「セント・メアリの鐘の音は 1話 最初のお客さん」

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「セント・メアリの鐘の音は 1話 最初のお客さん」」(2006/01/27 (金) 17:13:38) の最新版変更点

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*セント・メアリの鐘の音は 1話 最初のお客さん **中司 春菜  お店の戸を開けて最初に入ってきたのは、 「お帰りなさいませ、お嬢様」 「お、お嬢様!?」  いきなりそんなことを言われ目を白黒している央だった。 「どうぞ、こちらの席へ。お嬢様」 「あ、はい」  呆然としつつも、席に着く央。 「メニューをどうぞ、央さま」 「あ、春菜さん。これはいったい?」  春菜につい尋ねてしまう央。 「えっと、古き良き大英帝国風が、何処か間違って展開されたみたいで……」 「そ、そうなの?」 「ええ、そうなんです。ところで何になさいますか?」  春菜に促され、メニューを見る央。 「じゃあ、シュークリームとカフェラテをお願いしてもいいかしら?」 「はい、シュークリームはカスタードと生クリームがありますよ」 「ずいぶん拘ってるのね」 「その分、数が少ないんですよ。メインは紅茶とサンドイッチとかですので」 「じゃあ、カスタードでお願いね」 「はい、判りました」  暫くして央のところに注文の品がやってきた。 「お待たせしました、お嬢様」 「えっと、何でお嬢様のなのかな?ちょっと落ち着かないんだけど」 「ああ、それはですね」  春菜は解説を始める。 「ちょっと喫茶店とかを調べたときに、とあるサイトでメイド服のウェイトレスさんが『お帰りなさいませ旦那様』と挨拶するお店があると書いてあったので」 「それを真似たわけ?」 「ええ、でもここに来るのは、リリアンの生徒が中心ですから『お嬢様』と呼ぶことにしました」 「そうなの。それにしても美味しいわね」 「ありがとうございます」  そんな会話をしているうちに、央の皿は空になり、 「それではごきげんよう。春菜さんにひめ乃さん。それに志保子さん。テニス部のレッスンにはおくれずに来てくださいね」 「はい、承りましたお嬢様。それでは、いってらっしゃいませ」 「だからお嬢様は止めてよ」  最後までお嬢様扱いされた央でした。

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