学校へ向かう。 「もう明日なんですね、文化祭。  今更ですが、私、ワクワクしてきましたよ」 「はい、私も楽しみで仕方ないです。  ね、香さま?」 「うん、そうだね(無事に終わればいいけど・・・)」  日は暮れていく。  そして、また上るのだろう。  今日はまだ、ただの始まりにすぎないのだから。

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