「山百合会劇・衣装部買い出し編ａｃｔ７」

山百合会劇・衣装部買い出し編ａｃｔ７

一ノ瀬 ひめ乃

「半額だなんて本当によかったのかしら」などと会話しつつ、
オーロラ姫用の生地を探して歩く。
「私はオーロラ姫の衣装だったらピンクを推しますね～」
「幼い感じですものね、オーロラ姫って。無邪気というか、天真爛漫というか」
主役格の生地には気合を入れて探してきたが、ここに来て少し行き詰まる３人。

別珍か、ベロアか、ジョーゼットか、シフォンを重ねるか。
レースはやはり経済の為に安価なラッセルレースだけれど。

「ひめ乃ちゃん一応デザイン画あるんでしょ？ちょっと見てもいいかな～」
「あ、一応自分が演じるって決まる前から考えていた物なので、
ちょっと恥ずかしいですが、
王妃様といい、やはりヴィクトリンとかロココとかそういう感じかなって思って
書いたんですけれど・・・」

リリアンの制服に身を包んだ３人の乙女が輪になってノートを眺めている。
少し異様な光景かもしれないが、こういう場合仕方がない。

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