「山百合会劇・衣装部買い出し編act6」

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*山百合会劇・衣装部買い出し編act1 **一ノ瀬 ひめ乃 体育祭も終わり、いよいよ学園祭もまじかという季節になってきた。 学園全体がクラスや部活動の出し物準備でとても忙しくなってきている。 三年菊組の私市朔耶、二年松組、三条綺羅、一年桃組の一ノ瀬ひめ乃は、 学園祭での山百合会劇の衣装係をする事になり、 放課後シスターに外出許可をもらい、衣装用の生地の買出しに出かける事になった。 それにしても豪華な面子だとひめ乃はつくづく幸せ者だと痛感していた。 リリアン四剣士のお一人の私市朔耶さまは高身長に焼けた肌がとても素敵だし、 三条綺羅さまは茶道部に所属する礼儀正しく麗しいお方。 そしてなんの変哲もないただの一年生のわたし。 経費を安く押さえる為に、やはり生地は日暮里の繊維街に赴く事になった。 洋裁が好きなひめ乃はたまに来る事はあるけれど、 家庭の事情というやつで一人歩き禁止令が出ているので、 必ずお姉さまとご一緒していたので、 他のお姉さま方と歩くのはなんだか少し不思議な気持ちになった。 繊維街を歩き、お店に向かいつつ、会話を楽しむ。 「へぇ~、日暮里って本当に生地屋さんが多いんですね。 私家庭は科苦手だから、買出しした物を運ぶくらいしかできないけど…」 「そうですね、朔耶さまが持ってくださったら助かります。ねぇ、ひめ乃さん?」 そういう綺羅さまはとてもにこやかだ。 「ええ。わたしもこれだけの人数分の生地だと持って帰れるか不安でしたし、 ありがとうございます、朔耶さま」 「いえいえ、むしろそれしかできなくて本当にすいませんね」 朔耶さまは少し苦笑い気味だった。 繊維街には本当にたくさんの生地屋がある。 目当てとおぼしき生地の量は計算してあるので、どこが一番安く買えるかが問題だった。 買出しというのもなかなか骨の折れる作業である。 数件回ったのち、一番安いお店に入った。 [[目次へ戻る>「山百合会劇・衣装部買い出し編」]]
*山百合会劇・衣装部買い出し編act6 **一ノ瀬 ひめ乃 カラボスといえば黒のロングドレスということで3人とも意見が一致した。 「京さまのカラボス素敵でしょうね」 綺羅さまとひめ乃は口を揃える。 「うん、京さんなら美人だし、綺麗な人は悪役も綺麗にハマりますよね」   朔耶さまは京さまと同じ剣道部という事もあり、 より一生懸命生地を探し始めた。 カラボスはお祭好きだし、黒い衣装が映えるように光る素材がいいかな。 と思っていた矢先、 「ひめ乃ちゃ~ん、これいいと思いませんか?ベロアです!」 きちんと札を見て生地名を確認したらしく、朔耶さまはご満悦そうに言った。    朔耶さまは面白いし、なんだか微笑ましくて、 やっぱり下級生にもてるのだろうなとぼんやりと思った。 「黒のベロア、いいですね。光沢もありますから、舞台映えしそうですし」 「では魔女らしく、シンプルで少し胸があいたスクエアカット、 そしてダーツだけ入ったロングドレスに致しましょう」        しかし、ベロア。これも高価な生地である。 その点について悩んでいたら、お店のおじさんが近付いてきた。 「お嬢ちゃんたち、リリアン女学園の生徒だね。学園祭の劇のために毎年生徒さんたちが来るんだよ。 こんなにたくさん買ってくれるなら、その生地全部半額にしてあげるよ。 実はうちの姪っ子がリリアンの中等部に通っててね。」 取り置き用スペースに積まれた生地を見ながら、 とても優しい笑顔でそう言ってくださった。 きっと普段から気のいい方なんだろう。 「本当にいいんですか?半額だなんて・・・」 3人とも不安な表情で顔を見合わせて、 「申し訳ないですよ、でも本当にいいんですか・・・?」 全員揃っておずおずと確認した。 「それくらいで店が潰れたりはしないし、 今回だけの特別サービス。男に二言はないよ」 にっこりとしておじさんはそう言った。 本当に気のいい素敵な方だ。 3人は感謝しきりで何度も頭を下げ、お礼を言った。 [[目次へ戻る>「山百合会劇・衣装部買い出し編」]]

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